猫田に小判
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猫田に小判
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2005年開業の陶磁器修理店「ほん陶」店主のアカウント。
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先日、金継ぎ名称変遷を書いたが、それについての補足や分析も含めて、個人ブログでまとめてみた。まだ調べ足りない部分が多いので、noteに書くほどではないが、概ね、用語の歴史として外してはいないと思う。

『金継ぎ』という言葉はいつ生まれたのかという話
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『金継ぎ』という言葉はいつ生まれたのかという話
『金継ぎ』という言葉はいつ生まれたのかという話#金継ぎ #陶磁器修理 #徒然なる日記 #どうでもいい思い付き 金継ぎは果たして侘び寂びなのかという事に端を発し、調べを続けていたら必然的に金継ぎの歴史をきちんと抑える必要があるだろうということになる。よく言われているのは、侘び茶の発生と金継ぎは同時期というもの(この説が急に拡大したのはコロナ禍だが)。しかし「侘…
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November 7, 2025 at 10:28 AM
<金継ぎ名称変遷>
1555 ツクロイ(松屋会記)
1568 色うるしにてつくろヰ(天王寺屋会記)
1690 うるしを以てぬりつぎて(人倫訓蒙図 継物師)
1724 黒ノ繕ヒ、金繕 27 金粉鎹ツクロイ 28粉繕ヒ(槐記)
1837 漆を以て之補、金粉を粘す(守貞謾稿)
1864 粉つくろい(不二詣 織部焼 其角)
1893 イレバ(隠語通言略解)
1903 ふんづくろい(声色大会 新旧演劇)
1921 金粉繕い、金粉継合せ(大正名器鑑)
1931 金繕(日本古美術案内 上巻)
1931 金繕ひ(茶道月報 251)
1936 金漆繕い(茶道月報 331)
1937 金継ぎ(私のこのごろ)
November 5, 2025 at 11:29 AM
ブームで金継ぎ脳になると昔から何でもかんでも金継ぎしていたと思いがちだが、そうではない。茶道具には松竹梅ならぬ真行草というランクがあり、唐物である天目茶碗や肩衝茶入などは侘び茶以前からハイランクに位置づけられている。このうち肩衝は茶碗と違い共直しと呼ばれる修理箇所を見せない漆直しで行われる。天王寺屋会記には「ツクロイアルトモ不見」とあるし、大正名器鑑でも雲山以外の肩衝は全て共直しになっている。直しの違いは恐らく用途によるもので、温度変化や茶筅による劣化要素の多い茶碗に対し、肩衝は点茶の粉と接触するので乾布で清めることはあるが洗わないため劣化が起こりにくい。直しは昔から適材適所なのだ。
October 30, 2025 at 12:54 AM
茶碗の直しに「継ぎ」という文字を使う事は、金継ぎという用語が使われ始める1930年よりも前、1921年発刊の大正名器鑑9巻で「呼継ぎ」として多く登場する。呼継ぎが高橋義雄による命名か、あるいは明治の数奇者が使っていた用語かは不明だが、元来、人を介して対象人に伝達する呼び継ぐという動詞を元にした風流な言い回しだ。数奇者は罅(ヒビ)を響き(ヒビキ)、欠けヒビを樋(カケヒ)と言ったり呼び方に風情がある。大正名器鑑では、同一物の直しには繕い、異種物を使った直しを継ぎと明確に区別しているが、一般に広まることで、そうした分類が無くなり金粉継ぎと呼ばれ、程なくして金継ぎと略されるようになったのだろう。
October 29, 2025 at 4:11 AM
文献を見ると、侘び茶の席の道具(茶碗、天目台、花器など)に修理品が使われていた事は明白で「ツクロヒアリ」という言葉が添えられている。ツクロヒの前に「漆、色漆、鎹」といった材料名が付く事もある。金粉と明記したものは1727年の槐記の竹花入からなので、現在の金装飾の直しが始まったのは1700年頃だろうと思われる。ちなみに「金継ぎ」という名詞は1937年の東邦電力重役斎藤英一の自伝で友人の体を心配する例えとして「金継ぎをやっているようなもの」と用いられているので、この頃に一般化していたと思われる。それまでは「金粉繕い」「金繕い」として専門書に登場する事はあるが、例えとして使われる事は殆ど無い。
October 28, 2025 at 3:59 AM
