白人の恵まれた学生である自分たちこそが立ち上がるべきだという使命感と黒人たちへの連帯(ブラックパンサー党からは迷惑がられていたようだけど)には、東アジア反日武装戦線を彷彿とするなどしたし、熱に浮かされたような革命の季節の訪れとその急速な衰退は、日本のそれと相似的だと感じた。
民間人を巻き込んだことへの後悔や、ペルフィディアの手紙の原型となったメンバーから家族への手紙など、OBAAを感じられる部分は幾つか見受けられた。
www.imdb.com/title/tt0343...
白人の恵まれた学生である自分たちこそが立ち上がるべきだという使命感と黒人たちへの連帯(ブラックパンサー党からは迷惑がられていたようだけど)には、東アジア反日武装戦線を彷彿とするなどしたし、熱に浮かされたような革命の季節の訪れとその急速な衰退は、日本のそれと相似的だと感じた。
民間人を巻き込んだことへの後悔や、ペルフィディアの手紙の原型となったメンバーから家族への手紙など、OBAAを感じられる部分は幾つか見受けられた。
www.imdb.com/title/tt0343...
Netflixにて。
逮捕時の振り返りから裁判の過程、本人が望んでの死刑執行を終えるまでの記録。
罪と相殺できるようなものではないのだけれど、それでも彼女の生い立ちのヘビーさを考えたら、彼女の行動が全く理解できないとは言えない。
恋人は検察側の証人となり、裁判は公正さにおいて疑問が残る結果となり、精神的にも不安定になってしまった彼女に、それでも友人たちが付き添っていたことは救い。
日本の犯罪白書で、女性の犯罪者の多くが過去に虐待を体験していたという調査結果が出ていたことを思い出した。
www.netflix.com/title/816730...
Netflixにて。
逮捕時の振り返りから裁判の過程、本人が望んでの死刑執行を終えるまでの記録。
罪と相殺できるようなものではないのだけれど、それでも彼女の生い立ちのヘビーさを考えたら、彼女の行動が全く理解できないとは言えない。
恋人は検察側の証人となり、裁判は公正さにおいて疑問が残る結果となり、精神的にも不安定になってしまった彼女に、それでも友人たちが付き添っていたことは救い。
日本の犯罪白書で、女性の犯罪者の多くが過去に虐待を体験していたという調査結果が出ていたことを思い出した。
www.netflix.com/title/816730...
閉館が発表された直後のシネマカリテにて。
世代的に、子供の頃観てきたリアルタイムで公開された映画に登場するテロリストといえば、多くの場合IRAだった。
00年前後に紛争が鎮火してからまだ四半世紀なのに、あれほど激しい紛争のことを私も含む多くの人間が忘れかけていたところ、今のアイルランド北部(ニーキャップへの敬意を込めて)がどうなっているか、ニーキャップが実際にリリースしてきた楽曲と共に軽快に見せてくれた。
監督(84年生まれ)が近い世代ゆえ、にじみ出る同時代感がこそばゆくもあった。確かにアイルランド版トレスポ、だけど、ニーキャップは自ら表現する手段を見つけることができた。
閉館が発表された直後のシネマカリテにて。
世代的に、子供の頃観てきたリアルタイムで公開された映画に登場するテロリストといえば、多くの場合IRAだった。
00年前後に紛争が鎮火してからまだ四半世紀なのに、あれほど激しい紛争のことを私も含む多くの人間が忘れかけていたところ、今のアイルランド北部(ニーキャップへの敬意を込めて)がどうなっているか、ニーキャップが実際にリリースしてきた楽曲と共に軽快に見せてくれた。
監督(84年生まれ)が近い世代ゆえ、にじみ出る同時代感がこそばゆくもあった。確かにアイルランド版トレスポ、だけど、ニーキャップは自ら表現する手段を見つけることができた。
日本の敗戦後、岐阜から満州に入植した黒川開拓団の一部女性たちが引き揚げの際、同じ村の人々によってソ連兵への性接待に差し出されるという悲惨な出来事があった。そして村を守るためと犠牲になった女性たちを帰国後待っていたのは、誹謗中傷による二次加害だった。
