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白ボディに俺色を!レジェンドプラモで気ままに塗装ドライブ/「タミヤ 1/24 NISSAN スカイライン セダン 2000ターボ GT-E-S」 #キットレビュー #自動車 #塗料 #nippper #プラモデル
白ボディに俺色を!レジェンドプラモで気ままに塗装ドライブ/「タミヤ 1/24 NISSAN スカイライン セダン 2000ターボ GT-E-S」
 箱を開けたら白いボディ!! これは好きに塗って楽しんでねというメッセージ。それなら俺の好きな色で車模型を気楽に楽しんじゃうのだ〜〜!!  最近再生産された「タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズ No.374 NISSAN スカイライン セダン 2000ターボ GT-E-S」。こちら真っ赤なかっこいいスカイラインがパッケージに描かれているのですが、箱を開けたら真っ白のボディとご対面するタイプのプラモデルです。白いボディはどんな色も受け入れてくれるので、あなたの好きな色で塗ってください。しかもこのキットのように、昔発売されたものを再生してくれたアイテムは、今のキットよりもおおらかなので、形を楽しんだらすぐに好きな色を塗ってしまうのが吉!! ちょうど良い精密感がありながらもシンプルに組みやすいので、気軽に完成させるのにもってこいの車模型なのです。  今の時代、プラモデルは精密を追いかければどんどん追い込める商材に進化しています。本キットが発売した1981年のプラモにもその姿勢と目線で相対することは僕にはできません。なんせこのキットの方が僕よりも早く生まれていて大先輩。パイセンプラモ=レジェンドプラモは、当時の雰囲気やパーツ構成を楽しんで、自分なりに思いっきり楽しむってのがやっぱいいと思うんです。だからガシガシ組んで、スプレーボックスから好きな色をセレクトして2時間で完成させちゃいました。  このホイールメッキの美しいこと。これだけで足元が引き締まります。  一昔前のタミヤ車模型にはドライバーアニキもセットされています。僕にとっては銀に塗れば最高のメタルアニキにクラスチェンジしてくれる至高のドライバー。今回はグレーのままでお座りください。  リアタイヤの接続も金属シャフトを通すだけ。あっという間に足回りが完成します。戦車模型もそうですが、模型の足腰となる足回りがサクサクと形になっていくプラモって本当にストレスなく楽しめます。  ここからがさらに最高の時間。白ボディを何色にしようかな〜と妄想。プラモデルって色を迷っている時間も楽しいんですよ! 成型色(プラスチックの色のこと)のグレーと相性良さそうな色は何かな〜と考えて、今回はクロームイエローを選択したのでした!  そしてちょい塗りで映えるポイントがライトです。ここはマッキーで、パーツの内側から塗りつぶすようにしてサクッと塗ってしまいましょう。シルバーのマッキーだけ、娘に貸したらどこかに散歩に行ってしまったので「Mr.ホビーマーカー シルバー」を使用しました。  ヨレヨレでよし! なんとなく赤やオレンジ、シルバーが塗り分けられていればそれで気分上々。俺車のテールランプもこれで引き締まったぜ。  レジェンドプラモ完成!! 2時間のスピード納車でございます。ボディの形状もピシッとしているので、とってもシャープでかっこいいです。白ボディから、クロームイエローに変わるだけで「まさに俺の車だぜ」というオーナー気分も爆上がり。  一昔前のちょうど良い精密感と、おおらかさが共存しているレジェンドプラモが今も再生産される幸せ。そんな幸福をじっくり味わうのも良いですが、ペロリと気軽に楽しんでも、あなたが買ったプラモはきっと喜んでくれますよ。機会があるたびにカムバックするプラモにはそれだけの魅力と余裕が詰まっていると思います。それでは。
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November 26, 2025 at 1:00 PM
【レビュー】模型の海を漂流して見つけた小さなタグボートのプラモデル/アオシマ 1:200 シュミット・ネダーランド #キットレビュー #軍艦・船 #nippper #プラモデル
【レビュー】模型の海を漂流して見つけた小さなタグボートのプラモデル/アオシマ 1:200 シュミット・ネダーランド
 まだ残暑が厳しかった頃、気がついたら小さな模型店の棚の間をクラゲのように漂流していたのはあるいは照りつける太陽から逃げ込んだ先がそこだったからなのでしょうか。かすかにホコリ臭いエアコンの風を首に感じつつ、恐竜や宇宙船やモンスターなどが雑多に配されている「なんとも分類しがたいキット」が集められた名前のないコーナーに漂着します。そこの棚で外の暑さを忘れさせる、涼しげな海風のようなボックスアートが目に入ったのが今回紹介するアオシマ 1/200 シュミット・ネダーランドです。  不勉強ながら私はこのボートのことを全然知りませんでした。解説文によれば大型帆船支援用のタグボートだそうで、なるほど小さめの船体に不釣り合いに大きなスクリューやデッキ中央に牽引用ウインチが備えられていますね。でもこれを選んだのは箱絵に惹かれたから、という理由だけではありません。パッケージングからきっと「いい塩梅」なキットだろうという予感がしたからです。  帰宅して箱を開けるとスライド金型で一体成型された船体とかっちり成形されたパーツがお出迎えします。二枠のランナーにはスクリュー・錨・浮き輪・救命ボートといった船特有の艤装が細かくモールドされ、各パーツはシャープですが細かすぎるというわけではなく精密感と組やすさが両立したものでした。  全体としてスケール相応サイズ相応に適度にデフォルメされ、非常に「いい塩梅」で組み立てながら予感の正しさを噛み締めます。そのため組み立てもスムーズにできますが、唯一マストに直交するヤードの部品だけは接着が大変で手が三本必要だったのでバイスで保持しながら作業しました。  最後に船体を囲むようにタイヤを貼り付け、完成してみると大ぶりなスクリューとふくれた河豚のような丸みを帯びた船体のコントラストはコミカルなキャラクター性を強調しつつも操舵室後方のディテールと突き出たマストがシルエットを引き締めます。サイズも全長15cmと手ごろなものながらギュッと縮めた凝縮感に満足です。  それにしてもよくこんなモチーフをキット化したな……と調べてみたら、これはもともと1984年にイマイから発売されたキットだと知り、アオシマ製じゃなかったのかということと、そんなに古かったのかということに驚きます。とはいえこれを立体化したイマイと、その金型を引き取り今もこうやって流通させているアオシマの気概に感謝です。 模型の海を漂流した先で出会えた小さなタグボート、いい塩梅なのでみなさまもぜひ味わってください。