海外は元より最近は日本でも金継ぎの習い事では器を壊して始める事が増えているらしい。これは今に始まった事ではなく、昭和初期では民芸運動の柳宗悦、戦後高度経済成長では堂本印象などが随筆の中で好事家が器を割りまくる事に不快を表している。金継ぎが麻薬にも似た中毒性を生むのは、江戸時代の金粉繕い発生当初からある呪いみたいなものだったりするのかもしれない。金継ぎは脇役として考えるべきで、主役にすると金継ぎという名の大量消費に拍車がかかるだけだというのは個人的に前から言っており、金継ぎの呪いを断ち切る聡明な人が令和の金継ぎブームを牽引してほしいなぁと思っていたりするのだが、やはり相当に難しいようだ。
October 18, 2025 at 12:21 AM
江戸時代前期の茶道流派の氾濫により、中期になると流派正当性のため利休を聖人として担く傾向が強まった。そうした傾向は現在も残っており雲山肩衝は利休の慧眼の例えとして語られる事が多い。だが『茶道四祖伝書』には、少庵(息子)が茶室に突上窓を2つ作ったら利休に怒られたので1つに戻すも、その後に利休の茶室を見たら2つ窓になっており、理由を聞いたら「数奇に親も子もない。自分が2つ窓にするためにお前の茶室の窓を1つにした」と答えたというエピソードがあり、利休は意外に負けず嫌いなところがあったようだ。継ぎ直した雲山肩衝を利休が褒めたというのも、本当はそれと似た話だったのではないか、と個人的には思っている。
October 9, 2025 at 11:44 AM
室町後期~江戸初期に書かれた茶会記(お茶会で使われた道具や料理を記録した書物)や準書物に金継ぎの記載が無いのは、茶器で築いた信頼を失わないためだという説明書きをたまに見るが、それは間違いだろう。そもそも茶会記は参加者が書き残すもので、それを複数人で読み合わせたりするような事はなく、むしろ日記に近い。実際に茶会記を調べてみると「われもの」や「つくろい」という記載は複数に見られ、中には壊れそうで危ないと書かれたものもある。つまり、金継ぎの記載が無いのは、漆で接着や埋めを行っただけのもので金を使った直しが無かったからだろう。金継ぎをイメージだけで説明したり鵜呑みにするのは考えものだと思う。
October 5, 2025 at 1:09 AM
最近は接着して目立つ色が付いたものは全部金継ぎになっていて、伝統技法とキャッチフレーズを使う割に、それの何処に伝統?って聞きたくなる状態だったり、心を金継ぎするとかセラピーの付加価値として使われたりしているだが、実は江戸末期から明治初期に掛けては、これと全く似た状態だったのが「焼継ぎ」だったりする。国立国会図書館ライブラリーを見ると、頭の皿を焼継ぎしてくれとカッパにお願いされた話とか、2つに切られた人と地蔵が合体して仇討ちする話の人地蔵の必殺技が焼継ぎ切りだったりとか、もはや白玉で継ぐのと関係ない焼継ぎ創作で盛り上がっていたらしい。流行りに乗りたがる人が出てくるのは、いつの時代も同じだ。
October 3, 2025 at 10:41 AM
侘び茶は細部を追っていくと極めて複雑で奥深く、一人の人間の思考を遥かに凌駕する内容を持っている。しかし、それは細部を見るからであり、実は利休が求めた侘び茶の原理は至ってシンプルで、「自然に即しているか」というただ一点だ。そして、自然という尺度に用いられるのが禅なわけだが、日本の禅は道教と混じった状態で入ってきているため、核に陰陽の対立構造を持っている。だから侘び茶の席の道具組みは、似た物を使わない、前回と同じものは用いないという変化を欲している。亭主と客もそうした静と動、陰陽の構造の一部であり、その最終地点が、物質が減るほど心の空間が増えるという侘びの精神に集約することになる。
September 30, 2025 at 11:54 AM
最近は失礼クリエイターと揶揄されたりするマナー講師という職種がメディアに出始めた頃は、大抵の人が茶道流派の家元という肩書を名乗っていたと記憶している。これは、裏千家が礼儀修養として女学校に茶道を推薦し、教科や部活として広がった事に由来する。本来は侘び茶の茶室内限定だった所作が、国家形成として日本人の礼儀に拡大されたわけだ。日本にマナー講師が生まれる土壌はこうして形成されたわけだが、実は江戸時代中期に記された『源流茶話』では、すでに茶道の分派が加速し、何が正解なのか分からない混沌状態になっているという事が語られている。いつの時代も、人の考えや行動は大差ないという事なのかもしれない。
September 24, 2025 at 12:22 PM
金継ぎが流行り始めた頃に、千利休は金継ぎを褒めたという話を結構見た。これは『茶話指月集』という書物の「雲山」肩衝(茶入れ)のエピソードの曲解だ。正確には、堺の商人の茶の湯に呼ばれた利休が雲山を好んでいなかったという話を知った持ち主が投げ割って捨てたものを知人が持ち帰り、自分で継ぎ直して再度、利休に見せたところ「見事だ」と言われる。後に雲山を購入した京極高広という丹波の領主が、素人直しなのでやり直したいと小堀遠州に相談したところ、このガッタガタな感じを利休は褒めたんだよと言われたという話。つまり形における寂びとは何かを表すエピソードであって、金継ぎを評価したという話では全く無かったりする。
