nozomi
@nozomiski.bsky.social
Xから移ってくるべきか考え中。
東京都下で、ジェイク(マルックスチワワ)と暮らしています。
興味は政治、国際時事ニュース、読書、バレーボール観戦、犬連れ旅行など。
東京都下で、ジェイク(マルックスチワワ)と暮らしています。
興味は政治、国際時事ニュース、読書、バレーボール観戦、犬連れ旅行など。
#読書記録
#不登校
坂本則子『わが子が不登校という問い 母として教師として』(新日本出版社)
中学教員として、荒れる生徒たちとガチで向き合う熱血教師だった著者。その二人の子ども(姉、弟)が立て続けに不登校に。
その事態を心底から受け入れるまでには、自分自身が身に纏ってきた良い子、良い母、良い教師の鎧をすべて脱ぎ捨てなければならなかった。でも、それがいかに尊い、得難い学びであったかが、臨場感を持って描かれる。
私もわが子の不登校を経験しているので覚えがある感覚ばかりでした。特に弟くんはうちの子とタイプがソックリで、分かる分かる…。いま悩んでる方、ぜひ読んでみてほしいです。
#不登校
坂本則子『わが子が不登校という問い 母として教師として』(新日本出版社)
中学教員として、荒れる生徒たちとガチで向き合う熱血教師だった著者。その二人の子ども(姉、弟)が立て続けに不登校に。
その事態を心底から受け入れるまでには、自分自身が身に纏ってきた良い子、良い母、良い教師の鎧をすべて脱ぎ捨てなければならなかった。でも、それがいかに尊い、得難い学びであったかが、臨場感を持って描かれる。
私もわが子の不登校を経験しているので覚えがある感覚ばかりでした。特に弟くんはうちの子とタイプがソックリで、分かる分かる…。いま悩んでる方、ぜひ読んでみてほしいです。
October 23, 2025 at 11:01 PM
#読書記録
ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』(早川書房)
2020年の大ヒット作。ふとタイトルを思い出し図書館で探したら、待たずに借りられた。どんな話かも知らずに読んだけれど、素晴らしい小説だった。
アメリカの湿地帯に住む貧しい白人一家。父の暴力から逃れて母や兄姉が次々失踪し、6歳の末娘カイアが残される。親切の手を差し伸べるのはほんの幾人か。学校にも行かず何とか生き延びたカイアが、文字を覚え、美しく成長して恋をし、傷つき…。
子を捨てる母の思いを知りたいと湿地生物の生態を学ぶカイア。残酷な自然の摂理が、彼女を慰め、導いていくさまが悲しく、また味わい深い。
ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』(早川書房)
2020年の大ヒット作。ふとタイトルを思い出し図書館で探したら、待たずに借りられた。どんな話かも知らずに読んだけれど、素晴らしい小説だった。
アメリカの湿地帯に住む貧しい白人一家。父の暴力から逃れて母や兄姉が次々失踪し、6歳の末娘カイアが残される。親切の手を差し伸べるのはほんの幾人か。学校にも行かず何とか生き延びたカイアが、文字を覚え、美しく成長して恋をし、傷つき…。
子を捨てる母の思いを知りたいと湿地生物の生態を学ぶカイア。残酷な自然の摂理が、彼女を慰め、導いていくさまが悲しく、また味わい深い。
October 20, 2025 at 2:10 PM
#読書記録
ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』(早川書房)
2020年の大ヒット作。ふとタイトルを思い出し図書館で探したら、待たずに借りられた。どんな話かも知らずに読んだけれど、素晴らしい小説だった。
アメリカの湿地帯に住む貧しい白人一家。父の暴力から逃れて母や兄姉が次々失踪し、6歳の末娘カイアが残される。親切の手を差し伸べるのはほんの幾人か。学校にも行かず何とか生き延びたカイアが、文字を覚え、美しく成長して恋をし、傷つき…。
子を捨てる母の思いを知りたいと湿地生物の生態を学ぶカイア。残酷な自然の摂理が、彼女を慰め、導いていくさまが悲しく、また味わい深い。
ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』(早川書房)
2020年の大ヒット作。ふとタイトルを思い出し図書館で探したら、待たずに借りられた。どんな話かも知らずに読んだけれど、素晴らしい小説だった。
アメリカの湿地帯に住む貧しい白人一家。父の暴力から逃れて母や兄姉が次々失踪し、6歳の末娘カイアが残される。親切の手を差し伸べるのはほんの幾人か。学校にも行かず何とか生き延びたカイアが、文字を覚え、美しく成長して恋をし、傷つき…。
子を捨てる母の思いを知りたいと湿地生物の生態を学ぶカイア。残酷な自然の摂理が、彼女を慰め、導いていくさまが悲しく、また味わい深い。
#読書記録
カズオ・イシグロ『遠い山なみの光』(ハヤカワ文庫)
石川慶監督の映画を見て、謎めいた、かつ人間を深く洞察させる物語の展開に感銘を受け、これまで若干苦手意識があったカズオ・イシグロの原作を読了。
映画を見ていたことに助けられて、スイスイ読み通すことができたんだけど、いや、ビックリしたなあ。この原作から、あの映画を生み出したとは。石川監督のセンスに感動!
映画も、原作も、オススメです。原作がまだの方は、映画から入ると、本当に楽しめると思います。
カズオ・イシグロ『遠い山なみの光』(ハヤカワ文庫)
石川慶監督の映画を見て、謎めいた、かつ人間を深く洞察させる物語の展開に感銘を受け、これまで若干苦手意識があったカズオ・イシグロの原作を読了。
映画を見ていたことに助けられて、スイスイ読み通すことができたんだけど、いや、ビックリしたなあ。この原作から、あの映画を生み出したとは。石川監督のセンスに感動!
映画も、原作も、オススメです。原作がまだの方は、映画から入ると、本当に楽しめると思います。
October 12, 2025 at 10:53 AM
#読書記録
カズオ・イシグロ『遠い山なみの光』(ハヤカワ文庫)
石川慶監督の映画を見て、謎めいた、かつ人間を深く洞察させる物語の展開に感銘を受け、これまで若干苦手意識があったカズオ・イシグロの原作を読了。
映画を見ていたことに助けられて、スイスイ読み通すことができたんだけど、いや、ビックリしたなあ。この原作から、あの映画を生み出したとは。石川監督のセンスに感動!
映画も、原作も、オススメです。原作がまだの方は、映画から入ると、本当に楽しめると思います。
カズオ・イシグロ『遠い山なみの光』(ハヤカワ文庫)
石川慶監督の映画を見て、謎めいた、かつ人間を深く洞察させる物語の展開に感銘を受け、これまで若干苦手意識があったカズオ・イシグロの原作を読了。
映画を見ていたことに助けられて、スイスイ読み通すことができたんだけど、いや、ビックリしたなあ。この原作から、あの映画を生み出したとは。石川監督のセンスに感動!
