江南百景図、本日の杭州府。まだまだ空白の土地が多いけど、次第に秋めいてきた西湖畔。

はじめまして。オリジナル版は版権ネタが盛りだくさんだったので、単に権利関係対応で消したのだと思います。一部は中国のゲームやアニメに置き換わっているみたいですね。

マスクしなくても鼻の粘膜が痛くなくなってきた！痛くないって素晴らしい。まだ肩のあたりが微妙なので２、３日は大人しくしておこう…

多分、今月は楽しいイベントが多くて少しがんばって楽しんでしまったのと、仕事繁忙期のストレスと、「今日できることをやる」から久しぶりに「目標を実現するためのタスク管理」に舵を切ろうとして体にストられたのとで体調不良になったのだと思われる…特に最後の要因な…困ったね。

体調、まだグズグズ微妙な感じだが、「だいじょぶ」の方にごろんと転がった感じになってきた。今日ムリせず静養すれば、明日からは何とかなりそう。

ということで、解説も含めて『宇宙大将軍侯景SFアンソロジー　梁は燃えているか』読了。巻末に親切にも「侯景・蕭衍略年譜」まであった…
特にいいなと思ったのは木海「井戸」、楊楓「昇天六記」、勝山海百合「偽帝のしおから」、大野城「アムリタ」、梁清散「金光人日」、歴史ものSFとしてのアイデアのトンデモっぷりに大爆笑させていただいた（けど歴史部分は結構堅実）のが波間丿乀斎「梁は燃えているか」と立原透耶「孤舟」でした（いずれも掲載順）。あと表紙と編集もとても良かったです。楽しい連休最終日を過ごせた。

本編読了した！　これで心おきなく解説を解禁できる！

侯景SFアンソロジーをちまちま読み進めています。（7/n）

🟥陸秋槎「法身は滅しない」
皇帝菩薩と仏教の関わりを割とそのまま、銀河帝国の興亡的な語り口で淡々とまじめくさって語ったもの。何食わぬ顔で語られる「射電梵音学」研究の詳細が楽しい。

🟥長谷川京「エクストリーム・グリッチ」
「法身は滅しない」が銀河帝国史話法で南朝仏教史を語り直すとすれば、こちらはゲームのバグとしての侯景というアイデアで、シヴィライゼーションみたいなゲームのよって人類の文明史をシミュレートしようという話。いささか壮大だが、飯を喰うという地に足ついた話から始まったアンソロジーのトリとしていい仕事していると思う。

侯景SFアンソロジーをちまちま読み進めています。（6/n）

🟥梁清散「金光人日」
前半の鍍金職人師弟の日常というか仕事の淡々として精密な描写から、最後に認識がゆるりと転じて世界の見え方が変わるラストまで、端正な筆致が心地よい。南朝は鍍金の銅仏、北朝は巨大な石仏、その対比で侯景を超えた歴史の流れを描くのが見事に感じた。

🟥猿場つかさ「画牌する叛乱者」
皇帝が仏教にではなくカードゲーム？に熱狂する梁での、龍の眼をもった二人の画家の運命。絵の細部の雰囲気はいいのだけど、侯景SF、あるいは宇宙大将軍SFとしては、私にはよく飲み込めてないかも。

侯景SFアンソロジーをちまちま読み進めています。（5/n）
風呂場読書でちまちま読み進めていたのだが、相変わらず鼻の粘膜が痛くて何もできないから、今日中に読了してしまおうかなと。

🟥大野城「アムリタ」
ひたすら蜜蜂を飼って蜂蜜作って配ってる侯景。侯景で「実は普通にいいやつなんだよ」の再解釈が読めるとは思いませんでした。衝撃という点ではこれまでに読んだ中で一番かも。結構好きです。

🟥立原透耶「孤舟」
な・ぜ・に・侯景の話に鄭和さんが登場しますか？？？
いや建文帝捜索ネタにトリックスター因子としての侯景の血筋を代入した解としては間違ってないけど！！けど！！
「顔氏家訓」もそろそろ読みたいな…

侯景SFアンソロ読書メモ４続き。

🟥波間丿乀斎「梁は燃えているか」
侯景はじめ色々な人に滅ぼされた梁が滅びる話。トンデモというかバカSFのノリだし実際そうなのだけど、結構堅実な「史書SF」（そんなものが存在するかは知らんけど）ではあると思う。

🟥勝山海百合「偽帝のしおから」
タイトルからどんな悪趣味なトンデモを読まされるのかと警戒していたら、テンポよくしんみりして、とてもいい作品だった。全編文字通り侯景のしおからの話なんだけど、淡々とスケッチされていく挿話の積み重ねが良い。この作家の他作品も読んでみたい。それぞれの話は古典に元ネタありそうだけど、わかりそうでわからぬ。解説にあるかな。

侯景SFアンソロジーをちまちま読み進めています。（4/n）

🟥武石勝義「宇宙大将軍、名乗るなかれ」
侯景SFというより宇宙大将軍SFかな。我々が「宇宙大将軍」と聞いて「…ハア」となる時の気持ちを作品化している。

🟥楊楓「昇天六記」
これはとてもよい。六つの一人称で語られた（中国語の原文はどうなっているのだろう）暗黒の幻想詩のような昇仙の物語であり、SF的に鋳直された仏教説話のようでもある。
他の作品も読みたい！と思ったら、昨日の文フリで『歴史脱出SFアンソロジー』に屈原ものの「宛として水の中央に在り」という作品を寄稿されているのですね。風邪が治ったらゲットせねば…

最初は左の目と鼻の奥が痛かったが、左は大体治って右に来た。決定的な風邪には行かないんだけど、「だいじょぶ」の方にも行かず境界線をウロウロしている。早く治って欲しい。暖かくして食って寝ることしかできない。強制的に休養になっているのはわかるが、さすがに飽きた。

「元曲選」を編んだ臧懋循、呉存存『中国近世の性愛』の男性同性愛の章で言及されていて明代の官僚は真面目に仕事してねえんだなと私を呆れさせた、「お気に入りの若い宦官とお揃いの紅衣を着て馬を並べて鳳台門を出た」というので弾劾された「有名な戯曲家で南京国子監博士」その人じゃないか…（なお、器量の良い太学の学生にも手を出している）明末の時点で、芸術界では美談として語られていたらしいけど、まあろくでもないな。太湖南岸の湖州の人らしいから、江南百景図に登場してもおかしくないけど、そういう素行だとどうだろうな…董其昌も恋愛シミュレーションゲームの謎の美形キャラみたいな顔して出てきたからだいじょぶかな…