2013年、女性たちのうちお二方が公の場で自分たちの体験を語り、それが自分自身だけでなく今現在の関係者たちの人生をも変えていく。80年の時をかけた #MeToo 映画かつ、(監督を含め)女性たちの連帯を感じる作品。傷ついた魂の癒しと再生の物語でもあった。
日本の敗戦後、岐阜から満州に入植した黒川開拓団の一部女性たちが引き揚げの際、同じ村の人々によってソ連兵への性接待に差し出されるという悲惨な出来事があった。そして村を守るためと犠牲になった女性たちを帰国後待っていたのは、誹謗中傷による二次加害だった。
2013年、女性たちのうちお二方が公の場で自分たちの体験を語り、それが自分自身だけでなく今現在の関係者たちの人生をも変えていく。80年の時をかけた #MeToo 映画かつ、(監督を含め)女性たちの連帯を感じる作品。傷ついた魂の癒しと再生の物語でもあった。
デモクラシータイムスで北丸雄二さんが勧めていたので観に行ってきた。
95年に公開、日本でも97年に公開された作品のデジタルリマスター版。
ハリウッドが映画史上、同性愛をどのように描いてきたかを、映画制作関係者(当事者含む)へのインタビューと120本もの作品の引用を併せつつ紐解いていく。
映画の中の同性愛者の描かれ方はまさに社会の鏡で、引用される概ね1930〜90年の作品における表現は60年の間で劇的な変化を遂げている。当然、95年時点では最新の表現でも、2025年の現時点から振り返ったら問題だらけだったりはするのだけれど。
デモクラシータイムスで北丸雄二さんが勧めていたので観に行ってきた。
95年に公開、日本でも97年に公開された作品のデジタルリマスター版。
ハリウッドが映画史上、同性愛をどのように描いてきたかを、映画制作関係者(当事者含む)へのインタビューと120本もの作品の引用を併せつつ紐解いていく。
映画の中の同性愛者の描かれ方はまさに社会の鏡で、引用される概ね1930〜90年の作品における表現は60年の間で劇的な変化を遂げている。当然、95年時点では最新の表現でも、2025年の現時点から振り返ったら問題だらけだったりはするのだけれど。
クローズドのゲイ・フンスと自分に正直に生きる女・ジェヒの友情と成長の物語。
LGBTQに風当たりが強く、日本以上にマチズモ的規範が強いとも言われる韓国でこういった作品がメジャータイトルとして制作されたことには大きな意味を感じる。
そして、韓国ほど分かりやすい形ではなくとも何かと“生きづらさ”の多い日本でも、若者がたくさん観て、何か感じてくれたらいいなあと思った。10代・20代で見たらきっともっと特別な作品になった気がする。
クローズドのゲイ・フンスと自分に正直に生きる女・ジェヒの友情と成長の物語。
LGBTQに風当たりが強く、日本以上にマチズモ的規範が強いとも言われる韓国でこういった作品がメジャータイトルとして制作されたことには大きな意味を感じる。
そして、韓国ほど分かりやすい形ではなくとも何かと“生きづらさ”の多い日本でも、若者がたくさん観て、何か感じてくれたらいいなあと思った。10代・20代で見たらきっともっと特別な作品になった気がする。
自らや自らの身体を憎んだことのあるすべての人(特に女性)に贈られた、解放の物語と受け止めた。
全体的につくりものっぽく寓話的に見える画作りや極めてナンセンスなジャンル映画的演出により、芯にある“叫び”が上手にコーティングされているけど、この呪縛の中で生きてる同志たちにはコラリー・ファルジャからのメッセージが届くという絶妙な作り。
前夜祭で観たときは近くの席の男性が断続的に声を出して笑っていて、批判する気は起こらずとも「いい気なもんですね〜(ニッコリ」とはなったかな。
プロダクトデザインや衣装もキメキメで、作り込まれまくった世界観だけでも楽しめた。
自らや自らの身体を憎んだことのあるすべての人(特に女性)に贈られた、解放の物語と受け止めた。