映画も、原作も、オススメです。原作がまだの方は、映画から入ると、本当に楽しめると思います。
#読書記録
村山由佳『PRIZE』(文藝春秋)
超売れっ子作家の天羽カイン。本屋大賞などはとりまくっているが、直木賞があと一歩でいつもとれない。一体何がダメなのか??天羽の熱烈なファンでもある編集者の緒沢千紘とタッグを組み、のたうちながら挑んでいく。
村山由佳作品はいつもだが、女性の心理描写、作家や編集者の業の深さの言語化が容赦ない。
カインの周囲への暴言暴力についての本人の自覚には「なるほどそういう心理か」と腑に落ちたし、カインの性暴力被害者への偏見を、千紘が自らの被害体験を明かし諌める場面は重要だと思った。
千紘がだんだん自信をつけていくが、結末がまた…😢 本好き女性必読の作品。
村山由佳『PRIZE』(文藝春秋)
超売れっ子作家の天羽カイン。本屋大賞などはとりまくっているが、直木賞があと一歩でいつもとれない。一体何がダメなのか??天羽の熱烈なファンでもある編集者の緒沢千紘とタッグを組み、のたうちながら挑んでいく。
村山由佳作品はいつもだが、女性の心理描写、作家や編集者の業の深さの言語化が容赦ない。
カインの周囲への暴言暴力についての本人の自覚には「なるほどそういう心理か」と腑に落ちたし、カインの性暴力被害者への偏見を、千紘が自らの被害体験を明かし諌める場面は重要だと思った。
千紘がだんだん自信をつけていくが、結末がまた…😢 本好き女性必読の作品。
September 30, 2025 at 12:40 AM
#読書記録
村山由佳『PRIZE』(文藝春秋)
超売れっ子作家の天羽カイン。本屋大賞などはとりまくっているが、直木賞があと一歩でいつもとれない。一体何がダメなのか??天羽の熱烈なファンでもある編集者の緒沢千紘とタッグを組み、のたうちながら挑んでいく。
村山由佳作品はいつもだが、女性の心理描写、作家や編集者の業の深さの言語化が容赦ない。
カインの周囲への暴言暴力についての本人の自覚には「なるほどそういう心理か」と腑に落ちたし、カインの性暴力被害者への偏見を、千紘が自らの被害体験を明かし諌める場面は重要だと思った。
千紘がだんだん自信をつけていくが、結末がまた…😢 本好き女性必読の作品。
村山由佳『PRIZE』(文藝春秋)
超売れっ子作家の天羽カイン。本屋大賞などはとりまくっているが、直木賞があと一歩でいつもとれない。一体何がダメなのか??天羽の熱烈なファンでもある編集者の緒沢千紘とタッグを組み、のたうちながら挑んでいく。
村山由佳作品はいつもだが、女性の心理描写、作家や編集者の業の深さの言語化が容赦ない。
カインの周囲への暴言暴力についての本人の自覚には「なるほどそういう心理か」と腑に落ちたし、カインの性暴力被害者への偏見を、千紘が自らの被害体験を明かし諌める場面は重要だと思った。
千紘がだんだん自信をつけていくが、結末がまた…😢 本好き女性必読の作品。
呉勝浩『爆弾』(講談社文庫)
10/31公開で映画化されるという本作。
秋葉原、代々木、東京ドームなど、お馴染みの場所で爆弾が炸裂。軽微な犯罪でつかまった“無敵の人”スズキタゴサクが、取調室で思わせぶりなことを話し、次の爆発個所を予言していく…。
映画でスズキを演じる佐藤二朗氏がXで宣伝しているのを見かけ、私の面白センサーが発動。いやーこれを演じる佐藤二朗、見てみたい!
呉勝浩作品は初読でしたが、人物造形と心理描写が巧みで、世相批判も効いており、好みの作風。期待通りのミステリーでした!
10/31公開で映画化されるという本作。
秋葉原、代々木、東京ドームなど、お馴染みの場所で爆弾が炸裂。軽微な犯罪でつかまった“無敵の人”スズキタゴサクが、取調室で思わせぶりなことを話し、次の爆発個所を予言していく…。
映画でスズキを演じる佐藤二朗氏がXで宣伝しているのを見かけ、私の面白センサーが発動。いやーこれを演じる佐藤二朗、見てみたい!
呉勝浩作品は初読でしたが、人物造形と心理描写が巧みで、世相批判も効いており、好みの作風。期待通りのミステリーでした!
September 21, 2025 at 12:24 PM
呉勝浩『爆弾』(講談社文庫)
10/31公開で映画化されるという本作。
秋葉原、代々木、東京ドームなど、お馴染みの場所で爆弾が炸裂。軽微な犯罪でつかまった“無敵の人”スズキタゴサクが、取調室で思わせぶりなことを話し、次の爆発個所を予言していく…。
映画でスズキを演じる佐藤二朗氏がXで宣伝しているのを見かけ、私の面白センサーが発動。いやーこれを演じる佐藤二朗、見てみたい!
呉勝浩作品は初読でしたが、人物造形と心理描写が巧みで、世相批判も効いており、好みの作風。期待通りのミステリーでした!
10/31公開で映画化されるという本作。
秋葉原、代々木、東京ドームなど、お馴染みの場所で爆弾が炸裂。軽微な犯罪でつかまった“無敵の人”スズキタゴサクが、取調室で思わせぶりなことを話し、次の爆発個所を予言していく…。
映画でスズキを演じる佐藤二朗氏がXで宣伝しているのを見かけ、私の面白センサーが発動。いやーこれを演じる佐藤二朗、見てみたい!
呉勝浩作品は初読でしたが、人物造形と心理描写が巧みで、世相批判も効いており、好みの作風。期待通りのミステリーでした!