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November 26, 2025 at 11:01 AM
【レビュー】18歳の僕が憧れた「Y33シーマ」。アオシマのプラモであの頃のVIPな夢を叶える夜。 #キットレビュー #自動車 #nippper #プラモデル
【レビュー】18歳の僕が憧れた「Y33シーマ」。アオシマのプラモであの頃のVIPな夢を叶える夜。
 僕が免許取り立ての頃、地元ではセダンをド派手にカスタムする「VIPカー」が全盛期でした。そしてその頂点に君臨していた憧れの存在こそが、日産「Y33 シーマ」だったのです。  当時の18歳の僕にとって33シーマは高嶺の花でした。結局少し安く手に入ったY32セドリックを必死に維持して乗っていたのは、今となっては甘酸っぱい青春の思い出です。時は流れ、今では家族のために快適なミニバンしか乗らなくなった僕。でも心の奥底にある「あの頃の熱」は消えていませんでした。そんな僕が模型店で再会したのが、アオシマの「1/24 アンクエルション Y33 シーマ '96」です。  アンクエルションのフルエアロをまとい、Blitzのホイールを履かせたベタベタの車高。箱絵を見た瞬間、18歳の頃の興奮が蘇りました。「これだ、俺が乗りたかったのはこれなんだ!」と。興奮を抑えきれずに早速無塗装でパチパチと組んでいきます。  まず感動するのが足回りです。ガッツリとローダウンされたサスペンションに、キャンバー角をつけ、引っ張りタイヤを履いたメッキのBlitzホイールをはめ込む。この「悪そうな(褒め言葉です!)」角度!たまりません。  そしてボディの工作がまた楽しい!このキット、ノーマルのボディパーツの上から、ハーフタイプのエアロパーツを貼り付けていく構成になっています。これがまるで、実車のシーマに両面テープとビスでエアロを取り付けているような感覚!  「よーし、カッコよくしてやるぞ」と、本物のクルマをいじっているような気分に浸れます。後期タイプのグリルもキリッとしていて最高です。  あっという間に組み上がった33シーマ。塗装なんてしていませんが、成型色のままでも最高にカッコイイ! あの日、憧れ続けて手に入らなかったクルマが、今、僕の机の上にあります。ミニバンに乗る今の僕も幸せですが、プラモの中だけで「あの頃のヤンチャな自分」に戻る時間は何物にも代えがたい贅沢です。さてこの憧れのボディ、何色に塗って仕上げましょうか。黒で威圧感を出すか、パールホワイトで上品にキメるか……。皆さんもぜひこの高揚感を楽しんでください!
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November 25, 2025 at 1:01 PM
組んで楽しい、塗って楽しい/ハセガワクリエイターワークス「ハーピィ(ノーマ機)」と過ごす時間 #キットレビュー #ロボット・アニメメカ #SFメカ #nippper #プラモデル
組んで楽しい、塗って楽しい/ハセガワクリエイターワークス「ハーピィ(ノーマ機)」と過ごす時間
 わたしはプラモのジャケ買いをよくする。今回買ったのはハセガワのハーピィ(ノーマ機)。アニメ「クラッシャージョウ」に登場する戦闘機らしい。  以前ハセガワのスケールモデルを組んだ時に、その合わせの難しさには苦労した。さて、今回はどうか。いざ組み立ててみると、思わず「ナンダコレ?」と声が出た。とにかく組みやすい。まず接着剤が要らない(!)。そもそもプラモデルって、こんなにパチピタにはまっていくものだっけ? いや、パチピタというよりも、スコン!スコン!とハマっていく……と言った方が近い。これなら後先考えずに組み上げたあとでもデザインナイフでこじればパーツがパカッと開く。仮組みなんだか本組みなんだかわからないままに走ってしまう私のようなズボラモデラーにはありがたい。  箱からランナーを取り出し組み上げるまでのテンポが小気味いい。こうまで調子よく組めてしまうと、せっかくだから……と欲が出てくる。SF模型らしくメタリックに塗装してみたい。さっそく、タミヤのピュアーメタリックレッドを買ってきて全体に吹き付けた。アニメでは描き込みで表現されていた光の粒子が、プラモデルなら一瞬で手に入った。  さて、このハーピィには、じつに繊細なモールドが彫り込まれている。なんとかこれを目立たせてやりたい。スミ入れペン、リアルタッチマーカー……いろいろ試してみたがなかなかうまくいかない。最終的に、いちばん威力を発揮したのはフィルタリキッド(スミ入れや表面の味付けに使うGSIクレオスのシャバシャバ塗料)のスポットイエローだった。スミ入れの方法はシンプルにフィルタリキッドでモールドをなぞってゆくだけ。さっきとは逆に今度は光の粒子を描き込んでゆく発想だ。  さあ、ここまで来たならせっかくなのでデカールも貼ろう。スミ入れで浮かび上がったモールドは、デカールを貼る際の絶好の目印になる。説明書には小さなデカールをたくさん貼るよう指示があるが気にしない。マークソフターでひとつひとつ丁寧にくっつけてもいいし、面倒なら面相筆でさらさらっとそれっぽい模様を付け足してもいい。それだけで、わたしだけ/あなただけのハーピィができあがる。  このキットには、組み立てのイージーさが生む「もうひと手間掛けてもいいかな」と思わせる余裕と、組み立て以上に手間をかけることでオリジナルな作品にレベルアップしてゆく快感までが連続して存在している。カッコイイ宇宙戦闘機がスルスルと形になってゆく心地よさと、ひと手間ごとに出来栄えが洗練されてゆくレベルアップな感覚が同居する、ハセガワクリエイターワークスの本気を、ぜひいちど味わってほしい。
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November 25, 2025 at 11:00 AM
【レビュー】人砲一体の美学。「タミヤ ドイツ 5cm対戦車砲 Pak38」砲手たちの所作に迫る! #キットレビュー #フィギュア #戦車・軍用車両 #タミヤMM #nippper #プラモデル
【レビュー】人砲一体の美学。「タミヤ ドイツ 5cm対戦車砲 Pak38」砲手たちの所作に迫る!
