みけ
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こちらではおもに読書の感想を投稿しようと思っています
『白衣の女』は連ドラで見たいなと思ったが既に日本で放送されていた模様。事件の黒幕、フォスコ伯爵はドラマでは出てこないようだが。フォスコは見た目陽気で気さくな太っちょ、歌が上手い、小動物を可愛がってる(ハツカネズミや小鳥を飼ってる)、でもゾッとするほど冷酷な面もあり、なんとなく西田敏行(故人だが)が頭の中でキャスティングされるのであった。
November 8, 2025 at 1:58 AM
『白衣の女』サスペンスなのでぐいぐい読めるのと同時に、Twitterでタルいという感想があるのもちょっとわかる。この小説が悪いわけじゃなくて、現代人がここから派生したサスペンスのパターンを知りすぎてるんだよな。正統ヒロインはギリギリまで追い詰められるが最終的には必ず助かるとか、いわゆる双子トリック(双子ではないが)とかも
November 8, 2025 at 1:52 AM
ウィルキー・コリンズ作 中島賢二訳『白衣の女』岩波文庫上中下巻
長すぎるので読み始めるまで覚悟がいったがほぼ一気に読ませる。特に中巻の最後、その墓に眠っているはずの当人が姿を現すのはすごい引き。これは当時連載で読んでた読者盛り上がっただろうなー。
正統ヒロインのローラは無垢だが無力(召使いからも「こいつがいても役に立たないんだが」と思われてるのに笑う)、姉のマリアンは才気煥発で行動的。マリアンがいないとこの小説の魅力は半減すると思う。
November 8, 2025 at 1:46 AM
紙魚の手帖初めて読んだけど若島正の連載エッセイ『乱視読者の読んだり見たり』も面白かった。
本を読んでるときってその本だけじゃなくてこれまで読んだ本とか個人的な思い出とかの間を行ったり来たりしながら読んでる、確かに。
恩師の思い出を小説の中に封じ込めてくれたウンベルト・エーコに感謝(もちろんエーコはそんな事知るはずもない)という気持ちもよくわかる。
それで言うと『幽霊写真』も父の死について心の整理をつけていく話なのが個人的思い入れに合致した。あと幽霊、写真、痕跡という言葉から柴崎友香を連想しながら読んでいた。
October 13, 2025 at 3:12 PM
話の内容的に今日感想を言っときたかった
紙魚の手帖vol.25に掲載の創元ミステリ短編賞受賞作 鷲羽巧『幽霊写真』
確かに幽霊と写真は相性良いのかも。どちらもそこにあったものの痕跡。切ないが温かい締めくくり方でとても好き。ライカを小鳥に例えてるところも素敵。
October 13, 2025 at 2:49 PM
青木祐子『これは経費で落ちません!13 〜落としてみせます森若さん〜』
好きなシリーズの最新刊出てる!と購入。読み途中だが第二話(鎌本視点の話)があまりにも…鎌本という人間の頭の中があまりにも…イタイしキモイので思わず感想。副題は「北風と太陽」よりも「病んでいることに気づかない」の方がよくないか?と言うくらいの勘違い。お前佐名子と親しいってどういう認識?ストーカーとして誰かを刺したりしなくて本当に良かった。しかしこれは私自身にも覚えのあるイタさなのがまた…。
September 23, 2025 at 12:23 AM
悲劇喜劇3月号に掲載されている戯曲
古川健『つきかげ』
劇チョコで上演した時は「斎藤茂吉まったく知らんからな…」とスルーしてたが勿体なかったかも。脳出血後の茂吉の老い、若さへの嫉妬。家族各人にもそれぞれの歴史と葛藤が見える。大河ドラマの最終回だけ見てるような感じで読み終えた。実際には文化人系大河はもうしばらくはやらないだろうけど。
September 23, 2025 at 12:05 AM
Reposted by みけ
>◇『紙魚の手帖 vol.25 OCTOBER 2025』
>第35回鮎川哲也賞選評、および第3回創元ミステリ短編賞選評&受賞作・ジョウシャカズヤ「中年交差点ゲーム」、鷲羽巧「幽霊写真」掲載。
(東京創元社メルマガより)

よろしくお願いします。
August 18, 2025 at 10:04 AM
J・M・クッツェー『恥辱』鴻巣友季子訳
『異常(アノマリー)』で言及されていたので気になって読む。
序盤、うーんインテリ中年男性の女漁りをえんえん読まされるのだろうか…興味ない…と挫折しかけるも女子学生との関係がこじれたあたりから意外な方向へ。
