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読んだ本を記録します。

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『日曜日の文芸クラブ』小手鞠るい

児童向けの新刊コーナーに文章の書き方指南書があったので読んでみる。
日記や感想文の書き方のヒントがもらえて参考になった。
例として引用されていた生徒さんの作品がとても面白く、才能とはこういうことかと唸る。
デビューしたら最後まで読ませてほしい。
こういった小説講座などに通ってみたいと思うけれど、田舎で趣味にするにはハードルが高いと感じてしまう。
若いうちに学んでおきたかったが、やりたいと思うのは大人になってからなので仕方ない。

#読了 #読書ノート #青空読書部
October 31, 2025 at 8:41 AM
『悪魔情報』城戸 

ずっと書籍化を望んでいた悪魔情報シリーズが遂に発売されたので購入。
掲載されなかった話もあるけれどその分書き下ろしが多かったので満足。
好きな記事の後日譚が描かれていたり、話ごとに独立していると思われた世界観が繋がったりと、新たな発見があり面白かった。
『お前らの人生最大の恐怖体験を聞かせろ』は記事のときから要考察の話だったけれど、本になっても明確な答えは提示されず。
考察班にぜひ読んでもらいたい。

#読了 #読書 #青空読書部
October 17, 2025 at 4:54 AM
『さみしい夜にはペンを持て』古賀史健

その日の出来事を羅列するだけの、なんの面白みもない日記を10年以上続けている自分は逆にすごいのかもしれないと思った。
とはいえせっかく続けるなら成長を伴ったほうがいいに決まっているので、この本に書かれていることを参考に少しずつ面白い日記に変えていきたい。
印象的な一場面だけを切り取って詳細に書くことが推奨されているのはわかっているのだけれど、どうしても全ての出来事を取りこぼさずに記しておきたくなってしまう。
未来の自分という読者に楽しんでもらえる内容にするのは案外ハードルが高い。

#読了 #青空読書部 #読書ノート
October 10, 2025 at 5:08 AM
『本が読めない33歳が国語の教科書を読む』かまど・みくのしん

国語の教科書の表紙がザラザラした質感だったことも、表紙と1ページ目の間に糊付けされた空間があったことも、私はすっかり忘れてしまっていた。
授業についていけなかったが故のミクロな視点なのかもしれないけれど、そういった記憶がすぐに取り出せるところにあるみくのしんさんの感性を羨ましく思う。
今回の読書も、もうみくのしんさん自身が小説を書けるだろうと思うほど美しい比喩表現がぽんぽん飛び出していて、世界の見え方や切り取り方が常人とはそもそも違うのだろうと感じた。
そしてかまどさんのあとがきに涙。

#読了 #青空読書部 #読書ノート
September 7, 2025 at 12:08 PM
『オモコロチャンネル完全読本』Quick Japan SPECIAL

読書と言っていいものか迷うけれど、インタビューが琴線に触れたので記しておきたかった。
私は原宿さんの鬼才や考え方を敬愛している。
それと同時に座談会で明かされる激ヤバエピソードを目にし、画面の向こうの人間を聖人視しすぎるのはよくないということを改めて自戒させてもらった。
完璧な人間など存在しないし誰しも悪い部分がある事実を受け止めた上で、欠損ごと愛せるのがやはり理想か。
そしてBHBをつくづく羨ましい環境だと思う。
こんな会社が存在していること自体が現代社会の救いのようにも感じる。

#読了 #青空読書部 #読書ノート
August 25, 2025 at 4:44 AM
『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』下村敦史

“物語の中は少し昔かあるいは近未来”と無意識に思っている節があったので、自分が今まさに生きている現代が舞台になっているのが新鮮だった。
SNS社会の問題点が皮肉たっぷりに描かれていたが、大衆の制御不能さは普遍的なものでもあるよなあと思う。
登場人物たちがやたら例え話を用いたり情報を引用しながら説明口調で話すのが気になったが、最後まで読むとそういうことかと納得できた。
読み終えたあと「あのシーンは“どっち”だった?」と気になり、読み返したくなること必至。

#読了 #読書 #青空読書部
July 10, 2025 at 4:42 AM
『しあわせの書―迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術―』泡坂妻夫

