コバヤシ
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イマワノキワというブログで、アニメの感想、TRPGのプレイレポートを書いております。 主にブログの更新通知をします。 https://lastbreath.hatenablog.com/
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 というわけで新たに明らかになった真実に深まる謎、危機だからこそ繋がる心と残酷な裏切りに、ガックンガックン揺さぶられまくるエピソードでした。
 情緒も情報も処理が大変な量詰め込まれているのだが、映像としての仕上がりとドラマの見せ方が上手くて、楽しすぎるから呑めてしまっている。
 これは物語として理想的な味付けなので、ホンマ凄いなぁと思っております。

 こっからメンバーを変えての三周目、人狼ゲームとしてもその外側にある大きな物語としても、新たな要素が顔を出すのでしょう。
 それを適切に受け取って、”グノーシア”とは何なのかを掴む、僕だけの最高のゲームを、次回もたっぷり楽しみたいです。
 さんざん孤独を癒やしてくれる温もりを手渡しておいて、冷たいグノ顔でジナが裏切ってくるに周目の終わりも良かったし、ここで「もう恋なんてコリゴリだよ~~」って気分の時に、新メンバーが早見沙織声で「お慕いしております!」とか飛び込んでくるのも最高。
 「俺が好きになりたい女がさぁ! みんなオレんこと殺そうとしてんだけど!!」って感じだが、予断は勝利を遠ざける最悪の毒なので、どんだけ心揺さぶられてても冷静に相手を見なければ…この子もカワイイわねぇ!
 謎のグレイも含めて、全員デザインとカラーリングめっちゃいいの、シンプルに”強い”よなこのお話…。
 疑念の鎧を可愛げで貫通できず、寂しそうにしているSQちゃんは大変チャーミングで、「なんで前回グノーシアだったんや…」という気持ちにもなった。
 動きの少ない会話劇に華を添えてくれるセクシー担当だからこそ、最初の敵を背負う衝撃は大きく、次なる周回で信じきれずに犠牲にしてしまう哀しみも深い。
 キャラの印象を最大限活用して、必要なだけのインパクトを適切に叩き込んでいるなぁと感じる。
 こうしてキャラのことが解ってきたタイミングで、参加メンツシャッフルして盤面ゆすぶってくだから、グノーシア運営はマスタリングが巧いと思います!(アナログゲーマーの意見Ⅱ)
 あいも変わらず小憎らしく賢いラキオや、役職変わってもチャーミングなSQちゃんなど、周回を経たからこそ解ってくることも多かった。
 荒唐無稽なループ構造は受け入れた上で、勝機となりうる”正解”を不合理と嘲笑うルキオのロジックマシーンっぷりは、俺は凄く好感だったな。
 こんだけ切れるオッカムの剃刀が盤面に残ってると、全滅が勝利条件の陣営としては厄介極まりなく、人好きのしねぇやつで良かったね! って感じ。
 …ラキオがグノーシアになった時、どういう運び方で進んでいくかは興味深い。
 「なんか気に食わねぇし」で吊られて、偶然初手勝利とか大いにありそ~。
 (画像は”グノーシア”第2話より引用)
 巧いなぁと思うのは、個人と交流する中で必要な分の背景世界情報が飛び込んできて、その個人を形作った世界の形もスムーズに飲めることだ。
 今回で言えば宇宙船にはメンテナンスが必要で、そこでは命を預け合う信頼が大事になるという、スペースエイジの倫理観が描かれていた。
 こういうモノを地獄の周回のなか、ほどよい塩梅で見ているものに積み上げていくと、異様な状況で生死を繰り返す物語を自分の近くに引き寄せ、かけがえない体験として受け入れやすくなるだろう。
 ここも一気にドバっと語られちゃあ噛み砕けないわけで、心動かされるイベントに交えて明かすことで、スッと頭に入ってくるんだからスゲェぜ。
 繰り返される人狼ゲームの外側、ループとグノーシアを巡る大きな謎がおぼろげな輪郭を見せてきた今、やっぱキャラクター個人の内面に踏み込み、絆を育んでいくのは大事になりそうだ。
 今回のジナとの触れ合いはその一歩目…とか思ってたら、綺麗に逆手にひねられ地面に叩きつけられたわけだが。
 でもそういう結果だけを引きずるんじゃなくて、そこで感じられた温もりを灯火に変えて、何もかも不鮮明な旅を進んでいくのが大事なんだろう。
 人狼ゲームのルールだけでなく、物語全体が何を目指しているかも適切な情報量で明かされてる感じで、大変話に乗っかりやすい。
 ここら辺の押し引きの上手さ、めっちゃクレバーだぜ…。