 第2次大戦情景の代名詞たる対戦車砲。数々のジオラマ作品で名脇役となり、時にはテーマそのものにもなっている臨場感溢れるモチーフですよね。その最新形として、発表から瞬時にファンの心を射抜いたタミヤの“ドイツ 5cm対戦車砲 Pak38”。フランスのソミュール戦車博物館での綿密な取材を基に作り上げられた精密な再現とパーツ設計など、まさにタミヤ流の完成度の高さでした。そして、対戦車砲に欠かせない要素と言えば、そう!砲手たちです!今回の所作は如何に!さっそく照準を合わせてみましょう。  近年のタミヤフィギュアの特徴でもある有機的な分割に惹き付けられるランナー。軍装の各所に走るシワにも見入ってしまいます。展開状態の対戦車砲を運用する砲手たちなので、全員しゃがんだ姿勢の構成。こうしたポージングの際に生じる屈折部など、シワの自然さに毎回驚かされます。  立ち姿に対して膝立ちといった姿勢は、違和感なく表現するのが難しいとされてきましたが、表徴のシワだけでなくしっかりと布地の下にある形も垣間見える造形。タミヤフィギュアは吸い付くような組み味、と言わしめる分割面も見どころです。  まずは目標指示を出す指揮官。頭部も妥協なく造形されているので、双眼鏡の接眼目当てがしっかりと眼窩にフィットします。ヘルメットで隠れてしまう耳までこの精密さです。  スケールに合わせて適切に調整されたシワやモールドの深さに落ちる影。1/35スケールなのに、これより大きいサイズの造形をする際の参考にもできてしまうのです(現代のテクノロジーで作られたドイツ兵士1/16版、待ってます!)  タミヤフィギュアで臨場感のある表情をもった名俳優は数多いですが、Pak38照準主は2025年の助演賞ノミネート間違い無しの演技です。照準眼鏡を覗く絞られた目に、目標に砲口をいち早く合わせようとする緊張感が口元にも現れています。しかも歯のモールドまであるのです。  さらに注目ポイントは左脚付け根部分の形。Pak38の照準眼鏡は砲左側に配置されているので、ボックスアートでも描かれているように砲の脚を跨ぎ、これに腰掛けるような姿勢になりながら照準操作をしていきます。この砲の脚にぴったりとフィットするように脚の付け根部分が形作られていることで、文字通り「人砲一体」の情景がキットだけでも成立してしまうのです。  素早く次弾を込めるべく待機する装填手。抱えられている対戦車砲弾は、絶妙なテーパーで先端に向かい直径が絞られていく薬莢形状も見事に再現されています。砲弾の両端を把持する手だけでなく、その重量を両膝でも受け止めた重さを感じられる所作の妙も素晴らしいです。  見事な両膝立ちの造形。膝の屈折部は布地の量が溜まって谷形のシワが深く入りますが、シワ表現の按配でより難しい臀部から膝へと繋がっていくラインが、とても美しくモデリングされています。ブーツの布地との材質の違いが絶妙に作り分けられているのもポイントです。  装填手の2人目は砲弾ケースを支えた姿勢です。対戦車砲弾が最大4発収納できるケースは重さが10数キロ以上となるはずなので、両膝とケース本体の3点でこれを支えて連続射撃に備えています。キットでは蓋の開閉が選択できるケースを4つ組むことができると共に、1発を取り出した状態のパーツも付属。複数の空薬莢と合わせて情景模型の先駆者たるタミヤらしい心配りで嬉しいですよね。  今回のPak38砲手たちにも、タミヤらしい硬質な精密さだけではないスケールモデルの楽しさが凝縮されていました。皆さんもぜひ、精密ながらも組み易いPak38と共に、所作に溢れた砲手俳優たちを組み立ててください。 「巨大生物に照準!弾種徹甲!!急速射!!!」
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November 24, 2025 at 12:00 PM
【レビュー】こちらを見ているプラモデル/PLAMAXデカラビア #キットレビュー #ヒーロー・怪獣・モンスター #nippper #プラモデル
【レビュー】こちらを見ているプラモデル/PLAMAXデカラビア
 女神転生シリーズから「モスマン&デカラビア」がマックスファクトリーによって悪魔合体プラモデルセットになったというのだから、デビルゲット(即購入)するほかありませんでした。特にデカラビアは悪魔的スピードで完成する最高のキットです。ゲームのポリゴンより解像度が高い。生デカラビアです。しかもフル可動(目玉が)。上品なシンプルデザインの堕天使はインテリアに最適。さりげなく怪しい雰囲気を演出してくれます。マジで怪しい。  ここまで美しい構成のプラモデルにはなかなかお目にかかれません。全6パーツ!説明書1ページ!颯爽と吹き抜ける秋風です。オレンジ&ブルー、ホワイト&クリアパーツの対称性も芸術的で、ボディは発色抜群。妙にナマモノっぽいテカテカした光沢があります。 ▲5本の山の頂点が面取りしてあってオシャレ。  女神転生シリーズのメインデザイナーである悪魔絵師・金子一馬のキャラクターは多種多様なモチーフからサンプリング、カットアップ的にキャラクターを構築するものの最終的な出力はどうしてもアンニュイでスタイリッシュな雰囲気を纏ってしまうのが魅力ですが、本作デカラビアの表裏もそれを堪能できる絶妙なラインをよく拾っています。簡単なカタチのようですごく微妙なカーブを描いており、うまく立体化したなという印象です。  白目パーツ、虹彩のシール、クリアパーツで複層的に組み立てる目玉パーツはギョッとするほどキマっています。とても簡単な仕組みで目玉がグリグリ動くのも楽しいです。デカ過ぎる5点のダボ穴とピンがバッチリ噛み合い、ボディの表裏がスキマなくハマって完成です。 目の周りはエッジがビシッと立っており目ぢからバツグン。黒いまつ毛はシールになっておりますが、キレイに貼るにはピンセット必須です。なかなかムズかしくて何度か貼り直しました。下まつ毛は凸のディテールになっているので、筆塗りチャレンジもイイですね。  撮影してみるとクリアパーツの目玉にハイライトが大きく写って、イラストよりもCGよりも、怪しげなデカラビアが現れました。デスクに置けば部屋の風景を、外に持っていけば空の景色が目玉に写り込み、様々な表情のデカラビアと対面する事ができるでしょう。デカラビアを覗く時、デカラビアもまたこちらを覗いているのです。
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November 24, 2025 at 11:00 AM
