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ごはん、映画やドラマ、政治と社会
『ワン・バトル・アフター・アナザー』観て気になって、Weather Undergroundのドキュメンタリーを。

白人の恵まれた学生である自分たちこそが立ち上がるべきだという使命感と黒人たちへの連帯(ブラックパンサー党からは迷惑がられていたようだけど)には、東アジア反日武装戦線を彷彿とするなどしたし、熱に浮かされたような革命の季節の訪れとその急速な衰退は、日本のそれと相似的だと感じた。

民間人を巻き込んだことへの後悔や、ペルフィディアの手紙の原型となったメンバーから家族への手紙など、OBAAを感じられる部分は幾つか見受けられた。

www.imdb.com/title/tt0343...
The Weather Underground (2002) ⭐ 7.4 | Documentary, History, War
1h 32m | Unrated
www.imdb.com
November 2, 2025 at 2:37 PM
『アイリーン シリアルキラーの数奇な人生』
Netflixにて。
逮捕時の振り返りから裁判の過程、本人が望んでの死刑執行を終えるまでの記録。

罪と相殺できるようなものではないのだけれど、それでも彼女の生い立ちのヘビーさを考えたら、彼女の行動が全く理解できないとは言えない。
恋人は検察側の証人となり、裁判は公正さにおいて疑問が残る結果となり、精神的にも不安定になってしまった彼女に、それでも友人たちが付き添っていたことは救い。

日本の犯罪白書で、女性の犯罪者の多くが過去に虐待を体験していたという調査結果が出ていたことを思い出した。
www.netflix.com/title/816730...
Watch Aileen: Queen of the Serial Killers | Netflix Official Site
Aileen Wuornos remains a rarity: a female serial killer. From childhood abuse to death-row revelations, this documentary revisits her life and crimes.
www.netflix.com
October 31, 2025 at 3:32 PM
『ニーキャップ』
閉館が発表された直後のシネマカリテにて。

世代的に、子供の頃観てきたリアルタイムで公開された映画に登場するテロリストといえば、多くの場合IRAだった。
00年前後に紛争が鎮火してからまだ四半世紀なのに、あれほど激しい紛争のことを私も含む多くの人間が忘れかけていたところ、今のアイルランド北部(ニーキャップへの敬意を込めて)がどうなっているか、ニーキャップが実際にリリースしてきた楽曲と共に軽快に見せてくれた。

監督(84年生まれ)が近い世代ゆえ、にじみ出る同時代感がこそばゆくもあった。確かにアイルランド版トレスポ、だけど、ニーキャップは自ら表現する手段を見つけることができた。
August 12, 2025 at 4:25 AM
『黒川の女たち』
日本の敗戦後、岐阜から満州に入植した黒川開拓団の一部女性たちが引き揚げの際、同じ村の人々によってソ連兵への性接待に差し出されるという悲惨な出来事があった。そして村を守るためと犠牲になった女性たちを帰国後待っていたのは、誹謗中傷による二次加害だった。

2013年、女性たちのうちお二方が公の場で自分たちの体験を語り、それが自分自身だけでなく今現在の関係者たちの人生をも変えていく。80年の時をかけた #MeToo 映画かつ、(監督を含め)女性たちの連帯を感じる作品。傷ついた魂の癒しと再生の物語でもあった。
July 13, 2025 at 4:57 PM
『セルロイド・クローゼット』

デモクラシータイムスで北丸雄二さんが勧めていたので観に行ってきた。

95年に公開、日本でも97年に公開された作品のデジタルリマスター版。
ハリウッドが映画史上、同性愛をどのように描いてきたかを、映画制作関係者(当事者含む)へのインタビューと120本もの作品の引用を併せつつ紐解いていく。

