ついち
LightNews LightNews
banner
kutuitigo.bsky.social
ついち
@kutuitigo.bsky.social
2 followers 5 following 45 posts
🍶🐼が好き
Posts Replies Media Videos
kutuitigo.bsky.social
ささいなこと🍨
べつにオレはいつどこで立ち回りを演じることになろうが普段は一向にかまわねぇんだが、多少は手加減してやったほうがいいかなと思うときがたまーにある。なぜって、必死に拳を突きだした隙にあっさり足元をすくわれて派手にスッ転ぶのなんか、誰だって御免だろうから。 でも気を利かせて軽くいなしたところで、向かってくる相手方にこっちの意図が伝わるかどうかってのはまた別の話だ。まあ残念なことに、たいていの場合オレの気づかいは無駄に終わる。どうもそういう手合いは地面に頬擦りしたり、ゴミ箱に頭突っ込んだりすんのがよっぽど好きらしい。変わった趣味だよな。 つまらないことを考えつつオレは手をはたき、先にある明るい日差しに照らされた往来を見据える。さあ、出ようとしてた時間はとっくに過ぎちまってる、急いで行かなきゃならない。絡まれるにしても、用事のあるときは勘弁してもらいたいもんだ。 「ねえ、ここに来るまでなにしてたの？」 それからビートスクエアに無事に到着したオレの顔を、リーフェンはじろじろ眺めてきた。だがいちいち説明するほどの話でもないので、聞かせてやっても面白くないだろう。 「ねえってば」 「はやく食ったほうがいいぞ。ぼやぼやしてると台無しになる」 オレがソルベをやっつけてコーンに取りかかろうとしていると、知りたがりのリーフェンもようやく手元のカップの中身にスプーンを差しこむ。すでに表面が溶けてきていたが、芯はまだしっかり冷えたままのようだ。 カラフルなチョコチップたっぷりのひとさじをすくい上げれば、小さな歓声があがる。そのまま上機嫌にパクつく様を見ていたら、オレの口から愚にもつかない呟きがもれた。 「さっきまでオレもそれと似たようなもん作ってた。ディッシャーは使ってねぇけど」 「……どういうこと？」 リーフェンは疑問符を浮かべる。だがその子の寄せられた眉は、オレが裏通りに残してきた奴らみたく山と盛られたアイスクリームを食べ崩してゆくうちに、自然とほどけていった。
August 10, 2025 at 12:00 AM
kutuitigo.bsky.social
ラップトップ
July 8, 2025 at 6:13 PM
kutuitigo.bsky.social
古書店
July 8, 2025 at 5:58 PM
kutuitigo.bsky.social
🌼
May 17, 2025 at 4:55 AM
kutuitigo.bsky.social
昼寝
April 1, 2025 at 3:42 AM
kutuitigo.bsky.social
糸
伸ばした膝を曲げたのと同時に、軽く食い込むような感触と、ピンと張る高い音。大して痛くはなかったけど、わたしは不思議に思って自分の足首をまじまじ見た。 家を出るときも、この通りに着いたときだって、こんなもの確かになかったはず。いったいどこで引っかけてきたんだろう。 わたしが通ってきた道筋を振り返っているあいだも、風を受けてふんわり揺れている。足を下ろすと、地面にうねうねとした細い川の流れをつくる。 唐突に現れたのに、なんとなく目新しい感じがしなかった。むしろ最初からそこにあったことに、今やっと気づいたような。そう考えてしっくりくる自分がますます不思議だった。 しばらくちょっと摘まんだり、まわしたりして調べていたら、やっぱり興味を引いたらしい。どうしたんだと声をかけられる。そして足元から顔をあげて、三段うえの階段に座る彼を見たわたしは、ぽっかり口をあけたまま、返事ができなくなった。 「おい、なんだ、本当にどうした？」 いよいよ本格的に眉をひそめて、ただ目を瞬かせるわたしを見つめる。 こちらに歩み寄ってこようとして、ジェイミーさんがいったん立ち上がる。その拍子に彼の脛にも纏わりついた赤い糸が引っ張られて、また足首がすこし痛んだ。