アストラギウス銀河はプラモデルのランナーで繋がっている!他社商品も気軽にアップデートできるPLAMAXのおもてなし。 #キットレビュー #ロボット・アニメメカ #ボトムズ #nippper #プラモデル
アストラギウス銀河はプラモデルのランナーで繋がっている!他社商品も気軽にアップデートできるPLAMAXのおもてなし。
 マックスファクトリーの「PLAMAX 1/24ラビドリードッグ」、もしくは「PLAMAX 1/24ストライクドッグ」を買ってくると、他社である「ウェーブ 1/24スコープドッグ」もかっこよくできます。『装甲騎兵ボトムズ』の舞台であるアストラギウス銀河は、プラモデルのランナー(パーツが収まっている枠)で繋がっているんだなぁ〜と感じるのです。  それがこちら。ランナーのタグのところに無数のリベットが彫刻されています。これはデザインナイフで削いで、お好みで使ってねというマックスファクトリーからのメッセージなのです。このリベットパーツが、ウェーブのスコープドッグにも大活躍します。  肩や上腕、その他の部分にも無数のリベットモールドがありますね。これをよりクッキリさせたい時や、ヤスリがけしていてリベットのモールドを削ってしまった時の再生などにすぐに活用できます。隣のメーカーから、最良のパーツをゲットしてカッコよくするのです。まさにさまざまなメーカーから発売されている奇跡のプラモコンテンツだからこそできる楽しみなのです。  上腕をヤスリがけしたら、リベットのモールドがグダグダになってしまったので、PLAMAX 1/24ラビドリードッグのランナータグから削いで接着しました。これでピシッと綺麗なリベットになりました。  リベットパーツは、単体の別売り改造パーツとしても販売されていますが、このようにキットにおまけでついてくるのはやっぱり嬉しいです。しかも違うメーカーのプラモデルのアップデートにも活用できる汎用性もあります。PLAMAXのランナータグはとっても役に立ちますので、そこだけカットして保存しておきましょう。きっとあなたの力になってくれますよ。それでは!
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November 23, 2025 at 1:00 PM
【レビュー】ヤスリをがっちりホールドしてプラモ作りを強力サポート!/ゴッドハンド パワーヤスリホルダー #工具 #nippper #プラモデル
【レビュー】ヤスリをがっちりホールドしてプラモ作りを強力サポート!/ゴッドハンド パワーヤスリホルダー
 「名称が与えられて初めて、それが実際に存在していることに人間は気づくものなのだ。 そうして、世界の新しい一部分が誕生してくる。」とニーチェが述べているように、名付けはとても重要です。例えば名前を与えられることで瞬間接着剤がパテになったように、エナメル塗料がスミ入れ塗料になったように。 ……というわけで本日買ったのはこちら。ゴッドハンドの「パワーヤスリホルダー」です。うーん、強そうないい名前。何に使う道具なのかひと目でわかっちゃう。  大事なことはそう、いわゆる逆作用ピンセット(握ると開くヤツ)ではないということです。いや、まあ逆作用ピンセットなんですけど、パワーヤスリホルダーなんです。名付けが大事なので。 用途としては、紙やすりを挟むのを主としているものです。紙やすりをがっちり挟んで使いやすくする、という。普通の逆作用ピンセットとの違いは、一目瞭然。厚さと短さですね。頭からお尻までかなり厚めに作る事で剛性を高めて、支点から作用点の距離を短くすることで力強く挟むようになっています。  どれくらいのパワーかはもう公式ホームページの写真が一番わかりやすいです。500gもばっちり掴んじゃう。おもしろそう、俺もやる。力が強いから何なのよといえば、その分がっちりつかんで動かないということです。  たぶん今までも逆作用ピンセットでスポンジやすりとか紙やすりを掴んだことのある人や普通のピンセットで握っていた人は私含め、多々いると思うんですよね。しかしこのパワーヤスリホルダーほど楽に、力強く保持してくれることはなかった。これほど力強く握ってくれるという事で、掴んだ紙やすりの動かなさに実に感動します。やすりはかける対象とやすり、双方のブレのなさが大事です。 せっかくなのでちょっと工作してみましょう。紙やすりを3mmくらいに細く切りまして、0.5mmのプラ板を2mmくらいに細く切って、垂直に瞬間接着剤で接着。硬化したら完成。  これはなにかと申し上げれば、細かいところを削りたいなと思ったときに、ちょちょっとデザインナイフで切ってパヤホ(略称)で掴んでやれば、細いところも気楽にやすり掛けができるという代物です。ぶっちゃけていえば以前より使われているつまようじやすり(つまようじの先っぽに紙やすりを接着した工具)の代替品を目指したものです。  自己満足ですがこれはなかなか便利。細かい底面のやすり掛けの時に使っていきましょう。 比較的ニッチな用途なので、直販限定で販路がちょっと限定されています。やすり掛けも各々流派があったり、そもそもやすり掛けそんなにしない人もいるでしょうし、万人におすすめとは言い難い。ただ紙やすりをよく使用する方。細かい部分も紙やすりで対応している方にはパヤホ、その名の通り、がっちり心をつかんでくれます。 >パワーヤスリホルダー 直販限定 GH-PS-YH ゴッドハンド 紙やすりグリップ
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November 23, 2025 at 11:00 AM
【レビュー】実は戦車よりもディテールの洪水を楽しめるのが大砲プラモの魅力です。最新キット「タミヤ 1/35 ドイツ 5cm対戦車砲 Pak38」  #キットレビュー #戦車・軍用車両 #タミヤMM #nippper #プラモデル
【レビュー】実は戦車よりもディテールの洪水を楽しめるのが大砲プラモの魅力です。最新キット「タミヤ 1/35 ドイツ 5cm対戦車砲 Pak38」 