昨日 #ミュージカル #ある男 を観てきました。
原作小説が大好きで、映画版もなかなか良かったけど、ミュージカル化の話を聞いたときはビックリ。あの重厚で繊細な物語が、どうやって歌や踊りになるのだろうか…。
そして、みてさらにビックリ。小説や映画では実現しないが、城戸とX、城戸の妻香織とXの妻里枝とが、ステージでは時と場を同じくし、歌で精神の共鳴を表現する。ミュージカルだからこそ描き出せる原作小説の真髄。何度も心が震え、涙が溢れました。
才能あるクリエイターと役者の皆さんの共同作業に拍手。
東京公演はあと6回、その後全国にも。
皆さん、ぜひ観てください💕
原作小説が大好きで、映画版もなかなか良かったけど、ミュージカル化の話を聞いたときはビックリ。あの重厚で繊細な物語が、どうやって歌や踊りになるのだろうか…。
そして、みてさらにビックリ。小説や映画では実現しないが、城戸とX、城戸の妻香織とXの妻里枝とが、ステージでは時と場を同じくし、歌で精神の共鳴を表現する。ミュージカルだからこそ描き出せる原作小説の真髄。何度も心が震え、涙が溢れました。
才能あるクリエイターと役者の皆さんの共同作業に拍手。
東京公演はあと6回、その後全国にも。
皆さん、ぜひ観てください💕
August 14, 2025 at 2:11 AM
#読書記録
レティシア・コロンバニ著、齋藤可津子訳『彼女たちの部屋』(早川書房)
舞台はパリ。子どもの頃から優等生でエリート弁護士街道まっしぐらだったソレーヌが、クライアントの自死や恋人との別離によりメンタル不調を来たす。リハビリのために始めたのは、女性のためのシェルター「女性会館」での代書人ボランティア。そこで出会った、クセの強い居住者たちとの触れ合いを通して、ソレーヌは希望をつかんでいく…。
家父長制ズブズブの極右政党が議席を増やした参院選の結果に不安を覚えている人、現代のジェンダーバックラッシュの強さにおののいている人は、この小説をぜひ読んでほしい。めちゃめちゃ元気出ます。
レティシア・コロンバニ著、齋藤可津子訳『彼女たちの部屋』(早川書房)
舞台はパリ。子どもの頃から優等生でエリート弁護士街道まっしぐらだったソレーヌが、クライアントの自死や恋人との別離によりメンタル不調を来たす。リハビリのために始めたのは、女性のためのシェルター「女性会館」での代書人ボランティア。そこで出会った、クセの強い居住者たちとの触れ合いを通して、ソレーヌは希望をつかんでいく…。
家父長制ズブズブの極右政党が議席を増やした参院選の結果に不安を覚えている人、現代のジェンダーバックラッシュの強さにおののいている人は、この小説をぜひ読んでほしい。めちゃめちゃ元気出ます。
July 27, 2025 at 10:57 AM
#読書記録
レティシア・コロンバニ著、齋藤可津子訳『彼女たちの部屋』(早川書房)
舞台はパリ。子どもの頃から優等生でエリート弁護士街道まっしぐらだったソレーヌが、クライアントの自死や恋人との別離によりメンタル不調を来たす。リハビリのために始めたのは、女性のためのシェルター「女性会館」での代書人ボランティア。そこで出会った、クセの強い居住者たちとの触れ合いを通して、ソレーヌは希望をつかんでいく…。
家父長制ズブズブの極右政党が議席を増やした参院選の結果に不安を覚えている人、現代のジェンダーバックラッシュの強さにおののいている人は、この小説をぜひ読んでほしい。めちゃめちゃ元気出ます。
レティシア・コロンバニ著、齋藤可津子訳『彼女たちの部屋』(早川書房)
舞台はパリ。子どもの頃から優等生でエリート弁護士街道まっしぐらだったソレーヌが、クライアントの自死や恋人との別離によりメンタル不調を来たす。リハビリのために始めたのは、女性のためのシェルター「女性会館」での代書人ボランティア。そこで出会った、クセの強い居住者たちとの触れ合いを通して、ソレーヌは希望をつかんでいく…。
家父長制ズブズブの極右政党が議席を増やした参院選の結果に不安を覚えている人、現代のジェンダーバックラッシュの強さにおののいている人は、この小説をぜひ読んでほしい。めちゃめちゃ元気出ます。
#読書記録
柚木麻子『BUTTER』(新潮社)
結婚詐欺の末、男性3人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子。決して若くも美しくもない容姿なのに、なぜ男たちがこうも惹きつけられたのか、世間は興味津々だ。週刊誌記者の里佳は、梶井との面会に成功するが、彼女の自信に満ち溢れた言動に、翻弄されていく…。
よく「誰かの愛を勝ち取るには胃袋をつかめ」と言われるが、それを地で行くような物語が展開する。浮かび上がっていくのは、誰もが抱える満たされなさ。濃厚なバターの香りを感じながら、ゆっくりなめるように読み進めた。
柚木麻子『BUTTER』(新潮社)
結婚詐欺の末、男性3人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子。決して若くも美しくもない容姿なのに、なぜ男たちがこうも惹きつけられたのか、世間は興味津々だ。週刊誌記者の里佳は、梶井との面会に成功するが、彼女の自信に満ち溢れた言動に、翻弄されていく…。
よく「誰かの愛を勝ち取るには胃袋をつかめ」と言われるが、それを地で行くような物語が展開する。浮かび上がっていくのは、誰もが抱える満たされなさ。濃厚なバターの香りを感じながら、ゆっくりなめるように読み進めた。
July 26, 2025 at 11:07 PM
#読書記録
柚木麻子『BUTTER』(新潮社)
結婚詐欺の末、男性3人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子。決して若くも美しくもない容姿なのに、なぜ男たちがこうも惹きつけられたのか、世間は興味津々だ。週刊誌記者の里佳は、梶井との面会に成功するが、彼女の自信に満ち溢れた言動に、翻弄されていく…。
よく「誰かの愛を勝ち取るには胃袋をつかめ」と言われるが、それを地で行くような物語が展開する。浮かび上がっていくのは、誰もが抱える満たされなさ。濃厚なバターの香りを感じながら、ゆっくりなめるように読み進めた。
柚木麻子『BUTTER』(新潮社)
結婚詐欺の末、男性3人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子。決して若くも美しくもない容姿なのに、なぜ男たちがこうも惹きつけられたのか、世間は興味津々だ。週刊誌記者の里佳は、梶井との面会に成功するが、彼女の自信に満ち溢れた言動に、翻弄されていく…。
よく「誰かの愛を勝ち取るには胃袋をつかめ」と言われるが、それを地で行くような物語が展開する。浮かび上がっていくのは、誰もが抱える満たされなさ。濃厚なバターの香りを感じながら、ゆっくりなめるように読み進めた。
#読書記録
衣刀信吾『午前零時の評議室』(光文社)