映画の中の同性愛者の描かれ方はまさに社会の鏡で、引用される概ね1930〜90年の作品における表現は60年の間で劇的な変化を遂げている。当然、95年時点では最新の表現でも、2025年の現時点から振り返ったら問題だらけだったりはするのだけれど。
June 22, 2025 at 7:54 AM
『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』
クローズドのゲイ・フンスと自分に正直に生きる女・ジェヒの友情と成長の物語。
LGBTQに風当たりが強く、日本以上にマチズモ的規範が強いとも言われる韓国でこういった作品がメジャータイトルとして制作されたことには大きな意味を感じる。
そして、韓国ほど分かりやすい形ではなくとも何かと“生きづらさ”の多い日本でも、若者がたくさん観て、何か感じてくれたらいいなあと思った。10代・20代で見たらきっともっと特別な作品になった気がする。
June 15, 2025 at 11:07 AM
Reposted by ぱる子
言うなれば“『レクイエム・フォー・ドリーム』×『サンセット大通り』(あるいは『マルホランド・ドライブ』)×『遊星からの物体X』×『ザ・フライ』”。ただし影響元の最善部分を自家薬籠中の物として完璧に独自の息吹を宿らせた滅茶苦茶オリジナリティの高い作品である。80〜90年代から映画を観ているとデミ・ムーアに対するバッシングに加担した過去を持つ者も多いだろうが、本作はそんな我々に血飛沫を浴びせているんや…
May 18, 2025 at 12:23 PM
『サブスタンス』
自らや自らの身体を憎んだことのあるすべての人(特に女性)に贈られた、解放の物語と受け止めた。

全体的につくりものっぽく寓話的に見える画作りや極めてナンセンスなジャンル映画的演出により、芯にある“叫び”が上手にコーティングされているけど、この呪縛の中で生きてる同志たちにはコラリー・ファルジャからのメッセージが届くという絶妙な作り。

前夜祭で観たときは近くの席の男性が断続的に声を出して笑っていて、批判する気は起こらずとも「いい気なもんですね〜(ニッコリ」とはなったかな。
プロダクトデザインや衣装もキメキメで、作り込まれまくった世界観だけでも楽しめた。
May 18, 2025 at 6:06 AM
『ガール・ウィズ・ニードル』原題"PIGEN MED NÅLEN"

スウェーデン出身のマグヌス・フォン・ホーン監督(兼脚本)による長編3作目。私はこれが初めて観た作品だったが、めちゃめちゃ面白かった。

一次大戦終戦間近から終戦後にかけてのデンマークで、困窮の中なんとかサバイブしようとする女性主人公が、思わぬ事件に巻き込まれていく物語。

デンマークで史上最も物議を醸したと言われる実際にあった事件にインスピレーションを得たというフィクション作品なのだけれど、そのフィクショナライズのお手並みが鮮やかすぎる。
無慈悲な世界における善とは?悪とは?と、観ている者を揺さぶってくるところがたまらない。
May 17, 2025 at 4:39 PM
『クィア』
想像の百倍くらいセンチメンタルな恋物語だった。

ダニクレ演じるリー(バロウズの分身)が年甲斐も無くティーンネイジャーのようなロマンティックな欲望を滾らせて、悶え苦しむ。
相手が何を考えているのか知りたい、触れたい、言葉を超えてコミュニケーションしたい。相手の本質に触れられそうになった瞬間、立ち竦んでしまう。
これぞ恋だな〜〜と思いながら観ていた。

原作にプラスして膨らませた部分もバロウズの他作品の引用だったり、撮影・衣装・美術・音楽のこだわりぶりなどなど、グァダニーノが長く温めてきたなりの熱い思い入れを感じられるし、それがしっかり作品の出来を支えるものになっていると思った。
May 17, 2025 at 10:54 AM
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【速報】トルコのクルド武装組織が解散表明
【速報】トルコのクルド武装組織が解散表明
 【イスタンブール共同】トルコで40年以上にわたり反政府武装闘争を続けてきた非合法武装組織ク ...
www.47news.jp
May 12, 2025 at 6:38 AM
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ロバート・デ・ニーロ、トランスジェンダーの娘への支持を表明「大したことではない。私は自分の子どもたち全員を愛している」
hollywoodreporter.jp/news/108144/
ロバート・デ・ニーロ、カミングアウトした娘への支持を表明 - THR Japan
ロバート・デ・ニーロ、トランスジェンダーであると公表した娘に対して「私は自分の子どもたち全員を愛している」と公に支持。
hollywoodreporter.jp
May 1, 2025 at 8:13 AM
『プロフェッショナル』こと、"In the Land of Saints and Sinners"

イーストウッド組スタッフによるアイルランドを舞台にした西部劇と聞き、観に行ってきた。

70年代のアイルランド。北西部の小さな街(Glencolmcille)にひっそり暮らしながら殺し屋稼業を営む老いた男の運命が、IRA活動家たちが街に潜伏し始めたことをきっかけに大きく動き…という筋。

