藤井太洋 Taiyo Fujii
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藤井太洋 Taiyo Fujii
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Japanese SF writer, author of Gene Mapper and Orbital Cloud.
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SFアンソロジー『素晴らしきシリコン世界』に、書き下ろし短編「光より速く飛べたなら」を寄稿しました。
S(科学)・T(技術)・S(社会) を冠したこの作品集には、私を含めた8人の作家がSF短編を寄稿しています。

発起人は『アラスカのアイヒマン』が日本にも紹介されたチャン・ガンミョン。韓国からは、ダンヨ、ウダヨン、ユン・ヨギョン、チョン・ユンホ、チョン・シヒョン。国外から寄稿しているのは私と「中国の太陽」を寄稿した劉慈欣。訳者はヤン・スヒョンさんとホ・ユヨンさん。

product.kyobobook.co.kr/detail/S0002...
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韓国のテレビKRSで『素晴らしきシリコン世界』が紹介されたとのこと。
テレビでの紹介は嬉しいなあ。

作品どれも面白いので、丸ごと日本語版にしてくれるところがあるといいなあ。

news.kbs.co.kr/news/view.do...
[새로 나온 책] 기술발전에 대한 또다른 시선 ‘멋진 실리콘 세계’ 외
[앵커] 과학기술이 눈부시게 발전할수록 장밋빛 미래에 대한 기대가 커지고 있죠. 동시에 로봇이 인간을 지...
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November 11, 2025 at 2:10 PM
Getty ImagesとStability AIのモデル開発に関する訴訟はアメリカの法廷に持ち越しだよ。
今回争われたのはStable Diffusionのモデル配布が違法かどうかでモデルは著作物のコピーではないという判決が出たところまで。
November 5, 2025 at 9:20 AM
「光より速く飛べたなら」を寄稿した『素晴らしきシリコン世界』の発起人、チャン・ガンミョンさんの投稿。
企画してくださってありがとうございます。
収録作品は(機械翻訳の助けを借りましたが)どれも面白い。
ハクスリーの『素晴らしき新世界』を彷彿とさせるダヨンの冒頭の作品からグッと引き込まれます。
私の「光より速く飛べたなら」は収録作の末尾。大トリという意味ではなくハングル順で最後ということですが、社会の未来に対する余韻を残せれば幸いです。

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Kangmyoung Chang
제가 소설집 『당신이 보고 싶어하는 세상』에서 ‘STS SF’라는 단어를 처음 썼고, 논픽션 『먼저 온 미래』에서 한중일 작가들과 함께 STS SF 앤솔러지를 준비 중이라고 밝혔지요. 그 결과물인 책 『멋진 실리콘 세계』가 나왔습니다. 『삼체』의 류츠신 작가님, 일본SF대상과 성운상을 받은 후지이 다이요 작가님, 단요 우다영 윤여경 전윤호 조시현 작가님이....
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November 4, 2025 at 2:59 AM
トラックボールに挑戦