昨年、日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞したこの作品の作家は、日弁連副会長を務める現役弁護士。裁判員に選任されたとの通知を受けた大学生の実帆が、指定された説明会会場に赴くと、他のメンバーともども爆発物が仕掛けられた密室に閉じ込められ、謎解きをしなければ脱出できない窮地に追い詰められる…。
いわゆる本格ミステリの王道を行くような作品。設定は現代なのだが、どうにも昭和感がただよい、登場人物にはあまり感情移入できなかった。謎解きを楽しむことに集中すれば良かったのかも。
衣刀信吾『午前零時の評議室』(光文社)
昨年、日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞したこの作品の作家は、日弁連副会長を務める現役弁護士。裁判員に選任されたとの通知を受けた大学生の実帆が、指定された説明会会場に赴くと、他のメンバーともども爆発物が仕掛けられた密室に閉じ込められ、謎解きをしなければ脱出できない窮地に追い詰められる…。
いわゆる本格ミステリの王道を行くような作品。設定は現代なのだが、どうにも昭和感がただよい、登場人物にはあまり感情移入できなかった。謎解きを楽しむことに集中すれば良かったのかも。
July 26, 2025 at 10:58 PM
#読書記録
衣刀信吾『午前零時の評議室』(光文社)
昨年、日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞したこの作品の作家は、日弁連副会長を務める現役弁護士。裁判員に選任されたとの通知を受けた大学生の実帆が、指定された説明会会場に赴くと、他のメンバーともども爆発物が仕掛けられた密室に閉じ込められ、謎解きをしなければ脱出できない窮地に追い詰められる…。
いわゆる本格ミステリの王道を行くような作品。設定は現代なのだが、どうにも昭和感がただよい、登場人物にはあまり感情移入できなかった。謎解きを楽しむことに集中すれば良かったのかも。
衣刀信吾『午前零時の評議室』(光文社)
昨年、日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞したこの作品の作家は、日弁連副会長を務める現役弁護士。裁判員に選任されたとの通知を受けた大学生の実帆が、指定された説明会会場に赴くと、他のメンバーともども爆発物が仕掛けられた密室に閉じ込められ、謎解きをしなければ脱出できない窮地に追い詰められる…。
いわゆる本格ミステリの王道を行くような作品。設定は現代なのだが、どうにも昭和感がただよい、登場人物にはあまり感情移入できなかった。謎解きを楽しむことに集中すれば良かったのかも。
#読書記録
アルテイシア『だったら、あなたもフェミニストじゃない? 7人と語り合うフェミニズムの出会いとこれから』(講談社)
最近、フランス人のフェミニストの大学院生から「あなたはフェミニストですか?」ときかれ、この本を読んでいたので、とっさに「そうです」と答えたものの、まだ面映ゆさがあるのを自覚した。
フェミニストという言葉には、さまざまなネガティブイメージがつきまとう。完全にはがすには相当な時間が必要となるかもしれない。でも、多くの人が、その課題に挑んでいるのが昨今の心強い動き。
私も頑張りたい。
アルテイシア『だったら、あなたもフェミニストじゃない? 7人と語り合うフェミニズムの出会いとこれから』(講談社)
最近、フランス人のフェミニストの大学院生から「あなたはフェミニストですか?」ときかれ、この本を読んでいたので、とっさに「そうです」と答えたものの、まだ面映ゆさがあるのを自覚した。
フェミニストという言葉には、さまざまなネガティブイメージがつきまとう。完全にはがすには相当な時間が必要となるかもしれない。でも、多くの人が、その課題に挑んでいるのが昨今の心強い動き。
私も頑張りたい。
July 26, 2025 at 10:49 PM
#読書記録
アルテイシア『だったら、あなたもフェミニストじゃない? 7人と語り合うフェミニズムの出会いとこれから』(講談社)
最近、フランス人のフェミニストの大学院生から「あなたはフェミニストですか?」ときかれ、この本を読んでいたので、とっさに「そうです」と答えたものの、まだ面映ゆさがあるのを自覚した。
フェミニストという言葉には、さまざまなネガティブイメージがつきまとう。完全にはがすには相当な時間が必要となるかもしれない。でも、多くの人が、その課題に挑んでいるのが昨今の心強い動き。
私も頑張りたい。
アルテイシア『だったら、あなたもフェミニストじゃない? 7人と語り合うフェミニズムの出会いとこれから』(講談社)
最近、フランス人のフェミニストの大学院生から「あなたはフェミニストですか?」ときかれ、この本を読んでいたので、とっさに「そうです」と答えたものの、まだ面映ゆさがあるのを自覚した。
フェミニストという言葉には、さまざまなネガティブイメージがつきまとう。完全にはがすには相当な時間が必要となるかもしれない。でも、多くの人が、その課題に挑んでいるのが昨今の心強い動き。
私も頑張りたい。
#映画
犬の裁判(シネスイッチ銀座)
人を噛んでしまい、被告として裁判にかけられた犬を殺処分から救うために奔走する、女性弁護士が主人公の物語。
食事中に触られそうになった時、攻撃されたと認識して反撃してしまうのは、犬としての本能。ただ、この犬は過去にも2人を噛んでしまったことがある。しかも、それはいずれも女性であり、犬にもミソジニーがあるとの指摘に、弁護士は窮地に追い詰められていく。
刺激的な問題提起がてんこ盛りのユニークな映画だった。
犬が可愛く、犬好きには眼福。ただし、可愛い可愛い💕…だけでは済まない。
犬の本性をとことん理解しようとする、真の犬好き必見の映画と言えるかも。
犬の裁判(シネスイッチ銀座)
人を噛んでしまい、被告として裁判にかけられた犬を殺処分から救うために奔走する、女性弁護士が主人公の物語。
食事中に触られそうになった時、攻撃されたと認識して反撃してしまうのは、犬としての本能。ただ、この犬は過去にも2人を噛んでしまったことがある。しかも、それはいずれも女性であり、犬にもミソジニーがあるとの指摘に、弁護士は窮地に追い詰められていく。
刺激的な問題提起がてんこ盛りのユニークな映画だった。
犬が可愛く、犬好きには眼福。ただし、可愛い可愛い💕…だけでは済まない。
犬の本性をとことん理解しようとする、真の犬好き必見の映画と言えるかも。
July 1, 2025 at 12:02 PM
#映画
犬の裁判(シネスイッチ銀座)
人を噛んでしまい、被告として裁判にかけられた犬を殺処分から救うために奔走する、女性弁護士が主人公の物語。
食事中に触られそうになった時、攻撃されたと認識して反撃してしまうのは、犬としての本能。ただ、この犬は過去にも2人を噛んでしまったことがある。しかも、それはいずれも女性であり、犬にもミソジニーがあるとの指摘に、弁護士は窮地に追い詰められていく。
