ハンディ
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ハンディ
@handyshima.bsky.social
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洋画メイン(SJ/KA/GD/GO)でたまに漫画やゲーム(94ロナドラ、K✌️富K/譲テツ)に妙なハマり方をする字書き。成人済み。書くのはだいたい固定、読むのはなんでも。未成年、プロフでお仲間(二次創作好き)と判断できない方、ヘイターはブロックします。

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デイズ更新まで落ち着かないので私が飼ってるエビを見てやってください
真っ赤なメスのチェリーシュリンプが丸い水槽の中で日光浴をしている写真｡
November 8, 2025 at 4:25 PM
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最近仲良くなった子｡かなり人懐っこい。あと小柄｡しかし猫がまだよくわからない｡
August 4, 2025 at 2:49 AM
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私の尻を噛んでいった子、いい子なんですが謎行動が多くて私には理解できない…いつも怒らせてしまう…すまぬ…
July 31, 2025 at 3:27 PM
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すごい、ちゃんと紫に…！花瓶にさしておくと綺麗に紫になった…！
March 17, 2025 at 7:45 AM
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ミニチュアの方の薔薇､咲きました✌️咲きたてはピンクで時間が経つにつれて紫になっていくと説明を受けたので、楽しみ｡
March 11, 2025 at 2:40 PM
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最近よく遊びに来るんですけど、ご飯が出るわけでもないのになぜ通うんだ。猫､わからない｡
March 6, 2025 at 2:55 PM
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推し活に植えた薔薇がもう蕾をつけてて畏怖｡本当に紫のが咲くんだろうか。
February 22, 2025 at 9:13 PM
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最近､散歩中によく会う子｡猫のことよく知らないのでもっと仲良くなって「ただ知識として知ってる」以上の何かを手にしたい｡
January 22, 2025 at 3:53 AM
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譲の成長。可愛かった子がバッキバキに成長してくるのが癖に響くんです。
January 9, 2025 at 8:20 AM
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こっちにも、譲テツのクリスマス。譲が用意してくれるクソダサセーターを毎年ちゃんと着てくれる闇医者。
譲テツの2人がクリスマスのアグリーセーターを着て、全力で楽しんでいる譲がよくわからないけど恋人が楽しそうなので好きにさせてる闇医者の漫画。
December 24, 2024 at 5:30 AM
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私が拾ったばかりの頃のモモ。可愛いでしょ、触られるのが嫌いで、撫でようとするとすぐ私の手を噛んでたんです。そういう人間に媚びないとこが好きでねぇ。
December 4, 2024 at 12:57 PM
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Δロナドラでド隊長お誕生日祝い！ロくんが妖精が集まる空間に連れてってくれました。
Δロナドラの2人が妖精が飛び回る空間で寄り添い、ロくんは隊長の顔を見て頬を染め、隊長はこっそりロくんが自分に見惚れているのを覗き見ているイラスト。
