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レビュー/『宇宙からのメッセージ』リアべスペシャルの40年ぶりプラモデル化に万歳! #キットレビュー #SFメカ #nippper #プラモデル
レビュー/『宇宙からのメッセージ』リアべスペシャルの40年ぶりプラモデル化に万歳!
 1978年『スターウォーズ』第1作のブームの中制作された東映映画「宇宙からのメッセージ」。その特撮部分を一部流用したテレビシリーズ「宇宙からのメッセージ 銀河大戦」も放映。一般的にはマイナーなこの2作に共通するメインメカが今回の主役「リアベ・スペシャル」です。  ひおあきら先生がデザインしたこのアシンメトリーな宇宙船は、本体のアームを展開、台形の「コメットファイヤー」(写真左)と矢のような「ギャラクシーランナー」(写真右)と言うシルエットの異なる2機と分離合体する、知る人ぞ知る名メカニックでした。  放映時バンダイから発売されたプラモデルは繊細で魅力的な出来映えでしたが、テレビや映画に登場した姿とは少し違っていました。だからこそファンは自分なりに手を加えて“画面の中のリアベ・スペシャル”を目指していたのです。 その後塗装済み完成品やガレージキットも発売されたものの、プラモデルとして正確なリアベ・スペシャルは待ち望まれており、このたび実に40年ぶりにとなるプラモデルがHMAから発売されることになりました。今回はTV版「宇宙からのメッセージ 銀河大戦」仕様とのこと。  じつは私こと聖なるおでん、本商品にアドバイザーとして協力しました。私が資料を集めて改造し、SNS上で発表した旧キットの改造作品を見て、声をかけていただいたのです。旧キット制作時の劇場版の資料に加え今回「銀河大戦」全27話のリアベ・スペシャル登場シーンから各部のディテールをリサーチした資料で制作しました。 原型はデジタル3Dで作成されるため、フォルムのチェックバックを行い、それが終了したらディテールを指示し制作してもらう、と言う工程を続けたものの、こだわり過ぎて想定スケジュールを大幅に超過し、リリースも危ぶまれましたが、担当者の熱意でついに発売まで漕ぎつけたのです。  繊細なディテールの細かく分割されたパーツを組んでいくことで徐々に美しいフォルムとなる様子は、宇宙船を組み立てているような錯覚も受けます。接着や合わせ目消しが必須の易しい作りではないですが、完成の喜びも大きい製品になっています。リアベ・スペシャルは劇中でも汚しが印象的で、白い基本色と細部を塗った後、ウェザリングカラーでウォッシングしたり、リアルタッチマーカーでウェザリングを加えると、生き生きと劇中のリアル感を増してきます。  プロポーション重視のモデルであるため、本来変形する子機2機の翼は差し替えになっていたりと、改造の余地もあり、透明パーツになっている部分は、コクピットを作ったり電飾したり、なんてことも考えられます。どんな完成品がでてくるか、今から楽しみです。  驚くべきは、リアベ・スペシャルの魅力は、映像未見でも印象に残るようで、SNSでも展示会でも必ず「このメカカッコいいですね!」と言う方が必ずいます。日本SFメカの中でも屈指の名デザインと言えるリアベ・スペシャルの魅力に、あなたも取りつかれてみてはいかがでしょうか?
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レビュー/作る楽しみ・動かす楽しみ満載!令和に甦った「エイチエムエー 宇宙からのメッセージ 銀河大戦 リアベ・スペシャル」 #キットレビュー #ロボット・アニメメカ #nippper #プラモデル
レビュー/作る楽しみ・動かす楽しみ満載!令和に甦った「エイチエムエー 宇宙からのメッセージ 銀河大戦 リアベ・スペシャル」
 パーツの一つ一つを自分の手で組み上げる「作る楽しさ」と、完成後に動かして遊べる「ギミックの楽しさ」。この二つが高次元で融合した、素晴らしいキット。それが今回ご紹介する「エイチエムエー 宇宙からのメッセージ 銀河大戦 リアベ・スペシャル」です。1978年とおよそ50年前にTV放送された東映制作の特撮ドラマ「宇宙からのメッセージ 銀河大戦」のメカが、令和にプラモデルとしてやってきたのです!!  今日ご紹介するHMAの「1/144 リアべスペシャル」は、箱を開けた瞬間に「パーツに刻まれたメリハリあるディテール」、「塊感のある大きなパーツ」にグッときます! 大きなパーツにニッパーを入れる瞬間はいつだって楽しいもの。この本体パーツをカットする時なんて、最高の気分になりました。  パーツ数は少々多めですが、各パネルがカチリと合ってくれるので組み立てはそれほど難しくはありません。そしてこのキットの真骨頂は、組み立てた後に待っている「遊ぶ楽しさ」にあります。  2機の艦載機「ギャラクシーランナー」と「コメットファイヤー」が付属! しかも、この艦載機の主翼は、完成後も「展開状態」と「格納状態」に差し替えが可能なんです! 気分に合わせてディスプレイを変えられるのは、本当に嬉しいポイントですね。もちろんリアべスペシャル本体に格納・搭載することもできます。  リアべスペシャル本体も、遊び心が満載です。艦載機の格納スペースでもあるアーム部分は、ぐぐっと展開させることが可能。さらに脚(ランディングギア)も、特撮をイメージできる「飛行状態」と、どっしりと大地に立つ「駐機状態」を選んで付け替えられるようになっています。  少年時代にこの独特なメカデザインに夢中になった方も、今回初めてその姿を知る方も、世代を超えて誰もが楽しめること間違いなしです。ぜひじっくりと作りごたえのあるリアべスペシャルに挑戦してみてください!
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きっかけはタミヤの1:700暁/塗装で味わうフネの巨大さは、さらなるデカさに私を誘う #キットレビュー #軍艦・船 #nippper #プラモデル
きっかけはタミヤの1:700暁/塗装で味わうフネの巨大さは、さらなるデカさに私を誘う
  艦船模型は他のスケールモデルにはない独自の精密さがあると思っている。ただ、熱心に作り続けてるわけではないので、どーんと大きな魅力を話すことはできない。それでもピンセットで甲板上に微細な部品をひとつずつ配置していく時間はなかなかない緊張感。  タミヤの1/700 暁は艦船模型の中でもかなり小さい駆逐艦を立体化したもので、パーツ数も少ない。数年に一回くらいのペースで船のプラモデルを作るものだから、毎回作りやすそうな小型のものを選びがち。しかし艦船模型の売り場は箱の大きさの大小の差が激しくて、ついつい大きいものにはビビってしまう。ただ、塗ることで感じた印象から「もっと大きい船を塗るとどうなるんだ……?」という好奇心も生まれる。  それに、一気に仕上げようとすると極小のパーツはどこかに飛んでいくから休憩のタイミングも重要で、なんというか「作る」の中に「休む」がしっかり含まれている点が癖になる。今まで数えるほどしか作ったことはないけど、それでもプラモデル売り場で手に取ると、あの時間に再会できる気がしてしまうくらいには忘れ難い魅力がある。 短い期間でいくつもの艦船模型を作るということはせず、思い出したように買っては作るを繰り返しているので、組み立てる際の感覚は毎回の制作ごとに「あー、そうそうそう」と思い出されるような感じ。歯車のようなギザギザとしたパーツが気づけば艦橋として立ち上がる瞬間は、毎回毎回「そんなことになるのか」と驚く瞬間だ。  この「歯車が艦橋になる!」みたいなプラモデルのマジックは1/700といった船ならではの大きな縮尺の世界だからこそ起きる面白さだと今回ようやく気づく。人の目で捉えられる情報量と、模型としての見た目というバランスの中で生まれたアイデアというか。  艦船模型は完成した姿は細長く、遠目にはやや存在感が薄いような気がしていたのでドライブラシなどで陰影を際立たせることで、遠くからでも輪郭が浮かび上がるような仕上がりを考えていた。しかし、実際に筆を動かしてみると、過度にエッジを強調しすぎるよりも曖昧な陰影が残っているほうが、全体像を掴みきれないスケールの大きさを表現できているような気がした。  1/700にして20cmくらいの全長、原寸にしたらとても大きい。そんなサイズのものを前から後ろまでシャキッと目で捉える機会なんてなかなかない。ピンセットを使うような精密な作業が続くかと思ったら、塗装では曖昧なぼやけた雰囲気を生み出す……ということで、繊細さを霧に包むような工程が巨大さの演出に一役買っているのが本当に面白かったし、次はもっとデカイやつを!という気持ちが生まれたのがとても良かったです。
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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。現代の最強艦載機を最新キットで気軽に味わえる幸せ「タミヤ 1/72 ロッキード マーチン F-35C ライトニングII」 #キットレビュー #軍用機・旅客機 #花金プラモ #nippper #プラモデル
花金だ!仕事帰りに買うプラモ。現代の最強艦載機を最新キットで気軽に味わえる幸せ「タミヤ 1/72 ロッキード マーチン F-35C ライトニングII」