 タミヤのミリタリーミニチュアシリーズ(以下MM)最新作として発売された「ドイツ 5cm対戦車砲 Pak38」。でっかい戦車と比べると少々地味に見える対戦車砲のプラモデルですが、MMの伝統的セットアップと最新キットのシャープさが同時に味わえるアイテムです。  戦車の主役っぽさと比べると、どうしてもサイドメニュー感の漂う対戦車砲のプラモ。しかし戦車模型といえばモーターで走るのが常識だった時代にシリーズが始まったMMでは、かなり初期からキット化されていた題材でもあります。砲兵のフィギュアとも絡めやすく、なにより戦車と違って走らなくても違和感のない対戦車砲は、「動かないミリタリープラモ」としてスタートしたMMの題材としてぴったりだったんですね。  実質バイクなんです。本当に。というのも、大砲のプラモはメカニカルな面白さがてんこ盛り。言ってしまえば「箱」である戦車は、表面のディテールに凝ってくれれば裏側については割とどうなっていてもOKな題材です(インテリア再現とかしない限りは)。しかし対戦車砲には表も裏もなく、大砲の横にはそれを稼働させるためのメカがびっしりくっついており、外観と動作がガッチリと噛み合っています。外側と内側がなく機構が剥き出しで動く機械という点でいえば、大砲のプラモはどちらかといえばバイクのプラモに近いところがあるのかもしれません。  というわけでランナーを見てみると、メカっぽくて細かいパーツが大量にくっついております。一目見て「あ、この部品はあそこのアレだな」となるようなわかりやすいパーツが少なく、完成形が読めないミステリアスさが大砲プラモの魅力ですね。砲弾の空薬莢には弾が飛んでいったあとの穴がちゃんと開いていたり、砲架のリベットがキレキレだったりと、細かく見ても見どころが多いです。  興味深いのが、Pak38の兄貴分と言える7.5㎝砲、いわゆるPak40のタミヤ製キットと共通点が見られる点。リング状のパーツを中央の車輪パーツに貼り付ける主輪の構造や、砲架の組み立てプロセスなどはなかなか近いところがあります。どちらも構造や形状がよく似た対戦車砲ゆえに設計が似てくるんでしょうが、タミヤの設計は50年前からシャープだったんだなあと思わされるものがあります。 ▲ギザギザした取り付け部分がぴったり噛み合う! ▲砲脚には「L」「R」のタグが! ▲タグは砲本体に砲脚を取り付けたあとで切り取れば混乱ナシ!  とはいえさすがに最新キット、ややこしい形状の対戦車砲をミスなく組み立てるための工夫が至る所に盛り込まれています。部品を取り付ける箇所にはスタンプのような刻印がモールドされており、言われた通りにパーツを取り付けることでかっちりと部品を取り付けることができます。パーツを接着するための軸も大きめに作られており、強度面にも配慮が。どっちがどっちだかわからなくなりそうな左右の砲脚には「L」「R」のタグがついており、細かい気遣いだなあ……と感心します。  ちっちゃくて緻密。これぞ大砲のプラモ! 後ろから見た時の情報量の多さもたまりません。  いかにもドイツ人的なアイテムがこの補助輪。砲脚を閉じたところにこれを取り付けて、3輪にして運ぶのです。完成してみれば、小ぶりなサイズにギッチギチにメカが詰まった大砲の姿が。ペラペラに薄く見える二重の砲盾のエッジがたまりません。また砲の仰角・俯角や左右旋回、砲脚の開閉など動かせる部分も多く、特に仰角・俯角の調整についてはクリック感のある構造になっています。このクリックによって、砲が重さに負けてヘタることなくシャキッとした角度をキープしてくれます。射撃姿勢に加え、牽引中の姿勢で組み立てることも可能ですので、組み立て途中にどちらか選択して組んでください。  思えばMMで大砲プラモが発売されるのは、1975年のPak40以来50年ぶり。「対戦車砲本体+砲兵のフィギュア」というMMの伝統的パッケージの堂々復活は素直にめでたい。3.7㎝砲、7.5㎝砲の間である5㎝砲の枠がビシッと埋まったのも気持ちのいいところ。往年のMMらしさと最新キットの精度が味わえる、温故で知新なナイスプラモと言えましょう。
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November 22, 2025 at 1:01 PM
【レビュー】ふむなふむなと翼が叫ぶ、日本語マーキングの面白さ/ハセガワ 1:72 MU-2A #キットレビュー #軍用機・旅客機 #nippper #プラモデル
【レビュー】ふむなふむなと翼が叫ぶ、日本語マーキングの面白さ/ハセガワ 1:72 MU-2A
 実機写真をボックスアートにしたハセガワのMU-2Aは「地味な飛行機」という言い方をしてしまえばわりとそうかもしれない。箱の写真だけでわかるごくごく短い脚と、ハシゴがなくても乗り降りできそうな低い位置にくる胴体、とってつけたような鼻先。実機の写真だと「本当にこんなのがいます」っていう現実の面白みを突きつけられる。  調べてみると半世紀以上前からある古いキットなのだけど、パーツにはメリハリが効いていて好印象。ピノキオの鼻先のように増設されたドップラーレーダーまで一体で左右に割られた胴体部品。表面のモールド処理はドアや車輪庫扉等の開閉するハッチはエッジを丸めた凹線、パネルラインやリベットは凸での表現。横に並んだ細かいアンテナの一部は一見、丸棒状に見えるけれど触ってみると翼断面のフィン形状になっているのがわかる。  翼もフラップ等の実際に大きく動く部分を今の飛行機プラモと変わらない動翼表現としての太めの凹線にしてほかのパネルラインは極細の凸線での処理。古さの象徴のように語られる凸線モールドもテロっとツヤのある質感とあいまって箱の写真で見た雰囲気そのままに部品になっているなという印象で悪くない。むしろ古さを感じるのはランナーのA/B/Cや部品番号といった表記箇所で、とにかく番号が見づらい。  部品の合いは時代なりで、大まかな外形はきれいに閉じる。問題は左右分割の胴体内に閉じるコックピットにのりしろが存在しないといっていい状態で、自分は前輪収納庫の裏の平面から適当なプラバンを伸ばして支持した。他に着陸脚の開閉扉ものりしろが不明瞭で説明書に書かれている以上の工夫を要求してくる箇所だった。  組み進めてみるとこの飛行機は表面に飛び出してくる膨らみや突起が多くて意外なほど武骨な印象。スライドドア上下のレールや張り出した観測窓、腹部に並んだ涙滴状膨らみ、直径1ミリにも満たない細さで部品化されたアンテナやピトー管。面白いところでは正面キャノピーにワイパーが彫刻されている。ランナー状態で見た時よりずっと「濃い味」に仕上がっていく。  着陸脚は最新キットのようなシャープさはないものの、リリース当時にはこのキットのセールスポイントだったんじゃないかと思う。左右の主脚はとにかく細い線の集合した形状で、扉からはみ出して前方のスリットに埋まるように収納される展開用のシリンダーにつないで3点支持になることで強度が出る。  