November 28, 2024 at 4:48 AM
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こっちにも少しずつ載せていきますね。ホラーな真田兄弟セット。
テツが着ているコートの中からチラリと顔を覗かせている血に濡れた亡者の顔、それが「見えてんのか」と問いかけるテツのイラスト。 若い頃の姿で森と満月の夜をバックに十字路に立つ悪魔化した武志のイラスト。 悪魔化した武志が「契約するのかね、しないのかね」と意地悪そうに嗤っている正面からの顔のアップのイラスト。 若い頃の姿の武志が弟の名を呼びながら顔面を血で濡らしているイラスト。
November 12, 2024 at 1:28 AM
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富Kと譲テツのハロウィンっぽいイラスト、こっちにも置いときます。
吸血鬼富先生が人先生から血が貰えると聞いて喜んでいるのを隣で照れている人先生のイラスト 首筋に残る噛み跡を左手で撫でながらテツの顔を嬉しそうに覗き込んでいる吸血鬼譲と、目を逸らして照れているのを隠そうとしているテツのイラスト
November 1, 2024 at 3:12 PM
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せっかくなのでツイッターにも載せてたK✌️で、描きたいとこだけ描いたら満足してしまった譲テツや富Kの漫画シリーズ。
繭に包まった譲を驚いた表情で眺めるテツ「帰国した譲介から告白された、当然フったら、その場で糸吐いて繭になりやがった」 繭を運びながら、テツ「見捨てるわけにもいかねぇんで、」 繭をベッドに寝かせて、テツ「仕方なく側に居た、そうだ、仕方なくだ」 少年富、屋根裏部屋のドアを見つめて「絶対に入るな、父が言うから、絶対に入ってやると決めた、屋根裏部屋」 屋根裏部屋に登りながら、少年富「夏休みで、ここは祖父の別荘で、階段が忍者屋敷のようで、はしゃぎすぎたのだ」 屋根裏部屋で人先生の大きな油絵を見つけて驚く少年富「ただの油絵なのに、恐ろしかった。微笑んでいる男の瞳に、憎悪と執着が垣間見えた気がして」 少年譲、飛び立つカラスを見上げて「子供の頃、動物の言葉がわかる時期があった」 金魚たち「ジョースケ、ジョースケ、可哀想なジョースケ」 犬「最後のイッピキ、ヒトリぼっち、ツガイいない、ヒトから作るか、ジョースケ」 しゃがんで耳を塞ぐ少年譲「不気味だった、無視していたらいつの間にか、わからなくなった」 相棒ちゃん、成長した譲に向かって「なぁジョースケ、諦めてやれ、テツはヒトの子だお前とは違う。」 顔を伏せている譲に向かって続ける相棒ちゃん「最期も、ニンゲンとしてこの世を去るべきだ」 宵闇の中フードを被った青年譲「開けてください」 街灯に群がる蛾、モーテルのドアの前に立っている譲「…せめて、勝手に入れって言ってください」 明かりを消したモーテルの部屋の中で、テツは警戒しながら譲の声に耳を傾けて居る。 赤い瞳の譲が鋭い牙が見えるように口を大きく開いて「僕、招かれないと入れないんで」
October 17, 2024 at 1:37 PM
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こっちにも載っけておきます、ハロウィンが近いのでちょっと不穏だったりホラーだったりする譲テツ。
テツに亡者の手が群がっている中、顔が陰になって見えない兄が「てつろう」と呼びかけているイラスト。 花の部分だけ無くなってる向日葵畑と首のないテツをバックに、複数の向日葵の花を抱き抱えて微笑んでいる目元が隠れた譲介少年のイラスト。 嫌そうな顔をしているテツに真珠のネックレスを後ろからつけている白衣姿の譲が怖い顔でテツのことを見ているイラスト。 切り分けられた肉と駆け回る羊を背景に、体が半分虎になっていく譲が脚だけ羊になっているテツのうなじを苦しそうに舐めているイラスト。
September 24, 2024 at 12:52 PM
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富K、人先生から告白するなら雨降っててほしいし、富の顔を直接見れないでいてほしいと思って描いたやつ。
人先生が雨の中、富先生に叶わないと決めつけて気持ちを告白しているイラスト。
September 13, 2024 at 7:28 PM