話の中盤に起こる事件がつらい。自分にはまさか起きないだろうと思っているからこそ暮らしていける。でもその後も人生は続く。主人公の期待するようには動いてくれない(私も読んでてやきもき)娘、ルーシーの台詞は汎用性があるね。「わたしは脇役なんかじゃない。自分自身の人生があるし、わたしにはこの人生が大事なのよ」
August 17, 2025 at 1:17 AM
考えてみれば王谷晶、「文藝」の「中国・SF・革命」特集に寄せた短編でも私をトリックにかけていたんだよな。
へえー、おうたにあきらって名前最近よく見ると思ってたけど中国人作家だったのかー、おうこくしょうって読むのかな…とか思っていた。
August 11, 2025 at 1:16 PM
王谷晶『ババヤガの夜』評判になってるから買おうかな?と、いや、家にあった気がする…の間で迷っていたけどやはりあった。「文藝」の特集「覚醒するシスターフッド」に載ってたの読んでなかった。積読が過ぎる。
ババヤガはロシアの民話に出てくる鬼婆。悪者とも限らず、純真な女の子は助けてくれたりする。助けてもらう娘ではなく鬼婆の方になりたいというのはなんか分かる。そっちの方が楽しそう。
暴力描写多いけど不快感より痛快さの方が勝る。ダガー賞だけあって、えっそっち!?と意外性のミステリ風味もあり。
August 11, 2025 at 1:11 PM
そしていまは『異常(アノマリー)』読み途中。
あらすじ検索厳禁!!みたいなことが帯に書いてあって、感想が非常に書きづらい。これネタバレ厳禁って強制?してるものなあ。確かに驚く事態なんだけど。ある種の災害に遭った人たちを描く中で、犯罪に従事してる人がこの中にいたら?という発想が今のところ面白い。作中の「驚く事態」は、劇団イキウメの諸作品と平野啓一郎の『ある男』『空白を満たしなさい』が面白かった私にはかなり好み。
July 20, 2025 at 3:27 AM
柴崎友香『帰れない探偵』読了。
自分の探偵事務所兼自宅に帰れなくなってしまった探偵。そこへ入る道がどうしても見つからない。実はこの探偵、海外に滞在している間に統治体制が変わってしまい、母国にも帰れなくなっていることが分かってくる。
選挙の前に読めてよかったというか、今だとフィクションと片付けられない妙な生々しさを感じる。
冒頭の不思議な文章「今から十年くらいあとの話」が印象的だが、現在の「わたし」は自分の国に帰れなくなるとも知らず空港から出発しようとしている。これはあり得る未来を幻視しているということなのか、十年後から振り返ってあの頃は何も知らなかったなと回想しているのか、どっちともとれる。
July 20, 2025 at 3:17 AM
柴崎友香『帰れない探偵』
最初の一文が「今から十年くらいあとの話。」
えっどうゆうこと??十年くらい前、ならわかるけど。これだけでも面白い。中身はこれから読みます。
July 5, 2025 at 1:56 PM
アガサ・クリスティー『終りなき夜に生れつく』矢沢聖子訳
事件自体はよくあるパターンというかクリスティーの有名なアレの変奏曲とも読める、が名探偵は出てこない。
これ事件に巻き込まれた当事者の手記であることが肝なんだね。語り手は、あの事件はどういうものだったのかを探偵に解説してもらうのではなく自力で考えなければならない。そして語り手が見いだした事件の意味とは…
タイトルの意味を考えるとなんとも悲しい。
July 1, 2025 at 2:18 PM
『満潮に乗って』
ゴードンが遺言状を作っていたのだが結婚によりそれが全て無効になり、新しく遺言状を作る前に亡くなってしまった(なので親族が当てにしていた遺産がもらえずゴタゴタが起きる)というくだりで、「あっ、これウィルキー・コリンズで履修したやつ」とちょっと嬉しくなった。
June 30, 2025 at 12:31 PM
アガサ・クリスティー『満潮に乗って』恩地三保子訳
空襲に合い一族の大黒柱、ゴードンが急死。莫大な財産は若い未亡人に引き継がれることに。
未亡人にたかる親族の浅ましさ身につまされる。各々何か企んでおり、事件は中盤まで起きないがちっとも退屈しない。
これの前にオースティン読んでたこともあり、二組のカップルが相手を取り替えっこしてゴールインとなるのか?と殺人よりロマンスの行方が気になっていたが全て丸く収まるのはやはり無理かー。考えが甘かった。クリスティーはクズの描き方が上手い。