September 20, 2025 at 1:57 AM
金継ぎが茶器の直しに用いられてきた経緯があるため、金継ぎは侘び寂びだと紹介するものは多い。茶道と言えば侘び寂びというステレオタイプによるものなのだろうが、茶道の歴史を調べると、室町時代に村田珠光が茶の湯に寂びという概念が持ち込み、千利休によって禅と飲茶が融合した侘び茶へと発展したというのは有名だが、江戸時代初期には流派の乱立や、侘びの形骸、遊芸化が広まり、侘び茶復古運動なども行われた事はあまり知られていない。修理箇所に金を蒔く技法は、江戸時代の茶道遊芸化の過程で出てきた可能性がかなり濃厚だと思っている。今でこそ侘び茶も名残の月に金継ぎ品を用いる事があるが、それは古くからあるものではない。
September 14, 2025 at 1:09 AM
金継ぎは正確には「漆継ぎ金蒔絵」で、壊れたから継ぐ以外に、窯出しで市場価値が無いと判断され破棄したものを集め、市場価値に変換するという役割も持つ。それを「呼継ぎ」と言う。有名なのは織田信長の弟、有楽斎が所持したと言われる呼継茶碗。その他、岐阜県美濃地方で夫婦和合として結婚式の贈答品にする風習があったと言われているが、実はこの風習を記録した書物、贈答品の現物だという一次資料が全く出てこない。いつ頃の風習なのかすら分からない。制作の手間から考えてかなり時間もかかるし高額品だと思うので桐箱付きの伝承品として残ってもおかしくないが全く見ない。金継ぎ周りは話だけで一次資料の有るものがとにかく少ない。
September 9, 2025 at 12:43 AM
千利休の孫、宗旦が語った利休の逸話や教えを纏めた江戸中期の書物『茶話指月集』」には「棗は漆の滓をまぜてざっとぬれ、中次は念を入れ真にぬれ」という記述がある。棗と中次は抹茶用の容器で、丸みのあるものが棗、筒形で合せ目が中央にあるものを中次と言う。利休はこれを塗装する際、棗はカスが入っているような漆を使い一発で決める、中次は塗り研ぎを重ねて綺麗に仕上げるのが侘び茶の道具立てだと言っている。深すぎて、どういうこと?となるが、このバランス感覚が千利休の真骨頂なのだろうというのは分かる。侘びは只のお気持ち趣味ではなく超高度なバランスアートだ。金継ぎを侘びとするなら、このバランスは重要なのかもしれない。
September 4, 2025 at 1:19 AM
金継ぎでやたら注目されるようになった侘び寂びという用語だが、じつは、明治の文明開化によって海外文化が流入することによって起こった「日本人とは」、「日本人の美的感性とは」というナショナリズム運動、そして、大正末期から昭和の初期に盛んとなる日本文化の海外発信の波、という流れによる再定義の歴史によって固定化されてきたという側面が非常に大きい。金継ぎブーム以来、侘び寂びは日本の伝統だ文化だという発言は多く見られ、それは中世から連綿と続いている不変の思想や定義という意味合いを含んでいると思うが、調べてみると現代人が思う侘び寂びの多くは、意外にも昭和以降に形成されてきたものだったりする。
August 28, 2025 at 11:43 AM
noteは一段落させたので、あとの技術と関係ない金継ぎの与太話については個人ブログの方でやろうかなと思っている。

猫田に小判-新館-
侘び寂びと金継ぎはどう関係してきたのか?という話
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侘び寂びと金継ぎはどう関係してきたのか?という話
侘び寂びと金継ぎはどう関係してきたのか?という話#徒然なる日記 #どうでもいい思い付き #金継ぎ noteの金継ぎ解説を一区切り付けたので、その後の暇つぶしで侘び寂びについて掘っている。そこで気付いたのは、侘び茶が当時の外国被れに対するカウンターカルチャーだったのは間違いないとして、その起こりとなった精神的な部分は平安時代の国風文化なんだろうなぁという事。無…
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August 21, 2025 at 5:15 AM
物を売る商売とは、既存の考え方に新たな価値を付加して認知させることだという文脈において、昨今の金継ぎが付加価値を持つこと自体に何ら問題は無いし、そうした市場が生まれることを否定するものでもないのだが、個人的に問題だと思っているのは、市場を拡大するために創出した金継ぎの付加価値が、昔から有った由緒正しい歴史に裏付けられたものだという、言うなれば誤情報とセットで拡散されていることで、しかも耳障りが良く理解しやすい(悪く言えば話が浅い)ので余計に信じ込み易く、大多数が何の疑問も持たずマーケットの拡大に加担しているという事。これって再生可能エネルギーと似たような構造を感じてしまったりするのだが。