 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週は、今現在1/72スケール飛行機模型において最高の組みやすさとかっこよさを体感できるプラモデル「タミヤ(TAMIYA) 1/72 ウォーバードコレクション No.94 ロッキード マーチン F-35C ライトニングII」をご紹介します。タミヤ 1/72 F-35シリーズのトリを飾る存在です。  急にこのF-35Cを作りたくなった理由が先日、編集長のからぱたとライターのけんたろうと事務所で打ち合わせをしていた時に出た「F-35Cって謂わば現代版の最強トムキャットなんよ」って言葉……。確かに艦載機(機体各部を航空母艦上で運用するために開発した機体。船に乗せるって大変だ!)だし、1機でさまざまな役割もこなせる。しかもステルス機……。そんな風に見ていると、このF-35Cの魅力をもっと知りたいと思えてきたのです。だったら、「タミヤのプラモを組むのが一番早い」。そう、知りたいモチーフがあったらプラモを組む……これはタミヤが教えてくれた最短の方法なのです。  F-35Cのキットの中には印刷物がたくさん! 説明書の他に、機体解説の冊子も入っています。F-35ってA型(空軍向けが通常の滑走路で使う)、B型(STOVL(短距離離陸/垂直着陸)を可能にしたタイプ)、そして今回のC型と3タイプあるのですが、この冊子ではC型を中心に他のタイプと何が異なっているのか? F-35の艦載機仕様ってどんな特徴があるの? ということが記載されています。組む前に読んでも組んでから読んでも、F-35Cという飛行機と仲良くなれるようになっています。  ステルス機の表面は、通常の飛行機とは異なる表情を見せています。しかも意外と塗り分けのパターンが細かいです。それをサポートしてくれる秘密兵器として、原寸のカラー塗装図がセットされます。コピーしてカットすればマスキングシートにもなりますし、筆塗りでF-35Cを塗る時は、塗り分け箇所を指差し確認して筆を進めていけます(タミヤのくっきりとしたディテールなら、筆塗り時もマスキングはほぼいらないでしょう)。さらにキャノピーなどのクリアーパーツ塗装を一気に快適にしてくれるマスクシールも付属! これはありがたいですね。  本キットは初手から僕たちに翼を畳むのか、展開するのかという「嬉しい選択」をもたらしてくれます。胴体と主翼の間に設けられた小さな桁。これをカットすると「畳んだ状態」、カットしない場合は「展開状態」になります。個人的にはF-35Cならではの翼をたたんだ状態を作りたいので、今回はカットしました。おかわりしたら、展開状態を作ろうと思います。F-35Cは他のタイプよりも大面積の翼となっているので、展開状態はその迫力をより楽しめます。  翼を畳んだ状態を選択すると、かっこいいヒンジパーツを使用できます。細かな彫刻がいけてますね!  折りたたんだ翼を、しっかりと固定できるように、翼内部には専用パーツがセットされます。この切り欠きが軸穴となり、翼をしっかりと支えてくれます。左右を間違えないように「R」と刻まれているのも嬉しいですね。  1/72スケールですが、内側の構造も見ながら本体を貼り合わせていけます。エアインテークからのメインノズルまでの道をあなた自身の手でシンプルに体感できるのです。  そして内側のパーツが入っていても、外側はピッタリと合う精度。さらに翼の各パーツをセットするために用意された無数の切り欠きもピッタリと合わさり、この後の工程になる翼パーツの取り付けにも一切支障は出ませんでした。気持ち良すぎる組み味です。  内側の取り付け軸に「スコン」とハマるとがっちりと固定される脚部。誰もが正位置で、強固に取り付けられるおもてなしがされています。  この未来的形状のパーツは、お腹側に搭載されるステルス性を備えたガンポッド。最新装備に触れられるのも、最新鋭機のプラモならではですね。  動翼部分も差し込むだけで正位置が確保されます。絶妙にカーブした曲面など、F−35の複雑な三次曲面と、主翼各部の動きが織りなす美しい姿を本キットは味わえます。  コクピットは最後の工程にやってきます。F-35Cの形が完成してから、アニキを搭乗させる瞬間はまさに完成の儀式。しかもシートやパイロット、計器盤は接着しなくてもある程度固定されるので、塗装した後に接着することも可能となっています。  艦載機ならではの翼の折り畳み、着艦・発艦をサポートする力強い脚などF-35Cならではの魅力満載な本キット。本格的に運用が開始されれば、「これからの空母の景色」を担っていくことになるでしょう。ぜひこの週末は、タミヤの1/72 F-35Cを楽しんでください。最高に楽しい飛行機模型です。それでは!
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プラモ旅の帰りに「コレが欲しかったんだよ!」と叫ぶ/ガシャポンから出てくるジャストな箱を見つけた話。 #工具 #nippper #プラモデル
プラモ旅の帰りに「コレが欲しかったんだよ!」と叫ぶ/ガシャポンから出てくるジャストな箱を見つけた話。
 熊本空港のターミナル隣に開業した「そらよかビジターセンター」。まだテナントが揃いきっていないので人影もまばらなんですが、そこにズラッとガシャポンコーナーがあったのでふと目をやると、そこには親の顔より見た塗料、ヤスリ、マスキングテープ、ノギスといったプラモデル用ツール&マテリアルの写真。なんだこれは……。  こんなビジュアル見たらびっくりするでしょ。ガシャポンから出てくる折りたたみコンテナってめちゃくちゃ小さいだろうから、「もしかしてヤスリやマステや塗料のボトルもミニチュアなのか!? プラモデル製作環境そのものをミニチュアにしてしまう時代キタ!?」と早合点しそうになったものの、左上の「FLAT GASHAPON」というロゴと筐体の形状に気が付きます。  フラットガシャポン……つまり、コイン入れてハンドル回すと平らなものがニューっと出てくる筐体なんですねコレ。初めて見た。下には通常のカプセルの取り出し口もあるので内部構造はどちらの景品にも対応しているのでしょうねきっと。そして平らなものが出てくるのはジャンボカードダスの子孫みたいな感じで懐かしい。私が子供の頃と違うのは、違うのは現代はアクスタやラバーコースターみたいな「平らで大きな景品」が大きな市場になっていることです。 >【フラットガシャポン】ガンダムシリーズ ミニおりたたみコンテナ  しかし折りたたみコンテナが500円で出てくるたぁねぇ。厚みは折りたたまれた状態で約8mm、RX-78ガンダムの透明ステッカーが貼られたものが当たりました(印刷じゃないんだ!)。質感はそんなに良いもんじゃないですけど、なんせ500円ですからね。四枚の壁を立ち上げてパキンパキンと爪を噛み合わせると立派に箱になってくれます。外寸は幅154mm✕奥行き100mm✕高さ50mmで、本当に小物をチョンと入れておくくらいしか使い道はない。  しかし私がなぜ熊本にいたのかというと、プラモデルのたたき売りをしていたからなんですね。寄ってらっしゃい見てらっしゃい、プラモデルっておもしろいですよというのを小さな台で実演する。子供が「なにこれ〜」と寄ってきて手を伸ばすのはいいが、そこに刃物やら液体やらを並べているのはあまりよくないなと思っていて、しかし箱というのはコンパクトな荷造りとあまり相性が良くない。こんなふうに小さな折りたたみコンテナがあったら……あるじゃねーか!しかも帰り道で見つけるなんて!というのが今回のオチ。  出先でプラモデルを頻繁に作るため、必要十分なツール&マテリアルをまとめて入れてある百戦錬磨のポーチにもこの折りたたみコンテナならすっぽり入ります。えー、めっちゃ嬉しい。問題はこのアイテム、取り扱いのあるベンダーが信じられないくらい少ないこと!もし見かけたら絶対手に入れたほうがいいっすよ……。実際出先でプラモデルを作るときにツール&マテリアルを適宜ハコに入れておきたいという超ニッチな需要がどこまであるかわかりませんけど、私はこれで次の旅にも安心して行けそうです。そんじゃまた。
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【保存版】プラモデルの筆塗りを始めたい人必見!道具と配置を工夫するだけで長続きするコツ #工具 #筆塗り #水性塗料 #塗料 #nippper #プラモデル
【保存版】プラモデルの筆塗りを始めたい人必見!道具と配置を工夫するだけで長続きするコツ
 毎朝30分「筆塗り」を楽しんでいます。そのために最も大事にしていることが、「椅子に座ったらすぐに筆塗りが開始できるような環境づくり」。ポイントは、すぐにスタートできて且つお片付けも簡単にできることです。  プラモデルの筆塗りには、筆と塗料以外に「塗料を薄めるため、筆を洗うための溶剤(模型の世界では、シンナーやうすめ液と呼ばれることが多いです)」「パレット」、「筆を拭くための布」が必要となります。これらを省スペースに抑え込みながら、すぐに使用できるように配置することがポイントになります。  まずは溶剤です。溶剤はボトルに入った状態で売っています。これを僕はGSIクレオスの「Mr.ブラシウォッシャー」という瓶にあらかじめ移して使用しています。この瓶は、内部に筆を洗うことができる金属パーツが入っているので、この中に溶剤を入れておけば、塗料を薄めることと筆を洗うことがこの瓶内だけで可能となります。塗料を薄めたいときは、筆をこの瓶に突っ込んで溶剤を含ませてから、塗料と混ぜれば良いのです。筆を洗いたいときは、瓶の中の金属パーツに筆を擦ることで、綺麗に塗料を落とせます。  水性ホビーカラー用、ラッカー塗料用と分けて瓶に入れています。  次にパレットです。模型塗料の定番のひとつ「ラッカー塗料」を使用するときは、陶器の梅皿や100円ショップのガラス皿を使用します。ラッカー塗料は乾いても、ラッカー溶剤を加えれば再度使用可能になります。そのため塗装が終わった後も皿の中の塗料を放置してOK! この手軽さが僕のズボラさにもあっていて、片付け時間も大きく短縮されます。梅皿や陶器のお皿だと、塗料の溶剤で痛むということも無いのも良いです。ひとつの模型を塗り終えるまで、基本お皿を洗ったりはしないです。  水性塗料の場合はペーパーパレットを使用します。水性塗料は乾くと、溶剤でも溶けにくくなり使用できなくなります。なので、保存しておくことはなく、使い切りです。ペーパーパレットだと乾いた側からゴミ箱に気軽に捨てられるので、とっても効率が良いです。  筆塗りを終えた後の筆洗いは、とっても大事な儀式。これも気軽に手早く行えるように、ガイアノーツのブラシウォッシュに、GSIクレオスのMr.フデピカリキッドを入れたものを用意。ブラシウォッシュは中のシラタキみたいなもので、優しく筆を洗えます。まさに締めの作業にぴったりなのです。  そして筆を拭くのに「布」を使用しています。布は筆先を痛めにくい上に、1枚で長時間使用できます。ティッシュやペーパータオルだと使うたびに新品を出さないといけないですが、布なら1枚あれば、ひとつの模型が塗り終わるくらいまで使えます。ゴミも少なくできて良いです。   たったこれだけの準備です、僕は毎朝仕事前に30分筆塗りを楽しめています。準備とお片付けが楽だと、趣味はとっても長続きします。また家族にふと呼ばれた時も、すぐに中断できるのも良いです。僕なりのシステムですが、あなたのプラモライフの参考になったら嬉しいです。それではまたお会いしましょう!
