麻里邑圭人
banner
mysteryeq.bsky.social
麻里邑圭人
@mysteryeq.bsky.social
ミステリ初心者。非実在探偵小説研究会所属。
【好きな作家】飛鳥部勝則/梶龍雄/殊能将之/早坂吝/麻耶雄嵩
【好きな作品】「カルロッツァの翼」「殉教カテリナ車輪」「竹馬男の犯罪」「翼ある闇」「魍魎の匣」
【好きな映画】「キルビルVol.1」「サスペリア」「サンタ・サングレ/聖なる血」「ダークナイト」「リベリオン」
それを最も象徴しているのが密室の扱い方であり、そのせいでミステリ側の探偵が推理を狂わされてしまう点も実にユニーク。また後半の展開は友成純一を彷彿とさせる所もあるがよく考えたら友成純一の幽霊屋敷物でもここまでカオスな展開はなかったような気がするのでやはり本作は唯一無二の怪作である。
November 12, 2025 at 12:55 PM
また読んでいて所々気になる点があり、例えばフェアプレイに拘っている割には第二話で明らかにアンフェアな描写が出てくるし、第三話においても大がかりなトリックならいざ知らず、小粒なトリックで建物の設計云々と語るのはさすがにどうかと言わざるを得ない。

あとがきで作者は本作を書く上での様々な苦労を語っているものの、個人的にはそれがミステリ部分にいい影響を与えているとはあまり思えなかった。
November 10, 2025 at 2:42 PM
あと一部アンドロイドであることを活かした、上半身と下半身が分離した状態(!)で繰り広げられる、見たことがないアクションが控えめに言って最高だった。
November 8, 2025 at 2:35 PM
特に第一の事件の真相はなかなかの意外性で、第二の事件も凶器に工夫があって○。もっとも現代ミステリの基準からするとシンプルすぎてもう少し捻りがほしいと思うところもなくはないが、そういった点を割り切って読む分には楽しめる作品である。
November 6, 2025 at 3:33 PM
惜しむらくはせっかくスケールの大きなネタを扱っているにも拘らず登場人物の少なさが災いして思いのほかこじんまりと纏まってしまった印象が否めない点だが、それを差し引いても企み自体は充分成功している佳作である。
November 4, 2025 at 2:24 PM
図がふんだんに取り入れられている作風はこれまでと同様ながらメインの古地図の謎だけではなく廃集落に纏わる不気味な手記やトンネルで起きた不可解な人身事故を盛り込んで読者を惹きつけつつそれらの謎を伏線回収と共に丁寧に解き明かしながら大ネタまで繋げていく様は実に技巧的と言っていいだろう。

特に秀逸だったのは手記を読み解くことで見えてくるある大がかりなトリックで舞台設定とさりげない人物描写がそこに活かされているのがいい。またホラー要素を巧く隠れ蓑にして堂々と描かれているにも拘らずそれとは気付かせない古地図の大胆な仕掛けも○。
November 4, 2025 at 2:24 PM
20 七河迦南 わたしがいなくなった世界に 東京創元社
25 てにをは また殺されてしまったのですね、探偵様6 MF文庫J
25 空洞ユキ 殺されて当然と少女は言った。 MF文庫J
28 床品美帆 降り止まぬ雨の殺人 東京創元社
October 31, 2025 at 12:55 PM
○「ファイナル・デッドブラッド」/「ファイナル・デスティネーション」シリーズ最新作は死の運命に囚われてしまった呪われた血族の話で、シリーズならではの凝りに凝った死のピタゴラスイッチによる派手な人体損壊は勿論のこと、なぜ彼らが死の運命に囚われることになったのかという理由や意図的にずらした演出によるブラックユーモアが実に秀逸。もっとも後半になるにつれて仕掛けがやや雑になっていく印象は否めないものの、ある小道具を使った気の長い伏線回収は○。
October 31, 2025 at 12:53 PM
○七河迦南「刹那の夏」/被災地で見付けたミニチュアの文机と本が入れられたボトル。それを作った今は亡き男が少年時代の夏に遭遇したという、ある事件に隠された秘密に迫る表題作を始め、一族の館やこの世の果てなど様々な場所で人々の運命を変えることとなった五つの謎に満ちた物語を収録。
October 31, 2025 at 12:53 PM
○市川憂人「もつれ星は最果ての夢を見る」/宇宙開発コンペに参加するため地球から十光年離れた星に降り立ったエンジニアの夜河零司と相棒のAI・ディセンバーは別の区域にいるはずの競合相手が何者かに銃殺されているのを発見する。そして彼らはそれを機に謎の連続殺人に巻き込まれていくことに――。

○梓崎優「狼少年ABC」/古い日記に書かれた男女の恋の行方。どうやって撮影したか分からない雪上の傘と足跡。幼い記憶に残る巨人の姿と喋る狼。そして高校の同窓会で明かされる放送室ジャック事件の真相……大人になる前の特別な時間を鮮やかに切り出した四編を収録。
October 31, 2025 at 12:53 PM
○石持浅海 「「真」犯人」/アーティストを支援する山間の芸術村で発明家のエジソンさんが首から血を流して死んでいるのが発見された。殺したのは恋人で歌人の小町さんのようだが彼女を犯人にしたくない村長さんは、わたしにCGアーティストの写楽さんを「真」犯人にするよう指示してきて――。

○伊坂幸太郎「さよならジャバウォック」/夫から毎日言葉による虐待を受けていた量子はある日直接暴力をふるわれて咄嗟に夫を殺してしまう。そこへ最近再会した大学時代の後輩・桂凍朗が突然訪ねてきて、まるで全てを察していたかのようなことを量子に告げる。一体彼は何を知っているのか?
October 31, 2025 at 12:53 PM
○戸田義長「うたかた 吉原面番所手控」/花魁・夕顔の推理を頼りに遊郭内での事件を次々と解決してきた隠密廻り同心の木島平九郎は体調不良のため出仕できなくなってしまう。夕顔は代役の新人同心・湯田と共に密室殺人や人間消失、足跡のない殺人などの謎を解き明かすことになるが……。

○ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ「骰を振る女神」/ルイス・コストヴェインは結婚した資産家の跡継ぎ娘を周到にアリバイ作りをした上で殺害し遺産を手に入れた。だが彼は尚も飽き足らずあらゆる悪事を重ねていく。その裏で見え隠れする骰を振る女神ラケシスの影は彼をどんな運命に導くのか?
October 31, 2025 at 12:53 PM