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高山れおな『百題稽古』より、いくつか鑑賞。恋の句を。
●月へ帰る我ならなくに雲を踏む
題は「後朝恋」。「後朝」とは、一夜を過ごした恋人のもとから朝になって帰ること。このお題が効いている。月へ帰るといえばかぐや姫だけど、朝帰りにはそっと雲を踏んでゆくのだ。
●遠火事や誰(た)が愛告げて黒けむり
題は「寄煙恋」。「煙に寄せる恋」と読むのかな。和歌にはそんなお題があるんだね。遠くの火事が、愛を告げる狼煙のようでもあり、痴情のもつれで火がついたようでもあり。激しい恋とそれを眺める作者の距離。
●息白き別れは星の匂ひかな
題は「別恋」。息も匂いも、儚く空気に溶けてゆく。そんな恋の別れの切なさ。
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高山れおな『百題稽古』より、いくつか鑑賞。
●遅き日を受けて千手の植木算
題は「遅日」。春の季語で、日が長くなってきたことを意味する。「千手」は千手観音のことかな。「植木算」は算術のひとつ。千手観音が千本の手を使って、指折り計算しているユーモラスな光景が浮かぶ。
●火男(ひよつとこ)の独り言(ご)ち過ぎ秋暮るる
題は「暮秋」。「火男」は竹を吹いてかまどの火を熾す男のことで、そこから「ひょっとこ」というキャラクターが生まれた。ひょっとこがぶつぶつ言いながら通り過ぎるように、秋が終わろうとしている。 
●菖蒲湯の香に染みてこそ八字髭
題は「菖蒲」。勇ましい八の字髭が湯に浸かってる可笑しさ。
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高山れおな『百題稽古』より、いくつか鑑賞。
●花筏ももとせ揺れて戦前へ
題は「落花」。「花筏」は桜の花びらが川面に広がっている様子のこと。散る桜は、戦争で亡くなった日本兵を思わせる。彼らが乗った筏が百年後にまた戦前へと辿り着くのだ。
●雉子ほろろ戦ぐは幻肢父たちの
題は「雉」。「ほろろ」は雉の鳴き声。「幻肢」は事故などで失われた足が存在してるように感じること。その幻肢がそよぐという強烈な幻視。「そよぐ」を「戦ぐ」と漢字で書くことで、戦争で足を失った兵士たちを想起させる。
●名無しさん(ジョン・ドゥ)に恍惚の夜の長かれよ
題は「秋夜」。名無しの人名をアメリカでは「ジョン・ドゥ」というそうだ。
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高山れおな『百題稽古』より、いくつか鑑賞。
●清聴せよ偽(にせ)の時雨を憂国忌
題は「時雨」。憂国忌は三島由紀夫の忌日なので、「清聴せよ」は割腹自殺の際の演説からきてるんだろう。その演説はひどく聞き取りづらかったという。「偽の時雨」は、マイクのノイズだろうか。
●今朝の秋汚れちまつた物洗ふ
題は「立秋」。「汚れちまつた」といえば、中原中也の「汚れつちまつた悲しみに」だ。夏に汚れてしまったものを洗う。たぶんそこには悲しみが染みついている。
●枯野とも恥毛(ヘア)ともつかず夢に駆く
題は「枯野」。もちろん、松尾芭蕉の句「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」を下敷きにしている。
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高山れおな『百題稽古』より、いくつか鑑賞。
●呼子鳥歌ふも糞(ま)るも闇の中
題は「喚子鳥」で、人を呼ぶように鳴く鳥のこと。和歌に詠まれてきたが、実際に何の鳥かはわかっていないらしい。歌っていときも糞をしているときも声がするけど姿は見えない、ということか。
●鹿首(トロフィー)の瞠れる黴の館かな
題は「夏猟」。この題と「トロフィー」という巧みなルビ使いで、ハンターが壁に飾る鹿の首のことだとわかる。壁を這う黴とガラスの目をみはる鹿の首の対比。
●点々と火器・茶器・性器・藤袴
題は「蘭」。色々な蘭の形状を詠んでいるのかな。「万葉集」で「蘭」といえば藤袴のことらしい。性器と「袴」を並べるやらしさ。