SF作家ソンで、環境を見直しているという池澤春菜さんがトラックボールを使っていた。挑戦している人の例に漏れず、春菜さんも熱心にトラックボールの利点を私に訴えてきた。腱鞘炎にならないし膝の上に乗せても使えるし、このタイプなら親指だけなので疲れにくいし――あのお声で、ゴージャスに。 その通り、トラックボールはいいポインティングデバイスだ。 私が初めて所有した近代的OSが動くコンピューターはPowerbook 165cで、ポインティングデバイスはキーボードに埋め込まれたトラックボールだった。Photoshop 2.0もIllustrator 3.1もMini…
トラックボールに挑戦
SF作家ソンで、環境を見直しているという池澤春菜さんがトラックボールを使っていた。挑戦している人の例に漏れず、春菜さんも熱心にトラックボールの利点を私に訴えてきた。腱鞘炎にならないし膝の上に乗せても使えるし、このタイプなら親指だけなので疲れにくいし――あのお声で、ゴージャスに。 その通り、トラックボールはいいポインティングデバイスだ。 私が初めて所有した近代的OSが動くコンピューターはPowerbook 165cで、ポインティングデバイスはキーボードに埋め込まれたトラックボールだった。Photoshop 2.0もIllustrator 3.1もMini CADも、3Dグラフィックスを体験したStrata Vision 2.0も、そのあと20年間飯を食わせてくれたShadeのIII Lightもそのトラックボールで操作していたからよく知っている。 就職した印刷会社では会社のMacintoshの標準マウスを使っていたけど、退職して初めてフリーランスになった1999年、友人たちとワンルームマンションにオフィスを仕立てた私は、省スペースと効率化のためにケンジントンの多ボタントラックボールを買った。当時はマイクロソフトがホイール付きマウスを普及させようと躍起になっていたが、ホイールの利点を語る人たちに反発してトラックボールを使っていた。ページ移動ならページアップ・ダウンをボタンに割り当てられるトラックボールの方がいいんだ――なんて言っていた。でもホイールは便利だった。一度使ったら手放せない。私もマイクロソフトのホイールマウスを買って、トラックボールを使うのをやめてしまった。 これが20年ぐらい前のこと。会社員になった私はグラフィック制作から遠ざかるにつれてマウスから離れ、ほとんどの作業をトラックパッドで行うようになった。Macbookのマルチタッチトラックパッドは二本指でスクロール、三本指でExposéのようなウインドウ整理が呼び出せるのがいい。引っ越して、大きなディスプレイを繋いで使う時はマウスを使うようになった。 でも、池澤春菜さんが「いいでしょ」と自慢するトラックボールは確かに便利そうだった。エルゴノミクスマウスのフォルムで親指をポインティングに使うトラックボールは確かにいいものだろう。 しかし、左利き用がほとんどないのだ。 左手で使える製品は、左右対称のユニバーサルデザインの大ぶりなボールを人差し指と親指で動かすトラックボールばかり。操作性が悪くないことは知っているんだけど、左右対称のトラックボールには多ボタン製品がほとんどない。トラックパッドやマウスの追加ボタンにアサインしていたExposéを割り当てられない。それでも探すと、一つだけ多ボタントラックボールが見つかった。 エレコム マウス ワイヤレス トラックボール (親指) 左手専用 赤玉 6ボタン チルト機能(左右スクロール) ゲーミンググレード光学センサー採用 ブラック M-XT4DRBK-G デザインは悪くない。Bluetoothではないけど無線なのでレイアウトは自由になる。というわけで早速購入した。Amazonでは5,000円しないけど元は10,000円クラスの製品なので材質は悪くなかった。 多ボタンのクリックはUSBの標準的なHIDではなかったのはちょっと残念。Kalabinaer Elementsが使えない。仕方がないので、Elecomのアプリでボタンを設定。行く・戻るをExposéとアプリExposéに割り当てた。 次に変更したのは水平スクロール。ホイールを傾けるチルトホイールは一定の速度でしか動かないし、Shiftキーとホイールを併用するやり方にも慣れているので、ホイールを倒す操作は、デスクトップの左右移動(仮想画面の切り替え)に割り当てることにした。この時カーソルキーで移動するときのように、右に倒した時に右に動くように設定したのだけど、つい逆に操作してしまう。なぜか、左に倒して右に行く操作が自然に感じた。指で画面を払うような感覚だ。スマートフォンを使うようになってから感覚が変わってしまったらしい。マウスホイールも画面を引っ張るスマホ式スクロールになっている。20年も経つと感覚は変わってしまうもんだな。 というわけで使い始めたんだけど、一つ、大きな問題に直面した。 ボールが引っ掛かってしまい、動かし始めにポインターが10ピクセル分ぐらい飛んでしまう。トラックボールってこんな感じだったっけと疑ってしまったが、ヨドバシカメラに行ってKensintonやLogitechのトラックボールを触ってみるとそんな引っかかりはない。このElecom製品の支持体の材質とボールのコーティングが私の部屋と相性が悪いのだろう。フッ素やシリコンオイルを吹くといい気がしたが、埃も嫌なので、艶消しボールを購入してみることにした。幸いなことにElecomのトラックボールは標準的なサイズのボールを使っているから互換品が買える。 ぺリックス 34 mm トラックボール 艶消し ざらつき加 工レッドコントロール型 PERIMICE-517/717/520/720またはロジクール/M575/M570/エレコムのトラックボールマウスと互換性有り マット仕上げ ボールがサリサリ鳴くようになったが使い心地は申し分ない。ピクセル単位でポインティングできる。これで20年ぶりぐらいのトラックボール復帰を果たした。 薬指の6ボタンはまだ迷っている。画面に軌跡を描くジェスチャーは面白いんだけど上手い使い方を思いつかない。しばらく、あれやこれやと考えてみることにしよう。
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November 4, 2025 at 1:06 AM
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
<멋진 실리콘 세계 - STS SF 앤솔러지> - 단요, 류츠신, 우다영, 윤여경, 장강명, 전윤호, 조시현, 후지이 다이요 (지은이)
문학동네 | 2025-10-30 출간 | 16650원
알라딘 구매 링크

