あおのあお
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読書、オカルト、レトロ、洋服、音楽
「日経サイエンス2025年10月号」睡眠の思考力
睡眠中の脳は何をしているのか?眠る間に回る推論の歯車
 マウスに部屋を探索させる実験で分かってきたこととして
1 マウスの脳の前頭前野は、起きているときの経験をノンレム睡眠中に一通り列挙し思い出す
2 昼間の記憶を思い出した後、レム睡眠の中で推論を行い、経験を整理そして正解にたどり着く。人も同様にレム睡眠中に推論し、正解を得ている可能性がある
3 脳は睡眠中に答えを出し、起きた後もそれを保持している。脳が正解を知っている状態になる
4 睡眠中に海馬では明日の記憶を受け入れる準備をする(エングラム細胞集団によって)
  以下つづきます
October 11, 2025 at 1:32 AM
「中動態の世界」國分功一郎
医学書院のケアを開くシリーズの一冊。
能動態と受動態は我々になじみの概念だが、中動態とは何か?インド・ヨーロッパ語(主にラテン語)の源流まで遡り、ギリシア哲学時代には既に失われかけていた、その謎に迫る!
大変面白い哲学的文法冒険は読んでもらうとして、結論を言うと「自分自身に対して、自分で働きかけること」それが中動態。なんじゃそら?まあゆっくり聞いてつかあさい。
スピノザは神を内在原因と定義する。神は自分の外に原因をもたず、自らによって作用し、世界を実現している。中動態なのだ。そして人も石ころも虫も、そんな神の千変万化する一つの表れ、様態・モードとする。
つづく~
May 24, 2025 at 2:30 PM
映画「九龍城塞 トワイライトウォリアーズ」を鑑賞
 九龍(クーロン)は1993年に解体された香港の怪しいビル群。坂柱いみりの漫画に出てくるような魅力ある場所。
 その地を舞台に、黒社会の勢力争いを描くベタベタなカンフー映画。復讐の連鎖をどこで乗り越えるのか、もテーマの一つだと思うけど「憎しみを断腸の思いで手放す」ことに思いを馳せた。
 ”許す”と許せないの葛藤、拾うと捨てるの間。量子は同時に様々な状態を取るが観測によって収束するように、人も無数の状態から「今ここ」を選ぶことで収束する。広がって収まってまた広がるの繰り返し。
 選ぶことが(その人の)現実を作るのだ、なんて。
April 27, 2025 at 7:22 AM
「泉鏡花集成2」ちくま書房 種村季弘編
の感想を各話ごと書いていきます。またまた長いツリーが続きますが、お暇ならどうぞお読みください。

「貧民倶楽部」
 華族の令嬢たちが貧者を救うという名目で、寄付を募るチャリティー販売会を催す。その販売会では寄付のためと称して、釣銭を渡さなかったり、正札のない品物を高値で押し売りしていた。
 貧民宿に住み、犬を使って新聞社に記事を届ける女。世上の評判を上げるための活動を行う、華族のやんごとなき方々の裏を探るべく、その販売会に乗り込んでの大立ち回り。次の段落はネタバレ注意です!(つづく)
April 23, 2025 at 8:45 AM
「沈黙の自伝的民族誌」 石原真衣

 著者は北海道に住む人。曾祖母がアイヌで自身は和人とアイヌのクォーター。明治政府によるアイヌモシリの接収から始まった植民地政策。その中で沈黙を選ばざるを得なかった家族と、自分の立ち位置が分からなくなった自分自身の歴史を自伝的民族誌として描く。