 ゲームの手順がだいたい見えてきた段階で、こうして個別の交流が挟まれるのはタイミングもいいし、揺らぐ心に渡りに船、思わず乗っかってしまう足場だった。
 だからこそハメられた時の衝撃もデカいわけだが、んじゃあそれだけが残酷なループの真実なのか。
 次回人間としてジナが顔を見せた時、今回との差異をよく観察して彼女のことを知らないと、ゲーム全体のルールも見えてはこない。
 死と因果を乗り越えてゲームを繰り返す中で、そういう人間の柔らかい所を感じ取る感性も保っていかなきゃいけないのは、なかなかシビアな旅だなぁと思う。
 そこをこそ、グノーシアもついてくるしな…。
 宇宙船という閉鎖空間、誰も信じられない疑心暗鬼に閉ざされた状態なので、ジナが手渡してきた船外作業を通じての交流は、凄く自然と心に染みる。
 そういう「”効く”手札を切ってくる賢さが、グノーシアにはある」と示すためのセッティングでもあるのだが、果たしてこれがグノーシアではない素のジナもやってくれることなのか、あるいはチョロい記憶喪失者を釣るための嘘でしかないのか。
 ここにも確証が持てない状況なの、めっちゃ上手いなぁと思う。
 全部が全部ウソだとあんまりにもやるせないし、グノーシア化しても構成要素は変貌前そのままのほうが、本命の嘘を隠しきれる感じもあるしなぁ…。
 というわけで運命の第二周回は、頼れる相棒がソッコーで吊られ、涼しい顔でグイグイ来る女の子にグラグラ揺すぶられてスタート。
 何もかもがよく解んねぇのに死ぬほど過酷な状況で、どんだけユーリと視聴者がセツを頼りにしているのかよく解った上で、最初の犠牲者に選ぶ運びが本当に巧いなと思う。
 「誰も信じるな」という遺言が効いてくるのは三周目以降であり、二周目は土台グズグズにされた心の赴くまま、甘い夢を見させてくれるヒロインにズッポリ依存だぜ!
 …悪手だとは思うが、痛いほどに心は判る。
 出てくる子、みんな可愛いもんな~殺してくるけどさぁ!
 (画像は”グノーシア”第2話より引用)
 一回こっきりだと敵/味方、生きる/死ぬが重たくなりすぎて、キャラに張り付いて揺るがせない枷にもなりそうだが、何しろ地獄めいた周回を約束されたループ構造なので、あくまでゲームの中の生死・敵味方はその回だけのものだ。
 同時に与えられた条件の中での勝敗はシビアでリアルなものであり、やり直しのチャンスがあるからって一回一回のゲームを、テキトーに…それこそ「ゲーム感覚」でやってもいけないわけだが。
 この難しいバランスは、ユーリの心情を的確に描き切る演出の上手さに支えられて、大変いい感じで駆動していると思う。
 惨劇を繰り返した先に、どんな答えが待っているのか。
 今、メッチャ見届けたいもんな。
 やっぱ一回一回の人狼ゲームのヤバさや重さをしっかり演出しつつ、それを繰り返して突破するべき不鮮明で大きなフレームを、外部にちゃんと置いてあるのが強いなと感じる。
 ゲームが続く限り抜け出すことを許されない、疑心暗鬼と殺戮の檻。
 でも旅は本来皆で力を合わせ、新たな新天地を目指すポジティブなもののはずだ。
 本当は信じたい相手を信じられない、この異常状況をぶち壊して、敵も味方も定かじゃない相手の素性や思いを知り、共に未来へと進み出していく。
 そういう大きなゴールに進んでみたいと思わせる、悲惨の奥の希望をちゃんと感じられるのはとても良い。
 「ゲーム」として理不尽を廃し明確なルールのもと、コールドスリープや見えない場所での襲撃という形に希薄化された死を繰り返す。
 ともすれば生きたり死んだりが軽くなってしまいそうなんだが、サラリと吊るされていく人たちの人間味が上手く効いて、殺し殺されが作業に堕してないのは良いことだと思う。
 敵であるはずのグノーシアですら、知略を尽くしてこちらを騙し、どうにか勝利を引き寄せようとする「人間味」を有していてる。
 誰も信じられない極限状態、不安と恐怖が激しく明滅しつつ、だからこそ人が生きる意味がループの中で浮かび上がってくるのは、凄く巧い状況設定だと思う。
 だからこそセツの遺言は「誰も信じるな」だったと思うけど、宇宙人狼が一人一票公平に分け与えられて、結論を覆すことが出来ない極めて民主的なゲームである以上、孤立は一番わかり易い敗着になる。
 信頼という名前の依存を廃しつつ、敵味方が移り変わる局面で本当に信じられるものは何か、運命の激流に弄ばれながら見つけていかなきゃ、今後もユーリの黒星は増えていくだろう。
 幸い記憶は持ち越せるわけで、今回みたいに信じて痛い目見たり、逆に疑いすぎて間違えたりって経験を、より善い結末を引き寄せるための武器に変えていく旅が、今後待ってる感じかな?