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ホラー漫画描く練習。あんまし怖くないけど個人的に好きなテーマなのでめちゃくちゃ楽しい。
August 19, 2024 at 5:04 PM
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2/2
と少し前に言った。 種族の違いだとか、寿命の差だとか、王族と魔女では障害が多いぞと、険しい顔で言われた。それでも好きなんだと涙を流して兄に伝えたのは、本人に伝える度胸が無いくせに、秘密にしておくのも辛かったロナルドの甘えだ。 しかしまさか、こんなことになるとは。ロナルドは冷や汗をかく。 王子の想い人が自分だなんて夢にも思わぬドラルクは、話を続ける。 「夜ごとに形を変える月に、恋愛成就の加護を授けて貰うなんて変だと思うかもしれないね。だが満ちても欠けても月は月。君が好きになった人が、どんな姿や状態の君だろうと変わらず愛してくれますようにって、あえて月にしたんだ。」 そう言って微笑む人魚の慈しみ溢れる眼差しを受け、青年は自分がこの魔女に恋をしてよかったと、心の中で泣いた。ロナルドはこんなに優しい存在を、他に知らない。 「誕生日おめでとう、ロナルド王子。君の恋が実りますように。」 太陽に嫌われていても、その下で生きる全ての生命の幸せを願うことができる、この魔女が好きだ。自分の生涯をかけて愛したい、幸せにしたいと、魂が叫ぶ。 「さて、今年のプレゼントは力作なんだが、」 やはりまた何か妙なものを用意してきたらしく、ドラルクはローブの袖に細い腕を差し込むと、小刻みに震えている小さな箱を取り出した。イタズラ好きの人魚は、変なものをプレゼントされた人間の反応を見て楽しんでいることを、ロナルドはちゃんと知っている。 プレゼントを受け取りながら、シンヨコ王国第二王子は考えた。来年の誕生日までに、どうやってドラルクを振り向かせようか。月の加護があろうと必ず両思いになるわけではないだろう。ドラルクの魔法は人の心を無理矢理操ったりする系統のものではない。ならば全てはロナルドの努力次第、ということだ。 その日から、きっちり一年後。満月が見守る城のバルコニーで、王子と魔女は永遠を誓うキスをする。
August 7, 2024 at 10:56 PM
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王蛸ロナドラでロ君誕生日おめでとう小説。1/2(全６ページ)
第二王子の誕生日ともなれば、それはもう国中をあげて盛大に祝われる。 昼の町はお祭りモード。広場では吟遊詩人や大道芸人が集まり、パレードを見ようと国中の民が仕事を休む。酒や料理を楽しんで、皆は城を眺めて遠くから王子を祝福する。 夜の城では国の要人や他国から招かれた貴族、妖精や海底で暮らす種族までが呼ばれ、舞踏会が開かれる。 ロナルド王子は、ひどく焦っていた。自分の誕生日を祝うパーティーから、とにかく抜け出したくて必死であった。 一歩進んでは呼び止められ、挨拶をしてはまた別の誰かに声をかけられる、本日の主役。ただでさえ目立つ容姿だ、仕方がない。けれど今は、それがひどく煩わしい。 ──これでは間に合わない。日付が変わってしまう前に、彼を見つけないといけないのに。 ロナルドはなんとかホールを抜け出すと、使用人たちが使う隠し通路に駆け込み、地下へと向かう。 探している男は、もう随分と前に一通りパーティーを楽しむと、勝手に会場を出て行ってしまった。あの場に彼が留まっておく理由は無いし、そもそも畏まった場では自分の役目を終えたらすぐに消えてしまう男だ。もしかしたら海に帰ってしまったかもしれない。不安に心臓が締め付けられる。 石造りの長い長い螺旋階段を降りて、ロナルドは魔女の工房に辿り着く。天井にびっしり生えた、ぼんやりと光る苔しか光源が無いこの空間。闇を好む部屋の主が蝋燭を灯してくれるのは、ロナル ドが来ることを知っているときだけ。君が転んでしまうといけないからねと、昔からいつだってロナルドの身を案じてくれていた、優しい魔女。 今日──ロナルドは海の魔女から、まだ祝福を受けていない。 初めて会った十五歳の冬から、毎年必ずドラルクは魔女の祝福を授けてくれた。 素敵な一年を過ごせるように。健康でありますように。いかなる悪意からも守られるようにと、世界がまだ一つの巨大な海だった頃から受け継がれてきた呪文を唱えて。それからロナルドが欲しいと思うものより、微妙にズレたセンスのプレゼントをくれる。苦情を入れても、何百年も生きていると流行りに疎くなるのだと笑って誤魔化された。