全体的につくりものっぽく寓話的に見える画作りや極めてナンセンスなジャンル映画的演出により、芯にある“叫び”が上手にコーティングされているけど、この呪縛の中で生きてる同志たちにはコラリー・ファルジャからのメッセージが届くという絶妙な作り。
前夜祭で観たときは近くの席の男性が断続的に声を出して笑っていて、批判する気は起こらずとも「いい気なもんですね〜(ニッコリ」とはなったかな。
プロダクトデザインや衣装もキメキメで、作り込まれまくった世界観だけでも楽しめた。
スウェーデン出身のマグヌス・フォン・ホーン監督(兼脚本)による長編3作目。私はこれが初めて観た作品だったが、めちゃめちゃ面白かった。
一次大戦終戦間近から終戦後にかけてのデンマークで、困窮の中なんとかサバイブしようとする女性主人公が、思わぬ事件に巻き込まれていく物語。
デンマークで史上最も物議を醸したと言われる実際にあった事件にインスピレーションを得たというフィクション作品なのだけれど、そのフィクショナライズのお手並みが鮮やかすぎる。
無慈悲な世界における善とは?悪とは?と、観ている者を揺さぶってくるところがたまらない。
スウェーデン出身のマグヌス・フォン・ホーン監督(兼脚本)による長編3作目。私はこれが初めて観た作品だったが、めちゃめちゃ面白かった。
一次大戦終戦間近から終戦後にかけてのデンマークで、困窮の中なんとかサバイブしようとする女性主人公が、思わぬ事件に巻き込まれていく物語。
デンマークで史上最も物議を醸したと言われる実際にあった事件にインスピレーションを得たというフィクション作品なのだけれど、そのフィクショナライズのお手並みが鮮やかすぎる。
無慈悲な世界における善とは?悪とは?と、観ている者を揺さぶってくるところがたまらない。
想像の百倍くらいセンチメンタルな恋物語だった。
ダニクレ演じるリー(バロウズの分身)が年甲斐も無くティーンネイジャーのようなロマンティックな欲望を滾らせて、悶え苦しむ。
相手が何を考えているのか知りたい、触れたい、言葉を超えてコミュニケーションしたい。相手の本質に触れられそうになった瞬間、立ち竦んでしまう。
これぞ恋だな〜〜と思いながら観ていた。
原作にプラスして膨らませた部分もバロウズの他作品の引用だったり、撮影・衣装・美術・音楽のこだわりぶりなどなど、グァダニーノが長く温めてきたなりの熱い思い入れを感じられるし、それがしっかり作品の出来を支えるものになっていると思った。
想像の百倍くらいセンチメンタルな恋物語だった。
ダニクレ演じるリー(バロウズの分身)が年甲斐も無くティーンネイジャーのようなロマンティックな欲望を滾らせて、悶え苦しむ。
相手が何を考えているのか知りたい、触れたい、言葉を超えてコミュニケーションしたい。相手の本質に触れられそうになった瞬間、立ち竦んでしまう。
これぞ恋だな〜〜と思いながら観ていた。
原作にプラスして膨らませた部分もバロウズの他作品の引用だったり、撮影・衣装・美術・音楽のこだわりぶりなどなど、グァダニーノが長く温めてきたなりの熱い思い入れを感じられるし、それがしっかり作品の出来を支えるものになっていると思った。
hollywoodreporter.jp/news/108144/
hollywoodreporter.jp/news/108144/
イーストウッド組スタッフによるアイルランドを舞台にした西部劇と聞き、観に行ってきた。
70年代のアイルランド。北西部の小さな街(Glencolmcille)にひっそり暮らしながら殺し屋稼業を営む老いた男の運命が、IRA活動家たちが街に潜伏し始めたことをきっかけに大きく動き…という筋。
何よりアイルランド北部の壮大で荒涼としてしかし美しい、自然の風景がたまらない。この背景が、キャラクターたちの人間性を肉付けしていると感じる。
イーストウッド組スタッフによるアイルランドを舞台にした西部劇と聞き、観に行ってきた。
70年代のアイルランド。北西部の小さな街(Glencolmcille)にひっそり暮らしながら殺し屋稼業を営む老いた男の運命が、IRA活動家たちが街に潜伏し始めたことをきっかけに大きく動き…という筋。