 …それってこの残酷なゲームに、ヒューマニティを足す大事な一手だな。
 こうやって役割や盤面が変わってくると、キャラクターは第一印象を越えた一面を見せてくれる。
 これをループの中で積み重ねて、相手に応じた戦い方を見いだせるのが、現状過酷な運命に翻弄さればっかな主役の強みかなぁ、と思う。
 それを知るためにも個人的な交流を深めると、逆手に取られてチョロく操られ、最後に裏切られる可能性も見せられたけどさぁ!
 グノーシア状態の時に、個人が開示した価値観や心象ってのが、どんだけ信用できるものなのかも計っていかなきゃいけないの、なかなか面白い制約だな。
 観察と直観で嘘を見抜く能力がどんだけあるかが、宇宙人狼においてもより大きなゲームにおいても、大事になりそう。
 正論魔人すぎていらない反感を買ってるラキオが、ループの可能性すら素直に飲み込める公平な人だと解って、直後に即噛まれたのは面白かった。
 情を操り可愛げで殺してくる感情のゲームは、相反する目的とお互いを脱落させうる力を抱えたシビアなせめぎあいでもあって、卓越した理性であらゆる可能性を呑めてしまえるラキオは、グノーシア側には厄介な存在だ。
 持ち前の可愛げのなさで自滅してくれるなら助かるが、人数が減ってきて論理で詰める局面になると、凄い切れ味を発揮してくると思う。
 なのでユーリに引っ付いてその資質を見たジナが、ソッコー噛みに行くのは納得なんだよな…。
 この寄る辺なさを思わず、可愛い女の子たち(汎性含む)に預けたくもなるわけだが、一番安心できるセツはいの一番に吊るされ、その心の隙間にスルッと滑り込んできた儚げ女はグノーシアで、ユーリは綺麗に転がされてしまった。
 誰が敵かも解らない極限状況、息苦しい宇宙船から抜け出して、心のふれあいを手渡してくれる相手を信頼したくもなる人間心理を、グノーシアはよく解ってこっちを操ってくる。
 ここら辺の機微を抑えた上で、証言の論理矛盾を拾い上げて情勢を読み解き、対面の心理的傾向性も踏まえて投票をリードしていかなきゃいけないんだから、なかなかに難しいゲームだな…。
 そもそも開幕二連敗のこの状況、宇宙人狼に勝つか負けるかに視聴者の目線が固定されてる感じがあるけど、もっと大きなフレームが多数用意されてる気がする。
 なんでループしているかとか、記憶喪失の真相とか、そもそもグノーシアとはどういう現象なのかとか。
 そういう様々な謎に、このサバイバルがどう関わっていて、真の勝利条件がどこにあるのかを探っていくのが、ゲームに慣れてきたら明かされる気はする。
 そのためにはまず眼の前のゲームの勝ち方を学ぶ必要があって、しかしそういう冷徹な視点で取り回すには、疑心暗鬼に振り回される孤独な旅は安らぎがなさすぎる。
 み、味方は誰なんだッ!(周回ごと可変です)
 二周目は一周目とメンバー同じ、役職もグノーシアと人間だけのシンプルな盤面だったが、ループしてるからこその先入観に足を引っ張られて、ユーリは負けてしまった。
 論理マシーンであるがゆえにソッコー吊られがちなラキオも含めて、宇宙人狼は真実が解ってたら、それだけで勝てるテストではないのだ。
 ならばどこに勝ち筋があるかを、今後周回を重ねる中で見切っていく感じだと思うが、ラストに示されたのは未知のメンバー追加の新展開…なかなか楽をさせてくれない。
 ジェットコースターめいた速さと、そこで確かに納得したり見つけたりするものがある手応えが、同居しながらゴロゴロ話が転がっていくのが面白い。