刺激的な問題提起がてんこ盛りのユニークな映画だった。
犬が可愛く、犬好きには眼福。ただし、可愛い可愛い💕…だけでは済まない。
犬の本性をとことん理解しようとする、真の犬好き必見の映画と言えるかも。
犬の裁判(シネスイッチ銀座)
人を噛んでしまい、被告として裁判にかけられた犬を殺処分から救うために奔走する、女性弁護士が主人公の物語。
食事中に触られそうになった時、攻撃されたと認識して反撃してしまうのは、犬としての本能。ただ、この犬は過去にも2人を噛んでしまったことがある。しかも、それはいずれも女性であり、犬にもミソジニーがあるとの指摘に、弁護士は窮地に追い詰められていく。
刺激的な問題提起がてんこ盛りのユニークな映画だった。
犬が可愛く、犬好きには眼福。ただし、可愛い可愛い💕…だけでは済まない。
犬の本性をとことん理解しようとする、真の犬好き必見の映画と言えるかも。
#読書記録
ウ・ダヨン『アリス、アリスと呼べば』
ハン・ガン作品と同様、幻想的で思索的な短編集だった。
一番印象に残ったのは「海辺の迷路」。実質双子のような姉妹が、子どもの頃に相方を事故で亡くすのだが、そのどちらが死んだのかが逆パターンの話が、章ごとに交互に語られていく。
パラレルワールド的な物語なのかな…?と頭をひねりながら読んだわけだが、シクシクする痛みを抱えながら生きる人に、優しく光を当てるような作品だと思った。
ものすごく忙しい時期に図書館から回ってきてしまったこの本。もっとゆっくり噛んで含めるように読みたかったなと思う。
ウ・ダヨン『アリス、アリスと呼べば』
ハン・ガン作品と同様、幻想的で思索的な短編集だった。
一番印象に残ったのは「海辺の迷路」。実質双子のような姉妹が、子どもの頃に相方を事故で亡くすのだが、そのどちらが死んだのかが逆パターンの話が、章ごとに交互に語られていく。
パラレルワールド的な物語なのかな…?と頭をひねりながら読んだわけだが、シクシクする痛みを抱えながら生きる人に、優しく光を当てるような作品だと思った。
ものすごく忙しい時期に図書館から回ってきてしまったこの本。もっとゆっくり噛んで含めるように読みたかったなと思う。
June 24, 2025 at 11:47 AM
#読書記録
ウ・ダヨン『アリス、アリスと呼べば』
ハン・ガン作品と同様、幻想的で思索的な短編集だった。
一番印象に残ったのは「海辺の迷路」。実質双子のような姉妹が、子どもの頃に相方を事故で亡くすのだが、そのどちらが死んだのかが逆パターンの話が、章ごとに交互に語られていく。
パラレルワールド的な物語なのかな…?と頭をひねりながら読んだわけだが、シクシクする痛みを抱えながら生きる人に、優しく光を当てるような作品だと思った。
ものすごく忙しい時期に図書館から回ってきてしまったこの本。もっとゆっくり噛んで含めるように読みたかったなと思う。
ウ・ダヨン『アリス、アリスと呼べば』
ハン・ガン作品と同様、幻想的で思索的な短編集だった。
一番印象に残ったのは「海辺の迷路」。実質双子のような姉妹が、子どもの頃に相方を事故で亡くすのだが、そのどちらが死んだのかが逆パターンの話が、章ごとに交互に語られていく。
パラレルワールド的な物語なのかな…?と頭をひねりながら読んだわけだが、シクシクする痛みを抱えながら生きる人に、優しく光を当てるような作品だと思った。
ものすごく忙しい時期に図書館から回ってきてしまったこの本。もっとゆっくり噛んで含めるように読みたかったなと思う。
#読書記録
ハン・ガン『少年が来る』(クオン、2016年)
やっと読めた。
光州事件で命を落とした若者たち、生き残った人たち、子どもを亡くした母親への、聞きがたりのような形で綴られた小説。
凄まじい暴力。子どもを含む無辜の市民への殺戮や拷問。人間は、こうも残虐になれるものなのか。
光州事件を描いた映画やお芝居を今まで見てきたが、この小説は、小説だからこそ、最も容赦なく、何があったのか、遺体はどんな状況だったのかを描写する。
韓国の尹大統領による戒厳令が、韓国の市民に呼び起こした記憶を、より明瞭に想像できるようになった。
軍事独裁国家は絶対にお断りだ。
ハン・ガン『少年が来る』(クオン、2016年)
やっと読めた。
光州事件で命を落とした若者たち、生き残った人たち、子どもを亡くした母親への、聞きがたりのような形で綴られた小説。
凄まじい暴力。子どもを含む無辜の市民への殺戮や拷問。人間は、こうも残虐になれるものなのか。
光州事件を描いた映画やお芝居を今まで見てきたが、この小説は、小説だからこそ、最も容赦なく、何があったのか、遺体はどんな状況だったのかを描写する。
韓国の尹大統領による戒厳令が、韓国の市民に呼び起こした記憶を、より明瞭に想像できるようになった。
軍事独裁国家は絶対にお断りだ。
June 6, 2025 at 3:27 AM
#読書記録
ハン・ガン『少年が来る』(クオン、2016年)
やっと読めた。
光州事件で命を落とした若者たち、生き残った人たち、子どもを亡くした母親への、聞きがたりのような形で綴られた小説。
凄まじい暴力。子どもを含む無辜の市民への殺戮や拷問。人間は、こうも残虐になれるものなのか。
光州事件を描いた映画やお芝居を今まで見てきたが、この小説は、小説だからこそ、最も容赦なく、何があったのか、遺体はどんな状況だったのかを描写する。
韓国の尹大統領による戒厳令が、韓国の市民に呼び起こした記憶を、より明瞭に想像できるようになった。
軍事独裁国家は絶対にお断りだ。
ハン・ガン『少年が来る』(クオン、2016年)
やっと読めた。
光州事件で命を落とした若者たち、生き残った人たち、子どもを亡くした母親への、聞きがたりのような形で綴られた小説。
凄まじい暴力。子どもを含む無辜の市民への殺戮や拷問。人間は、こうも残虐になれるものなのか。
光州事件を描いた映画やお芝居を今まで見てきたが、この小説は、小説だからこそ、最も容赦なく、何があったのか、遺体はどんな状況だったのかを描写する。
韓国の尹大統領による戒厳令が、韓国の市民に呼び起こした記憶を、より明瞭に想像できるようになった。
軍事独裁国家は絶対にお断りだ。
#読書記録
阪井裕一郎『結婚の社会学』(ちくま新書、2024年)
これは本当に面白かったし、めちゃめちゃ読みやすかった。
社会学とは常識を疑う学問、そして、個人と社会の境界を問う学問だという。
異性愛カップルが結びあい、次世代を生み育てていくのが結婚であるという、広く共有されている見方を、事実婚や同性婚、非婚など、さまざまな現実が揺さぶりつつある。しかし、そこからさらに、結婚に性愛は必須なのか?という問いも、いま生まれてきている。
ビックリ。でも、考えてみれば、そうだよなあ、とも。
阪井裕一郎『結婚の社会学』(ちくま新書、2024年)
これは本当に面白かったし、めちゃめちゃ読みやすかった。
社会学とは常識を疑う学問、そして、個人と社会の境界を問う学問だという。