何よりアイルランド北部の壮大で荒涼としてしかし美しい、自然の風景がたまらない。この背景が、キャラクターたちの人間性を肉付けしていると感じる。
絶対に観た方がいい予感がする…と、避けがちな渋谷に足を運んで大正解。
第二次大戦後のローマで、当たり前のように夫に殴られ無能力者扱いされながら生きる主婦デリアの暮らしが、シニカルなユーモアを交えて描かれる。
どこに向かうのか…とハラハラ見ていて、連れて行かれた先には得も言われぬ爽快感が待っていた。
説明はあえて割愛するけれど、今のところ今年一番「観てよかった!」としみじみ思う映画だった。
配給のスモモさんには昨年の『オン・ザ・ロード 〜不屈の男、金大中〜』に続き良い作品を見せてもらえて感謝。
絶対に観た方がいい予感がする…と、避けがちな渋谷に足を運んで大正解。
第二次大戦後のローマで、当たり前のように夫に殴られ無能力者扱いされながら生きる主婦デリアの暮らしが、シニカルなユーモアを交えて描かれる。
どこに向かうのか…とハラハラ見ていて、連れて行かれた先には得も言われぬ爽快感が待っていた。
説明はあえて割愛するけれど、今のところ今年一番「観てよかった!」としみじみ思う映画だった。
配給のスモモさんには昨年の『オン・ザ・ロード 〜不屈の男、金大中〜』に続き良い作品を見せてもらえて感謝。
パンフレットによると《ネオノワール・スリラーというジャンルに根付く「ハイパー・マスキュリニティ(過剰な男らしさ)」の概念を覆したい》という監督の野心から始まった作品とのことだが、これはまさに大成功していると思う。
復讐譚でありスリラーであり社会派作品であり人間ドラマであり恋愛映画でもあるかもしれない。とにかく多面的に見させてくれる作品。
主演の2人の演技は素晴らしく、2人とも過去に観た作品とは全くの別人で、それぞれの人物の個性に没入させてくれた。
特に、ホモフォビックなMSM(登場当初)を演じるジョージ・マッケイの手負いの獣みたいな芝居が胸に突き刺さった。
パンフレットによると《ネオノワール・スリラーというジャンルに根付く「ハイパー・マスキュリニティ(過剰な男らしさ)」の概念を覆したい》という監督の野心から始まった作品とのことだが、これはまさに大成功していると思う。
復讐譚でありスリラーであり社会派作品であり人間ドラマであり恋愛映画でもあるかもしれない。とにかく多面的に見させてくれる作品。
主演の2人の演技は素晴らしく、2人とも過去に観た作品とは全くの別人で、それぞれの人物の個性に没入させてくれた。
特に、ホモフォビックなMSM(登場当初)を演じるジョージ・マッケイの手負いの獣みたいな芝居が胸に突き刺さった。
大田昌秀と翁長雄志という二人の沖縄県知事(とその対立)を軸に、この30年の沖縄現代史とそれを通して見えてくる”日本”の姿を浮き彫りにした政治ドキュメンタリー。
TBSと琉球放送の共同制作だけあり、豊富な過去映像と取材により、情報の密度が大変濃い。30年前から現在に至るまでということで、関係者の生の声が聞けるというのも強い。
政治的な面だけではなくパーソナルな部分もしっかり描かれており、特に以前から興味があった、翁長雄志という保守政治家がいかにして自民党や政権と対立するに至ったかという問いについてもきちんとフォーカスされており、なるほどなあと納得できるものがあった。
大田昌秀と翁長雄志という二人の沖縄県知事(とその対立)を軸に、この30年の沖縄現代史とそれを通して見えてくる”日本”の姿を浮き彫りにした政治ドキュメンタリー。
TBSと琉球放送の共同制作だけあり、豊富な過去映像と取材により、情報の密度が大変濃い。30年前から現在に至るまでということで、関係者の生の声が聞けるというのも強い。
政治的な面だけではなくパーソナルな部分もしっかり描かれており、特に以前から興味があった、翁長雄志という保守政治家がいかにして自民党や政権と対立するに至ったかという問いについてもきちんとフォーカスされており、なるほどなあと納得できるものがあった。
posfie.com/@hashimoto_t...