현대사회를 향해 끊임없이 날카로운 질문을 던져온 작가 장강명의 기획 아래, 한・중・일을 대표하는 여덟 명의 소설가가 참여한 ‘STS(Science, Technology and Society) SF’ 앤솔러지 『멋진 실리콘 세계』가 출간되었다.
October 29, 2025 at 3:15 AM
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
クラブミュージック界隈では、日本のDOMMUNEと並ぶDJストリーミング配信の世界的草分けである Boilerroom が買収され、悪名高いKKR傘下になってしまい各地でボイコットが起きている。昨夜も #DOMMUNE ではそのことについて配信をしていた

メディアは広告枠等を売って事業を行っているわけだが、資本主義経済の社会において広告枠などを売って活動するのは妥当でも、その精神性まで売り払ってはいけないし、消費者も精神性まで売り払ったメディアやサービスには毅然とした態度でいなければならない。自分たちのコミュニティや社会を維持したいなら
SerifのAffinityはCanva傘下になったのか。
生成AIに集まる資金は明らかにバランスを欠いてきてるからなあ。

Canva程度、という言い方は良くないかもしれないけど(業界で5~10位ぐらいはちょっとすごい)、そんな企業がツール開発を丸ごと傘下に収められるけど、Gropediaを作るxAIは資本だけならWIkipedia相当の事業体を丸ごと運営できる。その気になればガバナンスのゆるい生成AI企業群は主要な出版社やニュースメディア、映画出版社をまとめて買収できる。

それだけの金が集まる理由は、オオカミ少年のような「AGIが来る」なんだから困ったもんだ。
October 31, 2025 at 9:10 AM
トラックボールに挑戦