何よりアイルランド北部の壮大で荒涼としてしかし美しい、自然の風景がたまらない。この背景が、キャラクターたちの人間性を肉付けしていると感じる。
May 1, 2025 at 8:50 AM
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偽土偶についてコメントしました。偽土偶所蔵元の愛知県の美術館がびっくりするほど強気だった…。
無料記事です。

mainichi.jp/articles/202...
文化庁がサイトの「縄文土偶」削除 番組が判定した偽物に類似と指摘 | 毎日新聞
文化庁が運営する文化財などのポータルサイト「文化遺産オンライン」で縄文時代の土偶などと紹介されていた3点が、外部から「偽物ではないか」との指摘を受けて削除されたことが、同庁への取材で判明した。
mainichi.jp
April 20, 2025 at 5:56 AM
『ドマーニ! 愛のことづて』
絶対に観た方がいい予感がする…と、避けがちな渋谷に足を運んで大正解。

第二次大戦後のローマで、当たり前のように夫に殴られ無能力者扱いされながら生きる主婦デリアの暮らしが、シニカルなユーモアを交えて描かれる。
どこに向かうのか…とハラハラ見ていて、連れて行かれた先には得も言われぬ爽快感が待っていた。

説明はあえて割愛するけれど、今のところ今年一番「観てよかった!」としみじみ思う映画だった。

配給のスモモさんには昨年の『オン・ザ・ロード 〜不屈の男、金大中〜』に続き良い作品を見せてもらえて感謝。
April 20, 2025 at 3:35 PM
『FEMME フェム』
パンフレットによると《ネオノワール・スリラーというジャンルに根付く「ハイパー・マスキュリニティ(過剰な男らしさ)」の概念を覆したい》という監督の野心から始まった作品とのことだが、これはまさに大成功していると思う。

復讐譚でありスリラーであり社会派作品であり人間ドラマであり恋愛映画でもあるかもしれない。とにかく多面的に見させてくれる作品。

主演の2人の演技は素晴らしく、2人とも過去に観た作品とは全くの別人で、それぞれの人物の個性に没入させてくれた。
特に、ホモフォビックなMSM(登場当初)を演じるジョージ・マッケイの手負いの獣みたいな芝居が胸に突き刺さった。
April 20, 2025 at 10:52 AM
『太陽(ティダ)の運命』
大田昌秀と翁長雄志という二人の沖縄県知事(とその対立)を軸に、この30年の沖縄現代史とそれを通して見えてくる”日本”の姿を浮き彫りにした政治ドキュメンタリー。

TBSと琉球放送の共同制作だけあり、豊富な過去映像と取材により、情報の密度が大変濃い。30年前から現在に至るまでということで、関係者の生の声が聞けるというのも強い。

政治的な面だけではなくパーソナルな部分もしっかり描かれており、特に以前から興味があった、翁長雄志という保守政治家がいかにして自民党や政権と対立するに至ったかという問いについてもきちんとフォーカスされており、なるほどなあと納得できるものがあった。
April 20, 2025 at 10:14 AM
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『教皇選挙』、まだ見てないのですが(見たいよー)、参考までにベネディクト16世の生前退位からの教皇選挙、フランシスコ1世選出までの「コンクラーベ実況2013」のリンクを貼っておきます。
posfie.com/@hashimoto_t...

まとめ内では『チェーザレ』担当編集者氏(当時)、監修者の原基晶氏らも盛り上がっています。そして惣領冬実『チェーザレ 破壊の創造者』の完結巻である13巻では、1492年の教皇選を描き切りました。巻末解説は原基晶さんの「聖なる選挙のリアルポリティクス」。
2013年コンクラーベ実況
ベネディクト16世の生前退位という異例の事態を受け、次の教皇を選出するコンクラーベ(教皇選挙)が開催中。そのドキュメントです。
posfie.com
March 26, 2025 at 2:34 PM
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ガザ在住の朝日新聞通信員マンスールさん死亡 ミサイル攻撃で妻子も

井本直歩子さんの #コメントプラス
《嘘だと信じたい気持ちと、とうとうこの日が来てしまったという気持ちで、朝から涙が出た。ガザで戦闘が始まってからずっと、マンスール通信員の渾身のレポートを読み、何度も憤り、ガザの人たちの生命力に励まされ、彼の無事に安堵していた》