けれど今までドラルクがくれた誕生日プレゼントは全部、ロナルドの寝室に隠された宝箱に大事にしまわれている。 今年はまだ、どちらも貰っていない。最も、重要なのはプレゼントでも祝福でもなく。ドラルクから誕生日おめでとうと、顔を見て言葉をかけてもらうことなのだが。 「ダメじゃないか王子様、自分の誕生日パーティーを抜け出しちゃ。」 クスクスと笑いながら、工房の奥で蠢く巨大な八つの脚。蛸の人魚は闇の中から、ロナルドを興味深そうに観察している。夜目の利かない人間ではドラルクの姿を捉えることはできないが、ロナルドには彼がすぐ近くに居るのがわかる。もう随分と長いこと、恋焦がれてきた相手なのだ。彼の気配に気付かぬはずがない。 「そういうお前こそ。もう海に帰るのかよ。」 ロナルドは工房の奥へと進む。段々暗闇に慣れ てきたとはいえ、明かりがなければ何も見えない。いつもならドラルクの方から蝋燭やランタンに火を灯してくれるのに、今日の彼は光を拒み続けているように思えた。 「まさか、君に祝福を授けるまでは帰らないよ。」 耳元で囁かれ、ロナルドは振り向く。ふわりと香る、スパイスの尾を引く甘みのある独特なパルファムは、国中の調香師に依頼したが再現させることは叶わなかった。同じ香りが欲しいと何度も強請ったこともあるが、君には似合わないよとあしらわれて、結局なんの香りなのかロナルドは知らないままだ。 「今日の祝福は海と月の両方から魔力を借りるから、ちょっと時間がかかるよ。暗闇の中でしかこの魔法はかけられないから、終わるまで動くんじゃないぞ、転んだら大変だ。あと、絶対に目を開けてはいけないよ、月は恥ずかしがり屋だからね。」 海の魔女に促され、王子は素直に目を閉じる。良い子だと笑うと、ドラルクは呪文を唱えだした。まじないを紡ぐ心地良い声に耳を傾け、この声に名を呼ばれて毎朝目覚めることができたら幸せなのにと──秘めたる恋心に火傷する、胸の痛みに耐え下唇を噛む。 あと一年で、ロナルドは正式に大人になる。来年は今夜のモノとは比べ物にならない規模のパーティーで、第二王子が無事に成人したことを祝うだろう。 おそらく、将来の伴侶もその時に集まった誰かの中から選ぶことになる。この国の王族はこれまでそうやって運命の相手を見つけてきた。ダンスの後でガラスの靴を落とした女を追いかけて妻に したり、会場で食べたリンゴを喉に詰めた男を蘇生してそのまま夫にしたり。兄のヒヨシは相手を一人に絞れなかったせいで現在でも独身だが、ロナルドには心に決めた人がいる。 運命なんか知ったことか、ロナルドはドラルクがいい。魔女と結ばれることは不吉とされていようが関係ない、ドラルクがいいのだ。 「もう目を開けていいよ」 想い人の指示に従い、きつく閉じていた瞼を開くと。いつの間にか工房中の蝋燭に火が灯されており、やっとロナルドはドラルクの顔をじっくり眺めることができた。満足そうに細められた目、シャープな鼻、痩せすぎではないかと心配になる頬のライン。ロナルドの顔から数センチ離れただけの距離で、薄い唇が形どる得意げな笑みに、青年の耳は赤く染まる。 「さすが私、初めて扱う高等魔術でも大成功だ！」 手を叩いて大笑いせんばかりの魔女の喜びように、ロナルドは疑問を感じた。魔術の心得が無い人間にもわかるくらい、今回受けた祝福の魔法はこれまでのモノと明らかに違う内容だった。詠唱された呪文は聞き覚えのない単語がいくつも含まれていたし、闇が必要だという条件も今回が初めてだ。月がどうのと言っていたが、それが関係あるのだろうか。 「なんで今日のは今までのと違うんだ？」 考えたって意味がない。ロナルドが問えば、よくぞ訊いてくれたと魔女は胸を張る。 「あぁ、王に頼まれたんだ。知らなかったよ、君、望みの薄い恋してるんだって？」 ロナルドの顔から血の気が引き、心臓が大暴れする。確かにヒヨシには、ドラルクが好きなんだ
August 7, 2024 at 10:55 PM
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拗ねてちょっとイタズラする人先生、の富K。