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バシッと決まる、デカルチャーな組み味が嬉しいハセガワのVF-25F/S メサイア レビュー! #キットレビュー #ロボット・アニメメカ #nippper #プラモデル
バシッと決まる、デカルチャーな組み味が嬉しいハセガワのVF-25F/S メサイア レビュー!
 僕のマクロスデビューは『マクロスF』から。それも放送が終わって数年後、配信で一気に観たクチです。華やかな歌とドラマの中で、VF-25 メサイアは最後まで印象に残った機体でした。そんな思い入れもあり、ハセガワのマクロスシリーズから可変戦闘機VF-25メサイアを手に取りました。  アニメ視聴当時はそれほど意識していませんでしたが、改めて組んでみると「ファイター形態って腕がこんな風に収納してあったのか」など、新しい発見がたくさん。まるで実際のメカ構造を体験しているようで面白いです。  実際に組んでみると、細かい部品以外は接着剤を使わなくても形になっていくシーンが多く、パーツ精度の高さを実感しました。バシッと決まる合いの良さから生まれるシャープさは組みやすさと同時にかっこよさにも直結しています。飛行機模型の組み立て方を残しつつ、キャラクタープラモデルのような組み味も感じられるのが新鮮で、するすると組み上がっていきます。 そして驚いたのが、見えなくなる部分にもしっかり工程があること。ファイター形態のとき頭部はてっぺん以外隠れてしまうのに、頭をまるっと作って格納するし、手は下面後方のポケット(ビーバーテールと言うらしいです)に収納されて見えなくなります。見えなくなるところのこだわりってなんか楽しいし、ファイター形態固定モデルだからこそ「この機体は可変戦闘機なんですよ!」っていう説得力に繋がってて面白いなと思いました。  このキット、VF-25メサイアバルキリーは主人公・早乙女アルト機F型か、所属部隊の隊長オズマ機S型を選んで組める仕様。(僕は今回、グレーとイエローが特徴的なオズマ機を選びました。)色分けのほとんどがデカールで再現されていて細かい塗り分けをする必要がありません。キャノピーの枠までデカールで仕上がるのが驚き……いやデカルチャー!でした。  で、このデカールなんですが、貼りながら「なんか違和感があるな」と感じたんです。よく観察してみると…なるほど、余白がほとんど無いんですよね。余白がないぶん狙いどおりに貼れればとてもシャープに決まりますが、少しデリケートなのでコントロールには神経を使います。そこを乗り越えていけば仕上がりのキレ味が増していき、楽しいの連続です。  合いも良くてディテールマシマシ!隅々まで「カッコいい」が行き届いたおすすめキットです。皆さんも一緒に、デカルチャーしましょう!僕が組んだのとは別にスーパーパックが付属するキットもあるんですって。次はそっちで主人公機を……。
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【工具レビュー】小回り抜群!「HGデザインナイフ(細工用)」がプラモ製作に頼れる理由。 #工具 #nippper #プラモデル
【工具レビュー】小回り抜群!「HGデザインナイフ(細工用)」がプラモ製作に頼れる理由。
 老舗ホビーメーカー・ウェーブが新発売した「HGデザインナイフ(細工用)」は、間違いなくこれからデザインナイフを使い始める人にとってベストな1本となると思います。僕にとっては「刃先30°タイプ」の替え刃をセットできるホルダーを持っていなかったので、とても良い機会になりました。  よく出てくる「デザインナイフ」という言葉。一枚の刃を差し替えるタイプのカッター全般を指していることが多いです。以下のリンク記事でも詳しく説明されていますし、この「HGデザインナイフ(細工用)」の替え刃としてもナイスな刃が紹介されているので、ぜひ読んでね。  僕はずっと手前の刃の大きなタミヤの「モデラーズナイフ」(オルファのアートナイフも使っています)を使っていたのですが、今回この「HGデザインナイフ(細工用)」を使ってみて、小回りのきくナイフも持っていると便利だなと感じました。そしてこの「HGデザインナイフ(細工用)」は、軸のほとんどがPP(ポリプロピレン)なので軽量。先端にしっかりと金属グリップがあるため、重心も切る方向に取ることができ使っていてもブレません。  さまざまなマーキングが1枚のシートにたくさんプリントされているようなデカールをカットする時はとても便利。マーキングの間をスイスイと切り抜けていけます。  ホルダーにセットできる「「刃先30°タイプ」の刃は、ガンダムアッセンブルのような小さなミニチュアプラモのパーツを整形する時も、とてもやりやすいです。複雑な形状や、小さいパーツの形を整える時にはぜひ活用してください。  ホルダーのお尻はヘラになっています。シールを貼ったり、PP素材なのでパテなどを盛る時にも使用できます。1本で2役を担ってくれるのは嬉しいですね。あなたの細かいコントロールを助けてくれる「HGデザインナイフ(細工用)」。ぜひあなたの机にお迎えください。
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肉厚なパズーとシータの協奏曲/『天空の城ラピュタ』フラップターのプラモデル
肉厚なパズーとシータの協奏曲/『天空の城ラピュタ』フラップターのプラモデル
 「そういや組んだことなかったな」のバンダイスピリッツ製ジブリものプラモデルから、フラップターをチョイス。メーヴェと同じ1/20スケールで、フラップターの本体は握りこぶしくらいの大きさ。いやそんなことよりも見てほしいのはパズーとシータの出来ですよ。色分けされてないから塗らなきゃ〜とか言ってる場合じゃない。いまどきの塗料があれば普通に塗れるので、そのまえに造形を見ましょう造形を。  1/20スケールとはいえふたりは10代前半と思われるため、頭頂高はおよそ75mmと少し小さめ。しかしこの一体でドカーンと成形された肉厚なボディが本当にすごい。ふつうこんだけ分厚いパーツはプラスチックが収縮して表面が凹んでしまう(=ヒケる)ので前後左右に分割するもんですが、シータのつま先から上半身までワンパーツですよ。高圧でプラスチックが金型の中にギリギリギリ……とねじ込まれた痕跡が表面に表れたスジ状のシワに見て取れます。  パズーの頭部も前後に割らず、スライド金型を使ってゴロンと一体。目の表情、口の表情、ゴーグルから髪の毛まで文句無し。耳の造形がどうしてもビミョーになってしまいますが、しかしそれでも肌色のプラスチックを活かしてそれ以外の部分をビシッと塗ればじゅうぶん「人の頭部」として胸を張れる出来だと言えましょう。  ふたりを組んで並べると、中腰で叫ぶパズーは力のこもったポーズ、飛行石をかかげるシータは伸びやかなポーズでとても対照的。フラップターの手すりにそれぞれが手をかける位置関係がとても立体構成として優れています。フィギュアを愛でているだけでもずいぶんおもしろいぞこのプラモデル。  ペールオレンジのプラスチックを活かしながらカッキリと塗り分ける方法はいずれお見せするとして、まずは超肉厚でガツンとした彫刻が味わえるということをみなさんにお伝えしたく、まずはこの状態をお届け。フラップターの出来もさることながら、「固定ポーズの1/20フィギュアっていいよな〜」ということをみなさんもぜひ噛み締めてください。めっちゃいいっすよこれ……。
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俺が見たい景色を見続けたいから買い続けるプラモデル。「BANDAI SPIRITS スコープドッグ用拡張パーツセット2」 #キットレビュー #ロボット・アニメメカ #ボトムズ #nippper #プラモデル
俺が見たい景色を見続けたいから買い続けるプラモデル。「BANDAI SPIRITS スコープドッグ用拡張パーツセット2」
 プラモデルが完成したのになぜか寂しい……。そう、俺の中のスコープドッグには、いつもあなたがそばにいたのだ。オレンジ色の耐圧服を身に纏ったキリコ・キュービィーが……。俺はそのままプレミアムバンダイへとダイブした。  BANDAI SPIRITSが展開している「HG ボトムズシリーズ」は、プレミアムバンダイの定番商品とも言えるほど頻繁に受注を受け付けている。HGスコープドッグやHGスコープドッグターボカスタムなどの他に、「スコープドッグ用拡張パーツセット」というものが現在8種類も発売されていて、ジャンク屋の親父も大喜びなほどのラインナップとなっているのだ。  そのなかの「スコープドッグ用拡張パーツセット2」には、ぜひともスコープドッグに添えたいパイロットフィギュアが入っている。俺にとってはどんな武器やカスタムパーツよりも大事な、「装甲騎兵ボトムズを彩る至高のパーツ」なのだ。  色分けなんて気にしない。オレンジで成型してくれていれば、それだけで炎のさだめ。誰が見ても、本作の主人公であるキリコや他のパイロットに見える。色を足すかどうかは、俺たちが決めればよいこと。  こちらに向かって歩いてくるポーズを演出するため、左足だけこのような分割になっている。このパイロットフィギュアには大きなアクションはいらない。アニメオープニングを彷彿とさせる、悠然と歩いている姿さえ表現されていれば、俺たちはグッとくるのだ。  そう、この景色が見たかったのだ。スコープドッグと耐圧服は切っても切れない「装甲騎兵ボトムズ」のアイコン。これが揃ってこそ、俺の中の景色が完成するのだ。きっとこれからもHGスコープドッグを作るたびに「スコープドッグ用拡張パーツセット2」を注文すると思う。俺が見たい景色を見るために。
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音楽の力でプラモ環境改善!?/机の上にスペースを作り出す最高のアイテムを手に入れよう! #工具 #nippper #プラモデル
音楽の力でプラモ環境改善!?/机の上にスペースを作り出す最高のアイテムを手に入れよう!
