訳わかんないまま花嫁にされちゃうぎょてつさん（本人は食料のつもり）と番いたいタコなびーさん。

角度を変えておれを味わう。縮こまった舌はなるべく奥の方に引っ込ませた。しかし、
「ひぐっ」
やつはなんと触腕を口の端から入れてベロを引き出した。やっぱりタンから行く気なんだ。おれたべられちゃうんだ。変わった食い方されて殺された選手権に出れちゃうぜ。口の外に出された舌を触腕は何度も丁寧になぞる。口を閉じれないのでよだれでべとべとだ。舌先をちろちろ、舌の奥をぞろぞろ。いたぶってから食うタイプのタコらしい。やつは触腕じゃない手の方で俺の頬を持ち上げた。
「アナタ、ケッコン、シマス」
ケッコン？血痕？血祭り予定？
ぞろぞろと残りの触腕が登ってくる。
「アナタ、スキ。タベナイ。ケッコン、シマショ」

🐯おっきいおさかな
🐯ちっちゃいおさかな
🐯でっかいたこ！
🐯とりちゃん

僕は大声で叫びたいのを我慢した。体が震える。あなたに会いたかった。
「……抱きしめても？」
「いちいち確認すんなっ…ふへ？」
僕は力いっぱい抱きしめてその頬にキスをした。
「そうですよね。僕とあなたの間に確認なんていらないですよね」
「そーゆー意味じゃねえの！」
彼は目を尖らせたあと、やわらげて、目尻の皺を深くして笑った。そのしあわせなこと。僕はもう嬉しくてうれしくて。
「今までの飛行機にもなんて書いてあったか後で確認しますね！」
「げっ、とっといてあるのか？」
「？、もちろんあなたがくれたものだから」
飛ばされた紙ひこうきは螺旋して僕を経由してあなたに着陸した。気づくと手を握りあってたんだ。

「僕、知ってます。この言葉。あなたにより近づくためにはどうしたら良いかなって。本から探し出した、大事な言葉だ」
彼は目をまんまるにして、そうなの？と。この感情が何に当てはまるか知りたくて。友情や親愛を超えたこの言葉を。なんと言おう。ああ、「いとしい」。
それだけは読めました。
彼は罪状を述べるみたいに唾を飲み込んでから吐き出した。
「恋を分析すればいとしいとしというこころ…それだけしってるの。じいちゃんに教えてもらった歌みたいなもん」
はずい〜〜っといつものおちゃらけた調子でしゃがむ。僕は目線を合わせて「そういう意味と捉えても？」と問うた。
「…分析して見つけたんだろ、その感情」

サンプルです

言の葉さらさら| せる #pixiv www.pixiv.net/artworks/135...

真っ赤になった虎徹さんと、それを押し倒している僕。ふたりとも何も言わずに僕は虎徹さんを見つめ、虎徹さんは僕を見返した。