萌木のおやじ
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萌木のおやじ
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「きみはテレビのニュースを見ないのか?最近じゃ、理屈なんか通用しなくなっているんだぜ。この世界は気ちがいでいっぱいなんだ」 by ディーン·R·クーンツ「ファンハウス」風間賢二訳
「このぶんではぜったいに二日酔いだ。胃が少しむかついていた。だんだんこの吐き気はひどくなるだろう。こめかみの鈍い痛みはそのうち耐えがたい頭痛に変わるはずだ。さらにひどい気分になるまえに、早いところ迎え酒を飲んでおいたほうがよさそうだ。たっぷりと。もうお馴染みのあのグラスに五、六杯。透明なボトルのなかの酒。ジャガイモから作った酒。ウォッカはたしかジャガイモから作るはずよね?(中略)ポテトジュースであっというまに気分は上々。柔らかいふかふかローブをするりとはおるようにあっというまに。」 by ディーン·R·クーンツ「ファンハウス」風間賢二訳
「そう、アスパラガスだ。結婚して六年、あいつはおれのアスパラガス嫌いを知ってるくせに相変らずアスパラガス料理を出しつづける。アスパラガスが嫌いなことを知ってるくせに、なんでいつもアスパラガスなんだってきくと、体にいいからだと答える。体にいいかどうか知らないが、おれはアスパラガスの味が嫌いなんだっていうと、あいつがなんて答えたと思う?」 by エド·マクベイン「ドライビング・レッスン」永井淳訳
「その三か月間、彼女が夫と顔を合わせる時間は一日にたぶん五、六時間しかなかった。これでは結婚生活がうまくゆくはずがないことに、彼女は今になって気がついたが、最初からそんなことを考える人間なんているだろうか?あの二人は深く愛しあっている、とだれもがいっていた。」 by エド·マクベイン「ドライビング・レッスン」永井淳訳
「あの女性は秋のそよ風に赤いコートの前をひらひらさせ、同色の赤いハンドバッグを手にし、コートの下はブルーのジャケットと白のブラウスといった服装で、なにか大事な考えごとをしているようにうつむきながら教会の階段をおりてきた。彼女のまわりじゅうで木の葉が散っていた。天国から降ってくるコイン、とテッシーがよくいっていたものだった。」 by エド·マクベイン「ドライビング・レッスン」永井淳訳
「私たちは変容生物よ。所属するコミュニティに合わせて、模倣して、伝染して、変容するの。あなたが私に世界を伝染させてくれなかったら、私だけが取り残されてしまう」 by 村田沙耶香「変容」
「エクスタシー五十川は今どうしているだろうか。少数派になってしまった彼女は、エクスタシーを捨てただろうか。この世界の、どこか人に見えない場所で、こっそりとエクスタシーを営みながら暮らしているのかもしれない。」 by 村田沙耶香「変容」
「そうかなあ。なんか、怖くない?怒りって、大切な感情じゃない。そりゃあ、喧嘩になったり怒鳴りあったりするのは冷静じゃないかもしれないけど、でも、怒りって、それだけじゃないでしょ?もっと、本当の自分がめらめら燃えているような、そういうパワーのある、美しい気持ちじゃない。自分自身にとって大切なものを守ろうっていう、素晴らしい感情じゃない。悲しい、だけじゃカバーできないことがたくさんあるんじゃないかな。ねえ、教えてあげなくていいのかな?」 by 村田沙耶香「変容」
「性別をいくら奪われても、私たちは恋をする。恋は性別の中にあるわけじゃないからだ。」 by 村田沙耶香「無性教室」
「それは不思議な植物のようでもあり、水族館で見た深海生物のようでもあり、露出した臓器のような生々しさもあり、淡い桃色の部分は生まれたての赤ん坊の臍の緒のようでもあった。それは、私が想像していたよりもずっと美しい、不思議な物体だった。」 by 村田沙耶香「無性教室」
「初恋はどうすれば消滅するのだろう。」 by 村田沙耶香「秘密の花園」
「早川くんは私の少女漫画であり、私のエロ本でもあった。」 by 村田沙耶香「秘密の花園」
「この男のこういうところが私はとても嫌いだった。好き勝手したあげく、最終的には同情をかって誤魔化そうとするのだ。泣きじゃくりながら、自分の都合のいいほうへ話を持っていこうとする。」 by 村田沙耶香「丸の内魔法少女ミラクリーナ」