 机がとにかく狭い! パソコン机のわずかなスペースでプラモを作っているものですから、パーツに塗料ビンに工具類に……と散らかしていくとすぐにご覧の惨状です。特に大変なのが説明書。プラモづくりはこの薄い冊子と幾度も顔を突き合わせながら進むわけですが、この狭小卓上にはA4判、いや組立時には見開きでA3判相当にもなる冊子を優雅にめくり進められるスペースなんてないのです。仕方なく膝の上に置いたり、工具類の下敷きになったり……なんてことでやり過ごしてきました。  これを解決すべく連れてきたのが「譜面台」。オーケストラやブラスバンドのみなさんが楽譜を立てかけて、演奏中に手元でめくったりするスタンド、あれです。これなら床から直に説明書を生やすことができますから、机上を占領しないって算段ですね。楽器関係アイテムだけにさぞかし高級なのかと思いこんでいたら、このくらい簡易なタイプは1,500円ほどで手に入れられるのでした。知らなかった……。  展開状態だと、このくらいのサイズ感。台自体の幅が50cmほどあるので、A4冊子をどんどんめくっていくタイプの説明書(エデュアルドやエアフィックスなど!)が余裕でカバー可能です。楽譜もA4判が基本みたいなので、ここは当然の領域ということで安心ですね。いつでも手元でめくり放題なので、「ページ上に乗っかった工具やパーツをいちいちどかさなくてもいいんだ!」と感激です。  さらに、台自体の幅をはみ出してもよければ、ハセガワやタミヤの1:48製品のような折り畳まれタイプの説明書も広げ置きして総覧できます。全体の工程をいつでも見渡せると、作業の流れがつながって見えて気持ちいいですね。譜面を乗せるアゴ部分は2.5cmほどの奥行きがあるうえ、台には傾斜がつけられるので、想像以上にしっかり乗っけることができますよ。本来の用途に近い姿だとは思いますが、プラモ専用品ではありませんから、使用の際は各自で安全をよく確かめてくださいね。 ▲ 1面あたりB5判のハセガワ1:48 雷電の説明書は、3~4面分を広げておけました。  そんなわけで、机の上がだいぶすっきりしました。説明書はわたしが座るイスのすぐ左、床から立つ譜面台の上に置いてあり、ちょうど手元にくる高さに調節してあります。ご覧のとおり、塗り分けやデカール貼り位置の見極めにも見やすくていい感じです。  思えば、われわれにとっての説明書って、楽譜みたいなものですよね。運転手さんならダイヤ表、船乗りなら海図かしら……。そう考えると、プラモの説明書にも、このくらい立派な居場所を作ってあげて正解なのかもしれません。というわけで定位置ができて説明書も嬉しそう。それからそうそう、これがあれば、いつ楽器を始めたくなっても安心ですしね。
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【工具レビュー】水で洗えてエアブラシ塗装もOK!VICホビーの水性エマルジョン塗料の実力を検証 #工具 #軍用機・旅客機 #塗料 #nippper #プラモデル
【工具レビュー】水で洗えてエアブラシ塗装もOK!VICホビーの水性エマルジョン塗料の実力を検証
 あの、モアイみたいな顔が書かれた塗料……VICホビーのエマルジョン塗料が冴える時代。水だけで塗装が試しめる、非常に塗りやすい水性塗料です。  おお、F-2のいい感じの濃淡色が出ている。これは結構アリなんじゃないですか!? これが水性塗料で楽しめます。空気圧を強くして吹き付けるなら、容器から直接注いだだけで、エアブラシ塗装もできちゃうし、エマルジョン系塗料ってすごいですね。  時代は水性塗料戦国時代。さまざまなメーカーがしのぎを削り、新しい水性塗料を開発しています。ところで、家電量販店に結構前から並んでいる、この塗料。見たことありませんか? こちらはVICホビーというメーカーの水性塗料です。今回は航空自衛隊のF-2でよく見る塗料4色がまとまったセットを買ってみました。  モアイ……じゃなくて、これ中世の兜なんですね。顎元には鎖垂れが覆っています。VICホビーのWebサイトでは似た中世の兜をかぶったキャラクターが描かれていて、こちらはグレートヘルム(バケツみたいな頭)で製品のキャップ部分を模しています。バラ売りだと容量が12mlなのですが、セット売りだと16mlです。  このVICホビーの塗料の特徴のひとつがこのキャップ。どの製品も、横に開く方式で、押すことで一滴から出すことができ、注ぎやすいスタイルになっています。  ボトルから取り出した濃度は筆塗り向きで、エアブラシを使う場合はVICカラー用薄め液を使います。推奨は少しずつ入れる、というものですがエアブラシでも数滴入れて気持ち流れやすくするというぐらいで良いでしょう。少しのアルコール系溶剤で流れを良くしてエアブラシで吹きやすく、そして食いつきを少し向上させます。  エマルジョン系は最初は膜を作る方向で薄く塗るのがセオリー。ただこれはかなり薄めに溶いたので本当に透けるぐらいで膜を構築しています。0.1Mpa/hレベルの出力を持つコンプレッサーがあれば、塗料1に対して溶剤0.5以下でも全然吹いていけます。  水性塗料なのでツールの洗浄が水でできるのもラクなところ。ドバドバ注いでしっかり洗いましょう。吸収のよい紙などに吹き付けて、エアブラシ内の流路もキレイに。塗料が固まらないように、吹き終わったらすかさず洗浄するのがポイントです。  ライトグレーは先端のレドーム部分に使われる色です。一気に吹きすぎないようにまずは膜をつくる、そして乾燥後にくるむという手順をしっかり踏みましょう。エマルジョン系なので、先端の針のようなピトー管が金属に置き換わっていても塗料を乗せることができます。  ホワイトは脚庫の内側の色です。ほんのりうす緑がかった色で、青の上だとさすがに数回塗って発色させます。薄膜を作ってしまえば、その後は比較的早い。乾燥は塗膜の厚みによりますが、エアブラシの層を作るなら30分も待てば良さそうです。表面が水分っぽいツヤでなくなり、表記通りの半ツヤになるのもひとつの判断ポイントです。  濃い青も発色しやすく、淡い青の上だとさらにキレイになります。F-2セット4色で、とてもキレイにまとまった塗装ができました。F-2の色って整備状態や見た場所の天候によっても結構印象が変わるのですが、これは塗装して間もないキレイ側な印象。私の好きなタイプの色です。  結構ラインナップも豊富で、近年ではキャラクター向きの色、メカスペースカラーも用意しています。そしてミリタリー系の塗色はなかなかすごいものがあるので、棚で探してみると思わぬ出会いがあるでしょう。臭いがなく、使いやすいボトル、豊富でちょうどよい調整のカラーと、結構強力な塗料ですね。
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【レビュー】飛行機模型としての魅力が嬉しいバンダイスピリッツ「風の谷のガンシップ」プラモデルを徹底解説! #キットレビュー #ロボット・アニメメカ #軍用機・旅客機 #ジブリ #nippper #プラモデル
【レビュー】飛行機模型としての魅力が嬉しいバンダイスピリッツ「風の谷のガンシップ」プラモデルを徹底解説!