SF作家ソンで、環境を見直しているという池澤春菜さんがトラックボールを使っていた。挑戦している人の例に漏れず、春菜さんも熱心にトラックボールの利点を私に訴えてきた。腱鞘炎にならないし膝の上に乗せても使えるし、このタイプなら親指だけなので疲れにくいし――あのお声で、ゴージャスに。 その通り、トラックボールはいいポインティングデバイスだ。 私が初めて所有した近代的OSが動くコンピューターはPowerbook 165cで、ポインティングデバイスはキーボードに埋め込まれたトラックボールだった。Photoshop 2.0もIllustrator 3.1もMini…
トラックボールに挑戦
SF作家ソンで、環境を見直しているという池澤春菜さんがトラックボールを使っていた。挑戦している人の例に漏れず、春菜さんも熱心にトラックボールの利点を私に訴えてきた。腱鞘炎にならないし膝の上に乗せても使えるし、このタイプなら親指だけなので疲れにくいし――あのお声で、ゴージャスに。 その通り、トラックボールはいいポインティングデバイスだ。 私が初めて所有した近代的OSが動くコンピューターはPowerbook 165cで、ポインティングデバイスはキーボードに埋め込まれたトラックボールだった。Photoshop 2.0もIllustrator 3.1もMini CADも、3Dグラフィックスを体験したStrata Vision 2.0も、そのあと20年間飯を食わせてくれたShadeのIII Lightもそのトラックボールで操作していたからよく知っている。 就職した印刷会社では会社のMacintoshの標準マウスを使っていたけど、退職して初めてフリーランスになった1999年、友人たちとワンルームマンションにオフィスを仕立てた私は、省スペースと効率化のためにケンジントンの多ボタントラックボールを買った。当時はマイクロソフトがホイール付きマウスを普及させようと躍起になっていたが、ホイールの利点を語る人たちに反発してトラックボールを使っていた。ページ移動ならページアップ・ダウンをボタンに割り当てられるトラックボールの方がいいんだ――なんて言っていた。でもホイールは便利だった。一度使ったら手放せない。私もマイクロソフトのホイールマウスを買って、トラックボールを使うのをやめてしまった。 これが20年ぐらい前のこと。会社員になった私はグラフィック制作から遠ざかるにつれてマウスから離れ、ほとんどの作業をトラックパッドで行うようになった。Macbookのマルチタッチトラックパッドは二本指でスクロール、三本指でExposéのようなウインドウ整理が呼び出せるのがいい。引っ越して、大きなディスプレイを繋いで使う時はマウスを使うようになった。 でも、池澤春菜さんが「いいでしょ」と自慢するトラックボールは確かに便利そうだった。エルゴノミクスマウスのフォルムで親指をポインティングに使うトラックボールは確かにいいものだろう。 しかし、左利き用がほとんどないのだ。 左手で使える製品は、左右対称のユニバーサルデザインの大ぶりなボールを人差し指と親指で動かすトラックボールばかり。操作性が悪くないことは知っているんだけど、左右対称のトラックボールには多ボタン製品がほとんどない。トラックパッドやマウスの追加ボタンにアサインしていたExposéを割り当てられない。それでも探すと、一つだけ多ボタントラックボールが見つかった。 エレコム マウス ワイヤレス トラックボール (親指) 左手専用 赤玉 6ボタン チルト機能(左右スクロール) ゲーミンググレード光学センサー採用 ブラック M-XT4DRBK-Gamzn.asia デザインは悪くない。Bluetoothではないけど無線なのでレイアウトは自由になる。というわけで早速購入した。Amazonでは5,000円しないけど元は10,000円クラスの製品なので材質は悪くなかった。 多ボタンのクリックはUSBの標準的なHIDではなかったのはちょっと残念。Kalabinaer Elementsが使えない。仕方がないので、Elecomのアプリでボタンを設定。行く・戻るをExposéとアプリExposéに割り当てた。 次に変更したのは水平スクロール。ホイールを傾けるチルトホイールは一定の速度でしか動かないし、Shiftキーとホイールを併用するやり方にも慣れているので、ホイールを倒す操作は、デスクトップの左右移動(仮想画面の切り替え)に割り当てることにした。この時カーソルキーで移動するときのように、右に倒した時に右に動くように設定したのだけど、つい逆に操作してしまう。なぜか、左に倒して右に行く操作が自然に感じた。指で画面を払うような感覚だ。スマートフォンを使うようになってから感覚が変わってしまったらしい。マウスホイールも画面を引っ張るスマホ式スクロールになっている。20年も経つと感覚は変わってしまうもんだな。 というわけで使い始めたんだけど、一つ、大きな問題に直面した。 ボールが引っ掛かってしまい、動かし始めにポインターが10ピクセル分ぐらい飛んでしまう。トラックボールってこんな感じだったっけと疑ってしまったが、ヨドバシカメラに行ってKensintonやLogitechのトラックボールを触ってみるとそんな引っかかりはない。このElecom製品の支持体の材質とボールのコーティングが私の部屋と相性が悪いのだろう。フッ素やシリコンオイルを吹くといい気がしたが、埃も嫌なので、艶消しボールを購入してみることにした。幸いなことにElecomのトラックボールは標準的なサイズのボールを使っているから互換品が買える。 ぺリックス 34 mm トラックボール 艶消し ざらつき加 工レッドコントロール型 PERIMICE-517/717/520/720またはロジクール/M575/M570/エレコムのトラックボールマウスと互換性有り マット仕上げamzn.asia ボールがサリサリ鳴くようになったが使い心地は申し分ない。ピクセル単位でポインティングできる。これで20年ぶりぐらいのトラックボール復帰を果たした。 薬指の6ボタンはまだ迷っている。画面に軌跡を描くジェスチャーは面白いんだけど上手い使い方を思いつかない。しばらく、あれやこれやと考えてみることにしよう。
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October 31, 2025 at 6:55 AM
SFアンソロジー『素晴らしきシリコン世界』に、書き下ろし短編「光より速く飛べたなら」を寄稿しました。
S(科学)・T(技術)・S(社会) を冠したこの作品集には、私を含めた8人の作家がSF短編を寄稿しています。

発起人は『アラスカのアイヒマン』が日本にも紹介されたチャン・ガンミョン。韓国からは、ダンヨ、ウダヨン、ユン・ヨギョン、チョン・ユンホ、チョン・シヒョン。国外から寄稿しているのは私と「中国の太陽」を寄稿した劉慈欣。訳者はヤン・スヒョンさんとホ・ユヨンさん。

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October 31, 2025 at 5:45 AM
My second Korean contributing anthology "Brave Silicon World" is out!