“何も事前情報を入れずに読んだほうがいい本”として紹介されていたので、あらすじもレビューも目に入れないよう気をつけながら読み始めた。
これから読む人はこの感想すら見ないでほしい。
どんな仕掛けが隠されているのかドキドキしながら読み進めたが、なるほど確かにド肝を抜かれた。
ストーリー的などんでん返しではなく物理的な驚きが隠されているのだろうと予測してはいたけれど、そのトリックは思いもよらないものだった。作者の労力を思うと頭が下がる。
内容としてはカルト宗教モノのミステリーで、いたってシンプルに楽しめた。

#読了 #読書 #青空読書部
June 15, 2025 at 1:57 AM
『博士の愛した数式』小川洋子

学生のうちに読んでおけばもう少し数学の成績が良くなっただろうか、と思った。
数学の美しさを文学で表現している凄さ。数字に苦手意識がある人間でも数学の見え方や捉え方が変わる。
80分しか記憶がもたない博士が「新しい家政婦さん」というメモを書いていたことがわかる場面に一番グッときた。
ラストシーンも静寂が伝わってくるかのような美しい筆致で、読み終えた瞬間に鳥肌が立った。
そして二次創作などで散々見てきた“一定時間しか記憶がもたない”系作品のインスパイア元はこの作品だったのか、という妙な気付きも得た。

#読了 #青空読書部 #読書ノート
May 26, 2025 at 4:22 AM
『カラフル』森絵都

これも子供のうちに読んでおきたかったと思う本だった。
大人になった今読むと、最初に聞かされる父親の話もそんなに嫌悪するようなことだろうかと思ってしまうし、母親の心情吐露も痛いほど理解できてしまった。
しかしながら、“人生は魂のホームステイ先”という考え方は今の自分にも取り入れたい。
他人事のように自分の人生を生きてみるのは、よりよく生きるコツだと感じた。

#読了 #青空読書部 #読書ノート
May 12, 2025 at 5:01 AM
『かがみの孤城』辻村深月

分厚い本なので読み終えるまでに時間がかかりそうだと思っていたのに、面白すぎて過去最短で読み終えた。
序盤はフラストレーションの溜まる展開にもどかしく思うことも多いけれど、読み進めていくと登場人物たちが皆愛おしくなる。
終盤は思わず涙が溢れ、エピローグの追撃でボロボロ泣かされてしまった。
そして読み終えた途端にもう一度読み返したくなる。これは購入して自宅の本棚に並べたいと思う本だった。
伊田先生のことだけは最後まで許せなかったな。陽キャ大学生が社会経験を積まずにそのまま教師になるとこうなってしまうという偏見がある。

#読了 #青空読書部 #読書ノート
April 5, 2025 at 10:26 AM
『アクロイド殺し』アガサ・クリスティー

地元の図書館に児童書版しかなかったので他のお子さんに申し訳なく思いつつもお借りする。とても読みやすく、また利用するかもしれない。
アガサは様々なミステリートリックの祖だと聞いていたため、もしかしてこいつが犯人か?と予想がついてしまった。
全人類児童のうちにアガサ作品に触れておくべきなのだろう。
主人公の姉が登場する度にイライラしてしまった。噂好きで口の軽い人間がどうにも苦手だ。
犯人に自殺教唆する探偵など今の倫理観からするととんでもなくて驚く。コナンくん激怒案件だなと思うなどした。

#読了 #読書 #青空読書部
March 23, 2025 at 3:48 AM
『変な絵』雨穴

文庫版が出たので購入。評判通り面白かったし普通に怖かった。
一見別々の話に思える短編が少しずつ繋がっていく構成はゾクゾクする。
佐々木先輩のことを慕う栗原さんに案外かわいいところもあるじゃんと思った。
岩田のことを考えると一番つらい。山頂で真実に気付いた瞬間は読んでいるこちらのほうがゾッとしたし、「おいお前呑気に寝とる場合か……!?」と突っ込んでしまった。
そして雨穴さんはどれだけ“母親”という存在に恨み(あるいは畏怖)があるのだろうかと毎回思う。文庫版の書き下ろし部分で更にその思いが強くなった。最後まで嫌な気持ちにさせることに余念が無い。

#読了 #読書 #青空読書部
March 3, 2025 at 5:31 AM
『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス

終盤の太文字で書かれた1行から加速度的に面白くなっていくのを感じた。
どんでん返し小説を読んでいるときのような高揚感があり、本を読む手が止まらなかった。
知能を得ると優しさを失い、知能を失うと優しさを得るというのは皮肉な話だと思う。
道化として人から愛されるのと、天才として畏怖されるのとではどちらが幸せだろうか。
チャーリーの経験は人間が老いていく過程を数年間にギュッと濃縮したようなものにも思える。
認知症が進行しきってしまうと別の人間のようになるのは、幼い頃の自分と入れ替わっているのかもしれない。