 展開状態と収納状態を選択できる緻密な彫刻の着陸脚のパーツを見た瞬間に「あ、精密な飛行機模型だ!」という気持ちが一気に膨らみました。バンダイスピリッツの1/72スケールモデル、「風の谷のガンシップ」です。求めやすい価格でいつでも模型店の棚にあるからこそ、なんとなく買わないでいたのがすごくもったいない。そう言えば『風の谷のナウシカ』のプラモデルは「メーヴェとナウシカ」しか作ったことがありませんでした。  考えてみれば、メーヴェというのは「動力付きの小さな全翼機の上に人間が乗る」というかなりプリミティブで恐ろしい乗り物。あくまで風を利用して飛ぶ凧のような機体だから、車輪の付いた着陸脚はなくてヒゲのようなスキッド(橇)で地面に接しています。ガンシップはメーヴェと比べるとれっきとした飛行機に見えます。現代ジェット戦闘機と比べたらずいぶん小柄ですが、それでも設定の全幅18m(模型では25cmでジャスト1/72スケールなのがわかります)と零戦の1.5倍はあります。  着陸脚の複雑な造形に加え、さらに飛行機模型らしさを演出してくれるのがパイロットフィギュアです。前席に乗るナウシカと後席のミト爺は指先ほどのサイズで、1/20スケールのメーヴェで豊かな造形を見せてくれたナウシカとは対象的な小ささ。前席は左右の張り出した丸窓からも中が覗けるのでナウシカは両腕を分割して全身が再現されていますが、ミト爺は腰から下を大胆に省略して機体内部に据え付ける設計となっています。  コクピットを組み立て、左右に分割された胴体で挟み込み、そこに主翼を突き刺して完成……という流れもきわめて飛行機模型的。架空のものであってもあくまで飛行機を模型にしているんだから飛行機模型っぽい体験になるのは当たり前、と言ってしまえばそれまでなのですが、しかしバンダイスピリッツの色分け済みプラスチックと接着剤を使わないスナップフィットで細かいパーツを取り付けていくのはなんだか新鮮です。  完成してみると薄黄色のポテッとした機体が目の前に現れます。表面のディテールはそこまで多くないのでどうしてものっぺりとした印象になってしまいますが、しかし飛行機模型を作ったことがある人ならばスミ入れや汚しと言った味付けでより飛行機らしい表情に仕上げる方法を知っているはずです。もちろんそうでない人にとっても、いまならさまざまなツールやマテリアルで実感のある表面仕上げの方法が用意されています。安価でシンプルな構成でありながら、飛行機模型らしい組み味と良好なフォルムが手早く味わえるプラモデルとして、もっとたくさんの人に作られ、さまざまな仕上げで語られるべきプラモデルだと感じました。みなさんも、ぜひ。
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【レビュー】見えるからこそ楽しい「タミヤ 1/35 M10駆逐戦車」。バランス最高、内装と人のコンビネーションに酔いしれる。 #キットレビュー #戦車・軍用車両 #タミヤMM #nippper #プラモデル
【レビュー】見えるからこそ楽しい「タミヤ 1/35 M10駆逐戦車」。バランス最高、内装と人のコンビネーションに酔いしれる。
 第二次世界大戦で米軍はM4シャーマン戦車を中心に戦っていたのですが、もう少し火力があったほうがいいよね……というので、装甲はほどほどに火力をパワーアップさせた車輌を開発しました。それがこのM10駆逐戦車です。  そのため足周りはM4系と同じような構成ながら、上側がガラッと変更され直線の角張った形状になり、シルエットからして変わっています。この車体のパーツは上から見ると四角いカタチで、足周りにかぶさるサイズになるので迫力もなかなかなんですが、M4から比べると装甲では劣ると言うから戦車の世界はなかなか難しいものです。  何よりカッコイイと思えるのが砲塔。M4シャーマン戦車は丸い砲塔が特徴ですが、この四角いパーツが圧倒的なシルエットの変化をもたらします。砲塔パーツのカタチにあわせて、ランナーもリング側は丸く、上面側はカクッと変化してるのも見どころ。  足周りの入ったランナー(プラモデルのパーツが収まっている枠のこと)を見ると、M10用に新造されたものになっています。砲塔リングのギア部分や牽引ロープの端などふたつ必要なパーツを入れつつ、転輪やサスペンション部分がモリモリ入ったランナーです。  そして防盾パーツは鋳造された部分ですよ、というのをディテールで雄弁に語ります。肉眼でわかるぐらいにざらざらですが、カメラで見るとつぶつぶがすごい。1/35の人間が見たら納得のサイズ感で鋳造表現がされています。  高い鼻、シャープな顎、貼りのある頬……。やはりアニキの役者っぷりがすごい。レンズでぐっと寄り、ファインダーで覗いた時に驚きの声を上げるパーツ。これが3人もいます。  足周りの組み立てはなかなか面白い部分。実車と同じにするとさすがに複雑すぎる、ディテールを入れつつシンプルに組み立てたい。そうした実物とプラモデルとの関係性をうまく交渉して、ひっくり返しても同じになるように軸が2本ずつ出たサスペンションアーム部分など、組みながら本当によく考えられているなと思えるパーツが揃っています。  足周りだけでなく、見える部分の車内底部もあるのがM10の特徴。ここまではM4と似ている……ようでいて、このパーツがあるからこそのM10なんです。履帯はタミヤセメントで接着できる軟質素材のベルト式なので、接着剤が乾けば簡単に履かせられます。  そしてアニキ・アニキ・アニキ。単に立たせるとまるでスポーツをしているかのような3体ですが、車輌のなかでわっせわっせと装填する、砲を動かす、指揮するの3人です。  フィギュアはダボ位置がしっかり決まるのでポーズもずれなく、車輌の各部にピッタリと合うように設計されています。車輌に開口部があるからこそのこの3人で、床まで再現したのは彼らが立つ場所をいい感じにつくるためなんですね。  単品の車輌としてもかっこいいM10。アニキが乗れば迫力の画になるところもなかなかステキ。この平面構成で前すぼまりな砲塔も大好きで、何回組んでも楽しいのがタミヤのM10です。今回もまた、アニキの存在感を改めて知ることとなりました。
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TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYOをはじめとする令和期のタミヤが示す「楽しさ」と「カッコよさ」 #コラム #トラベル #nippper #プラモデル
TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYOをはじめとする令和期のタミヤが示す「楽しさ」と「カッコよさ」
 タミヤは模型という体験をモノの提供だけに限らず、様々なアプローチでコミュニケーションを図り続けてきた。それもコアファンも初見の方もともに楽しめるという、求心力と遠心力をともなって。その姿勢を端的に形容するならば「カッコ良い」でしかない。廃れることのないカッコ良さを有し続けるタミヤなのだが「令和期のタミヤ」という括りがあると感じている。その象徴のひとつといえるのが東京新橋の旗艦店『TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO』だ。  常滑の自宅を6:45に出るとこの新橋の旗艦店に10:00開店ちょうどの到着となる。慌ただしい道中を経て、休日の静まるビジネス街に鎮座するツインスターが目に入ると「タミヤはカッコ良いな」という率直なカタルシスが湧き上がる。店内に入ると大量のタミヤが整然としているのを目の当たりにするのだが、それが精神衛生上、大変に良い。愛好している身近な存在が、都会という舞台で堂々と振る舞う姿を前にすると、あたかも自分自身も肯定されたような気持ちになるからだ。プラモデル、カッコいいな。RC、カッコいいな。ミニ四駆、カッコいいな。タミヤは「楽しい」と同時に「カッコいい」を背負っているのだ。  オリジナルグッズは現地でしか入手できないというスペシャリティを有するうえ、旗艦店のシグネチャーアートは令和の今にジャストすぎるルックだ。今回手にしたLLバックはRCの箱が2個も余裕で入ってしまう大容量っぷり。先日、タミヤRCのファンイベントに家族で初参加してきたのだが、RC複数台持ちになると特大バックが必須だということを痛感した。なのでこれからのRC遊びに重宝しそうなアイテムだ。しかもお値段990円(安!)。そう、その『タミヤRCピクニック』も令和期タミヤを象徴するような現場づくりだった。家族でハッピーラッキー的に、世代間にまたがってハートをわしづかみするような。  斜向かいの『TAMIYA MODELERS STORE』にも当然足を運ぶ。タミヤカスタマーサービスで取り扱う単品アイテムが陳列されているのだが、最近私がRCを始めたこともあり、自分のタミヤEYEがさらに良く見えてきたという実感が嬉しい。公式ページに「作品作りのインスピレーションが湧いてくるはず」とあるのだが今回はまさにそれだった。地元の老舗ショップで掘り出した'80年当時モノのカーモデルのデカールが使えなくなって困っていたのだが、ポルシェ934のデカールでいけそうだ……と気付けたのは、実物を前にできたからだ。  同じく1/24スケールの「カートン台紙」も入手。「カーモデルの情景ネタに使えそう」と軽い気持ちで手に取ったのだが、よくよく見るとやけに凝ったつくりだ。調べると『トヨタ ハイエース クイックデリバリー(タミヤ仕様)』の内容物だった。そんなキットの存在とか初めて知ったし、欲しいぞ。再販プリーズ!  自分は「コロナ禍出戻りプラモファン」としてタミヤの歴史を見つめ始めたのだが、生涯かけてもタミヤは食べ尽くせないという、とんでもなさだけは見えてきた。その広さと深さを令和期タミヤは自らアーカイブ化しながら価値に転じようとしているかに見えるが、そこに違和感や歪さは皆無だ。それは田宮俊作会長をはじめとする先人たちからしっかりバトンを受け取っている証でしかない。令和期タミヤ、カッコいい。生涯をかけて追いかけ甲斐がある信頼のツインスター。世界有数の総合模型メーカーが我々の身近にあることが誇らしい。これからもずっと、タミヤを褒めていきたい。
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【レビュー】SWS 1:32 メッサーシュミット Bf 109 G-4/模型と実機のエンジニアリングを体感する緻密な内容に感激! #キットレビュー #軍用機・旅客機 #nippper #プラモデル
【レビュー】SWS 1:32 メッサーシュミット Bf 109 G-4/模型と実機のエンジニアリングを体感する緻密な内容に感激!
