文明、宗教、政治を動かした「見えない力」の全貌—『呪術の世界史』 あなたは、世界史を「目に見える力」だけで理解していませんか？戦争、経済、偉人の思想—これらが歴史を作ったことは確かです。しかし、そのすべてに常に影のように付き添い、人々の心と行動を決定づけてきた、もう一つの巨大な力があります。それが、「呪術（マジック）」です。 本書『呪術の世界史 - 神秘の古代から驚愕の現代』は、人類が築き上げてきた文明の裏側に潜む「呪い」と「まじない」の歴史を、古代メソポタミアの神殿から、現代のデジタル社会に至るまで、壮大なスケールで追いかける知的探求の旅へとあなたを誘います。 歴史の「常識」が覆る：呪術なくして文明は生まれなかった 私たちは、呪術を非科学的で原始的なものと切り捨てがちです。しかし、本書は、世界中の古代文明において、呪術が医療、農業、司法、そして国家の統治に深く組み込まれた「テクノロジー」であったことを、豊富な事例で証明します。 古代エジプトの魔術師: 彼らは、ファラオの権威を守るための儀式を行い、星の動きを読み解き、未来を予言しました。彼らの知識は、後に科学や錬金術の源流となります。 ローマ帝国の儀式: 勝利を確信するための生贄の儀式や、敵を打ち破るための呪文は、軍隊の士気と戦略を決定づける重要な要素でした。 宗教との緊張と融合: キリスト教やイスラーム教といった巨大な宗教が拡大する過程で、既存の土着の呪術を弾圧したり、逆に取り込んだりしながら、世界の信仰の地図を塗り替えていきました。 本書を読み進めるうちに、「宗教」と「呪術」、そして「科学」の境界線がいかに曖昧で、相互に影響を与え合ってきたかという歴史の深層が見えてくるでしょう。 現代を支配する見えない力：デジタル呪術と経済の魔術 この旅は、過去で終わりません。本書の最も驚愕すべき点は、現代社会にも呪術的思考が深く根を下ろしていることを指摘している点です。 都市伝説と集団ヒステリー: SNSで拡散される陰謀論や情報操作は、古代の呪詛が形を変えたもの。人々の不安を煽り、特定の行動へと誘導するそのメカニズムは、まさに「デジタル呪術」です。 経済と風水: ウォール街の金融戦略や大企業のオフィスの配置にまで、「縁起」や「風水」といった呪術的思考が今なお影響を与えている事実。人間の非合理的な「信じる力」が、巨大な経済を動かしています。 『呪術の世界史』は、表面的なニュースや教科書の記述だけではわからない、人類の心の深層と世界の構造を理解するための鍵となります。なぜ私たちはオカルトに惹かれるのか？なぜ合理的な現代人でさえお守りを求めるのか？ この一冊は、あなたの世界を見る視点を根本から変え、世界の出来事を新たな光で読み解く知的興奮を与えてくれるでしょう。ぜひ、このタブーの裏の歴史を知り、世界の真実に迫る勇気を持ってください。

舞台は17世紀のヴェルサイユ。この「魔法の宮殿」で、太陽王ルイ14世はバレエやオペラを以て人々を魅了...

◆大局観なき専門家優先［評］平山周吉（雑文家）　司馬遼太郎が「魔法の杖（つえ）」と呼んだ「統帥権（とうすいけん）」は、昭和史の不吉な言...

2024年3月22日、ロシアのモスクワ近郊でコンサート会場が襲撃され、多数が殺傷された。この事件について、みんなが待ってた（？）「イスラーム国」の「犯行声明」が出回ったことになっている。ただし、本稿

シン・ジヌク教授とトマス・グルムケ教授の対談「世界的な極右の台頭」