ちびあんすも
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幻想・奇譚・怪奇・推理とか。 ほぼ大好きな本についての記録 (時々、愛犬、おやつ🍪)
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光のとこにいてね/一穂ミチ

痛いほどの優しさに、夢を見るように生きていた日々がある。誰しも光があたるやわらかい場所があって。古びた団地で出会った私たち。歩幅が違っていたけれど、ちゃんと出会う人はいてくれた。ありがとう。救いのひかりはあたたかい。手の温もりをいつまでも。
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アルゴールの城にて/ジュリアン・グラック

絵画のような情景描写に囚われる。物語の不確率な曖昧さの微熱に立ち止まり。灰色のモノローグが時を歩む。沈黙の中に閉ざされた、多くの言葉たち。名も無きざわめき。熱のない淡々とした時間。
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秘儀/マリアーナ・エンリケス

背中の大きさで、色んな道を示してくれた、守るべき墓標の偉大さ。権力と金が蠢く亡者との対話の虚無感。大きすぎれば腹は減り、貪る力も大きくなる。閉ざされた世界の道は一方へ続き。目を閉じれば風を感じる。鍵の使い道。その選択肢は多様なる坩堝。
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スウェーデンの騎士/レオ・ペルッツ

数奇な運命が交差する。分岐点に降り立つ若者が選んだ、愛の裁き。小さな慈しみの、気高き祈り。運命は再び、別れ道。無垢な願いは父への愛。愛ゆえに、翻弄され、巡って行く。
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白い果実/ジェフリー・フォード

倒立する世界のきざはしで、貪る甘い夢の声。駆け巡る美酒に酔いしれた男は、上を仰ぎ飢え続け、膿んで滴り落ちてゆく。破裂せんばかりの欲望は歯止めを知らず。異分子たちのせめぎあい。聞け。万人声を。歌え。高らかに。
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お大事にしてください。
腰は本当に痛いと全てが大変ですよね😰
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椿實全作品

ムーランの煌々とした灯りに照らされる浅草。ぬらぬらと纏う妖し原始の静寂。玻璃に閉ざされた白々と冴える花、華、芭。暗転とひかりのせめぎあい。乾いた唇を潤す天井の雫。退廃的な香りに包まれた、古くて新しい扉の向こう側。
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MONKEY/オーイン・マクナミーという謎

魂というほど高尚ではないが、人間は弱くは無いのだ。流れ星が指差す天の国。内側に抱え込む傷口はじくじくと疼く痛みを抱え、それでも生きて歩く先にある燃える白い気高さは、暴力をまとい、上昇する。

一話一話が濃厚で、ざわりとしたザラつきが残る。美しさの欠片が眠る原石のような、重いけれどクセになる短編集。
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離れがたき二人/シモーヌ・ド・ボーヴォワール

封建的な社会の中で、自分を失わずにいることがどれほど大変だっただろうか。ふたりの絆が時と共に変化し、喪われて行く大切ななにか。強く生きる、目まぐるしく過ぎていく、忘れえぬ慕情。
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不思議のひと触れ/シオドア・スタージョン

あの星に手が届いたら、君の心も掴めるだろうか。言葉はとても便利だけど、とても不便で。伝えたいことがたくさんあって。自由な羽ばたきが目を覚ます。飛び立つ準備があれば、未来へと託す勇気になる。孤独の波が押し寄せ、返す水面に残るメッセージ。
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悪魔の骰子/ド・クィンシー、スコット他(国書刊行会)

心理の扉は容易に開かない。そこは神秘の扉。ためつすがめつ、逡巡する事の意味。囁く甘い言葉に翻弄され、人の気持ちの深淵をのぞく時。運命の骰子が示す先にある、運命。
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オーブランの少女/深緑野分

美しき花園で、少女たちは荒野を切り開く。侵略者が手折る花々が紅蓮の劫火に咲き誇る。種は芽吹く。時を超えてなお、生きることを渇望し。時代も場所も超え、少女たちは歌う。悪鬼が振るう鉄槌に立ち向かい。
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怪異十三/三津田信三編

はらはらと揺れるとばりの闇夜。息づく者の夜が始まる。指先も見えぬ漆黒は、見えぬからこそ過敏になり。沈黙の螺旋に取り込まれ、聞こえるものは妄想だろうか。呼んでいる、探している、強い思いが、この世を彷徨い続けて。