「レイコにとって、支えるって、捌け口にされるってことなの?フェアな話し合いもできない相手を支えようとしてもボロボロになるだけだよ。一緒にいたら彼はどんどんエスカレートしていくだけだと思う」 by 村田沙耶香「丸の内魔法少女ミラクリーナ」
「一味が通りで待ち構えていたら、おれはうまく対処できるだろうか?今でさえ既に、呼吸が浅く速くなり、自分を落ち着かせるために時折、意識してゆっくりと息を吸い込み、吐かなくてはならなかった。そして彼は自らに問いかけ続けた。これは果して命を賭けるだけの価値のあることなのだろうか?」 by エルモア·レナード「三時十分発ユマ行き」村上春樹訳
「それほど昔のことではないが、私はベンソンから来た男と話をした。彼の話によれば、当地では今、フランク・ブレイデンと、彼が愛ゆえに拐かした女性についての唄が歌われているらしい。あなたもきっとその唄が気に入るだろう、と彼は言った。ジョン・ラッセルについての唄は歌われていないのかと私は尋ねた。ジョン・ラッセルって誰ですかと彼は言った。」 by エルモア·レナード「オンブレ」村上春樹訳
「まず見定めるべきは、相手が命をかけてまでそれを手に入れようとしているかどうかだ」 by エルモア·レナード「オンブレ」村上春樹訳
「作家はそれぞれ特定の単語や言い回し、あるいは筋書きや題材を好む。画家はそれぞれ特定の色や対象や技法を好む。そして作曲家はそれぞれ特徴的なリズムやフレーズやキーを好む。(中略)その作品がバッハのものかどうかをある確率で判断できるプログラムを作るのは、あるいは可能かもしれない。もしかしたら、シェークスピアやヴァン・ゴッホの作品でさえ、うまくいくかもしれない。(中略)機械を逆回しして、ある作者のものにそっくりな新たな作品を作るのも可能になるはずだ。」 by ジョージ·ジョンソン「量子コンピュータとは何か」水谷淳訳
「複雑に絡み合った法体系は、何百年以上にもわたって肥大化し続けてきた。矛盾や不一致は、プログラムのバグと同じで避けようがない。裁判や国会審議といった絶え間ないベータ・テストによって多くの条項は削除されてきたが、その分新しい条項が次々と導入されている。」 by ジョージ·ジョンソン「量子コンピュータとは何か」水谷淳訳
「量子版ノートパソコンは、確かに夢物語かもしれない。しかし数百人の手で操作する体育館サイズの巨大量子コンピュータが実現しただけでも、これまで解けなかった問題が解決し、破られることのなかった暗号が解読できるようになる。そして科学の世界に大革命が起こるはずだ。たとえその装置に一〇億ドルが費やされたとしても、ライバルの国が突然強力な計算能力を手にする可能性を考えれば安いものだ。」 by ジョージ·ジョンソン「量子コンピュータとは何か」水谷淳訳
「古典的コンピュータの設計者が、毎秒何十億回と繰り返される計算の履歴をすべて保存しようと思わないのには、れっきとした理由がある。必要なくなった大量のゴミ情報を保存するには、余分な回路が必要になる。そしてそれには対価がかかる。」 by ジョージ·ジョンソン「量子コンピュータとは何か」水谷淳訳
「人間の使う単語はすべて、互いが互いを定義しあって巨大なネットワークを形づくっている。」 by ジョージ·ジョンソン「量子コンピュータとは何か」水谷淳訳
「せっかくこうしたアルゴリズムを考案しても、肝心の量子コンピュータがなければ、せいぜい神を信じるのと同じような抽象的行為にしかならない。」 by ジョージ·ジョンソン「量子コンピュータとは何か」水谷淳訳
「原子の世界では二つが共存しうるということを理解するには、人間の視野の狭さを自覚する必要がある。宇宙は、われわれがどんな法則を信じているかなど気にしてはいない。原子や電子や陽子も必ず二つの状態のどちらか一方にあるはずだという人間の直感は、極小の世界を知らない生き物の持つ偏見にすぎない。われわれはマクロの世界の常識によって目をふさがれているのだ。」 by ジョージ·ジョンソン「量子コンピュータとは何か」水谷淳訳
「量子力学は、暗室で行なう小細工でもなければ、仮想世界の話でもない。実際に原子は同時に二つの状態を取る。信じられないが真実だ。量子力学の登場以来何十年も、物理学者や哲学者はその意味について議論を続けてきた。この先もずっと議論は続くだろう。単に慣れる以外に方法はない。ありのまま受け入れて、先に進むしかないのだ。」 by ジョージ·ジョンソン「量子コンピュータとは何か」水谷淳訳