《マンスールさんは、何もできずに無力感を感じている日本の私たちに、ガザの人々の強さと、彼らとの絆を届けてくれた。数ヶ月前に子どもが産まれていたとのこと。憤りで言葉がない。ご冥福をお祈りいたします》

www.asahi.com/articles/AST...
ガザ在住の朝日新聞通信員マンスールさん死亡 ミサイル攻撃で妻子も:朝日新聞
パレスチナ自治区ガザで朝日新聞の通信員を務めてきたジャーナリストのムハンマド・マンスールさん(29)が24日、ガザでイスラエル軍の攻撃を受けて死亡した。ガザ当局が発表した。 マンスールさんが所属する…
www.asahi.com
March 25, 2025 at 2:01 AM
『教皇選挙』の原作小説、邦訳が出てなくて落ち込んだ
March 23, 2025 at 5:05 PM
『教皇選挙』

ローマカトリック教会という、現存する世界最古と思しき“ボーイズクラブ”によるリーダー選出の秘された選挙、と聞いただけでワクワクしてしまうが、実際、職人たちの熟練の手さばきによりきっちり美しく練り上げられたような仕上がりで、こちらもきっちり楽しめる快作スリラーだった。

ただの「おじさん祭り」も嫌いじゃないがそれだけでは済まさず、キリスト教の欺瞞含め、現代社会をしっかり見据えたテーマを綺麗に盛り込んでいるのも良かった。

レイフ・ファインズはこれでオスカー取り逃したらいつ取れるの〜という気持ちにもなってしまったが、まだまだがんばってほしい。
March 23, 2025 at 9:06 AM
伊丹十三4K映画祭『あげまん』

子供の頃見て正直よくわからなかった作品。今は、伊丹十三の考える「日本の男」と「日本の女」の恋愛における力学を描いた作品なのかなあ…と思いながら観ていた。

ナヨコを見ていると、こんな男に都合のいい女いないやろ〜〜と思ってしまうのだが「賢くて情にも厚くてしなやかに生きる女」でないと(あるいはそう振る舞えないと)うまく生き抜けない時代や環境っていうものも、確かにあるのかもしれない。(ナヨコはそもそも捨て子であるからして。)

鑑賞後は伊丹映画の音楽を多く手がけた本多俊之さんのミニトーク&スペシャルライブ。伊丹十三映画音楽メドレーを生で演奏してもらえて大感動だった
March 22, 2025 at 3:27 PM
Netflixオリジナル『アドレセンス』全4話

バランティーニ監督の前作『ボイリング・ポイント/沸騰』も観客に緊張感を強いる系の作品だったが、本作は少年×ミソジニー×殺人という組み合わせにより、更にストレス過多な出来。

少年役のオーウェン・クーパーがあどけない容貌から想像しにくい暴力性やミソジニーを発露する場面ではこちらの心が凍りつく。
有害な男性性もSNSの悪影響も未だ人類が対峙中の問題なので、安易な答えに導かなかったのは賢明と感じた。

1時間長回しについては自分に長回しフェティッシュがないせいか、物語に集中するにつれあまり意識せずに見ていたかも…
March 22, 2025 at 2:47 PM
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警察官の制服のスカートが4月から廃止。実務的にも明らかに疑問があるものを長い間制服としてきた背景に、いかに男性中心の社会が"役割"という名のもと女性の機会を制限し、性的な視線を向けてきたかが象徴される。トランスやノンバイナリーの人々も存在していて、ズボンに一本化は良い動きと思う。
digital.asahi.com/sp/articles/...
警察官のスカート廃止へ、現場出る機会増で 動きやすいズボンが人気:朝日新聞
警察官の制服のスカートが4月から廃止される。女性警察官が事件現場などに出る機会が増え、動きやすいズボンが選ばれるようになったことから、スカートがほとんど着用されていない状況が背景にある。式典などで着…
digital.asahi.com
March 21, 2025 at 2:20 AM
『セプテンバー5』『ブラック・セプテンバー ミュンヘン・テロ事件の真実』を観てから再度観たかった『ミュンヘン』約20年ぶりに。

2006年公開時に映画館で観たときよりもイスラエル・パレスチナ問題の解像度が上がった状態で観たが、イスラエルへの批判的視点・倫理観を持って作られた作品だと感じた。(2023年10月以降のいつだったか、スピルバーグがハマスへの批判と共にガザでの民間人殺戮についても批判していたというニュースを見かけたから、そのあたりが彼の限界なんだろうとも思う)

現在の状況を見るに、世界は何も変わってないし、変えられていない。
直視し、できる限りの援助をする、今はそれしかない。
March 20, 2025 at 3:43 PM