product.kyobobook.co.kr/detail/S0002...
product.kyobobook.co.kr
October 31, 2025 at 4:48 AM
Apple TV+のDown Cemetery Roadがいい。原作付きの英国ドラマのスピード感が僕は好き。

tv.apple.com/jp/show/down...
ダウン・セメタリー・ロードを視聴 - Apple TV
『窓際のスパイ』の製作陣が贈るドラマシリーズ。イギリス郊外の一軒家で不可解な爆発が起きる。心配した隣人が私立探偵と手を組んで真相を探るうち、恐るべき政府の陰謀の渦中に巻き込まれていく。
tv.apple.com
October 30, 2025 at 3:05 PM
中国(成都)国際科幻大会に行ってきました

成都への便は16:15発の四川航空。私は午前中に奄美大島から成田空港に飛んで、出発の2時間前にチェックインカウンターの列で大森望さんと落ち合った。いつものように行列は長かったが、見た目ほど待たされずにスムーズに搭乗した。四川航空を使うのは2回目なんだけど、機内食にかけてくれる麻辣醤が美味しい。…
中国(成都)国際科幻大会に行ってきました
成都への便は16:15発の四川航空。私は午前中に奄美大島から成田空港に飛んで、出発の2時間前にチェックインカウンターの列で大森望さんと落ち合った。いつものように行列は長かったが、見た目ほど待たされずにスムーズに搭乗した。四川航空を使うのは2回目なんだけど、機内食にかけてくれる麻辣醤が美味しい。 機内では未来事務管理局から頼まれていた短編の改稿を行った。一段落したので一休みしていると、飛行機は定刻の21:15に成都に到着した。中国の、地方空港の入国審査はとんでもなく時間がかかることがある。2023年のワールドコンの時は、別便で成都に入った日本ゲストチームの入国審査が長引いて、空港の施設が閉まっても出てこなかったという椿事もあったほどだが、今回はビザ免除期間に入ったためか入国審査はスムーズに進み、大森さんと一緒に入国審査を終えることができた。係員の笑顔(苦笑かもしれないが)も引き出すことができた。 入国して大森さんと 空港で待っていてくれた科幻世界の編集者に連れられてタクシーに乗る。車はBVDの電気自動車。運転はスムーズそのもの。運転手は、AppleのCarplayのような統合コンソールは使わずにスマホでDiDi(配車アプリ)を操作しながら運転していた。ホテルに到着すると、フロントの横に科幻大会のカウンターが設置されていて、深夜近いというのに詰めているスタッフがスーベニアバッグを手渡してくれる。 スーベニアバッグの中身は、ゲストIDとハンドブック、ノートとギフト雑誌。いつもは科幻世界の特集号と画報版(Newtonみたいな雑誌)、児童版に、特別編集された短編集がつく程度なのだけど、今年は銀河賞40周年の歴史を伝えるクロニクルブックが二冊も入っていた。 ホテルに到着したのは22:40だったので夕食を食べる店がない。そこで、科幻世界の編集者が、夜食の宅配を頼んでくれた。中国版のUber Eatsみたいなサービスだ。ホテルまで届くと、ワゴンロボットが部屋まで届けてくれるという。どんなふうに動くのか楽しみにしながら部屋に入ってシャワーを浴び、服をハンガーに吊ってハンドブックを読んでいると部屋の電話が鳴った。受話器をあげると合成音声のキャラ声が流れてくる。 〈もしもし、私パンダちゃん。ハンバーガーのお届け物を持ってきたわ!〉 ドアを開けるとフロントにいたロボット目をチカチカさせていた。トレイから袋を出して「完了」ボタンを押すと〈ありがとう。おやすみなさい〉と言って、ロボットは帰っていった。エレベーターを動かす共通インターフェイスがあるのだろう。ロボットは、自分でエレベーターに乗って、一階まで降りていった。 マクドナルドでもケンタッキーでもないローカルのハンバーガーは、しっとりしたバンズと食べ応えのあるパテの組み合わせ。なかなかうまい。そしてスパイシーと書いていないチキンは痛みを感じる程度に辛く、成都に来たことを実感させてくれた。 