胴体からちょこっと出る程度の短い脚なのだけど、開口部より大きなタイヤがついている。「なにそれ?」と思ったら、離陸して収納するときには後方のハッチが追加で開いてタイヤをしまえるくらい開口してから脚をしまってまた閉じる……という手順を踏む機構なのだ。組みあがってみると細かいアンテナ類からくる密度感もさることながらキャノピー/四角窓/ドーム状観測窓/尾灯と効果的に並んだクリヤーパーツが映える。  自分がこのキットを組んでみて一番面白かったのはデカールだな。自衛隊の飛行機だから「危険空気吸入口」ってインテークに貼ってあったりするのは戦闘機でも見たことあるんだけれどこの機体には「ふむな」ってひらがなのマーキングがある。それも結構たくさん。  ふむなふむなふむな…まるで呪文のよう。自衛隊でも戦闘機だと英語で「NO STEP」って表記されるのを見てるので不思議。他にもプロペラの回転平面を示す「プロペラ」って書かれた赤ラインがある。この赤線の延長上にプロペラが回転しているぞ!超危ないぞ!っていうのも組み立てた機体に貼るとプロペラとの位置関係も一目瞭然で説得力高い(怖い)。日本語マーキングの面白さを満喫できるよ。
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November 22, 2025 at 11:00 AM
プラモデルライフの充実に、陶器市では重い湯飲みを買おう。 #コラム #工具 #nippper #プラモデル
プラモデルライフの充実に、陶器市では重い湯飲みを買おう。
 大陶器市という催事があるらしいということを聞きつけて、日暮里舎人ライナーに載って舎人公園に向かった。見ないふりをしていた「足りない食器」を買ってやろうという算段と、量販店で買うよりも青空のもとでの買い物はムードがいいのではないかという気持ちの高まりが足を運んだ理由だ。  公園につくと開場して間もないのに結構人がいて、賑わいがある。テントが連なり区画で区切られたブースには全国各地の焼き物がずらっと並んでいるけど、地域ごとに分かれているというよりはそれを取り扱っている販売業者が連なっている感じ。なので波佐見焼、美濃焼、有田焼、備前焼がひとつのブースで混在しているところもあるし、さっき見たような皿がまた別の店にも存在するなんてこともある。 探していたのはどんぶりやコップ。この辺はいいものが見つかった気がする。これだけたくさんある中で自分が納得する食器を選ぶのは会場を歩き回った疲労感も含めて心地よかった。  ひと通り買った後は、人混みから一歩引いた距離で会場を眺めていた。ここにくるお客さんは一様に「かわいいかわいい」と言っていた。確かにカラフルで綺麗なものが多く、素朴なしつらえの会場の雰囲気から良い意味で裏切られた気が私もしていて、かわいいと思うものが多かった。ただ、そんな中で年配の夫婦が「これは丈夫そうだ」「お父さんの湯飲みはもうダメだもんね」と話をしているのが耳に入ったので、すっと近づいてみる。 そこには丈夫そうな湯飲みがゴロゴロとカゴに転がっていて、手に持ってみると、ずっしり重い。この安定性は筆立てにバッチリだと思い即購入。手触りもザラザラしていて滑りにくく、落とさなそうだ。  帰宅して早速ガラスの瓶から筆を移しかえてみると、瓶のツルツルしている触感に対して、いつか落とすんじゃないかと感じていたことを思い出した。急に聞こえた「丈夫そう」のおかげで私のプラモライフは更に充実したのだった。それに、なにより見た目が渋くてかっこいい。大量の陶器を見る機会があったら食器ではなくプラモ道具として使えるものはないか、探してみると良いと思う。舎人公園で開催されている大陶器市は最終日が11月24日(月)なので、行ける方はぜひ。
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November 21, 2025 at 11:00 AM
花金だ!仕事帰りに買うプラモ。戦車模型シリーズにいる素敵な車模型「タミヤ 1/35 ドイツ陸軍 3トン 4×2 カーゴトラック」 #キットレビュー #自動車 #戦車・軍用車両 #nippper #プラモデル
花金だ!仕事帰りに買うプラモ。戦車模型シリーズにいる素敵な車模型「タミヤ 1/35 ドイツ陸軍 3トン 4×2 カーゴトラック」
 週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週は「タミヤ 1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ No.291 ドイツ陸軍 3トン 4×2 カーゴトラック」をご紹介します。  デザインも最高に完成されていて、中型トラックのかっこよさが滲み出る本車両。第二次世界大戦のドイツ軍中型トラックとして約7万両も生産され、戦場のあちこちで活躍しました。ですので、単品で楽しむもよし、好きな戦車やフィギュアと自由に絡めて情景作りも楽しめちゃう頼もしいプラモデルです。  完成状態を見るとシンプルなのですが、足回りや、キャビン、荷台などをそれぞれ独立して組み立てていくので、細かなパーツもそれなりにあります。その分実車の構造を指で体感しながら組んでいける面白さがありますよ。  個人的にこのキットの組み立てで楽しいのが、足回り。1体成型のラバーフレームに各パーツをカチカチと取り付けていく工程と気持ちよさは最高です。  キャビンは各部のモールドをくっきりとさせるために、外装をパネルごとに分割。パズルを組み合わせるようにはめていくのが楽しいです。パーツ精度もバッチリなので、問題なく綺麗に仕上がりますよ。  荷台はラダーフレームに的確に接着できるように、大き目の糊代が用意されています。また、「ジェリカンや工具箱が荷台の下にあるんだと〜」ということも、プラモを作ったからこそ知ることができますね。  トラックですから、車両以外に荷物も豊富にセットされます。このジェリカンとドラム缶です。燃料ポンプもセットされます。荷台にたくさん積んでもいいですし、他の戦車模型などに載せても良いですね。トラックと大量のアクセサリーが付くお得感を味わってください。  4号戦車と並べても見劣りしないボリューム。単品でもかなり存在感ある仕上がりになりますよ。キットはジャーマングレーの他に、北アフリカ仕様のダークイエローの車両も楽しめるマーキングも入っています。また窓ガラスをマスキングできるシートも入っているので、塗装時のマスキングも快適に行えます。軍用に仕上げるもよし、好きな色に塗って好きな荷物を積んであなただけの旅に出るもよし。ぜひこの週末はトラック模型の荷台にあなただけの思いを詰め込んでください。それでは〜。