最後はそれでいいんか?続編あるとしたらこの二人離婚してそうなのだが…
June 30, 2025 at 12:22 PM
METライブビューイングで『サロメ』を観たり、クリスティーの『満潮に乗って』『終わりなき夜に生まれつく』を続けて読んだりと摂取するものの内容が濃くて疲れた。
比較的気軽に見られるあるいは読めると思った『ひとりでしにたい』も『きのう何食べた?』も親の終活という点で私をえぐってくる。(『ひとりで〜』の鳴海が「お父さんが先に○にますように!」と願うのには心当たりあり過ぎで笑った)
June 30, 2025 at 11:33 AM
しかし久世番子『よちよち文藝部』でも言われてたけど『説きふせられて』(富田彬訳)の解説でも作者の実人生つまんなそう認定されてて笑う。
オースティンはそうやって自分を馬鹿にする人達のこともじっと観察してて小説のネタにしたんでしょうね。「こういう人、いるいる!」という困ったちゃんの描写が上手すぎる。紫式部もこういう人だったのかな。大河ドラマは(ドラマだから)本人も結構波乱万丈にしてたけど。
June 1, 2025 at 1:03 AM
ジェーン・オースティン、『説きふせられて』『分別と多感』と続けて読んでるけど面白いな…
秘密裏に進む男女関係がもたらす事件はウィルキー・コリンズ、ヘンリー・ジェイムズ、そしてアガサ・クリスティーへの流れを感じる。
June 1, 2025 at 12:52 AM
アダム・ケイ『すこし痛みますよ』佐藤由樹子訳
副題『ジュニアドクターの赤裸々すぎる日記』
面白いけど邦題が変と話題になってた(副題からとられてたのね)BBCドラマ『産婦人科医アダムの赤裸々日記』ドラマ未視聴、原作あるので読んでみた。妊娠出産の大変さに溜息が出る。「すこし」痛むどころではない。
確かに身体の穴から色んなものが…(何をしていたのやら)な患者とか自分の胎盤を食べたいと言い張る妊婦とかトンデモな事態も面白おかしく紹介されてるけど、基本は医療の現場は肉体的にも精神的にもタフだということ。著者の言葉「(医療従事者たちに)仕事の終わりに、重荷を下ろすチャンスを与えてあげてください」が重い。
June 1, 2025 at 12:23 AM
mg.vol.10「ふたたび珈琲をめぐる」
毎回異なる食をテーマにしたマガジン。今回はコーヒーにまつわるあれこれ。エッセイ、短編小説、おすすめのお店紹介、コーヒー飲み比べレポートなど盛りだくさん。
表紙にも「好きでも苦手でもいい」とある通り、「コーヒーオンチのデカフェモーニング」なるレポートもあって面白い。コーヒーの香りは好きだけど味が強すぎると感じる時があるので参考になる。こういう、苦手な人にも開かれてる感じ好き。他のテーマも読んでみたい。「しょんぼり珈琲」シリーズも気になった。
#文学フリマで買った本
June 1, 2025 at 12:12 AM
『ライフ・アフター・ライフ』、『ブラッシュアップライフ』が頭にありつつ読み進めたため、バカリズムのいるカウンターの前で「すいませんどーしてもインフルエンザにかかって命を落としてしまうのですが…」と相談するアーシュラを思い描いてしまう。(「あーこの頃はスペイン風邪が世界的に流行してるので難しいですね」とかあっさり返されそう)
May 27, 2025 at 6:17 AM
ケイト・アトキンソン『ライフ・アフター・ライフ』青木純子訳
何度も生まれ変わって人生やり直す、ドラマ『ブラッシュアップライフ』と設定が似てると知って軽い気持ちで読んだが結構重量級。
パンデミックと戦争を生き抜くだけでも心身ともに大変な負担がかかる。しかもやり直すといっても記憶が完全に残ってるわけではなく、前回の危機は「嫌な予感」程度にしか認識できないようで、読者の方も「あれなんか忘れてる…?ぎゃーナンシー!!」みたいな回もあり、結構読み終わるとヘトヘト。
私は人生一回でいいな。というかこの年まで生きてこれたのが奇跡的なんだなとこれ読んでると実感する。
May 27, 2025 at 6:12 AM
#文学フリマ東京
今回も楽しかった!お目当ての本が割とスムーズに手に入れられて嬉しい。
前回詩歌のゾーンが結構ボリュームあるのに驚いたので、今回わからないながらも試し読みで気になった歌集をいくつか購入。
あと基本ミステリー関係ばかり見てたけど次回はSFやファンタジーにトライしてみたい気も。
May 11, 2025 at 10:37 AM