まとめ内では『チェーザレ』担当編集者氏(当時)、監修者の原基晶氏らも盛り上がっています。そして惣領冬実『チェーザレ 破壊の創造者』の完結巻である13巻では、1492年の教皇選を描き切りました。巻末解説は原基晶さんの「聖なる選挙のリアルポリティクス」。
posfie.com/@hashimoto_t...
まとめ内では『チェーザレ』担当編集者氏(当時)、監修者の原基晶氏らも盛り上がっています。そして惣領冬実『チェーザレ 破壊の創造者』の完結巻である13巻では、1492年の教皇選を描き切りました。巻末解説は原基晶さんの「聖なる選挙のリアルポリティクス」。
井本直歩子さんの #コメントプラス
《嘘だと信じたい気持ちと、とうとうこの日が来てしまったという気持ちで、朝から涙が出た。ガザで戦闘が始まってからずっと、マンスール通信員の渾身のレポートを読み、何度も憤り、ガザの人たちの生命力に励まされ、彼の無事に安堵していた》
《マンスールさんは、何もできずに無力感を感じている日本の私たちに、ガザの人々の強さと、彼らとの絆を届けてくれた。数ヶ月前に子どもが産まれていたとのこと。憤りで言葉がない。ご冥福をお祈りいたします》
www.asahi.com/articles/AST...
井本直歩子さんの #コメントプラス
《嘘だと信じたい気持ちと、とうとうこの日が来てしまったという気持ちで、朝から涙が出た。ガザで戦闘が始まってからずっと、マンスール通信員の渾身のレポートを読み、何度も憤り、ガザの人たちの生命力に励まされ、彼の無事に安堵していた》
《マンスールさんは、何もできずに無力感を感じている日本の私たちに、ガザの人々の強さと、彼らとの絆を届けてくれた。数ヶ月前に子どもが産まれていたとのこと。憤りで言葉がない。ご冥福をお祈りいたします》
www.asahi.com/articles/AST...
ローマカトリック教会という、現存する世界最古と思しき“ボーイズクラブ”によるリーダー選出の秘された選挙、と聞いただけでワクワクしてしまうが、実際、職人たちの熟練の手さばきによりきっちり美しく練り上げられたような仕上がりで、こちらもきっちり楽しめる快作スリラーだった。
ただの「おじさん祭り」も嫌いじゃないがそれだけでは済まさず、キリスト教の欺瞞含め、現代社会をしっかり見据えたテーマを綺麗に盛り込んでいるのも良かった。
レイフ・ファインズはこれでオスカー取り逃したらいつ取れるの〜という気持ちにもなってしまったが、まだまだがんばってほしい。
ローマカトリック教会という、現存する世界最古と思しき“ボーイズクラブ”によるリーダー選出の秘された選挙、と聞いただけでワクワクしてしまうが、実際、職人たちの熟練の手さばきによりきっちり美しく練り上げられたような仕上がりで、こちらもきっちり楽しめる快作スリラーだった。
ただの「おじさん祭り」も嫌いじゃないがそれだけでは済まさず、キリスト教の欺瞞含め、現代社会をしっかり見据えたテーマを綺麗に盛り込んでいるのも良かった。
レイフ・ファインズはこれでオスカー取り逃したらいつ取れるの〜という気持ちにもなってしまったが、まだまだがんばってほしい。
子供の頃見て正直よくわからなかった作品。今は、伊丹十三の考える「日本の男」と「日本の女」の恋愛における力学を描いた作品なのかなあ…と思いながら観ていた。