August 11, 2025 at 4:25 AM
この前、本編(全31回)の図解のイラストを全面的にChatGPT仕上げに差し替えたとお知らせしたが、スピンオフ(全18回)もChatGPT仕上げへの差し替えと図解追加が完了した。スピンオフは本編よりも理論的な部分が多く、説明は図を入れないと明らかに読みにくいだろうと思っていたので、これで気になる部分を改定して完全にシリーズ完結(たぶん)出来たと思う。
ChatGPTは無料だと24時間で2~3枚しか仕上げがお願い出来ず、1日で1枚も仕上がらなかったり、別途レタッチの仕上げをしたりで、えらい時間が掛かってしまったが、これでスッキリした。
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HONTOU Koba|note
●陶磁器専門の金継ぎ修理店「ほん陶」(2005年~)店主。 ●金継ぎを始めた方むけに金継ぎに関する基礎知識を書いています。 ●記事は1回2000字程度で読んで疲れない程度の長さになるよう心がけています(Spinoffは長めです)。
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August 5, 2025 at 12:06 AM
ラフ画をChatGPTにアップロードして「この絵は◯◯を表しています。これを以下の要件に沿って仕上げて下さい。1,~、2,~」とプロンプトを書いて実行するとクオリティの高い図解に仕上げてくれると知る。当初からnoteの金継ぎ解説の手書き図解のクオリティの低さが非常に気になっており、それ故に図解を入れる事にためらいもあったのだが、ChatGPTでそれを打開できると分かったので、本編の図解を全面的にAI仕上げに変更し、かつ、不足箇所には新規図解を加えて刷新を試みた。図解用に少し文章も推敲してあるので、前より読みやすくなっていると思う。
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HONTOU T Kobayashi|note
●陶磁器専門の金継ぎ修理店「ほん陶」(2005年~)店主。 ●金継ぎを始めた方むけに金継ぎに関する基礎知識を書いています。 ●記事は1回2000字前後で読んで疲れない程度の長さになるよう心がけています(Spinoffは長めです)。
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July 31, 2025 at 3:51 AM
講習では「何故そうなるのか」という部分を出来るだけ説明することにしている。直ぐに忘れてしまったとしても、その作業の裏にはどういった原理が働いているのか、という事に気付いた瞬間の「なるほど」という心の動きは、金継ぎが単なる見た目や技術だけではないことを知る醍醐味ではないかと個人的には考えている。というわけで、金継ぎで使う漆の主成分は何で出来ているのかを説明するためのモデル図を作ってみた。炭素、酸素、水素という、たった3種の原子の構造から金継ぎは生まれてくるという事実を通して、更に漆や金継ぎの面白さを知るきっかけにして頂ければと思う次第である。図はフリー素材として自由に使って頂けます。
July 21, 2025 at 10:41 AM
金継ぎで得た一般知識は出し尽くした感じがあり(個々の器の違いによる修理理論みたいなものはあるが、流石に一般的知識とは乖離してしまうので)、これでシリーズ一区切りになるだろうと個人的には思っていて、最後だし書きたいことは書いておこうとやったら、やっぱり興味対象にならないようで初動24時間の閲覧数が53ビュー。そりゃそうなるか。ブームで広まった金継ぎの考え方や手順に真っ向から反論している部分もあるからなぁ。昨今の金継ぎを信じてやっている多数には届かないだろう。でも間違えたことは言ってないと思うし、100年後に理解して貰えればいいかな。
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案外 書かれない金継ぎの話 Spinoff 18 事前調整について|HONTOU T Kobayashi
「金継ぎは詰まるところ、漆をどのように固めるか、固めたかという結果」だと本編の第3回で書きましたが、違う視点で捉えると「金継ぎは、漆と物を結合した結果」だと言えます。破片の接着はもちろん、ヒビ止めや欠け埋めも、漆と物の「結合」と見ることが出来ます。 従って、修理箇所の耐久性は、結合強度が要になると言っても良いでしょう。結合強度を最大化するためには、事前調整の見極めも大切になります。 そこで今回は、...