異性愛カップルが結びあい、次世代を生み育てていくのが結婚であるという、広く共有されている見方を、事実婚や同性婚、非婚など、さまざまな現実が揺さぶりつつある。しかし、そこからさらに、結婚に性愛は必須なのか?という問いも、いま生まれてきている。
ビックリ。でも、考えてみれば、そうだよなあ、とも。
May 28, 2025 at 1:20 PM
#読書記録
阪井裕一郎『結婚の社会学』(ちくま新書、2024年)
これは本当に面白かったし、めちゃめちゃ読みやすかった。
社会学とは常識を疑う学問、そして、個人と社会の境界を問う学問だという。
異性愛カップルが結びあい、次世代を生み育てていくのが結婚であるという、広く共有されている見方を、事実婚や同性婚、非婚など、さまざまな現実が揺さぶりつつある。しかし、そこからさらに、結婚に性愛は必須なのか?という問いも、いま生まれてきている。
ビックリ。でも、考えてみれば、そうだよなあ、とも。
阪井裕一郎『結婚の社会学』(ちくま新書、2024年)
これは本当に面白かったし、めちゃめちゃ読みやすかった。
社会学とは常識を疑う学問、そして、個人と社会の境界を問う学問だという。
異性愛カップルが結びあい、次世代を生み育てていくのが結婚であるという、広く共有されている見方を、事実婚や同性婚、非婚など、さまざまな現実が揺さぶりつつある。しかし、そこからさらに、結婚に性愛は必須なのか?という問いも、いま生まれてきている。
ビックリ。でも、考えてみれば、そうだよなあ、とも。
#読書記録
幸村百理男『東大理三の悪魔』(宝島社)
私は、医師や新聞記者などが自らが知る世界を舞台に書く小説が好きなのですが、これはまさにそれを地で行く小説で面白かったです。
舞台は東大理三と医学部。しかし、語られるのは医療ではなく、世界を統べる米ウィリス家の陰謀。
実は世界は7次元まであるという話、ビッグバンと旧約聖書の創世記との関係…。どこまでがファンタジーで、どこまでが学問最先端の話なのか、理系に疎い私には判別不能でしたが、理系に疎くても先が気になり、どんどん読めてしまいました。
国内理系頭脳トップと目される理三に行くような人の頭の中は、こんなふうなのか、と興味深かったです。
幸村百理男『東大理三の悪魔』(宝島社)
私は、医師や新聞記者などが自らが知る世界を舞台に書く小説が好きなのですが、これはまさにそれを地で行く小説で面白かったです。
舞台は東大理三と医学部。しかし、語られるのは医療ではなく、世界を統べる米ウィリス家の陰謀。
実は世界は7次元まであるという話、ビッグバンと旧約聖書の創世記との関係…。どこまでがファンタジーで、どこまでが学問最先端の話なのか、理系に疎い私には判別不能でしたが、理系に疎くても先が気になり、どんどん読めてしまいました。
国内理系頭脳トップと目される理三に行くような人の頭の中は、こんなふうなのか、と興味深かったです。
May 24, 2025 at 10:34 AM
#読書記録
幸村百理男『東大理三の悪魔』(宝島社)
私は、医師や新聞記者などが自らが知る世界を舞台に書く小説が好きなのですが、これはまさにそれを地で行く小説で面白かったです。
舞台は東大理三と医学部。しかし、語られるのは医療ではなく、世界を統べる米ウィリス家の陰謀。
実は世界は7次元まであるという話、ビッグバンと旧約聖書の創世記との関係…。どこまでがファンタジーで、どこまでが学問最先端の話なのか、理系に疎い私には判別不能でしたが、理系に疎くても先が気になり、どんどん読めてしまいました。
国内理系頭脳トップと目される理三に行くような人の頭の中は、こんなふうなのか、と興味深かったです。
幸村百理男『東大理三の悪魔』(宝島社)
私は、医師や新聞記者などが自らが知る世界を舞台に書く小説が好きなのですが、これはまさにそれを地で行く小説で面白かったです。
舞台は東大理三と医学部。しかし、語られるのは医療ではなく、世界を統べる米ウィリス家の陰謀。
実は世界は7次元まであるという話、ビッグバンと旧約聖書の創世記との関係…。どこまでがファンタジーで、どこまでが学問最先端の話なのか、理系に疎い私には判別不能でしたが、理系に疎くても先が気になり、どんどん読めてしまいました。
国内理系頭脳トップと目される理三に行くような人の頭の中は、こんなふうなのか、と興味深かったです。
次男が去年に引き続き、カーネーションを贈ってくれました。
いい色!💜
いい色!💜
May 11, 2025 at 12:46 PM
次男が去年に引き続き、カーネーションを贈ってくれました。
いい色!💜
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#読書記録
宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』
この本は、タイトルでまず勝っている。読む前からワクワク。
成瀬は、勉強、美術、けん玉など、いろんなことができるが、周囲から浮き気味な女の子。幼なじみで同級生の島崎は、成瀬に振り回されつつ、いろんなことに付き合う。
序盤は、成瀬は確かに面白いしカッコイイけど、ストーリーはやや平板かなあ…という印象を受けたが、元クラスメイト大貫の視点から成瀬が描かれるあたりから一気に引き込まれた。(人からどう見られるかだけを考えている大貫の人物造形が秀逸)
そして終盤、島崎とのやりとりの中で成瀬が見せる人間くささにグッと来る。
宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』
この本は、タイトルでまず勝っている。読む前からワクワク。
成瀬は、勉強、美術、けん玉など、いろんなことができるが、周囲から浮き気味な女の子。幼なじみで同級生の島崎は、成瀬に振り回されつつ、いろんなことに付き合う。
序盤は、成瀬は確かに面白いしカッコイイけど、ストーリーはやや平板かなあ…という印象を受けたが、元クラスメイト大貫の視点から成瀬が描かれるあたりから一気に引き込まれた。(人からどう見られるかだけを考えている大貫の人物造形が秀逸)
そして終盤、島崎とのやりとりの中で成瀬が見せる人間くささにグッと来る。
May 4, 2025 at 4:14 AM
#読書記録
宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』
この本は、タイトルでまず勝っている。読む前からワクワク。
成瀬は、勉強、美術、けん玉など、いろんなことができるが、周囲から浮き気味な女の子。幼なじみで同級生の島崎は、成瀬に振り回されつつ、いろんなことに付き合う。
序盤は、成瀬は確かに面白いしカッコイイけど、ストーリーはやや平板かなあ…という印象を受けたが、元クラスメイト大貫の視点から成瀬が描かれるあたりから一気に引き込まれた。(人からどう見られるかだけを考えている大貫の人物造形が秀逸)
そして終盤、島崎とのやりとりの中で成瀬が見せる人間くささにグッと来る。
宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』