その日、富永はどうも朝から不運続きであった。 目覚ましのアラームはどういうわけか鳴らなかったし、駅のプラットフォームではガムを踏んだ。自販機で缶コーヒーを買おうとすれば、金だけ取られて商品が出てこなかった。売店で気分転換にでもと普段買わないラテを注文すれば、見事にこぼして一度着替えなくてはならず。とにかく、幸運の女神に足蹴にされている。 ションボリはしていたが、富永はめげなかった。濡れたトイレの床で滑って転びそうになっても、昼食のうどんに唐辛子を入れすぎて苦しい思いをしても、後で絶対に良いことがあるからと笑みを絶やさなかった。 午後になれば、神代が会いに来る。仕事の合間にフラッと立ち寄るだけなので、本当にただ顔を見て少し会話をするだけ。それでも数ヶ月ぶりに恋人と過ごせるのだ、嬉しいに決まっている。 だが現実とは無情なもので。神代が来る前にできるだけ片付けておこうと富永がデスクワークを始めると、以前から気にかけていた患者の容態が急変した。 偶然その日は富永以外に患者が必要としている手術を行える医師がおらず、院長自ら執刀することとなる。数時間に及ぶオペは見事に成功し、患者は一命を取り留めた。 待合室にてずっと待機していた患者の家族に退院までのプロセスを説明したり、その他術後の手続きが一通り済むまで、富永は午後の予定のことなどすっかり忘れていた。 男がひと息つこうと院長室に向かったところで、見覚えのあるマント姿が視界に入る。 あんなに焦がれていたというのに。不意打ち だったせいか、目から得た情報の意味を富永が受け止めるのに、数秒のタイムラグが生じた。 「あぁっ‼︎Kェ、そうだ時間…あ…！あぁ──」 時計を確認して、富永は通路の床に崩れ落ちそうになる。約束の時間から二時間以上経っていた。次の仕事に向かわなければならないギリギリまで、待ってくれていたのは明白だ。それだけ神代も今日を楽しみにしていたことが痛いほど伝わってきて、富永は泣きたくなった。 「そんな顔をするな。また来る。」 微笑みながら神代は呟くが、彼の声に落胆の色が滲んでいることに、気付かぬ富永ではない。 互いに忙しい身だ、次に余裕を持って会う時間を作れるのは、いつになるか。総合病院の院長と今代のKでは、ティーンがなんとなく好意を寄せるクラスメイトの家まで自転車を漕ぐ気軽さで、会える立場ではないのだ。 こうして引き留めている数秒間だって、Kとしての神代を待っている人々の元から、彼を奪っている。仕方がないこととはいえ…なんだか、やるせない。 だが一目会えただけで、富永の肉体から今日一日の間に蓄積されていた疲労感が抜けていく。もっとゆっくり二人だけの時間を過ごしたかったが、顔を見ることが叶っただけで幸せだった。 「外まで、送ります。」 上手く笑えている自信はなかったが、せめて病院を出るまでは一緒に居たい一心で、富永は神代の隣を歩く。世間話に毛が生えた程度の会話しかできない距離を進み、外へと通じる扉の前で止まる。これ以上先に進んだら、駅までついて行きたくなってしまう。 「…いってらっしゃい、お気をつけて。」 手を振って、富永は神代の背中を見送る決意を固めた。ガラス戸に反射した自分の顔が、なんだか情けなくて。こんな時くらい格好つけられたらなぁ、などと男がため息をついていると、神代が振り向いた。 「とみなが、」 少し上擦った声で呼ばれ、顔を上げると。マントの下から伸びた神代の手が彼自身の唇に触れ、その手が富永の方へと、流れる動作で見えない何かを投げてよこした。 微かなリップ音。マントが翻り、凄まじいスピードで夕焼けの中に消えていく恋人。富永の脳が全てのピースをあるべきとこに嵌め込み、完成された一枚の絵を鑑賞しようと一歩下がったところで。頭上から落ちてきた雷に打たれたようなショックに、今度こそ卒倒しそうだった。 投げキッス、された。あの神代に。 去り際に、投げキッス。 どこでそんなこと覚えたのだとか、なぜ次にいつ会えるのかわからない今やったのだとか、追いかけて問い詰めたかった。しかし全力疾走で飛び出したあの男に追いつくには、タクシーを拾ったところで…もう遅いだろう。 最近やっと購入するよう説得できたスマートフォンに、電話をかけたところで…おそらく彼は出ないだろう。 してやられた。もう今晩は、何をしていても神代の影がチラついてしまうだろう。数日、数週間経っても、会いたい気持ちが増幅していくばかり。解決する方法は、一つしかあるまい。 富永は院長室に早歩きで戻ると、血走った目で カレンダーを捲り、来月までのスケジュールを確認する。 ずらせる予定はとにかくずらし、T村に着いたらどうあの男を驚かせてやろうかと考えながら、富永はカレンダーに新たなスケジュールを書き込んでいった。
August 6, 2024 at 11:50 AM
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Δロナドラの転化ネタ、なんかアホな理由でロくんが何年かシンヨコを離れてる間にド隊長が転化しててちょっと荒れる、みたいなやつ。