January 8, 2025 at 5:37 AM
kutuitigo.bsky.social
三つ編み
頭のてっぺんから、腰の下まで。 肩で風を切って歩くジェイミーさんの後ろで、編まれた長い長い髪が揺れている。踊るような様子をなんとなく眺めていたら、私の心にふつふつと疑問がわいてきた。 「こんなに長いと、櫛を通すのも一苦労じゃない？」 失礼だとは思ったけど、とうとう我慢しきれなくなって、追いかけていって聞いてしまった。幸い彼は気を悪くした感じもなく、足を止めて毛先を二本の指で摘まんでみせる。 「そりゃまあな。でも手入れするだけの価値はあんだよ」 「それってなに？」 大勢の人が住んでるこのメトロシティでだって、これほどのロングヘアはちょっと珍しい。もしかして、ジェイミーさんの戦い方に関係があったりして。 好奇心につつかれて続けて訊ねる私をちらっと見ると、ジェイミーさんは口の端をあげて、また歩きだす。背中越しにようやく投げられた答えは、私の予想と全然違うものだった。 「たまに子猫がじゃれついてくる」 へえ、かなり意外。ジェイミーさんって猫好きなんだ。 私は内心すごく驚いた。でも、相変わらず楽しげにダンスする三つ編みが面白かったから、気が済むまでその持ち主についていくことにした。
December 26, 2024 at 6:37 AM
kutuitigo.bsky.social
落書き
似てるな……って思ってる
November 30, 2024 at 9:22 AM
kutuitigo.bsky.social
通り雨☔
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。付記に「「陣雨」」、「ジェミリー」と記載されています。 以下は本文の内容です。 　何事にも絶対はない。例えばついさっきまで太陽が照りつける文句のつけようがない晴天だったとしても、どこからか湧き出てきた黒雲に覆われて結構な雨降りになることもある。 　そういう理由で足止めを食らうと、誰のせいでもないのに重たい息が口から出そうになる。じっとり纏わりつく湿った空気も相まって、余計に気が滅入る。ただ間一髪で滑り込んだ軒先が雑貨屋を営んでいて、急な雨のなか一本だけ傘が売れ残っていたのが唯一の救いだった。 　 　ああよかったよかった。これで心配はしなくて済む。 　おかげで晴れ晴れとしたとまでは言えずとも、生憎の天気よりはマシな気分になれた。だがオレが街路に踏み出そうとした一歩は、なにかにぐいっと引っ張られて阻まれた。 「ちょっと待って」 　首をまわせば、オレの肘の辺りを掴んだリーフェンの手が目に入る。そのままもう片方の手に持った広げた傘を差しかけてくるので、またため息をつきたくなった。 「そいつはお前一人で使いな。オレには小さすぎる」 「そんなことない、普通サイズの傘だよ」 　それでも押し問答を繰り返したら、挙げ句の果てにだったら自分もいらないとか言い出した。まだ未使用だから返品すると、本気で店主に突き返す勢いだ。この強情っぱりめ。 　 　こうなったら仕方ない、白旗をあげるように華奢な手から傘の柄を取りあげると、リーフェンは満足げにうなずく。ただでさえサイズが合わない傘を二人で使うから、お互いの肩がぶつかっちまうのが居心地が悪い。ほとんど身を寄せ合うように軒先を出た。 「ったく、多少濡れたってオレは構わねぇのに」 「ダメ、風邪ひいちゃうかもしれないじゃない」 「んなヤワな鍛え方してねぇよ」 　 　でも何事にも絶対はないでしょ、と澄ました顔で切り返されると、オレは黙り込むしかなかった。
November 29, 2024 at 5:03 AM
kutuitigo.bsky.social
ぬいぐるみ
November 18, 2024 at 10:37 PM
kutuitigo.bsky.social
銃声　物騒な街と頼れるお兄さん
November 7, 2024 at 2:07 PM