 Bf109という戦闘機は、35,000機以上が生産された世界最多の戦闘機です。その中でもG型は最多生産型であり、過渡期に登場したG-4というタイプは短命ながら多彩なバリエーションを持ちました。偵察機転用や武装ゴンドラの装着、砂漠用フィルターを備えたTrop仕様。SWSのキットは、そのR6と呼ばれた仕様を徹底取材のうえで模型化しています。説明だけ聞けば「資料性の高い再現」ですが、実際に組んでみると「なるほど、これを伝えたいのか」と納得する瞬間が次々に訪れます。 >SWS 1/32 メッサーシュミット Bf 109 G-4  キットを組んでいくと、戦闘機の歴史的な数値や性能の羅列ではなく設計上の合理性そのものが迫ってきます。エンジン、砂塵フィルター、主翼構造、キャノピー、防弾ガラス、モーターカノン。パーツはかなり多いのですが、ひとつひとつのユニットをを組むたびに、実機の設計者がどう問題を解決し、どう合理的に積み上げたのかがわかります。  組んだら見えなくなってしまうのに、エンジンの中にピストンが再現されている……というのは1/32スケールのSWSシリーズでも定番と言って良い設計ですが、しかし何度体験してもニヤニヤしてしまいます。SWSのBf109G-4を開けて手を動かした瞬間に出てきたのが、このDB601エンジンの内部再現。倒立V型水冷12気筒という文字列は知っていても、「実際に組み上げるとこんな感じになるのか……!」と腑に落ちます。図解を見ても理解しづらい構造が、プラスチックパーツを組むと指先を通して実感に変わるのです。  そんなエンジンとまさに一体となってこの戦闘機のキャラクターを教えてくれるのがプロペラシャフトを貫くモーターカノンです。部品を積み上げるうちに、銃弾がどこを通って発射されるのかが見えてきます。  コックピットは合理主義の極致です。三分割されたキャノピー、正面に位置する防弾ガラスの厚み、そして窓枠の頑丈さ。後部燃料タンクから伸びる確認用パイプはクリアパーツで表現され、見慣れない細い管を差し込んで「あ、燃料をチェックするためにここにあったのか」と気づく瞬間があります。ボークスが「整然とした合理主義」と表現するのも納得で、操作に直結する要素だけが残された計算された空間に、設計者の冷徹な才能が宿っているように感じられました。  主翼に取り掛かると、もはや模型を組んでいると言うより構造実験をしているかのよう。胴体に接合される主桁を中心に、魚の骨のようなリブが並んでいて、そこに外板を貼る工程を追体験できます。Bf109のF型以降では、ラジエターの冷却と揚力の調整を兼ねる特殊なクラムシェル型のフラップが採用され、用途に応じてふたつの動作方法が選択できる複雑な機構を持っています。このキットではその仕組みが開閉選択式で再現されているので、「型式ごとの特徴」として語られがちな(しかも外観からではわかりにくい!)仕組みもバッチリ身につきます。  胴体下のパネルの裏側に軽量化のためのパンチング状の凹みがきっちり再現されていることや、翼桁の結合部が涙滴型バルジ内部に収まるのを「なるほど」と確かめられるのもこのキットならでは。外観の特徴が内部の構造と直結していたり、外観からは窺い知れない密やかな努力が内部に隠されていたり……と、完成写真では伝わらない、手を動かした人間にだけ与えられる理解がそこかしこにあるのです。  砂漠仕様のフィルターは「ドム・トローペンの脚にくっついてるアレ」の元ネタ。脚の横から突き出した異様な部品は、単なる外形のアクセントではなく、開閉式の給気口と長い筒状のフィルターの組み合わせとしてしっかりとした説得力があります。部品を手に取り「砂を吸い込ませないためにこういう工夫をしたのか」と理解できる。戦地の環境に合わせた設計変更を、模型を通じて追体験できることにこそ意味があります。  また、キャノピーを組んだときに感じた透明度の高さも、単なる“きれい”で終わりません。ウインドシールド中央は防弾ガラスが重ねられ、座席後部やパイロット頭部直後には鋼板が、燃料タンク後方の第2隔壁にはアルミ合金を多数重ねた防弾板が装備された構造が手元に現れると「これでパイロットを守っていたのか」と腑に落ちます。パーツの透明度の高さは、工学的な仕組みを理解させるための条件にすら思えてきました。  組みながらずっと考えさせられるのは、プラスチックという素材の制約です。部品には最低限の厚みが必要で、強度や組みやすさも保たなければならない。その中でエンジンをカウルに収め、フレームを干渉させずに配置し、しかも実機の構造に近づける。設計者は金型の制約を逆手に取りながら「本物を伝える」方向に突き進んでいるのです。  図面を読むよりも鮮烈に、「Bf109G-4ってこういう飛行機だったんだ!」と理解できる。知識を知識のまま与えるのではなく、模型を介して体に刻ませる。これこそがSWSの思想であり、ボークスが「エンジニアリングへの敬意」を謳う理由なのだと、改めて理解したのでした。 >SWS 1/32 メッサーシュミット Bf 109 G-4  
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壁がプラモデルのステージになる──無印良品で「ちょっと特別な展示スペース」を手に入れよう! #工具 #自動車 #情景 #nippper #プラモデル
壁がプラモデルのステージになる──無印良品で「ちょっと特別な展示スペース」を手に入れよう!
 お部屋の壁に刺すだけで素敵なディスプレイ空間が爆誕する「無印良品 ディスプレイ コの字型」。自分にとってちょっと特別なプラモを飾りたい、お部屋のアクセントになるような飾り方をしたいなんて時にはもってこいのアイテムです。  この商品には、約幅44×奥行6×高さ2.5/5cm、約幅22×奥行6×高さ2.5/5cm、約幅44×奥行12×高さ2.5/5cm、約幅22×奥行12×高さ2.5/5cmと4種のサイズのものがあります。僕は車模型とか、戦車模型、ガンプラなHGUCくらいのサイズのものを飾ろうと思っていたので、「横幅22cm×奥行き12cm」のものを購入しました。すると、お家にあった木のベースともぴったりのサイズだったので、さっそく組み合わせてみました。  付属のピンを使って石膏ボードの壁に固定すれば、こんなふうにプラモを展示する空間が広がります。アクリルを固定するための鋲を簡単に刺したり外したりできる工具も付属。お部屋の壁に気軽に素敵な展示スペースを設けられますので、ぜひみなさんのお部屋にも迎えて下さい。それでは〜。
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「あの頃の苦手な接着」と向き合うプラモ/AVISの1:48 ネメス パラソル #キットレビュー #軍用機・旅客機 #nippper #プラモデル
「あの頃の苦手な接着」と向き合うプラモ/AVISの1:48 ネメス パラソル
 「プラモデルにおいて接着剤を使うのは苦手」という、かつて抱いていた先入観は、小学生のときに小さなバイクのプラモデルをうまく作れなかった経験からきている。流し込み式接着剤の存在なんて知らず、すぐに固まらない接着剤を使って作ったものの、最後まで完成しなかった記憶がある。そこからはたまに作ったとしても接着剤は使わないものばかりだった。 しかし今となっては、自分もなんなくプラモデルを接着して作る側だ。だからつい、「今は道具が進化している」と言いたくなる。それにプラモデル自体も進歩が目覚しいので、貼るにしてもスムーズにできてしまう。  ただ、「あの頃できなかったこと」が本当に克服できているかというと、正直かなり怪しい。うわぁ……となる瞬間にちゃんと向き合えているのかすら分からない。それは、言葉にできない防衛本能がプラモ売り場で働き、箱から伝わる雰囲気だけで「これはやめておこう」と逃げてしまっているからだろう。 それでも惹かれたのが、AVISの1/48 ネメス パラソルだった。限定500個という印字に加え、QRコードを読み込むと実機の動画が見られる。エンジンがかかり飛んでいく姿を見て、すっかり心を奪われて購入してしまった。  箱を開けると、少し不安になる姿が現れる。しかし同時に、世界中のプラモデルが同じ進化をしてきたわけではないことにも気づかされる。流し込み式接着剤を前提とした設計ではないことも、なんとなく分かる。そして、無意識に避けていたものだということも、パーツを見るだけでよく分かる。苦手なことに直面したときほど、「自分で自分を理解していたから避けていたんだな」と思う瞬間はない。 パーツをできる限り整形して貼り合わせる。隙間ができたり、どうやってもハマらないものが出てきたりして頭の奥が少しグシャッとなる感覚に襲われる。それでも、設計者がやらせたいことはなんとなく伝わってくる。隙間に瞬間接着剤を流し込んだり、合わないパーツは削ったりしながら形にしていく。  正直大変な作業だけども地道に進めてふと振り返ると、当時はゲームオーバーだと思っていた場面に対して、自分なりに対処しながら工程を進めていることに気づく。苦手だったものと対峙してなんとか乗りこなしていこうというポジションをギリギリ取っている感覚だ。 ネメス パラソルは作るのに手間がかかり、完成はまだ遠い。「未完成で終わるかもしれない」と思うときに他の飛行機とは違う円形の翼が輝いてくるのだから、モチーフのユニークさというのは大事なことだなと感じる。それに当時できなかった接着作業やパーツ処理を辛抱強くやることで、あの頃の「できなかったこと」を乗り越えた気になれ、とても楽しい。
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花金だ!仕事帰りに買うプラモ。塗らずに極上の銀を味わう至高のプラモデル「ハセガワ 重装甲戦闘服 MK44G-6 ゴールドナイト」 #マシーネンクリーガー #キットレビュー #ロボット・アニメメカ #花金プラモ #nippper #プラモデル
花金だ!仕事帰りに買うプラモ。塗らずに極上の銀を味わう至高のプラモデル「ハセガワ 重装甲戦闘服 MK44G-6 ゴールドナイト」
 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週は、「ハセガワ マシーネンクリーガー ロボットバトルV 重装甲戦闘服 MK44G-6 ゴールドナイト」をご紹介します。ゴールドナイト……まさに花金に降り立つ騎士でございます。さぁ、みんなで作ろうぜ!  箱を開けたら極上の銀!! 「ゴールドナイトやろ!!!」って脊髄反射で叫んだフミテシです。でもこの銀がまじでかっこいい。ハセガワの美しい成形によって、煌めいているのです。塗装せずとも、最高のかっこよさを味わえる極上の刺身と言えます。  そんなゴールドナイトが入っている箱もかっこいい。マシーネンクリーガーシリーズのプラモデルの箱は、お家に飾りたくなるほどのデザインなのです。  塗装カード、かっこいいマーキングがたくさんプリントされたデカールもセット。これを見ながら、自分ならどんな機体に仕上げようかなと妄想が膨らむフライデーナイトを楽しめます。  キットにはアニキも付属。腕や足はありませんが、これを組んでスーツの中に入れると、しっかりとスーツを着込んでいる姿に見えます。  美しい銀成形なので、自然と影が落ち、ディテールをバキバキに際立たせてくれます。この雰囲気は、むしろ色を塗らずにそのまま組まないと味わえません。塗ることとはまた違ったかっこよさを提供してくれるのです。  曲面主体のスーツだからこそ、光を受け止め反射する……塗らずにこのかっこよさはやばいです。組むだけでめちゃくちゃテンション上がります。  中身もみっちり詰まっているので、サクッと完成するプラモデルではないですが、週末2日あれば確実に組み上がります。組むだけでこんなにも美しくかっこいいメカがあなたの机にやってきます。これを見ながら一杯やるなんて最高の花金です。ぜひ今週は花金の騎士「ゴールドナイト」で、楽しいプラモタイムをお過ごしください! それでは!!