#読了 #青空読書部 #読書ノート
February 3, 2025 at 5:51 AM
『方舟』夕木春央

話題の本なのでネタバレを踏む前に読んでおきたいなと。
色々と飛躍した想像を膨らませながら読み進めたが、オチは至ってシンプル。なのに全く想像がつかなかった。
「あのときああしれいれば」という後悔は常日頃付き纏うけれど、それの人生最大版を突きつけられた感じ。
主人公に感情移入をしていたらキツいかもしれないが、今後の日常生活でちょっとした後悔が生まれたとしても「アレよりはマシ」と思えるよすがになりそう。
しかしこういったミステリーを読んでいると、犯人の手際のよさや思い切りのよさには感心するばかり。自分ならミスを連発するだろうなと考えてしまう。

#読了 #青空読書部 #読書ノート
January 6, 2025 at 7:41 AM
『カラスの親指』道尾秀介

道尾秀介作品の中で一番取っ付きやすいと聞いたので読んでみた。確かにハラハラはするけど殺人などの怖い描写はないし、文章がとにかくするすると入ってきて読みやすかった。
どんでん返しの名手とお聞きしていたのでどんなふうにひっくり返されるんだろうかと想像を膨らませていたけど、いや~これは予想できない。THE・エンタメ!という感じのわくわくする読後感だった。
最後まで読むとタイトルも章タイトルの付け方も捉え方が変わってくる。
すぐに最初から読み直したくなったけれど図書館の返却期限ギリギリだったので泣く泣くお返ししてきた。
続編も気になる。

#読了 #読書 #青空読書部
December 23, 2024 at 3:36 AM
『容疑者Xの献身』東野圭吾

とんでもない作品を読んでしまった、というのが真っ先に浮かんだ感想。
ラスト2ページでぼたぼたと涙が零れ、読後にタイトルの重みがずっしりとのしかかってきた。
最初に自首していればこんなことには……という、ミステリーを読むにあたって元も子もないことを考えてしまう。
無償の愛というのは受け取る側もよっぽど肝が据わっているか或いは悪人でないと、いずれ器が壊れてしまうものなのだろう。
振り返ってみると全ての描写に意味があったことに気が付き、文章の無駄のなさに感嘆する。
実写映画も評価が高いようなので機会があれば見てみたい。

2024/11/24 読了
#読書 #青空読書部
December 19, 2024 at 5:26 AM
『消滅世界』村田沙耶香

人工授精で子を儲けることが当たり前になり、家族は作っても作らなくてもいいし、恋もしてもしなくてもいいという世界観。ディストピア小説だと呼ばれているようだが、私の目には非常に魅力的に映った。この世界でなら自分も子を持ちたいと思う。男女で番うことが推奨されている現実社会を“赤い部屋”のように感じている節がある。
人は自分の所属している世界を“正常”と思い、それ以外の人を“洗脳されている”と嘲笑する生き物なのだろう。本当は洗脳の種類が違うだけで、その時代に合った発狂をする人が多数派になっているだけなのだと心に留めておきたい。

2024/11/9 読了
#読書 #読書ノート
December 19, 2024 at 5:19 AM
『じい散歩』藤野千夜

大正生まれの元気なお爺さんが主人公。
50歳前後になる息子たちは、上から引きこもり/セクシャルマイノリティ/浪費家ときて全員独身子無し。足して3で割ったら私になるのでは?と思い、この本を手に取った。
認知症気味の妻の言動には読んでいるこちらがイライラしてしまい、私には介護は無理だと思わされる。
世間からは問題だらけの家族と言われるかもしれないが、どこの家庭も大なり小なり歪みを抱えているのが実態だと考えると少しホッとする面も。
我が家もたいてい変だし、紋切り型の“家族”の役割をこなしている家庭のほうが少数な気がする。

2024/10/22 読了
#読書 #読書ノート
December 19, 2024 at 5:12 AM
『なるべく働きたくない人のためのお金の話』大原扁理

大原さんの著書はいくつか読んだことがあるため重複する内容もあったけれど、今回は精神面で学べる部分が多かった。
社会の常識から外れて生きるにはちょっとやそっとじゃ揺るがない自分の軸が必要だと感じる。どれだけ働かされてツラくとも、世間一般の“普通”に流されて生きるほうがラクだという人は多いだろうから。
逆に私はというと物理的にも精神的にも閉じこもりすぎているので、適切に社会と関わる生き方を模索していきたい。