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高山れおな『百題稽古』を読んだ。久々に読む句集。平安~鎌倉時代に和歌で使われていた「堀川百題」「永久百題」「六百番歌合」のそれぞれ百のお題に基づき句を詠む、という試みで作られた三百句を収録。和歌から俳句へ、平安時代から現代へ、というツイストの面白さと、言葉を味わう喜びに満ちている。俳句というと日々の小さな発見を詠むと思われがちだけど、知的遊戯という側面もあるわけで。この句集を読むとなんてエレガントな遊びだろうと思う。あと、高山さんの句集はいつも装丁がカッコいい。なんとなく思い浮かべがちな「句集」のイメージを、鮮やかに裏切ってくる。
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『ワン・バトル・アフター・アナザー』に名前がハマりすぎてるチェイス・インフィニティ。彼女はK-POPのカバーダンスをするグループに属してるそうだ。あの身体性がダンスから来てるってのは、とても興味深い。↓
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[KPOP IN PUBLIC | CHICAGO] aespa (에스파) - 'Supernova’ Cover by DUPLE
YouTube video by DUPLE DANCE CREW
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『ワン・バトル・アフター・アナザー』とピンチョンの『ヴァインランド』の比較が気になる方は、こちらの動画がおすすめ。レーガン再選とトランプ再選のリンクは、まさに、という感じ。↓
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天才PTAはトマス・ピンチョンに何を足して何を引いたか『ワン・バトル・アフター・アナザー』と『ヴァインランド』
YouTube video by アサヒ 音楽と文学は色ガラス
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竹田昼『一身上の怪異』、読了。一話わずか1〜4ページの短編を集めたコミック。細かなコマ割りと飛び交うセリフの積み重ねで、お話を転がしていくのが巧い。当たり前のようにクィアな登場人物がいて、そーゆーこともあるだろうくらいの感覚で怪異が描かれる。タッチは違うけど、ちょっとある時期の坂田靖子っぽい。そして最後の話は、他の作品に比べて長めの8ページ。『銀河鉄道の夜』を川下りの遊覧船に置き換えたような話で、あとがきで作者の弟を描いたものだとわかる。これがしみじみといいのよ。作者にとっては、怪異も死者も人ならざる者も隣人のようなものだということが、よくわかる。
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『あたらしいともだち かわじろう短編集』、読んだ。おお、好きな感じのマンガだ。ミニチュアのベンチを作る女子高生、スケボーに憧れる青年などなど、不器用な人々が見知らぬ他者に触れることで世界が開けるってなお話の短編集。なるほど「あたらしいともだち」か。いい題だなあ。シンプルな線と意外な構図やタッチの変化による、コマ割りのリズムがとても心地いい。そして、他者に触れて世界がパッと開ける、まさにそのタイミングで大ゴマが出てくるのよ。マンガならではのこの呼吸ね。私の知らない世界が今ここに広がっている、という感覚。
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何者かに追われデパートのバックヤードを駆け回るとか、駅の東口と西口を結ぶ空中エレベーターに乗るとか、屋上を伝ってビルからビルへ移動するとか、入り組んだ路地をトロッコで駆け抜けるとか、図書館に一人しか上がれない梯子段があって秘密の部屋に通じてるとか、そーゆー夢をたまに見るので、当然、山口晃『趣都』に心が踊るのです。