ド隊長、ロくんの頬を撫でながら:「何を拗ねているんだい？」 ド隊長の金色の瞳が赤く光って:「何も告げずに消えたのは誰？」 ド隊長、ロくんにキスできそうな距離から:「私が泣いて君が帰ってくるのを待ってるとでも思った？」
July 14, 2024 at 3:03 AM
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盆先生のあのツイートでパッと思いついた転化ネタ、本編ロナドラで。
「その瞳。すぐ昔の色を取り戻したのが、揺らがない君っぽいよね。」 ブラッドワインの入ったグラスを片手に微笑みかけてくる恋人に、悪気は無いのだろう。しかし、人間だった頃の青を維持することに、強くこだわっているロナルドとしては、なんだか面白くなかった。 「…お前が言ったんだろ、俺の目の色が好きだったって。」 「え、もしかしてそれで？可愛いとこあるじゃないか！」 ケラケラ笑いながらロナルドの顔を覗き込んでくるドラルクの言葉に、誤魔化されまいと顔を伏せるも、無駄な抵抗だ。テーブルクロスをどれだけ睨んでも、視覚以外の五感や吸血鬼になってから新たに得た感覚の全てが、常にドラルクの気配を追い求めているのだから。 交際を始めて百周年記念ということで、今夜のロナルドはかなり頑張って恋人をエスコートしている。転化前にドラルクと共に歩んだ新横浜での思い出の場所を回ったり、夜の子となってから二人で見つけた楽しいことをして遊んだり。 退治人時代の仲間が引退後に開いた飲食店。今はその子供たちが引き継いで経営しているレストランでの食事中に、ずっとドラルクが熱烈に見つめてくるものだから。この後のことを期待されているのかと、ホテルのことを考えてロナルドはソワソワしながら肉汁の滴るステーキを口に運んでいた。 白いシーツの上に広がる黒髪や、容赦なく打ちつけられるロナルドの欲望に耐えきれなくなった細い四肢が、助けを求め首や腰に絡みついてくる のを想像して。下半身が荒ぶってしばらく立てない状態になってしまった単純な男に、ねぇロナルド君とドラルクが呼びかけた。不純な想像をしていたのがバレたのかと冷や汗をかいていたところで、瞳の色について話題を振られたのだ。 「転化してから初めてキスしたとき、お前…俺に目を瞑れって言ったろ。それまで注意したことなかったくせに。」 「そうだったっけ？」 首を傾げる最弱にして最愛の吸血鬼に、忘れたとは言わせんとロナルドはくってかかる。 「言った！なんか引っかかって、考えて…それで気づいたんだよ！お前が！俺の赤くなった目を、あんまり好きじゃないってこと！」 行儀が悪いと自分でも思いつつ、銀髪の吸血鬼はフォークを向かいの席に座っている恋人に向けて指し、言葉を続ける。 「青に戻らねーかなと思ってたらその日に戻って、そしたらお前…嬉しそうにするから…なんで笑うんだよぉ⁈」 牙を見せてクックと笑っているドラルクに対し、子供のような拗ね方をしている自分がなんだか滑稽に思えてきたロナルドは、いよいよ泣きそうだ。まだまだ吸血鬼としての経験が浅い男は、三百年と少し生きているこの邪悪な存在にとって最高で唯一無二のオモチャである。そんなこと、出会った時から知っていたし、別に不満というわけではない。 けれど人間からそうでない存在に、生まれ変わることを選択した証の一つである、彼と同じ赤い瞳が好ましく思われていないというのは…やはり寂しいのだ。自分がどうしても愛することができ なかった自分自身の醜い部分を、甘く心地良い言葉と抱擁で包み込んで、全部欲しいと言ってくれたドラルク。彼の愛情を疑うわけではない。それでも、いや、だからこそ、現在の赤い瞳よりも過去の青いものがそんなに良いのかと、問い詰めたくなるのだ。俺にこの瞳を授けたのはお前の牙のくせに、と。 「君、ほんとに無自覚なんだねぇ」 慈愛のこもった眼差しを向けて、余裕たっぷりのドラルクが笑う。まるでロナルドが知らない誰かと秘密を共有しているようなその表情に、心臓が軋む。 「そうだね、確かに青い瞳は好きだよ。けど君がそんなに深く考えてたなんて知らなかったな、不安にさせて悪かった。」 珍しく素直に謝られると、つい構えてしまうのは…長年この吸血鬼と共に生活をしてきたロナルドの心の護身術。脳が鼓膜に危険信号を直に送り、耳の中では警報が掻き鳴らされる。 「私、赤い瞳も好きだよ？ところで、最近シンヨコで暴れてるあのポンチ。イイ男だよね。」 ドラルクが言い終わるや否や。先程まで満月と星々が眩く光っていた夜空を、雲のカーテンが覆い隠し、無数の雷が轟音と共に新横浜に落ちた。原因たる男の意向により何かに当たることは無いが、それにしても凄まじい迫力である。