「ああ…ずっと考え事をしていて。キミなら解決出来るはずだから、手伝ってくれないか」
「勿論だとも、盟友よ」
「昨日、子どもたちに人気の娯楽作品を見たんだが、登場人物に特徴的な者がいてな」
「ほう」
「語尾に自分の名前の一部をつけるんだ。例えば私なら『そうだドク』というように」
「…なるほど」
「でさ、ふと君のことを思い出して…君の語尾は『そうだシル』なのか?『そうディス』?『そうだシオ』もありそうだ…どれも捨てがたい!教えてくれ、気になって寝れやしないんだ!」
「教えてやろう。この生涯でそのような喋り方は一度としてするつもりは無いので全て忘れて今すぐ寝てくれ」
「ああ…ずっと考え事をしていて。キミなら解決出来るはずだから、手伝ってくれないか」
「勿論だとも、盟友よ」
「昨日、子どもたちに人気の娯楽作品を見たんだが、登場人物に特徴的な者がいてな」
「ほう」
「語尾に自分の名前の一部をつけるんだ。例えば私なら『そうだドク』というように」
「…なるほど」
「でさ、ふと君のことを思い出して…君の語尾は『そうだシル』なのか?『そうディス』?『そうだシオ』もありそうだ…どれも捨てがたい!教えてくれ、気になって寝れやしないんだ!」
「教えてやろう。この生涯でそのような喋り方は一度としてするつもりは無いので全て忘れて今すぐ寝てくれ」
「君、家事好きだったのか」と意外そうに言う博に、銀は「これらは留学中に身につけた。世話役もおらず己の面倒を己で見ることを恥じていた時もあったが、今こうして、愛する者を助け、尽くせる術となっていることが、嬉しい」と、噛みしめるように話す銀。
「君、家事好きだったのか」と意外そうに言う博に、銀は「これらは留学中に身につけた。世話役もおらず己の面倒を己で見ることを恥じていた時もあったが、今こうして、愛する者を助け、尽くせる術となっていることが、嬉しい」と、噛みしめるように話す銀。
「ついに君までそんなこと言い出すようになったか。だが思わないか、私の平熱が上がったら、こうして大して寒くもないのに『寒い寒い』と言いながら君に擦り寄って暖を取る機会がずっと減るぞ」
「………………与えるのではなく、分け合う心地良さもまた至福と言えよう」
「そんなわかり易く逡巡するな」
「ついに君までそんなこと言い出すようになったか。だが思わないか、私の平熱が上がったら、こうして大して寒くもないのに『寒い寒い』と言いながら君に擦り寄って暖を取る機会がずっと減るぞ」
「………………与えるのではなく、分け合う心地良さもまた至福と言えよう」
「そんなわかり易く逡巡するな」