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November 21, 2025 at 3:00 AM
【レビュー】バブル期の「異常な手間」のプラモデル/ハセガワ 1:24 トヨタ ソアラ(Z20 後期型 3.0GT-Limited) #キットレビュー #自動車 #nippper #プラモデル
【レビュー】バブル期の「異常な手間」のプラモデル/ハセガワ 1:24 トヨタ ソアラ(Z20 後期型 3.0GT-Limited)
 箱からゴロンとボディが出てきて「もう半分できたようなもんだな」と思わせてくれるのが、カーモデル(とくに乗用車の模型)というジャンルのひとつの美点です。さらにマスキングの技法や高性能な塗料も豊富になり、モデリングにおける「攻略法」はいくらでも可視化されていて、いまはどんなクルマでも完成への道筋についてある程度イージーで確実な方法(あるいはキットの優しさを活かしたショートカットの方法)を考えられる時代。しかし、ハセガワ新作のZ20ソアラは攻略という概念をいっさい受け付けません。このクルマは、そもそものスタイリングもディテーリングも「手間の集合体」として成立しています。これは「世界にひとつ、日本にソアラ」を名乗るために、デザイン段階から製造工程のひとつひとつに執拗な作業量を盛り付けていた時代の産物についてのお話。  注目すべきは灯火類とモールのために用意された異常な量のクリアーパーツ。ヘッドライトはリフレクターの上に多層構造のレンズ、サイドモールは透明樹脂とその奥にある光の反射で成立する光学的な造形物、リアコンビは細長いストップランプとウインカーが車体のサイドにまで回り込み、それぞれクロームの帯で区切られています。要するに、1986年にデビューした2代目ソアラ(Z20型)の「光り物」は素材の層の積み重ねで実現されたものばかりなのです。 ハセガワはそれを実物に忠実に再現するため、寄木細工のようなパーツ構成を採用しました。パーツ数が少なけりゃ嬉しいというユーザーの怠惰にいっさいの忖度をせず、切って、塗って、貼って、また切って、さらに塗って貼るという工程をあえて課すことにしたのです。そしてZ20ソアラの完璧な模型を作るにおいてはその工程が正しく、それ以外のやり方ではアカンのだということを私たちに叩きつけてきます。  これまでZ20ソアラのプラモデルというのは要するに「はい、ソアラのカタチをゴロンと大きなパーツにしておいたので、あとはあなたの根性で塗り分けてください」という種類のものばかりでした。モールもライトも車体上下のツートンも気合のマスキングでどうにかするほかなく(しかもツートンになっていないと全然ソアラっぽくないのがまたヤバい!)、ソアラ特有の透過/反射を多用した質感は諦めるか、なんなら「模型がそうなっていないから」という理由でモデラーには知覚すらされていなかったのかもしれません。 すなわち、今回のハセガワの新金型がやっていることは単なる「ディテールの細密化/高解像度化」ではなく、光の反射、モールの段差、素材の層の重なり──つまりソアラというクルマが本来もっている多層構造を塗装でごまかさずに、プラスチックそのものの物性で成立させてしまうためのチャレンジ。つまり、ソアラのデザインの構造を最初からパーツにするという野心的な試みなのです。  セミグロスブラックとボディカラーを用意してざっくり塗り分けてバコバコバコーンと組めばハイ完成……とはいきません。この模型、はっきり言って面倒です。間違いなく面倒だし、組んでいる手はずっと細かい作業を要求され続けます。しかし面倒だというのは「難度が異様に高い」という悪口ではなく、単に工数がやたらと多いということに尽きます。バブル絶頂期の日本にあった「高級車かくあるべし」という価値観は、光の情報を複雑にするために、素材を重ね、段差を消し、別の素材をさらに上に乗せるといったハチャメチャな手間を許容していました。合理的かどうかはさておき、手間とコストをかけたぶんだけ説得力がある。そういう時代の「高級」がどういう思想で成立していたかを、このキットは強制的に理解させてくれるわけです。すなわち、「工数の多さ」こそがZ20ソアラが纏うスタイリングとディテーリングの本質なのであります。  そして驚かされるのが、これほど複雑なパーツ構成を、現代のCAD/CAM技術によって当たり前のように成立されていることです。Z20の外板は、プラモデルでの再現が難しい車体の不連続面を極力なくしたフラッシュサーフェスの先駆的な例。しかし本作はそれが破綻してしまわないよう塗料や接着剤の厚みや組み付けのわずかな歪みに耐えられるだけのクリアランスがパーツの寸法に反映されています。寸法的な正確さを徹底的に求めた「ゼロゼロのハメ合わせ」を求めるのではなく、実作時に起こりうることを想定した隙間と余白にあなたは何度も驚かされるはずです。スパスパ組めるからこそ気づきにくいものですが、これは相当高度なおもてなしです。  ここまで組んでいくと、だんだん気づき始めます。これは「Z20ソアラのプラモデル」ではなく、バブル時代の「高級車かくあるべし」という異常な設計思想をそのまま縮めて手に乗せる、あるいは自分もその製造者となって体感するキットなのだと。コストカットや生産合理性に背中を向けてひたむきに走っていた日本の自動車メーカーが、エッジ処理、素材選択、段差の低減、光の反射の演出、塗り分けといったあらゆる手段で「高級さ」を演出していた時代があって、これをハセガワの新キットが忠実に拾い上げ、当時の価値観そのものがパーツに化けていることが面白くなってくるわけです。  完成に至るまでの工数は少なくありません(上の写真だって完成してないしな!)。しかし、その手間の量こそが、ソアラというクルマの姿そのものなのです。21世紀のクルマの模型を作っているとなかなか出会わないような思想がここには凝縮され、存在しています。モデルアップされたのは3.0GT-リミテッドの後期型(1989年発売)のエアサス仕様ですが、模型を通じてその時代の空気に触れるという体験が本キットのコアだと言っていいでしょう。簡単気軽に誰でもリアルなソアラができるとは申しません。むしろ「バブル期のクルマの正しい模型」というものに実直に向き合うと、勢いここまで凝った作りになってしまうという狂おしい必然性がここにはあるのです。