初日 ホテルで朝食をとり(ニール・クラーク、ロデリック・レーウェンハート、ニコラス・ホワイトに、ニック・ウェルスら懐かしい面々に会って)シャトルバスに乗ると、15分ほどで会場の成都科创生態島に到着。 成都科创生态岛成都科创生态岛,位于四川天府新区兴隆湖畔园区,是四川省首批近零碳排放园区试点。成都科创生态岛由多个高度不同的圆弧形建筑构成baike.baidu.com ワールドコンのために作られた成都科幻館を使わなかった理由は「遠いから」ということらしい。成都科创生態島は、細胞を模した楕円形の建物が点在する複合施設。メインホールはジオシティックドーム風のホール。 前を歩く伊達男は友人のロデリック・レーウェンハート ステージ背面は巨大なLCDスクリーンで、同時通訳ブースも用意されていた。中国のSF大会ではよく見かけていた構成だけど、年々洗練されている気がする。 オーディエンスの席は前からVIP、重要ゲスト、招待ゲスト、ゲスト関係者、一般客。VIPと重要ゲスト、招待ゲストまは箱型のソファで、招待ゲストはクロスを巻いた椅子、一般客は普通の椅子になる。VIP席と重要ゲストの席はソファの左右に机が置いてあり、水とハンドブックとコーヒーが用意されていた。VIPには茶も出て、スタッフがお湯を注して回っていた。 VIP席でスマホを見ているのはニコラス・ホワイト2列目中央あたりに座っているのはキム・ボヨン VIP席に座るSF関係者は劉慈欣とClarksworldのニール・クラーク、ロータス誌のリザ・グローエン・トロンビー、そしてワールドコンのコンベンションランナー、ニコラスホワイト。つまり、中国SFを外に紹介してくれる人たちが何より重要ということだ。 私の席は前から二つ目の重要ゲスト(一冊も中国では本が出ていないので恐縮やるかたないのだが)。この列の半分は作家だ。私の隣はCyberpunk 2077のプロジェクトマネージャー、パウル・サスコだった。王晋康や何夕、韓松のような中国の有名な作家も同じ列に腰掛けている。キム・チョヨプさんもいたので写真を撮らせてもらった。 ステージが始まる前は劉慈欣さんのところに行って雑談。新しい小説の話をしたり、試してみているという生成AIについて話を聞いたり、私が作ってみたプログラムの話を聞いてもらったり。AIのことは熱心に話してくださった。とにかくSF仲間がいることを伝えたい。喜んでくださったのなら幸いなのだが。 開会式は科学技術協会主席の杨正林氏や四川省人民政府副省長の陈书平らのスピーチで幕を開ける。SFが科学技術の発展に寄与する、といういつもの内容なのだけど、今回は世界的な地政学的不安定さに対する人文的な価値という観点が加わってきているのが興味深い。 一通り演説が終わると、開会セレモニー。ステージに運ばれたスイッチにVIPたちが手を乗せると派手な映像が流れて開会を宣言する。日本ならテープカットをするところ。 開会したら、成都市や四川省、科幻世界の取り組みの発表へと続く。児童生徒のためのコンテスト「四川省青少年科幻创作征集活动」の発表では受賞した子どもたちも登壇する。この子たちは、この後の休憩タイムでも、彼らのヒーロー劉慈欣さんと集合写真を撮っていた。他にもSF体験館の建築デザインコンペが行われることが発表された。 オンラインのSFコンテスト「银河计划」では、プラットフォーマーの阅文集団とコンテンツ側の科幻世界の代表、そのほかの計画の関係者たちがサインするセレモニー。 中国SF海外推進連盟の発足式なんかも合わせて行われた。いつの間にやら推進委員になっていた大森望さんも、発足セレモニーで登壇していた。 中央右が大森望さん いつも思うことなんだけど、中国のSF振興策は常に小中学生をターゲットにしているところが素晴らしい。会場のそこかしこに展示されている子どもたちのSF作品を見ると、SFを作る喜びを感じる。アメリカから来ている参加者は、授業を通して子どもにアプローチすることや大学SF研究会を応援することに疑問を呈する人もいる(創作は個人的なことだろう? というのだ。それも大切な価値観だ)けど、中国の関係者の答えは明確だ。確かに9割の子どもたちは社会に出るとSFをやめる。でも、1%でもSFを続けて作家になれば大成功だし、SF創作は人生の糧になる、と答えてくれる。 ここで開会式は休憩。成都市や四川省から来ている公的な方々は会場から離れ、SF大会が始まる。 