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山口晃『趣都』、読了。単行本化を待ち侘びていた、山口晃画伯のコミック。先生とお弟子さんが教育漫画風に街歩き。電柱を華道に見立て、日本橋と首都高の関係を考察し、空想の階段をめぐる。山口さんお得意の鳥瞰図や建築断面図もたっぷり堪能できる。都電に追いつくため近道を探すってな場面があるけど、「この道がここに出るのかー」ってのも街歩きの楽しさ。しかも、このマンガは単なる街歩きではなく、するっと妄想の方向へ踏み出していく。巨大な太鼓橋を架け、三越にロープウェイや水路を作っちゃうのよ。俺の好み、ドンピシャ。しかし、こーゆー空想建築をマンガで描くのは、時間と手間がかかるだろうなあ。
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高市早苗でどんよりしていたけど、『ワン・バトル・アフター・アナザー』を観たら元気が出てきた。「ワン・バトル・アフター・アナザー」とは、「戦い、また戦い」ってな意味だそうだ。「不断の努力」って言葉を思い出させてくれる。
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ポール・トーマス・アンダーソン監督『ワン・バトル・アフター・アナザー』。せっかく事前にピンチョンの『ヴァインランド』を読んだのでそれと絡めて言えば、ピンチョンのエッセンスを見事に映画化していたと思う。ひたすら続く追跡と逃走、左派と右派の振り子運動、そして親子の物語というのも。デカプリオが役立たずで、ただただジタバタしてるのもいい。なぜなら、俺らは基本的に地べたでジタバタするしかできないからね。ポール・トーマス・アンダーソンに、そうした人への共感があるんだと思う。絶望ではなく希望のようなものを描いているところも好き。
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トマス・ピンチョン『ヴァインランド』。メインプロットは、追跡と逃走。プレーリーを中心に考えるとわかりやすいかな。幼い頃に出ていった母を探しつつ、一家を脅かす敵から逃げるという話。そこに、60年代から80年代へ、左派運動の盛り上がりから保守反動への揺り戻しへという時代が重ね合わされる。かつて信じられていた理想主義の躓きを描きつつも、暗くならないのがいい。難解そうに見えるけど、ピンチョンの目線は低い。左派のしょーもなさを笑いながらも、それでも地べたでじたばたする人々を愛しているのが伝わってくるのよ。確かに彼らはやられっぱなしだ。でも、ふざけた冗談を飛ばしながら、案外生き延びちゃうかもよ。
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ポール・トーマス・アンダーソン監督『ワン・バトル・アフター・アナザー』、観たよ。めっちゃ面白いじゃんか。テンションが途切れず、戦い、また戦い。革命、また革命。逃走、また逃走。連帯、また連帯。合言葉、また合言葉。携帯充電、また携帯充電。カーチェイス、またカーチェイス。皆さん同様、あの一本道のカーチェイスにはシビれた。あとは、デル・トロまわりのシーンはずっといいね。騒然とする街に現れるスケボー軍団、アパートの中をずんずん行くところから、屋上づたいの逃走まで、ただただうっとり。いいもん観た。
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昼間、母親とお茶しながら「高市早苗に決まったみたいよ」と言ったら絶句してた。まあ、そんな気分になるよね。安倍晋三の時代に逆戻りってことでしょ。権力行使に躊躇がなさそうな首相は怖いよ。
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あまり観ている人がいなさそうだし、『ブラックバッグ』や『ブラック・ショーマン』ってな映画が公開中なのでややこしいんだけど、『ブラックドッグ』はとても好きな映画でした。なので声を大にして、声を犬にしておすすめしたい。観てワン!
youtu.be/sV1JPnXYtvY?...