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田宮俊作が愛したカメラを買った話/ニッカ3S with NIKKOR-H・C 5cm F2 #コラム #nippper #プラモデル
田宮俊作が愛したカメラを買った話/ニッカ3S with NIKKOR-H・C 5cm F2
 私にクラシックカメラの趣味はない。しかし、いま私の机の上には動かないカメラがある。モデルグラフィックス2025年11月号の巻頭広告を見てしまったからだ。「地道な取材と考証はこれからも」というキャッチコピーの下には、田宮俊作をの名をいっさい出さず、この世を去った彼の仕事とこれからのタミヤのことが滔々と書かれている。正直、今号の「本体」はこの広告そのものだと言っていいと思った。田宮俊作がさまざまな土地で取材をしている風景を写したスナップの真ん中に、氏の愛機が置いてある。ぱっと見はライカだが、よく見るとそこに刻まれているのは“nicca”の銘。私は同じ機種、同じレンズのセットを探し、ヤフオクで落札した。  ライカの祖型を設計したのはオスカー・バルナックであり、彼の名を冠して初期の小型ライカは「バルナック型」と呼ばれる。映画用の35ミリフィルムを写真に転用する小型の金属カメラは、現在に続くカメラの原型となり、20世紀の記録様式を変えてしまった。戦中から日本のカメラメーカーは軍需や報道用途のためにその精巧なコピーを作り、戦後は民間向けにその改良と精度向上に血道を上げた。結果として日本の光学技術と生産精度は本家にも引けを取らぬ評価を勝ち取り、(一眼レフの設計製造に舵を切るという大きな転換点を経て)日本のカメラが世界におけるトップシェアを築く礎となった。  1952年に発売されたニッカ3Sを田宮俊作が愛用していたという事実は、まるでタミヤの歴史を語っているかのようでとても興味深い。彼が育て上げたタミヤのプラスチックモデルもまた、海外の製品を模倣するところから始まった。アメリカで流行していたスロットカーを参考にしながら改良を重ね、やがて戦車模型や自動車模型で独自のリアリティを獲得し、世界に冠たるブランドへと成長させていった。彼はニッカ3Sを携えて海を渡り、戦車を撮り、航空機を撮り、生産ラインを見学し、図面を引いて金型を彫った。このカメラのシャッターを切るたびに記録されたのは、つまり日本の模型の未来だったのである。  私が手に入れた個体はフィルムを装填する以前の問題だと明らかにわかるほどシャッターの調子が悪く、前オーナーの整備はスプリングにテンションをかけすぎだと感じた。同時に後幕を引き込むリボンは経年劣化によって切れる運命にあったのだろう。分解しながらガバナーの動きを確かめ、なんどか空シャッターを切っているうちに後幕は走らなくなってしまった。 幸いなことに、このカメラの構造は精緻でありながらごくシンプルなもので、メンテナンスについての記録も、プロフェッショナルによる修理サービスも簡単に見つかる。私はいつかこのカメラを復活させ、乾いたシャッター音を聞くことになるだろう。バルナックの偉大なる発明とから始まった小型カメラの物語が、惚れ惚れするほど精巧な"模型"であるニッカ3Sを通じて、タミヤの歩んできた軌跡と響き合う。この重層的な技術史と文化史のクロスポイントは、模型を愛する者にとって特別な重みを持っているはずだ。
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「週刊ウォーハンマー コンバットパトロール」最新号レビュー/軍曹と接着剤を手にウォーハンマーの本流へとダイブしよう!! #キットレビュー #雑誌と書籍 #nippper #プラモデル
「週刊ウォーハンマー コンバットパトロール」最新号レビュー/軍曹と接着剤を手にウォーハンマーの本流へとダイブしよう!!
 世界中にファンがいるイギリス発のミニチュアゲーム『ウォーハンマー40000』の世界を「本屋さんでゲットできる」パートワーク(分冊百科、週刊のファイルマガジンなどのこと)「週刊ウォーハンマー コンバットパトロール」。最新号の第5号は、ウォーハンマーミニチュアのもうひとつのライン「接着剤で組み立てるミニチュア」がセットされます。これまでの号にラインナップされてきたミニチュアは、すべて接着剤無しで組み立てられるものでした。実は接着剤無しで組み立てられるミニチュアが登場したのは割と最近で、ラインナップされている多くのミニチュアは「接着剤を使って組む」ものなのです。つまり、この号に付属するミニチュア「インフェルヌス・マリーン・サージェント」を、接着剤を使って作ることで、ウォーハンマーの本流への道が拓けるのです。  サージェント(軍曹)という名前だけあって、今回付属するミニチュアはスペシャルなキャラクターです。本書ではキャラクター性をじっくりと深掘りしています。また彼が活躍するゲームも用意されているので、作って・遊んでよりこのキャラクターのことを楽しむことができます。  ランナー(パーツが収まっている枠のこと)は1枚とシンプル。接着剤を使うプラモなので、内側に軸などは少ない構成になっています。パーツの面と面で合わせていきます。  組み立てには流し込み接着剤がおすすめです。そしてこの面と面のツラがピタリと合わさるのが、接着剤を使って組み立てるウォーハンマーミニチュアの気持ち良いところ。複雑な形状をしたパーツでも、必ずピタッと合います。パーツによっては、パズルのような合わせになっている箇所もあるのですが、それが「カチリ」と決まるのです。  そしてそのパーツとパーツが合わさっている箇所に「流し込み接着剤」というものを使用して接着してください。ちょんと筆先をパーツの合わせ目につけるだけで、接着剤が流れていきピタリと固定されます。それだけで良いので、組み立てはとっても簡単です。プラモデル用接着剤については以下のリンク記事をぜひ読んでください。僕がnippperの中で最も好きな記事です。接着剤を手にするだけで、世界中のプラモデルと仲良くなれます。ぜひ接着剤購入の参考にしてください。  ものの5分で、最高にかっこいいミニチュアが爆誕します。地面には倒したティラニッドのパーツもあり、これだけで世界観がベースの上に現れます。接着剤無しで組めるプラモデルには、内側の固定用のピンなどによってポーズに制限があったりするのですが、接着剤を使うことによってそのようなことからも解放されます。より自然な、美しいポーズになるのです。このインフェルヌス・マリーン・サージェントの勝利を確信したかのようなポーズも、接着剤で組むからこそ可能となっています。ウォーハンマーの本流とも言える「接着剤を使って組むミニチュア」の窓を、ぜひこの「週刊ウォーハンマー コンバットパトロール」の最新号で開けてください。最高に楽しい世界があなたを待っています。
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「まさかお前が来てくれるとは!」なプラモデル/バンダイスピリッツのテリジノザウルス #キットレビュー #動物 #nippper #プラモデル
「まさかお前が来てくれるとは!」なプラモデル/バンダイスピリッツのテリジノザウルス
 気軽に入手できて、よく動く。骨格モデルとしても楽しめる。納得のプレイバリューで恐竜プラモ界を牽引してきたバンダイスピリッツの「プラノサウルス」は、ティラノサウルスやトリケラトプスなど、メジャーな恐竜を皮切りにシリーズを展開してきました。そして有名どころを押さえた今、次に何が出るかわからないワクワクするシリーズに進化しています。そして先日、ついにぼくが大好きな恐竜であるテリジノサウルスが登場! いやぁ嬉しい! 欲しいとは思っていましたが、まさかこんなにも早く来てくれるとは!  このシリーズは、誰かにとっての「人生初めてのプラモデル」となることを想定し、安心して組めるよう配慮された設計です。今回購入したテリジノサウルスでそのマインドを特に感じたのが「肋骨」でした。骨格状態で特に胴体の大部分を占める肋骨は、一本ずつ独立させると尖っていて危険。そこで安全のために骨の間に「つなぎ」のパーツを作っているのですが、このキットでは、そのつなぎのパーツに穴を開けてあります。安全性を確保しつつ、向こうが透けて見えることで得られるリアリティを両立している。この熱意にグッときます。その熱意を受け取ったうえで、ですが、ぼくはオトナなので「つなぎ」部分をカットしてみました。こういう工作にもチャレンジしやすい構造なのは嬉しいですね。  そして、テリジノサウルスといえば特徴的な爪。もちろん遺憾なく再現されています。しかも骨格状態でも恐竜状態、それぞれで巨大な爪が違和感なく再現できるよう、爪を含めた前腕パーツが状態別に二種類とも用意されています。さすが! わかってる! たすかる!  安心・安全をしっかり押さえつつも、恐竜好きが盛り上がるポイントを詰め込んでくる。テリジノサウルスという少しマイナーな恐竜でも、テンション上がりっぱなしで組むことが出来ました。さすが恐竜プラモのフロントランナーです。これからも恐竜大好きキッズ。そして恐竜大好き元キッズをワクワクさせ続けるシリーズとして続いていってほしい!ぼくは思わずテリジノサウルスに飛びつきましたが、お店に行けばきっとあなたの「まさかお前が!」と唸る恐竜が見つかるはずです。
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白くて重くて強い!100円ショップの「全面物理強化ガラス小皿」が“筆塗りの相棒”になる日 #工具 #筆塗り #nippper #プラモデル
白くて重くて強い!100円ショップの「全面物理強化ガラス小皿」が“筆塗りの相棒”になる日
 「ラッカー塗料」筆塗りも楽しむようになってから、陶器の梅皿をパレットとして使っています。もう1枚買い足したいな〜なんて思って近所を探してみると、意外と売ってない……。ネット通販でも探しても送料とか余計に取られて高くなるので二の足を踏んでいました(通販で買いやすい陶器の梅皿あったら教えてください!)。  そんな時に、100円ショップのキャン☆ドゥで出会ったのがこの「全面物理強化ガラス製の小皿」です。全面物理強化ガラスというのは、熱を加えて一度柔らかくしたガラスを急冷し、表面に大きな圧縮応力を発生させたガラス。この圧縮応力によって通常のガラスの約4~5倍の強度を持つため衝撃に強く、割れた際には細かい粒状になることで人体への損傷を防ぐ、安全性の高いガラスとのこと。丈夫な上に、色が「白」だったので塗料の色味もはっきりと確認できそうだと思って試しに買ってみました。  ガラス製の良いところは、適度な重さがあること。これによって、パレット状で塗料を混ぜたりこねたりしても皿が動きません。安定感があることはとても大事です。  模型用の金属皿も使い勝手は良いのですが、とても軽いので皿を筆を持ってない方の手で押さえないで作業すると、このように皿が浮いて傾いたりして、中の塗料をこぼしてしまったりします。僕はこれで、何度も塗料をこぼしました。  特に、あらかじめ汚し塗装やスミ入れをするのに適した「薄い濃度に希釈された塗料たち」(写真のMr.ウェザリングカラーや、タミヤのスミ入れ塗料など)を扱う時は、この皿が大活躍。しっかりと縁があって、重さもあるので、シャバシャバの塗料でもこぼれにくく作業がしやすいです。  塗料が表面に染み込まないので、お掃除も楽々。溶剤を染み込ませたキッチンペーパーで、簡単に塗料を拭えます。  お皿ですから、このように積み上げておけば、収納も簡単。机の隅っこに集めておけば、余分なスペースも取ることはありません。  適度サイズ、ガラス製ならではの重さ、きれいな白というパレットの条件を見事に満たしている「100円ショップの全面物理強化ガラス製小皿」。手軽に買えるパレットとして、本当にオススメですよ。それでは!
