心脳MindBrain
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心の機能と構造、好奇心と渇望
 しかし古代アテネがペロポネソス戦争に敗北して後、その敗北が心を折り、心は素朴な外向きから、屈曲して内に向かい始める。自分たちには内面的な非があったのではないかと。ソクラテスらの内攻の時代が始まる。これは「挫折学派」であり、そこには内面的な真実を求める「渇望」がある。
 そんな見方で心脳学研究を見ると、人が心脳研究へ向かう情熱には二種類ある。好奇心による自然探求の流れで心脳に至る系譜と、挫折によって内面を渇望するという系譜である。好奇心~自然学派、渇望~挫折学派。陽vs陰。心脳研究の動力源にはこの二つの出どころがある。
 私自身の心脳への関心を省みると、この二つが共在する。
October 22, 2025 at 6:51 AM
 アーキ派から見ると、アーキテクチャからすればあまりに不完全な現在のインプリが、あれだけ有用なのが、何とも不思議に感じられます。この不思議さは、ぜひとも説明を要するものに思われます。
 アーキ派とインプリ派という二項対立に対して、アーキテクチャを掘り下げつつ、よりインプリに近い、というような第三のアプローチがもしあるならば、それはとても有望かつ有力な立場だと思います。
 アーキ派から、ニューラル・ネットワークによるインプリ派への要望——その焦点は、
  「再帰的なD-A解析をニューラルで実現してほしい」
ということです。D-A解析は『非AI的心脳理論』に詳説。
October 3, 2025 at 1:56 AM
途中で中折れしたために、
   後頭:視知覚、
   頭頂:空間と身体、
     その横に、側頭:社会および言語、
   前頭:統合と将来企画、
という構成になった。
 ……それが、ごくごく大まかな脳の見取り図である。
 以上、尤もらしそうな推測を言ってみました。オリジナルな見方ではないかもしれませんが。
September 30, 2025 at 10:48 AM
しかし、ここではあえてその推測を逞しくしてみます。
 基本的な見方。脳は本来、身体の上に立って、上へ上へと伸びていくもの。それが、頭蓋内に収めるという要請に従って、脳の途中で前方に折れて、前の方に伸びることになった。
     (下から上へ)下頭 — 中頭 — 上頭
  ➡ (途中で折れて)後頭 — 頭頂 — 前頭
という変化があった。
 元々から言えば、進化的に古いほうから順に、
   下頭:視知覚、
   中頭:(見えの上に立って)空間と身体、
     空間の横方向に、社会とそれに関わる言語、
   上頭:(全ての上に立って)統合と将来企画、
という構成になったはずのところ、
September 30, 2025 at 10:48 AM
 「実験をしなければ真実に迫れない」と言うのは、科学の大部分の領域に関してはその通りであろう。しかし心脳に関してはどうか。心脳に関する真実は、機器を使わなければ見えないものなのか。それとも、日常の自明さの中でこそ露呈するものなのか。機器を使ったのではかえって見えなくなるもの、でさえあるのかもしれない。
August 31, 2025 at 1:11 AM
 そんな身近さという点で、心脳は他の科学的研究対象と著しく異なっています。心脳学でいう理論家は、他の分野(例えば物理学)で実験家と区別される理論家とは、大いに違っている。
 子どもや動物に対しては、より日常的でない観察や行動的実験をすることができて、これは実験家の領域に入ってくるが、ただ、実験とはいってもまだ日常生活と地続きだ。
 心脳学で殊更に実験といえば、心脳に対して「機器」を使うものである。機器とは、MRやX線や電極など、とくに電気や磁気を用いる機器だ。
August 31, 2025 at 1:11 AM
 研究を始めるときに以上二つの道があるとするなら、どちらを選ぶのが適当だろうか。
 後者の道を選んだと思しき現在のAIが一定の成功を収めたことは、以上のような理解からすれば不思議に思えてくる。この不思議は探求に値する。なぜAIは成功したか、それが問題である。
August 13, 2025 at 7:27 AM
 もう一つ、圧倒的な真実があります。脳がニューロンでできていることです。であるなら、ニューロンを議論の出発点にしようと、そういう立場があり得ます。しかし、ニューロンを手にしたとき、レゴを手にしたときと同じで、そこには絶対的な自由がある。自由がありすぎて、それからできるものには無限のバラエティがある。可能性の海の中で溺れるばかりだ。どこに向かって進めばいいのか、途方にくれる。生物はそんなふうに生きてきたわけでは決してない。——以上が、インプリからアーキテクチャへの道です。
August 13, 2025 at 7:27 AM
 カタチを作るのに、次の2つのやり方が考えられます。
 (i) ニューロン系そのものによって直にカタチを作る(上記①による)、
あるいは、
 (ii) 活動状態によって、いわば光のかたまりによって、カタチを作る(上記②による)、
この二つのやり方があり得る。
 長期的な(i)をもとに、即時的・即事的に(ii)を作る。
 いろいろなパーツを長期記憶(i)で分散的に各所に置いておいて、活動の際に、それらを組み合わせて(ii)で即時的に必要なカタチを作る、という方式も考えられます。
August 8, 2025 at 8:10 AM
カタチの世界はカタチの世界にしか無いものがあり、それはカタチのレベルでしか理解できない。少なくとも「自然で単純な」理解はその世界で終始する。例えば、全体のカタチから始めて、その部分のカタチへと進み、その部分をまた一つの全体としてそのまた部分へ、という具合に「再帰」を繰り返す。その再帰の構造の中にカタチの本質が表れる、という見方になります。全体と部分の関係もまた空間的である。
July 30, 2025 at 2:48 AM