 第一話を見て答えを知ってる僕らの心境と情報に、ユーリの立ち回りが綺麗にシンクロしているのが上手くて、彼が感じる疑心や驚き、不安や依存に素直に入り込める感じだった。
 このダイレクトな没入感に助けられて、ドンドン複雑になっていく宇宙人狼の難しさと面白さも自然と這入ってきて、ドンドン引っ張り込まれていく。
 「議論を目的の方向に誘導するには、事実を知っているだけでも論理的なだけでもダメ」とか、「手持ちの情報を絶対視して、足元を掬われることは日常茶飯事」みたいな、グノーシアTipsもスルスル飲み込めてしまう。
 メチャクチャ上手く、ゲームをアニメに翻案してくれてる感じだ。
 繰り返される惨劇は、万華鏡のごとく色を変えていく。
 ”答え”を握っていることが誤りの種にすらなる、地獄の論理ゲーム本格開幕を告げる、グノーシア第2話である。

 前回27分一本繋ぎでゲームの基本ルールを説明した後、周回後はメンバーが担う役割が変化し、議論の進展によって吊るされるキャラも変わり、おまけにグノーシアは人間の弱みに漬け込めるだけ漬け込んで勝ちを狙ってくるという、シビアな追加ルールが明かされた。
 情報量は結構多いのだが、ヴィヴィッドな画作りと漂う緊張感、そこにふわっと訪れる安らぎの緩急が大変上手くて、素直に食べれてしまった。
 このGM、インスト巧いな…(アナログゲーマーの感想)
 まだまだコロンに翻弄される展開からは、このシチュエーションから絞り出せるだけ、物語の出汁をドップリ食べ尽くそうって気概も感じるわけですが。
 実際猫飯店組が登場してから、作品全体が華やかにイキイキしてきてて、お話が覚醒している勢いがエピソードに宿ってると思います。

 健気なしおらしさを見せてきたシャンプー、気さくに助けてくれるあかねのありがたみ。
 ヒロインたちの魅力もバリバリ輝く中で、必死に修行に励むらんまのことも、ドンドン好きになれるのは、いい話運びだなぁと思います。
 そういう原作の強さを、良く動かしてるアニメだって話よね。
 次回も楽しみ!
 というわけで、二度追いつき追い抜いたと思ったら、師匠の大きな背中にぶん投げられ続ける愉快な修行回でした。
 こんだけ必死に追いすがっても底が見えない、コロンの強キャラとしての描き方に感心しつつ、額に汗して必死に追いすがることで乱馬の魅力が増しているのが、なかなか面白い。
 この泥臭さが、あかねと自然と一緒に歩けてる関係の変化を助けてもいて、キャラとドラマに必要な変化や圧力をしっかり用意して、巧みにコントロールするのは大事だなぁ、とつくづく思う。
 男乱馬に戻れない状況を最大限活かして、女らんまのポテンシャルを視聴者に見せつけている展開…って感じでもあるわな。
 格闘が持つ荒々しさがナヨナヨした水気を上手く抜いて、女所帯がカラッと仕上がっているのも良い。
 普段は素直になれない乱馬くんの意固地も、巧いこと鳴りを潜めて結構素直で、状況限定ながらとても良い空気が女たちを繋いでくれている。
 まぁ話の都合で解体されてしまう空気でもあるのだが、必要ならばまた珍妙な道具なり秘技なりで状況作り直して、ドンドン面白い展開を作り直せるのもハチャメチャコメディの強みである。
 ここら辺、未だ神秘の色合いを残していた「中華」つうモチーフが、話の都合の良いテキトーを持ってくる大きな助けになってくれてる感じもあるな。