オープニングフォーラム 科幻的多重宇宙(SF MULTIVERSE)と題された高峰『サミット』式フォーラムは、作家の劉慈欣、キム・チョヨプとイゴル・サジンスキと、ネット小説プラットフォーム阅文集团の杨晨『ヤンチェン』が登壇し、科幻世界のデスク曾筱洁『ゼンシャオジエ』がモデレーターを務めた。 キムチョヨプには隆盛を極める韓国SFと想像力の根源についての質問が、そしてサジンスキには、ポーランドから世界コンテンツをぶち上げたCyberpunkのマネジメントに質問が集中していた。どうやって世界に受け入れられた設定や会話を作ったのか、という質問は、形を変えて2回行われた。期待されていた秘策はなく、いろんな人が作っていて、それぞれ尊重しているからということだった。これはこれで意味のある答えだね。 ここでも主たる問いは、中国が世界に通用する物語を作るには? というものだった。 このフォーラムで初日の午前の部は終了。銀河賞の贈賞式まで決まった予定はなかったが、ホテルに戻って昼食をとってから、会場に戻ることにした。 会場あれこれ 成都科创生態島の道路に面した広場が中国(成都)国際科幻大会のエキシジョン会場だった。ワールドコンや日本SF大会でもお馴染みの、入場券を持っていない来場者が入れるエリアだ。スポンサーになっている四川省や成都市の企業テント、コーヒーの屋台、スタッフの貴重な食料を売っている弁当屋さんと、書店やSFグッズを売っているショップ、出版社、そして大学SF研究会のテントが並んでいた。 VRゲームのプレゼンテーション ロボットの展示 小学生・中学生のSFイラストコンテスト優秀作 しかし展示会場の目玉はなんといってもサイン会場だ。 私が到着した13:00でもそれなりに並んでいたが、目を引いたのはその隣で待つ人の列。列の後ろはテントの影に隠れて見えなくなっていた。2時間先に予定されている劉慈欣のサインを待つ列だった。主催者は事態を想定していたようで、何人もの警備員と柵が用意されていたので混乱は見られない。2016年の北京で行われたSF大会のサイン会では、劉慈欣のサインを求める人の列が会場の中国航天大学の外まで伸びてしまっていたし、並ぶ人たちも適当な本を手に集まっていたのだが(あのときは小学校の教科書や紅楼夢は2回以上見たし、鄧小平の語録もあった。図書館の札がついた本を手にした人も本当に多かった)、今回並んでいた人たちは、会場の書店で本を買って並んでいた。 あとで劉慈欣にサイン会お疲れ様と話しかけると「いやあ疲れた。今日は2時間半、書き続けた。サインした本は800冊超えてたよ」と、嬉しそうに話してくれた。実はこの時、私は初めて中国語で劉慈欣に話しかけて、中国語で答えてもらったのだ。どうやら私の中国語も少しは上達しているらしい。 実は中国のSF大会では、大学SF研のテントが面白い。同人誌や新聞を配っているクラブは半数ほどで、残りはお気に入りのSFグッズを置いていたり、作品を置いていたり、カードゲームに興じていたり、果ては単なる荷物置き場にしているクラブも少なくない。SFとの付き合い方に幅があるのはいいことだ。 会場をざっと眺めた後はパネルディスカッションに参加した。 これから紙の雑誌はどうなる? というテーマだったんだけど、すでにアメリカは紙の雑誌が死滅しかけていて科幻世界の感じている危機は20年前に通り過ぎてしまっているので、具体的だったり建設的だったりする話にはならなかった。それでも楽しく聞くことができたのは、ゲストとして度々中国を訪れているニール・クラークと、科幻世界の筆頭編集者サラ・チャンの相互の信頼があるからこそ成り立つ対話のおかげだろう。 銀河賞 19:30から、銀河賞の贈賞式が始まった。 生成AIを駆使して作られたイメージ映像この婦人は科幻世界の創設者、杨潇《ヤンシャオ》さん 受賞者リストはこちら。 タイトル未設定mp.weixin.qq.com&hellip;
taiyolab.com
October 1, 2025 at 12:29 AM
早川書房の『マン・カインド』と東京創元社の『まるで渡り鳥のように』が、第46回日本SF大賞の対象期間に入っています。
大賞に相応しい、と思われた方はぜひエントリーしてくださいませ。