2024/9/22 読了
#読書 #青空読書部 #読書ノート
December 19, 2024 at 5:10 AM
『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』かまど・みくのしん

元々のブログ記事を何度も読み返してはその度にもらい泣きするくらい大好きな企画なので購入。
やはりみくのしんさんの瑞々しい感性と、一文一文を丁寧に咀嚼していく読書には脱帽する。
各作品で涙したし、楽しすぎて読み終わりたくないとすら思った。
また、雨穴さんの書き下ろし作品では、みくのしんさんの読書を羨んだり劣等感を覚える読者の気持ちまでもを掬い上げていて流石だなと思う。
かまどさんの後書きにもぐっときた。みくのしんさんにはまだまだたくさんの本を読んでほしいと私も願っている。

2024/8/29 読了
#読書 #読書ノート
December 19, 2024 at 5:00 AM
『みどりいせき』大田ステファニー歓人

受賞スピーチを聞いて「令和の文豪はこうでなくちゃ辻褄が合わないよな」と腑に落ち、読んでみたかった作品。
最初は一文に詰め込まれた文字量に圧倒され、出てくる若者言葉や固有名詞をスマホで調べるのに時間を取られたが、慣れてしまえばバイブスが合ってくる。独特の文体に気を取られがちだが、幅広い知識や教養、語彙力に驚かされた。
主人公たちは未熟な子供だが、大人より余程まともな感性で生きているのかもしれない。とはいえイリーガルな手段で得た居場所やラブアンドピースはいつか終わりがくる、という落としどころが絶妙だった。

2024/8/23 読了
#読書 #読書ノート
December 19, 2024 at 4:48 AM
『西の魔女が死んだ』梨木香歩

主人公くらいの子供がいてもおかしくない年齢になっても、私はいつまでも主人公に感情移入してしまう。
それでいて「早寝早起きをし、食事をしっかりとり、よく運動し、規則正しい生活をする」ことの大切さは歳をとった今だからこそ実感できるなと思った。
自分で見ようとしたもの・聞こうとしたもの以外をシャットアウトする訓練は、現代のSNS社会にこそ必要だと感じる。
“感覚を鈍麻させ、外部からの刺激にいちいち反応しない”という教えが30年前の作品で既に説かれていることに驚く。きっと人間の普遍的な悩みなのだろう。

2024/7/27 読了
#読書 #青空読書部 #読書ノート
December 19, 2024 at 4:32 AM
『キリンに雷が落ちてどうする 少し考える日々』品田遊

日々頭の中に蓄積していくモヤモヤを自分もこうやって上手く言語化できたらいいのにと思った。
毎日継続して何かしらの文章が書ける人を尊敬する。
「元号」の話はもはやSF小説として面白かったので、これだけで作品になっていてもおかしくないと感じた。

2024/7/5 読了
#読書 #青空読書部 #読書ノート
December 19, 2024 at 4:27 AM
『おらおらでひとりいぐも』若竹千佐子

作者が55歳から小説講座に通い始め63歳で執筆した作品と知り、ずっと読んでみたかった本。
主人公が老後の孤独と折り合いをつけたり、さみしさと戦ったり、死を待つ腹を決める心情に共感を覚えた。
死や孤独と向き合おうとするとき、人間には非科学的な見えない世界(≒宗教)が必要になってくるのかもしれないと考える。
それでいて、子や孫に自分のルーツが受け継がれていくことが救済になるのだなと、ラストシーンにはほろりときた。羨ましくもなった。
生涯独身でいるつもりの自分は、自分なりに答えを見つけていかなければならない。

2024/6/7 読了
#読書 #読書ノート
December 19, 2024 at 4:14 AM
『ジャンル特化型 ホラーの扉』株式会社闇(澤村伊智、芦花公園、平山夢明、雨穴、五味弘文、瀬名秀明、田中俊行、梨)

まず前提として私はホラーが苦手だ。
でもこの本は各短編作品のあとに「このジャンルはどのような理屈で怖いのか」という解説がなされているので、先にそちらに目を通してから物語を読むことにした。
解説を頭に入れてしまえば「この作品はこういう技法で恐怖心を煽っているのか」と分析しながら物語を読むことができるので、普段よりも怖さを和らげることができた。
他のホラー作品を見る際にも適用できそうだし、非常に勉強になる一冊だった。

2024/5/25 読了
#読書 #青空読書部 #読書ノート
December 19, 2024 at 4:11 AM