カンヌある視点部門グランプリ‼『ブラックドッグ』(9/19公開)予告編
YouTube video by Klockworx VOD
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グアン・フー監督『ブラックドッグ』。雹や雪、地震など、画面に驚きを呼び込む天変地異のあれこれも、見せ方がいちいち凝ってて新鮮。ちょっと夢幻的な雰囲気になるんだよね。中でも日蝕のシーンはマジカルで、そこで流れるある有名な曲も含めて、現実と幻想の境界がぼやけていくような感覚がある。現実をふっと跨ぎ越すようなこーゆー場面があるとないでは、大違い。つか、俺の大好物。
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グアン・フー監督『ブラックドッグ』。主人公のよるべなさと呼応するような、さびれた街の風景に引き込まれる。ゆっくりパンするカメラが捉えた人気のない団地や動物園、遠景で高低差を映し出す展望台やバンジージャンプ、主人公の家の中庭の構造などなど、「建築映画」としてもすこぶる魅力的。あとは動物。特に犬ね。もう、犬だらけ。気づけば画面のどこかに犬がいるし、どこかで犬の声がする。そして、バイク。会話している場面でも、遠くでサーカスのバイクの音が響いていたりする。淡々とした場面でも、犬の声やバイクの音がするせいで、常に何かが進行している感覚があるのよ。この犬とバイクで、「サイドカーに犬」となるわけで。
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最近観た映画、グアン・フー監督『ブラックドッグ』。すっごいよかった。北京オリンピックを控えて、再開発と野犬狩りを進めているさびれた街を舞台に、刑務所を出所したばかりの男と野良犬が徐々に仲良くなっていくという話。つまり主人公もまた野良犬みたいなものなわけで、彼はほとんど喋らない。その代わりに、アクションと風景と乾いた詩情で語るタイプの映画。冒頭のシークエンスだけでもう満点。ゴビ砂漠の広大な風景、そこに突如野犬の大群が足音を響かせて現れ、遠景で捉えられたバスが横転する。そしてこのバスの乗客の一人が主人公という、見事な導入。タンブルウィードまで転がってて、まるで西部劇のようなタッチで。
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ウェス・アンダーソン監督『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』。相変わらず計算され尽くした画面設計、おなじみの箱や模型のモチーフ、そしてアクションシーンすらシンメトリーにするこだわりに、思わず笑ってしまう。でも一方で、物事は「計画」の通りには進まない、という話でもある。設計された秩序はそこからの逸脱を孕んでいるし、計画はいつでも変更され得る。世俗的なものを突っぱねていた修道女の娘はいつの間にかパイプや酒を楽しんでるし、スパイはあっさり寝返るし、「計画」の象徴でもある模型は壊される。そしてラストではついに、シンメトリーの構図にも別れを告げるのよ。
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最近観た映画、ウェス・アンダーソン監督『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』。最近のウェス・アンダーソン作品の中では一番好き。ここのところ、入り組んだ作品が多かったでしょ。でも、今作はお話がシンプルで、父との和解というテーマがスッと入ってくる。あと、『グランド・ブダペスト・ホテル』以降顕著になってきた「世界を少しでもより良いものにしたいとい」う思いも、今回はより明確に示されていた。ラストなんか、アキ・カウリスマキみたいだし。それにしても、横スクロールのエンドクレジットって、初めて見たかも。
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ちなみにこれは、以前、俺が見つけたリミナルスペース。頭がおかしくなりそうな空間だった。
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Alt236『リミナルスペース』。この概念を知ることで、日常でも映画でも、いろんな場面に「リミナル性」を発見できるようになる。その意味で「使える本」だよね。俺の好きなものに、「リミナル性」が宿ってるものが多いことにも気づいた。タルコフスキーの『ストーカー』もリミナルだし、シモン・ストーレンハーグのイラストもリミナルだ。あと、ちょっと前に読んだ『スポメニック 旧ユーゴスラヴィアの巨大建造物』も。
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Alt236『リミナルスペース』。ブルータリズム、『BLAME!』、キリコ、マグリット、ミニチュア模型、『サイレントヒル』、『トイズ』、『シャイニング』、エドワード・ホッパーなどなど例示は多岐に渡る。俺はゲームやネットのトレンドはよく知らなかったので、へーそんなことになってるのかという感じ。中でも意外だったのが、『紙葉の家』についての言及。この小説、以前邦訳が出てたんだけど今は手に入らないんだよね。ああ、読みたいなあ。他に登場するアーティストで俺が惹かれたのは、Seph Lawlessという写真家。雪に埋もれた廃墟のデパートの写真にポエジーを感じる。
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Photojournalist SEPH LAWLESS: Official collection of the most abandoned places in America. Abandoned houses, Abandoned malls, and Abandoned Amusement Parks.
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