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小さい子でも遊べる設計が嬉しい「歩くスティッチのプラモデル」を組み立てよう! #キットレビュー #フィギュア #nippper #プラモデル
小さい子でも遊べる設計が嬉しい「歩くスティッチのプラモデル」を組み立てよう!
 組んでシール貼って完成、斜面に置くとトコトコ歩くアオシマの楽プラ トコトコシリーズに強キャラのスティッチが加わりました。そういえば『リロ&スティッチ』見たことないな。東京ディズニーランドのアドベンチャーランド界隈はスティッチの勢力圏になって久しく、子供心に「謎のアトラクションだな」と思っていた魅惑のチキルームもいまや老若男女がスティッチ目当てで押しかけるアトラクションに。  シリーズ16作目となって初期の「なーんか歩行性能がイマイチだな」というところもかなり改善され、価格、組み味、全体のボリュームバランスも本当に洗練されたナイスなプラモデルです。ランナー状態でパーツを並べただけで、この整然とした空気に惚れ惚れします。なにより気になったのが小さな手のパーツ。トコトコシリーズは完成したら息子のおもちゃに渡しているのですが、あまりに小さいとパーツが取れたり折れたりとあんまりよい思い出になりません。しかーし。  水色の腕のパーツの先端に濃い青でできた手のパーツをしっかり挟み込む構造になっていて感激!肉球的なところと爪的なところが色分けされ、ちょっとやそっとでは小さなパーツが脱落したり折れたりすることもなさそうです。パーツのハメ合わせも硬すぎずユルすぎず、指に力をかけるのがしんどいお子さんや女性でもちゃんと組めそうな感触がGOOD。  パーツ状態でかなりリッチな色分けがされているので、シールでフォローするのは目のハイライトと耳の後ろの色の切り替え部分のみ……というのがまた嬉しい。優れたキャラクターデザインは少ない色数でもしっかりと特徴を出せるんだなぁ、という感慨があります。  同時発売のエンジェルは胸の白い毛をはじめスティッチよりもシールに頼る部分が多く、さらに頭から伸びる長い触覚のようなパーツは子供がすぐにポキっと折ってしまいそうなのでスティッチよりも少し気を使う構成に。このへんは同シリーズのミニーちゃんを組んだときにも思ったことなので、女子キャラはやっぱりおしゃれするぶん少しだけプラモ的にも難度が上がりがち……という傾向がおもしろいなと思ったり。  サラッと組んでスティッチとエンジェルが完成。息子ににスティッチを渡すとさっそく長い木の板を出してトコトコと遊んでいました。去年の秋にトイ・ストーリーのエイリアンを渡したときにはまだなにがおもしろいのかわからなかったみたいですが、1年弱が経って「トコトコ歩くね」「最後まで歩けるかな」とニコニコしながら遊んでいます。子供が生まれるまでわからなかったのですが、「かんたんなプラモデル」は人間が成長していくのに寄り添い、組む楽しさや遊ぶ楽しさを理解していくさまを見るのにとてもよいバロメーターになるんですね。みなさんも、ぜひ。
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【レビュー】鉄のカーテンを超えて。「タミヤ T-72M1」が語る冷戦と模型のロマン。 #キットレビュー #戦車・軍用車両 #タミヤMM #nippper #プラモデル
【レビュー】鉄のカーテンを超えて。「タミヤ T-72M1」が語る冷戦と模型のロマン。
 世界がかつてアメリカとソビエト連邦、ふたつの陣営に分かれてその覇を競い合った……。そんな情勢が第二次世界大戦後長らく続いていました。もちろん日本はアメリカを中心とする西側に属しているので、プラモデル開発にあたり西側のものはアクセスしやすいのですが、東側ソビエト連邦の兵器は見ることはできてもプラモデルで正確な寸法が作れるまで取材するというのは難しく、下手に近づいて写真を撮っているのが見つかったらどうなるかわからない(正規のメディアでも写真が没収されることもあった)ような時代が長く続いていました。今回紹介するT-72M1も、そのナンバーのように1973年に採用されたのですが、タミヤが発売したのは1992年。20年を経てようやく発売できたものなのです。  しかしその甲斐あって行き届いた取材がなされ、とても良い形状の砲塔パーツとなっています。が、なんとこちらT-72シリーズのなかでも東ヨーロッパ系などに配備されたサブタイプで、本家ソビエトではまた違ったB型が使われている、という話があります。東西の垣根となった鉄のカーテンをくぐったとおもったら、そのヴェールはまだまだ厚かった。  もちろんこのキットがT-72というものをバッチリ伝えてれるのは間違いなく、車体の形状やフェンダーに乗っかる燃料タンクや雑具箱のディテールなど、現在見ても全く見劣りしません。  車体底面のリブやハッチなんて、取材で潜ったんですか……というレベルで立体化してるんですよ。文字通りタミヤの底力。  タミヤミリタリーミニチュアシリーズ(以下MM)ではもれなく付属するアニキ。第一世代暗視ゴーグルをおでこに乗せることができて、独特のソ連戦車兵の姿を全身で楽しむことができます。  そしてひそかにソ連戦車ではおなじみ、丸太。T-72の先輩も後輩も、戦車はみな一本丸太を車体後部に結びつけています。西側の戦車には見ない装備ですよね。  この丸太なんなの、ということを含めて、このT-72M1の説明書には図と解説が詰まった見開きページがあります。さきに触れた砲塔形状の違いや、各部装備の説明、そして丸太の説明……。地面にかませてぬかるみを脱出する、という装備でした。この見開きだけで、T-72に相当詳しくなれる内容なんです。  タミヤセメントという慣れた接着剤で、べちょっと貼って重しをかけておけば、このT-72M1の履帯は完成なんです。最初に貼っておけば、一晩経って砲塔までできたころにはくっついているでしょう。  またディテールアップパーツが最初から入っているのも良いところ。ちょっと頑張ってみようというところにちょうど良い内容で、エンジングリルのエッチングパーツはプラパーツで挟むのでこちらもタミヤセメントで攻略できます。  チューブの弾力を制するために銅線を入れていきます。このチューブはなんのために、どこに取り付けるパーツなのか……? 弾力が強すぎると思ったら、銅線を2本にするとよりコントロールしやすくなりますよ。  ソ連戦車ではおなじみ、ドラム缶直乗せの増加燃料タンクへのチューブでした。さすがにこのあたりはちょっとだけ難所ですが、完成するといい感じに燃料の取りまわしがわかり、ソ連戦車テイストを最も味わえる場所となっています。  採用から50年を経ても、現在も世界中で使われているT-72シリーズ、それを最も気楽に楽しめるタミヤのMMシリーズのキット。東ドイツ、イラクと歴史的な場所にあった車両を作ることができるので、まさに現在に連なる歴史の交差点を知る、T-72シリーズの鍵を開くアイテムともいえるでしょう。発売から30年以上経った現在でも手に入れやすく、組み立ての楽しさもたっぷりのキット、ぜひ一度味わってください。
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