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July 15, 2025 at 12:04 AM
気象予報士が最初の頃は資料が山のようにあるのに、どう組み合わせたら天気予報になるか分からなかったと話していたのを思い出す。今回は正にソレ。今年中に書けるのか?と思っていたが、急に全パーツが脳内で組み上がる瞬間があり、そこからは早かった。
前回の酵素と今回の湿度は、漆の必須項目なのに纏まった解説が見つからない2大巨頭だと思う。パーツは多いが組み上げるには閃きが必要だからだと思う。この2つが書けたので、正直、やりきった感が大きい。もう、金継ぎに関する話は十分したと思っていたりするけど、いつかまた疑問が湧いたら地道に調べて書くのかもしれない。
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案外 書かれない金継ぎの話 Spinoff 17 湿度が持つ働き|T Kobayashi
漆を乾かすには湿度が必要という知識は、漆を扱う際の基本です。しかし、具体的に湿度がどのような働きをしているのかという問に答えるのは、複雑な反応の仕組みや、多くの理論を理解する必要があり相当に大変です。そのため金継ぎ専門書でも解説されることは、まず有りません。 そこで今回は、湿度の働きについての解説を試みたいと思います。 高湿度環境で漆に何が起こっているのかを臨場的に伝える事を優先しましたので、正確...
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July 4, 2025 at 1:46 AM
恐らくAIが生成したものをコピペに近い状態で作ったと思う。現在、AIは金継ぎについて概ねこんな感じで95%くらい信憑性の無い(ほぼ嘘と言っていいと個人的には思う)説明をする。そして残念なことに金継ぎに興味を持ったり、結構、教えている人間も含めて95%以上が、それを鵜呑みにし広がっている。金継ぎで確かなのは、金継ぎ品が現存しているという事実だけで、歴史はおろか材料や技術についても全く研究されていないのが実情で、AIの解説はここ数年で金継ぎで一旗上げたい人間の作ったポエムの集合体だと思った方がいい。https://note.com/takumiinoue2020/n/n5c04412aee88
金継ぎ:日本の美意識と修復の哲学 - 国宝・重要文化財の事例から現代的意義まで|Takumi
1. はじめに:金継ぎとは何か 金継ぎの定義と「金繕い」の概念 金継ぎは、陶磁器の破損部分を漆を用いて修繕し、その継ぎ目を金粉で装飾する日本独自の伝統的な修復技法である 。古くは「金繕い(きんつくろい)」とも呼ばれたこの技法は、単に破損を機能的に修復するだけでなく、その傷跡を新たな美として昇華させる点に最大の特徴がある 。破損を隠蔽するのではなく、むしろそれを際立たせ、器の歴史の一部として受け...
note.com
June 28, 2025 at 12:47 AM
食衛法ポジティブリスト制度施行を知らない人が多い事もあり、賛否あったりするようだが、個人的には是非で言えば是だと思う。というのも、じつは自動車運転免許制度もポジティブリスト制度と同じ構造だなと気付いたから。国民はすべからく車の運転をしてはいけない。但し運転のための法律を学び運転技能を有する者はこれを許可する、というのが運転免許の骨子なわけで、何故それが必要かというと他人の人生や命に関わる事だからだ。身近過ぎて気付かないが、世の中の位置付けを考えると食器も車と同じ様に他人の人生や命に結構な割合で関わっている。違うのは免許証の有無で、それが無いだけポジティブリスト制度はまだ優しいといえる。
June 19, 2025 at 12:21 AM