この本は、タイトルでまず勝っている。読む前からワクワク。
成瀬は、勉強、美術、けん玉など、いろんなことができるが、周囲から浮き気味な女の子。幼なじみで同級生の島崎は、成瀬に振り回されつつ、いろんなことに付き合う。
序盤は、成瀬は確かに面白いしカッコイイけど、ストーリーはやや平板かなあ…という印象を受けたが、元クラスメイト大貫の視点から成瀬が描かれるあたりから一気に引き込まれた。(人からどう見られるかだけを考えている大貫の人物造形が秀逸)
そして終盤、島崎とのやりとりの中で成瀬が見せる人間くささにグッと来る。
#読書記録
永嶋恵美『檜垣澤家の炎上』(新潮文庫)
日経新聞の書評欄での紹介を見て買ってあった本。枕元に置いて、寝る前に少しずつ読み進めてきました。重厚かつ飽きさせない展開で、面白かったです。
大正末期〜昭和初期が舞台。横濱の商家の当主の妾の子として生まれたかな子が、母と父の死後、女系が強い本家に引き取られ、才覚を生かしてのし上がっていこうとする。
華麗なる一族的なきらびやかさ。しかしスペイン風邪の流行や関東大震災などの災禍は富裕層にも容赦なく襲いかかる。ドラマチックな展開で、映画で見てみたいなと思わせる作品でした。
永嶋恵美『檜垣澤家の炎上』(新潮文庫)
日経新聞の書評欄での紹介を見て買ってあった本。枕元に置いて、寝る前に少しずつ読み進めてきました。重厚かつ飽きさせない展開で、面白かったです。
大正末期〜昭和初期が舞台。横濱の商家の当主の妾の子として生まれたかな子が、母と父の死後、女系が強い本家に引き取られ、才覚を生かしてのし上がっていこうとする。
華麗なる一族的なきらびやかさ。しかしスペイン風邪の流行や関東大震災などの災禍は富裕層にも容赦なく襲いかかる。ドラマチックな展開で、映画で見てみたいなと思わせる作品でした。
April 20, 2025 at 10:58 PM
#読書記録
永嶋恵美『檜垣澤家の炎上』(新潮文庫)
日経新聞の書評欄での紹介を見て買ってあった本。枕元に置いて、寝る前に少しずつ読み進めてきました。重厚かつ飽きさせない展開で、面白かったです。
大正末期〜昭和初期が舞台。横濱の商家の当主の妾の子として生まれたかな子が、母と父の死後、女系が強い本家に引き取られ、才覚を生かしてのし上がっていこうとする。
華麗なる一族的なきらびやかさ。しかしスペイン風邪の流行や関東大震災などの災禍は富裕層にも容赦なく襲いかかる。ドラマチックな展開で、映画で見てみたいなと思わせる作品でした。
永嶋恵美『檜垣澤家の炎上』(新潮文庫)
日経新聞の書評欄での紹介を見て買ってあった本。枕元に置いて、寝る前に少しずつ読み進めてきました。重厚かつ飽きさせない展開で、面白かったです。
大正末期〜昭和初期が舞台。横濱の商家の当主の妾の子として生まれたかな子が、母と父の死後、女系が強い本家に引き取られ、才覚を生かしてのし上がっていこうとする。
華麗なる一族的なきらびやかさ。しかしスペイン風邪の流行や関東大震災などの災禍は富裕層にも容赦なく襲いかかる。ドラマチックな展開で、映画で見てみたいなと思わせる作品でした。
#読書記録
金子玲介『死んだ山田と教室』
つい最近、慶応義塾高校出身のパパ友さんから、同校の雰囲気について話を聞いたばかりでしたが、そこをモデルにした、めちゃめちゃ面白い小説でした。
高2の2学期に交通事故で死んだ人気者の山田が、スピーカーに憑依して、声だけの存在としてクラスメイトたちとの高校生活を、その後も営んでいく。交わされる会話のバカバカしさ、さまざまな個性の組み合わせやぶつかりあいの妙味。同世代の息子を持つ母として、都市部に住む勉強上位の男子たちの生態が非常にリアルでうなずけて、楽しかったです。そしてラストの展開が、震える!
金子さんの他の作品も読んでみたくなりました。
金子玲介『死んだ山田と教室』
つい最近、慶応義塾高校出身のパパ友さんから、同校の雰囲気について話を聞いたばかりでしたが、そこをモデルにした、めちゃめちゃ面白い小説でした。
高2の2学期に交通事故で死んだ人気者の山田が、スピーカーに憑依して、声だけの存在としてクラスメイトたちとの高校生活を、その後も営んでいく。交わされる会話のバカバカしさ、さまざまな個性の組み合わせやぶつかりあいの妙味。同世代の息子を持つ母として、都市部に住む勉強上位の男子たちの生態が非常にリアルでうなずけて、楽しかったです。そしてラストの展開が、震える!
金子さんの他の作品も読んでみたくなりました。
April 19, 2025 at 3:30 AM
#読書記録
金子玲介『死んだ山田と教室』
つい最近、慶応義塾高校出身のパパ友さんから、同校の雰囲気について話を聞いたばかりでしたが、そこをモデルにした、めちゃめちゃ面白い小説でした。
高2の2学期に交通事故で死んだ人気者の山田が、スピーカーに憑依して、声だけの存在としてクラスメイトたちとの高校生活を、その後も営んでいく。交わされる会話のバカバカしさ、さまざまな個性の組み合わせやぶつかりあいの妙味。同世代の息子を持つ母として、都市部に住む勉強上位の男子たちの生態が非常にリアルでうなずけて、楽しかったです。そしてラストの展開が、震える!
金子さんの他の作品も読んでみたくなりました。
金子玲介『死んだ山田と教室』
つい最近、慶応義塾高校出身のパパ友さんから、同校の雰囲気について話を聞いたばかりでしたが、そこをモデルにした、めちゃめちゃ面白い小説でした。
高2の2学期に交通事故で死んだ人気者の山田が、スピーカーに憑依して、声だけの存在としてクラスメイトたちとの高校生活を、その後も営んでいく。交わされる会話のバカバカしさ、さまざまな個性の組み合わせやぶつかりあいの妙味。同世代の息子を持つ母として、都市部に住む勉強上位の男子たちの生態が非常にリアルでうなずけて、楽しかったです。そしてラストの展開が、震える!
金子さんの他の作品も読んでみたくなりました。
April 19, 2025 at 12:13 AM
#読書記録
児童文学は侮れない!
村上雅郁『りぼんちゃん』は、小6女子が、友人が父親からの虐待にあっていることに気づいたときに、どう行動するのかを描く。
黒川裕子『ハッシュタグ・マイネーム』は、選択的夫婦別姓、ヤングケアラー、在日コリアン差別などの今日的課題を、中1女子の目線から提示する。
読者好きだった昔の私がこれらの本と当時出会っていたら、きっとものすごく感動して、衝撃を受けていただろうな…と思う。
児童文学は侮れない!
村上雅郁『りぼんちゃん』は、小6女子が、友人が父親からの虐待にあっていることに気づいたときに、どう行動するのかを描く。
黒川裕子『ハッシュタグ・マイネーム』は、選択的夫婦別姓、ヤングケアラー、在日コリアン差別などの今日的課題を、中1女子の目線から提示する。
読者好きだった昔の私がこれらの本と当時出会っていたら、きっとものすごく感動して、衝撃を受けていただろうな…と思う。
April 9, 2025 at 12:05 PM
#読書記録
児童文学は侮れない!