なんて、ドラルクが突然始まったライトショーを純粋に楽しめるのは、単にロナルドへの信頼が成せるもの。 「ロナルド君、今、君の瞳が何色か、自分でわかる？」 胡散臭いウィンクを添えて。ロナルドの世界を破壊し、長い年月をかけて再構築してみせた享楽 主義者が囁く。気まぐれな神だ、悪魔だ、鬼だ。でもそんな男に愛されて、自分は幸せなのだとロナルドの魂は蕩ける。頼りなさそうなその手のひらの上で、もう何十年もリクエストされるまま踊り狂っている。 「私やジョンを守るために戦ってるときや、嫉妬したり私に執着してるときの君は…青い瞳が真っ赤に光って綺麗なんだよ。」 見せてやりたいなぁと、空になったワイングラスをテーブルに置き、ドラルクが笑う。よほど機嫌が良いのだろう、今日は本当にずっと笑っている。この瞳の色が関係あるのだと思うと、死んでもいいくらいの悦びが脳を浸す。 「今夜もその赤い瞳で、私が乱れる様をちゃんと見ておきたまえ。」 月明かりの下、青白い頬に血液が集まって、紫に色付いている。ドラルクの瞳が劣情で赤く燃えているのと同じように、自分のソレも光っているのかと思うと、ロナルドは我慢ができなかった。お月様が見てるよと恥じらうそぶりで焦らす恋人の唇に、テーブルに乗り上げて齧り付く。
July 12, 2024 at 4:27 PM
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富誕生日、2/2。
る。 「本当はカードを渡したときに、言おうと思っていた。」 背中に腕が回される感覚と一緒に、耳元に落ちてくる神代の心地良い声。深く落ち着いたトーンに混ざって、静寂な小雨が心細そうにパラパラと鼓膜を撫でる。不安も緊張も、彼には似合わない。 「あの、まだ心の準備が必要なら、」 いくらでも待ってみせると富永が続けようとして、神代は違うのだと頭を横に振る。男の顔はますます赤みを増しており、額には汗が滲んでいた。暫くの間、瞳を揺らして思い悩んでいるように歯を食いしばっていた神代だったが、とうとう観念したのか。蚊の鳴くような声を漏らした。 「それでは俺が…貰う側になるだろう、だから、」 「え？」 発言の内容が理解できず、富永は何度も目を瞬く。やっと言葉にできた気持ちが伝わっていないことにまず焦燥し、神代は珍しく目に見えて狼狽えていた。 「俺はもうずっと、お前が欲しいと思っているから…プレゼントする側がそれでは、違うだろう」 強烈な電流が、抑え難い衝動が、富永研太の全身を駆け巡った。もう最高のプレゼントを貰った、ここで雷に打たれようとも悔いは無かろう。来世でも神代を見つけ出して、また愛を叫ぶつもりではあるが。 だがその前に、今世で結ばれたい。魂や心だけでなく、もっと原始的な方法で。 「日付が変わる前に、あなたの部屋で。」 待っててくださいねと視線を絡めて乞えば、神代は一度だけ首を縦に振った。
July 8, 2024 at 6:31 AM
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富誕生日の富K、全５ページ、1/2。
だいたいの人間は、大人になる頃には誕生日を盛大に祝ったりしなくなるのではないか。富永研太は漠然とそう思っていたし、それを寂しいとか、つまらないと思ったことはなかった。 それが明確に変わったのは、一也が村に来てから。最初に少年の誕生日を祝うために色々と準備を始めたのはイシさんであった。恥ずかしながら彼女がケーキの材料がどうのと話題に出すまで、富永も神代も誕生日にケーキを囲んで歌い、蝋燭の火を消して祝う習慣が存在すること自体を忘れていた。 このとき、成人男性二人でさりげなく子供が欲しいものを聞き出そうとして、聡明な少年に逆に気を遣わせてしまい、ギャフンと言わされたのだが。それはまた別の日の話である。 一也が村の皆や自分たちから祝福されて、年相応に子どもらしく喜んでいたのを見て、富永は胸がいっぱいになったものだ。 それからだった。神代や自分の誕生日にも、ささやかながらも何か贈り物をしたり、ケーキを食べたりして診療所の皆で祝うようになったのは。 今までだって全く祝っていなかったわけではなく、その日の献立は好物ばかり出てきたり、おめでとうございますと言葉で伝えあったりはしていた。 だが子供の誕生日を祝ってからというもの、苦楽を共にしているかけがえのない戦友が生まれた日をもっと祝いたいと思うようになったのは、富永も神代も同じだったのだ。 ケーキの蝋燭を消してはしゃぐことは無いが…大人ならではの祝い方もある。 ──なんて言ったところで、晩酌ぐらいしか無 いのだが。今のところ。 本日の主役である男、富永研太は恋人からもらったバースデーカードを開き、彼の筆跡で綴られたメッセージをもう一度読んだ。今朝カードを受け取ってから、何度も何度も取り憑かれたように同じことをしている。 誕生日おめでとう、今年もよろしく。去年やその前とあまり変わらない内容のそれに、少しだけ残念な気持ちになるのはワガママでしかない。わかっているのだが、まだ日が浅いとはいえ恋仲になったのだから。誕生日には何かを期待してしまうのが、人間というものではなかろうか。 勝手に期待をしたのは富永だ、神代が誕生日に恋人たちの熱い夜を約束してきたわけではないのだから。そもそも彼はそういうことを思いつくタイプではない…ような気がした。プレゼントに自分を貰ってくれなんて、Kとして生きている男には言えないだろう。 どれだけ好いた相手だろうと、簡単に受け渡して良い体ではないのだ。そんなこと、富永はちゃんとわかっているし、受け入れている。 「…チューならお願いしても、いいんじゃないかな。誕生日だし。」 カードを唇に当てて、ボソリと独り言のつもりで呟いた。王様の耳はロバの耳、何度も囁けば、いつかカードが自分の願望をそのまま吹聴して回るようになるかもしれない。なんて現実離れしたことを考えて、しかし言霊ってのもあるからなぁと、笑って白衣のポケットにカードを戻した男は、背後から接近する気配に気づくことができなかった。 「それでいいのか」 「うぇっ⁉︎Kェ、いるなら言ってくださいよ！」 診察室の椅子から転げ落ちそうになったところを、デスクに掴まってギリギリ回避した富永は、よろめきながら立ち上がる。カードと自分の間だけの秘密、小声で漏らした欲望はどうやら聞こえてしまっていたらしい。一度聞かれてしまったものは取り消せないが、それでも誤魔化そうと無駄に足掻いてしまうのは…人情というやつだろうか。 「…夕食の準備が、できたそうだ。」 後方へと手でジェスチャーしながら、神代は自分がここへ来た理由を述べる。今夜の夕食の献立は、誕生日である富永の好物を中心としたものだ。富永が早く席につかねば皆を待たせてしまう。呼んできてくれと神代に頼んだのは多分、麻上だろうなと苦笑して、富永はダイニングエリアへ向かおうと一歩踏み出した。 「キスがプレゼントになるのか」 「なりますっ、ください！」 戸惑いがちに囁いた神代の正面に飛び出した富永は、彼の両肩を掴んで叫びそうになったところで、なんとか声の音量だけは下げることに成功した。だが必死なあまり、少々荒っぽい行動に出てしまったことを恥じる。 「あ、すみませんっ！」 慌てて男の肩を掴んでいた両手を離すと、富永は深く頭を下げて詫びた。ティーンならまだしも、この歳で許される行動ではない。 「そ、そんなにか…なら、今夜…俺の部屋とお前の部屋、どちらで…？」 まだ見ぬ神代との淫らな夜のあれこれに飢えるあまり、とうとう幻聴が聞こえるようになってしまったかと、富永は嘆いた。だが微かに震える男 の右手人差し指が、富永の下唇に触れ、そこから伝わる熱が…これは現実だと告げる。 「あの、確認なんですが…それってキスをするならどこで、ってことで合ってます？」 その指先を吸って舌で舐ってやりたかったが、そんなことをして怖がらせたら逃げられてしまうかもしれない。誘われているのは確かだが、どこまで心の準備ができているのかを、見定める必要があった。 「…キスだけで、良いのか？」 人差し指と中指の腹で、男は富永の下唇をなぞりながら問う。右から左へとゆっくり滑らせてまた右へと戻っては左に進む、何度も繰り返し与えられる刺激。富永の腹底で普段は静かに眠っている獣が、早く出せと理性の檻を引っ掻いている。 これだけ情欲の炎に薪をくべておいて、絶対に目を合わせようとはしないところに、神代の初々しさが透けて見えた。 「それ以上を、いただけるんですか？」 乾いた声が、診察室に響く。最早指を動かすことをやめ、ただ唇の弾力を堪能している恋人の腰に腕を回し、引き寄せて富永は男の顔を覗き込んだ。伏せられた切れ長の目元に差す朱色が、耳や首にも広がっている。今は衣服に隠されている部分にも、同じように血液が集まり熱持っている箇所があるのかと考えると…ひどく興奮した。 「まだ早いだろうか？」 「ください全部欲しいですっ！」 ここでどういうわけか、突然自信を無くしてしまった神代が弱々しく零したので、力一杯抱きしめて富永は素直に強請った。もう形振り構っていられない、くれるというなら欲しいに決まってい
July 8, 2024 at 6:30 AM