怪奇小説はまだまだ疎いので、未読作品ばかりで非常に楽しめました。個人的に、『寺町の竹藪』『旅行時計』『魅入られて』が好みでした。
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まぼろしの馬/イサク・ディネセン

描かれない余白が寡黙に語る物語は、表面に現れない静かな余韻。少女に見える世界は、失われてゆく自由と純粋さだろうか。多感な少女の目に映る景色は荘厳で、輝く時間の大切さは、色褪せることなく胸に刻まれ。余白で生きる言葉たちの読み解き方には多くの道がある。
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花の旅 夜の旅
聖女の島/皆川博子

血と炎に彩られた孤島で、静かに確実に狂っていくわたくしは、いつか許される時が来るでしょうか。心を苛む美しい亡霊が今も見えるのです。露悪的で魅惑的な少女たちの中に住む、あの亡霊が、どこまでも追い詰めます。更生させるべく日夜尽力しているはずなのに。

花の旅 夜の旅

とろりと滴る優しい刃。憂いの花が散る夜に降る、書き記された言葉たちの狭間を、たゆたいさまよう真実たちの思惑。旅から生まれた物語に沈む幻想は、現実との境界線を曖昧にしてゆく。

どっちの話も面白かったので、別々にレビューを書いた。幻想と狂気の狭間の美しさの余韻が深い。
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寡黙な死骸 みだらな弔い/小川洋子

じっとりとして今にも破裂しそうな気配を孕み、思わずそっと息をひそめる。美しい旋律の華々しさとはうらはらな猛毒は、身を蝕み、実を結ぶ。耳の後ろ、背骨、くるぶしから侵略してくる、その可憐なるすこやかさ。寡黙な骸たちの雄弁な、甘いにおい。
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怖い話名著88/朝宮運河

朝宮運河さんの解説の文章が、とにかくワクワクとさせてくれる。未読、既読に関わらず、ホラー小説の魅力が愛溢れる文で紹介されている。ホラー初心者からマニアまでおすすめしたい、熱量と知識が圧巻のガイドブック。
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8月の本/西崎憲編(国書刊行会)

ひかりと影のコントラスト。情景であり、人の内面であるその陰影。鬱々と眠る宵闇に、夢であるのかまぼろしであるのか。影は静かに迫り来る。死者を導く雪洞の灯りが揺れる。ゆらゆらと追い越し追い越され。夏の夜は更けてゆく。遠く遠くへ想いをのせて。
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ベトナムのコーヒーをいただいたので飲んでみた☕️
本番ベトナム式の入れ方ではなく、ドリップ方式で。ブラックで飲んでもスッキリとしていて美味しい。チョコレートの香りのするフレーバーコーヒーでした。感謝(ㅅ´꒳` )
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魔法の夜/ミルハウザー(白水社)

一人ひとりの内面に潜む、思い、欲望、夢の象徴。小さな宇宙の片隅で君が現れた時、そのカケラを思い出す。自分の内側にも、誰かに似た部分があって、葛藤しながら突き進み、冒険してみたりする少しの惑い。幻想の夢は、月の光が見せる幻ではなく、自分を映す光かもしれない。

町に住む人々の物語は、実は誰かひとりの感情で、それが読者の心の感情なのかもと想像したら、とても面白いなぁと思って読んだ。
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グッド・シスター/サリー・ヘップワース(小学館文庫)

誰より距離の近いふたりだから。あなたはいつも特別な存在。わたしのルール、双子のローズ。愛の深さは憎しみの深さ。わたしはあなたになりたい。憎いあなたに。どちらが真実を語っているのか。姉妹の過去と未来が絡み合い、複雑な感情が交差する。
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リルユール叢書でした😭
すみません、お詫びして訂正します。
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子供時代/ナタリー・サロート(リルユール業書)

余韻はいつも酩酊を伴う。せつない浮遊感の微睡みは、サロート自身の子供時代の痛み。人との距離感と繋がり。さまよう拠り所の帰る場所。対話により揺り動かされた思い出のなかには、縫い付けられ、暖められた、心の機微の時間。
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なかなか読書が捗らず、今日はほとんどぼーっとしてた。
まあ、こんな日も必要だよね。
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涙の箱/ハン・ガン(評論社)

文章の中に 色んな感情が混ざっていて、どの角度から読んで理解するか、読んだ人やあるいは、感情によって様々な解釈ができる大人の童話。哀しみの涙、嬉しい涙。きらきらと巡る狭間にはばたく、たましいと涙のゆくえ。