ナヨコを見ていると、こんな男に都合のいい女いないやろ〜〜と思ってしまうのだが「賢くて情にも厚くてしなやかに生きる女」でないと(あるいはそう振る舞えないと)うまく生き抜けない時代や環境っていうものも、確かにあるのかもしれない。(ナヨコはそもそも捨て子であるからして。)
鑑賞後は伊丹映画の音楽を多く手がけた本多俊之さんのミニトーク&スペシャルライブ。伊丹十三映画音楽メドレーを生で演奏してもらえて大感動だった
子供の頃見て正直よくわからなかった作品。今は、伊丹十三の考える「日本の男」と「日本の女」の恋愛における力学を描いた作品なのかなあ…と思いながら観ていた。
ナヨコを見ていると、こんな男に都合のいい女いないやろ〜〜と思ってしまうのだが「賢くて情にも厚くてしなやかに生きる女」でないと(あるいはそう振る舞えないと)うまく生き抜けない時代や環境っていうものも、確かにあるのかもしれない。(ナヨコはそもそも捨て子であるからして。)
鑑賞後は伊丹映画の音楽を多く手がけた本多俊之さんのミニトーク&スペシャルライブ。伊丹十三映画音楽メドレーを生で演奏してもらえて大感動だった
バランティーニ監督の前作『ボイリング・ポイント/沸騰』も観客に緊張感を強いる系の作品だったが、本作は少年×ミソジニー×殺人という組み合わせにより、更にストレス過多な出来。
少年役のオーウェン・クーパーがあどけない容貌から想像しにくい暴力性やミソジニーを発露する場面ではこちらの心が凍りつく。
有害な男性性もSNSの悪影響も未だ人類が対峙中の問題なので、安易な答えに導かなかったのは賢明と感じた。
1時間長回しについては自分に長回しフェティッシュがないせいか、物語に集中するにつれあまり意識せずに見ていたかも…
バランティーニ監督の前作『ボイリング・ポイント/沸騰』も観客に緊張感を強いる系の作品だったが、本作は少年×ミソジニー×殺人という組み合わせにより、更にストレス過多な出来。
少年役のオーウェン・クーパーがあどけない容貌から想像しにくい暴力性やミソジニーを発露する場面ではこちらの心が凍りつく。
有害な男性性もSNSの悪影響も未だ人類が対峙中の問題なので、安易な答えに導かなかったのは賢明と感じた。
1時間長回しについては自分に長回しフェティッシュがないせいか、物語に集中するにつれあまり意識せずに見ていたかも…
digital.asahi.com/sp/articles/...
digital.asahi.com/sp/articles/...
2006年公開時に映画館で観たときよりもイスラエル・パレスチナ問題の解像度が上がった状態で観たが、イスラエルへの批判的視点・倫理観を持って作られた作品だと感じた。(2023年10月以降のいつだったか、スピルバーグがハマスへの批判と共にガザでの民間人殺戮についても批判していたというニュースを見かけたから、そのあたりが彼の限界なんだろうとも思う)
現在の状況を見るに、世界は何も変わってないし、変えられていない。
直視し、できる限りの援助をする、今はそれしかない。
2006年公開時に映画館で観たときよりもイスラエル・パレスチナ問題の解像度が上がった状態で観たが、イスラエルへの批判的視点・倫理観を持って作られた作品だと感じた。(2023年10月以降のいつだったか、スピルバーグがハマスへの批判と共にガザでの民間人殺戮についても批判していたというニュースを見かけたから、そのあたりが彼の限界なんだろうとも思う)
現在の状況を見るに、世界は何も変わってないし、変えられていない。
直視し、できる限りの援助をする、今はそれしかない。