村上雅郁『りぼんちゃん』は、小6女子が、友人が父親からの虐待にあっていることに気づいたときに、どう行動するのかを描く。
黒川裕子『ハッシュタグ・マイネーム』は、選択的夫婦別姓、ヤングケアラー、在日コリアン差別などの今日的課題を、中1女子の目線から提示する。
読者好きだった昔の私がこれらの本と当時出会っていたら、きっとものすごく感動して、衝撃を受けていただろうな…と思う。
児童文学は侮れない!
村上雅郁『りぼんちゃん』は、小6女子が、友人が父親からの虐待にあっていることに気づいたときに、どう行動するのかを描く。
黒川裕子『ハッシュタグ・マイネーム』は、選択的夫婦別姓、ヤングケアラー、在日コリアン差別などの今日的課題を、中1女子の目線から提示する。
読者好きだった昔の私がこれらの本と当時出会っていたら、きっとものすごく感動して、衝撃を受けていただろうな…と思う。
#読書記録
小山田浩子『最近』(新潮社)
コロナ禍のもとの、とある家族の日常を描いた短編連作集。語り手の目の前で起こっていることの描写が突然語り手の頭に浮かんだ昔の思い出話に飛んだり、飲食店で目の前の相手との会話に別のテーブルの客の会話がまったく区別なく紛れ込んできたり、本当に風変わりな小説でした。が、私たちの日常って、実際はこうだよな、と。作家は、こういうことこそ描きたかったのだな、と思いました。
コロナ禍、大っぴらな外出が憚られたところから、少〜し解除が始まった、あのころの一般家庭が味わった恐る恐る感が、小説という形で記録に残されたことに、大きな意味を感じました。
小山田浩子『最近』(新潮社)
コロナ禍のもとの、とある家族の日常を描いた短編連作集。語り手の目の前で起こっていることの描写が突然語り手の頭に浮かんだ昔の思い出話に飛んだり、飲食店で目の前の相手との会話に別のテーブルの客の会話がまったく区別なく紛れ込んできたり、本当に風変わりな小説でした。が、私たちの日常って、実際はこうだよな、と。作家は、こういうことこそ描きたかったのだな、と思いました。
コロナ禍、大っぴらな外出が憚られたところから、少〜し解除が始まった、あのころの一般家庭が味わった恐る恐る感が、小説という形で記録に残されたことに、大きな意味を感じました。
March 16, 2025 at 10:25 PM
#読書記録
小山田浩子『最近』(新潮社)
コロナ禍のもとの、とある家族の日常を描いた短編連作集。語り手の目の前で起こっていることの描写が突然語り手の頭に浮かんだ昔の思い出話に飛んだり、飲食店で目の前の相手との会話に別のテーブルの客の会話がまったく区別なく紛れ込んできたり、本当に風変わりな小説でした。が、私たちの日常って、実際はこうだよな、と。作家は、こういうことこそ描きたかったのだな、と思いました。
コロナ禍、大っぴらな外出が憚られたところから、少〜し解除が始まった、あのころの一般家庭が味わった恐る恐る感が、小説という形で記録に残されたことに、大きな意味を感じました。
小山田浩子『最近』(新潮社)
コロナ禍のもとの、とある家族の日常を描いた短編連作集。語り手の目の前で起こっていることの描写が突然語り手の頭に浮かんだ昔の思い出話に飛んだり、飲食店で目の前の相手との会話に別のテーブルの客の会話がまったく区別なく紛れ込んできたり、本当に風変わりな小説でした。が、私たちの日常って、実際はこうだよな、と。作家は、こういうことこそ描きたかったのだな、と思いました。
コロナ禍、大っぴらな外出が憚られたところから、少〜し解除が始まった、あのころの一般家庭が味わった恐る恐る感が、小説という形で記録に残されたことに、大きな意味を感じました。
#読書記録
リー・マッキンタイア『エビデンスを嫌う人たち 科学否定論者は何を考え、どう説得できるのか?』
反ワクチン、反トランスジェンダーなどの言説を信じ込み、陰謀論を展開し始めた人が身近にいて悩んでいるという人も、多いのではないでしょうか。
この本は、人はなぜそうした言説を信じてしまうのか、どうしたら考えを変えてもらえるかについて、著者自身が実際に対話してみた経験も踏まえて考察している本です。
荒唐無稽なことを信じ込むのは無知だからではない。不安やトラウマがケアされないことが陰謀論が広まる土壌となっています。
「足りないのは情報ではなく信頼だ」という主張に説得力を感じました。
リー・マッキンタイア『エビデンスを嫌う人たち 科学否定論者は何を考え、どう説得できるのか?』
反ワクチン、反トランスジェンダーなどの言説を信じ込み、陰謀論を展開し始めた人が身近にいて悩んでいるという人も、多いのではないでしょうか。
この本は、人はなぜそうした言説を信じてしまうのか、どうしたら考えを変えてもらえるかについて、著者自身が実際に対話してみた経験も踏まえて考察している本です。
荒唐無稽なことを信じ込むのは無知だからではない。不安やトラウマがケアされないことが陰謀論が広まる土壌となっています。
「足りないのは情報ではなく信頼だ」という主張に説得力を感じました。
February 9, 2025 at 10:45 AM
#読書記録
リー・マッキンタイア『エビデンスを嫌う人たち 科学否定論者は何を考え、どう説得できるのか?』
反ワクチン、反トランスジェンダーなどの言説を信じ込み、陰謀論を展開し始めた人が身近にいて悩んでいるという人も、多いのではないでしょうか。
この本は、人はなぜそうした言説を信じてしまうのか、どうしたら考えを変えてもらえるかについて、著者自身が実際に対話してみた経験も踏まえて考察している本です。
荒唐無稽なことを信じ込むのは無知だからではない。不安やトラウマがケアされないことが陰謀論が広まる土壌となっています。
「足りないのは情報ではなく信頼だ」という主張に説得力を感じました。
リー・マッキンタイア『エビデンスを嫌う人たち 科学否定論者は何を考え、どう説得できるのか?』
反ワクチン、反トランスジェンダーなどの言説を信じ込み、陰謀論を展開し始めた人が身近にいて悩んでいるという人も、多いのではないでしょうか。
この本は、人はなぜそうした言説を信じてしまうのか、どうしたら考えを変えてもらえるかについて、著者自身が実際に対話してみた経験も踏まえて考察している本です。
荒唐無稽なことを信じ込むのは無知だからではない。不安やトラウマがケアされないことが陰謀論が広まる土壌となっています。
「足りないのは情報ではなく信頼だ」という主張に説得力を感じました。
February 2, 2025 at 2:15 PM