docs.google.com/forms/d/e/1F...
October 1, 2025 at 12:08 AM
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
I was too unwell to write up Galaxycon in Chengdu properly, but @leeuwenhart.bsky.social has done the job.

www.roderickleeuwenhart.nl/star-body-wi...
Star Body wins a Galaxy Award! (a Galaxycon 2025 report) – Roderick Leeuwenhart
www.roderickleeuwenhart.nl
September 29, 2025 at 4:42 AM
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
It took me a week to catch my breath and write this expansive report on Star Body winning the Galaxy Award (🏆) and Galaxycon 2025 itself!

Plus thoughts on the continuity from 2023 Chengdu Worldcon and what last week meant for Chinese SF fandom! 🐼🚀

www.roderickleeuwenhart.nl/star-body-wi...
September 29, 2025 at 4:01 AM
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
この本とオマル・ハマド氏に「アンネの日記」とは違う未来が訪れてほしいです。
前も投稿したことがあるかもしれない。
私は、国連憲章のが書かれた場所に行ったことがある。大統領が定宿にしていたサンフランシスコのフェアモントホテルのガーデンルームだ。とあるIT企業のパーティーにタブレットで絵を描く画家として参加したのだ。
スイートの中央にある円形の図書室には2階のキャットウォークまでびっしり本が並んでいた。この部屋のデスクで、国連憲章の第一稿が書かれた。
デスクの周囲の書棚には、たくさんののシオニズム書籍があった。ソビエトや第二次世界大戦、アジア統治に関するものよりも圧倒的に多かった。 […]

[Original post on ostatus.taiyolab.com]
September 29, 2025 at 4:36 AM
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
(の)の個人的な投稿シェアです。

「オマルの日記」というパレスチナ青年の日々の投稿を収めた本が発売されるとのこと。アンネ・フランクは亡くなってしまったけれど、オマル・ハマドは生きている。という言葉に、はっとさせられました。

パレスチナ問題に対しては、長くたくさんの人が心を痛め、働きかけもされてきましたが、この、もう瀬戸際という段になって、国家承認の動きなど、国際社会が人道的もがきを見せているように思います。
アンネ・フランクは日記が出版されることを知らずに収容所で命を落としたが、オマル・ハマドは違う。
『オマルの日記』には生きた著者がいる。
停戦し、虐殺が終われば、地上の地獄を伝える圧倒的な筆力と鋭い批判の刃、類まれな詩情と彼の魂を讃えられる。読もう。この日記を『アンネの日記』にしないために。

困難な企画を通した最所篤子さん、海と月社の方にお礼申し上げます。

http://www.umitotsuki.co.jp/book/b667967.html
オマルの日記 - 有限会社 海と月社
オマルの日記詳細をご覧いただけます。
www.umitotsuki.co.jp
September 29, 2025 at 4:34 AM
呉明益さんが来日されて下北沢B&Bでお話しされるのか!
お店のチケットはもう売り切れなのね。あーもう、どうして見逃しちゃったかなあ。

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呉明益「物語を書くこと、届けること “小説感”と台湾独立書店巡礼」『海風クラブ』(KADOKAWA)刊行記念
※本イベントはご来店またはリアルタイム配信と見逃し視聴(1ヶ月)でご参加いただけるイベントです※本イベントは、トーク+質疑応答(120分)を予定しております。イベント終了後のサイン...
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September 25, 2025 at 8:00 AM
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
秋の京都といえば修学旅行!9/13-9/15にかけて、京都で行われたSF作家ソンに参加してきました。日本SF作家クラブ、韓国SF作家連帯、VG+の協力で開催された企画です。

「jem」2号で韓国SFの小特集を組むため、ぜひ勉強したいと思って新幹線で馳せ参じました。韓国からゲスト作家としてミン・ジヒョンさん、ソ・ユンビンさん、ヘ・ドヨンさんが来日、メンター作家として藤井太洋さんが参加。日本在住歴の長いファン・モガさんも参加。
September 18, 2025 at 1:47 PM
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
参加者の方々の協力、ゲスト陣の尽力もあり、様々な形で今後に繋げることのできる企画になったのではないかと思います。
ありがとうございました。

講演やディスカッションの内容はこの冬に刊行予定の『日韓SF交換日記(仮)』に収録予定です。
どうぞお楽しみに✨
September 16, 2025 at 10:48 AM
Reposted by 藤井太洋 Taiyo Fujii
イベントの合間には、各自執筆などに勤しみました。

執筆時間には、作家や編集者による相談コーナーを設置☕️☕️

メンターの藤井太洋さん、韓国からのゲストのミン・ジヒョンさん、へ・ドヨンさん、ソ・ユンビンさん、作家のファン・モガさん、Kaguya Booksの編集者が相談相手をつとめました。
September 16, 2025 at 10:41 AM
銀河賞2025の参加者バッグと中身。
プログラムブックと参加者カード、科幻世界と銀河賞のための特別号(今年で40周年とのこと)。そして三体の本型ミニライトと、恒例のノート。
今年のノートは竹の表紙で、パンダのフンから作った紙が綴じ込んである成都エコロジー仕様。
September 18, 2025 at 3:39 PM