 自分に合う服ってなんだろう?アイヌや日本人、先住民や男女、そういった既存の様式を既製服に例えるのなら、著者が欲しいのは自分にしっくりくる、自分だけの誂え品だ。既製服を押し付けられても、そこからこぼれ落ちる要素が多すぎて、しっくりこない。こぼれ落ちる要素は誰にも理解されないから、沈黙の中で自らの痛みとして降り積もる。
April 5, 2025 at 9:51 AM
「ネット右派の歴史社会学」 伊藤昌亮
 500ページ。90年代から2010年代までの日本の右派について語り尽くした労作。現代日本のよくある風景が明確な姿を取って見えてくる。
 「顧みられてこなかった者たちの叫び」がこの本の主題。エリートへの反発と憧れがねじれて生まれる言論や行動。我々は左の世界市民主義と右の土着指向の間で、綱引きをしているようだ。
 個人的に慧眼だと思ったのはロボットアニメに見る戦闘サブカルチャーとナチスの親和性。興味深かったのは「血と土」のナチス神話に神智学や人智学も絡んでいるのでは、という話。神智学の人種神話はまあ、人種の優越妄想の元祖なので。ダーウィンとオカルトの結婚…
March 25, 2025 at 12:48 PM
「東京の生活史」岸正彦編
 1200ページ超。東京の市井の人々の断片的なインタビュー集。語り手はどこにでもいる一人一人で聞き手はその人に近しい人。
 多くの人の、人生の語りを通して東京の社会の横顔を描く試み。いろんな人がいて、それぞれの価値観や感じ方、思い、人生の出来事、自分の人生の解釈が出てくる。
 面白くて読み応えがあるのは確か。なのだけど、人間酔いする。もうしばらくは人間と接したくないな、人はお腹いっぱい、と思ってしまう。
 私自身は友達もおらず、相当に人というものを知らない(興味ない)ので、耐性がないのかもしれない。
 図書館で借りて150ページ読んで返却しよう。続きはいつかまた借りて
March 13, 2025 at 1:55 PM
週末の三冊
「日経サイエンス25年3月号」
ドリトル先生のようにAIで動物と話せそう?
ある人が別の人の頭をぐしゃっとした、という状況。それを見て話者はどのように説明文を作るか。頭をかかれた人の側に立つか、かいた人の側の視点で語るか。それとも両者を均等に扱うか。その場面を見ているとき、人は瞬時に自分の視線を動かして、誰を中心に物語を組み立てるか決める。
「目は心の窓」であり、自分の使う言語は自分の思考の道を作っている。
言語で興味深いのは、自国語しか知らない人は自分の言語について何も知らない、という話。何かの輪郭や特徴を知るには、他のものとの比較が必要だから。
自分しかいない世界は闇の宇宙だ
March 9, 2025 at 1:07 PM
「狂人たちの世界一周」ピーター・ニコルス著
 1968年に開催された無寄港単独世界一周ヨットレース。出場した9人それぞれの人物を躍動的な筆致で描く、大変に面白い本。レースの結果が分からないので、それぞれの直面する海と孤独、競争心があたかも自分ごとのように感じられ、まさに波に翻弄されるような読書体験。
 喜望峰やホーン岬の南氷洋の荒れた海、べた凪の赤道、ヨットを止めたり進めたりする操船技術。GPSの普及する以前、自動操舵技術も低かった当時の状況は、冒険と言うにふさわしい。奇しくもレース中にアポロ9号は月周回していて。
 やはり冒険者たちは自転車選手のように、頭のネジがぶっ飛んだ奴らだ!
February 24, 2025 at 11:51 AM
 「持続可能な衣服」Rethink Fashion Wasedaさんの話。端切れを文字にしたボード作りが凄く楽しかった!
 大量生産と大量消費と大量廃棄が地球に与える影響。安く劣悪な労働から生み出される衣服。私たちは何を纏い、誰の涙を笑顔へ変えられるのでしょうか。
 帝国主義と産業革命で出来上がった今の資本主義社会が問題なのはいうまでもありません。服の未来はどこへ?現在の原野にゴミとして捨てたり、焼却するのは…。
 個人的には100年前のように、生地を買ってきて必要な分を自分で縫ったり、仕立て屋にお願いするのがいいとは思います。しかし縫う時間が!高い仕立て代が!問題となる訳です。考え続けよう
February 15, 2025 at 8:58 AM
 今日から種村季弘編「泉鏡花集成」の読書感想を書いていきたい。第1巻から順番通りに始めます。
「活人形」 
 鎌倉の妖物屋敷と呼ばれる荒れた旧大名の邸宅。父と母を早くに亡くした美しい姉妹。その遺産を狙う悪人に屋敷に閉じ込められ、苦しい生活を強いられる。その屋敷には綺麗な活人形、隠し部屋など、様々な仕掛けがあった。姉と言い交わした男に助けを求められ、頬に三日月の傷を持つ探偵、倉瀬泰助が動く。母によく似た活人形の声が娘の窮地を救う。果たしてそれは亡き母の幻なのか・・・。
 リズムのある日本語の文章、昏い屋敷の雰囲気、少年探偵ものを彷彿とさせる筋立て。泉鏡花を初めて読みましたが、とても面白かった!
February 15, 2025 at 2:45 AM
沖縄NICE映画祭1日目 感想続き
16 産むということ マキタカズオミ監督
 何を殺し何が再生するか
17 まぜこぜ一座殺人事件 齋藤雄基監督
 東ちづるさんの舞台トークが冴えわたる!
この映画祭は土日も朝9時からやってます。沖縄の方はぜひ桜坂劇場へ!!
#沖縄NICE映画祭
January 31, 2025 at 2:54 PM
沖縄県立芸術大学の展覧会にて
妖精の棲む木だ と思った
光と影は双子なんだ と思った
July 13, 2024 at 8:19 AM
榕樹書林さんは沖縄の出版物に強い古本屋
なんと今は2割引!!
新店舗は宜野湾市真栄原。駐車場はありません
近くのエストレージャスも好きなお店
May 18, 2024 at 5:35 AM