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November 20, 2025 at 1:00 PM
【レビュー】人間の擬態を謳うメカ美少女。コトブキヤが届ける海外プラモ「RS-03 星花・リリィ MK3」を組み立てよう。 #キットレビュー #フィギュア #nippper #プラモデル
【レビュー】人間の擬態を謳うメカ美少女。コトブキヤが届ける海外プラモ「RS-03 星花・リリィ MK3」を組み立てよう。
 大きなパッケージにてんこもりのシャープなパーツ、エフェクトもキラキラのRS-03 星花・リリィ MK3。ガールズプラモのトップランナーであるコトブキヤが、海外製ガールズプラモとして輸入したアイテム。和模線✕核誠治造という中国のチームをライバルとして認め、これから切磋琢磨しようと見込んだガールズプラモとも言えます。 しかし面白いのはこのガールズプラモ、人間的な側面はこのキャラクターとしては"擬態"だそうで、パッケージ側面の各モードを解説した文章の翻訳にはなかなか恐ろしいことが書いてあります。 コトブキヤオンラインショップ RS-03 星花・リリィ MK3  HUMAN MIMICRYって……! だからこそ顔に3モードがあり、残りは仮面的なものになっているんですね。実際に組んでみるとパーツ同士がピッタリと合って、かなりレベルの高いスナップフィット式キットとなっています。パーツの組み合わせやスナップ位置も工夫がされていて、立体的に、色数多く仕上がるのは面白いですね。  腕部のボルトも色分けと接続の両方を実現するパーツ構成となっています。しかしこうすると小さなパーツを確実に取り付ける必要があります。そのため、ボルトパーツは太く持ちやすい棒状パーツと一緒に成型し、取り付け後にゲートカットするという方式が取られています。このような組み立ての配慮も各所で見られます。  目の部分もスポッと入って、プラスドライバーのような治具で調整します。上下左右、いい感じの位置を見つけて、かわいく、あるいはポーズに合わせて調整しましょう。  3つの頭部はモード違いで、マグネットで首の上から交換する方式になっています。首の可動部とは別にアタッチメントで、なおかつ磁石式なのは意外なところ。頭部を3つ組むのは大変ですが、組み上がったものを丸っとチェンジするだけなので、パーツ同士の接触を防いだりパーツをバラす際に可動部への負荷がかからないというメリットものあります。3つにするだけの理由はあるのです。  素体部分を立たせてみると、シルエットはガールズプラモですが腕や脚はほんとうにメカな直線的ラインで驚きのスタイル。いままで組んだガールズプラモはいちおう人としての姿があっただけに、キャラクター性が際立っています。このデザインもまた、人間としての擬態という表現のひとつなのでしょう。  そして武装などに入るとますます精度やパーツの組み合わせが進んでいきます。また武装パーツなどは、金の塗装済みパーツのランナーと、クリアーオレンジ成型のランナーがセットされており、お好みでパーツを選択して自分だけの組み合わせも楽しめます。  槍の色分けのためにギザギザしたパーツを積んでいくところ、白いパーツが重なっていくところ、よく考えたなあという感じ。  スカート部分などもそうなんですが、星花というだけあって花びらのようなモチーフが多くあるんです。  素体に装備をつけて、槍と盾を持ったスタイル。とてもデカい。しかし武装は落とさないように工夫が凝らされています。柄と手首が一体のパーツになっているのでふらふらしません。  ランチャーのグリップに至っては肘でも覆うように接続する一体型の手首を取り付けるので、銃もしっかり構えられます。  あまりにパーツ数が多く豪華なので、率直に言えば組み立てるのはなかなか大変です。アンダーゲートも多めです。しかし見たこともないスタイル、パーツ段階で表面が仕上がっていて組むだけで相当な豊かさ、精度としっかり動ける構造、なるほどこれは色のついた彫刻としてとても良いものです。激戦が続くガールズプラモ界のなかで、このキットを輸入したコトブキヤの目もさすがといえるでしょう……。ぜひこの星花・リリィ MK3の豪華さ、そしてその実力を楽しんでくださいね。  コトブキヤオンラインショップ RS-03 星花・リリィ MK3
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November 20, 2025 at 11:00 AM
【レビュー】美少女プラモのトップランナー・コトブキヤが日本に届ける海外ガールズプラモ「RS-03 星花・リリィ MK3」をオープンザボックス! #キットレビュー #フィギュア #nippper #プラモデル
【レビュー】美少女プラモのトップランナー・コトブキヤが日本に届ける海外ガールズプラモ「RS-03 星花・リリィ MK3」をオープンザボックス!
 ガールズプラモにありそうでない完全ロボット的四肢と美形の顔、そしてでっかい武器……。みんな好きな要素が強化されて、まさに華やかな内容……。なんとこのプラモデル「RS-03 星花・リリィ MK3」は、ガールズプラモのトップランナーであるコトブキヤが、中国の模型メーカーである核誠治造(かくせいじぞう)× 和模線(わもせん)のコラボ企画商品を国内で流通するというもの。トップランナーが認めた、海外のガールズプラモという分けです。  コトブキヤオンラインショップ RS-03 星花・リリィ MK3  すでに日本国内ではビッグな1ジャンルとしてその地歩を築いたガールズプラモデル。国内メーカーも各社が参戦し、かわいさやその世界観を競いつつ、切磋琢磨をつづけています。そして中国でも今、多数のメーカーがこの「ガールズプラモ」にも挑戦しています。先日の上海ワンフェスでも華やかな展示が各所で行われていました。  自分もいつかは海外製のガールズプラモに触れてみようと思っていたのですが、正直たくさんあってどうしたものかとなやんでいたところ。しかしこのキットはコトブキヤのマークが入っていて、ガールズプラモのトップランナーが直々に輸入担当をしているのです。ある種のお墨付きというか、ライバルを認めつつ助けている姿に、じゃあこれでいってみようと思ったのでした。  中身の前にパッケージがとてもでかい。抱えるようなサイズのガールズプラモはいくつかありましたが、同じぐらい主張してきます。  さらにパッケージのなかには背景になる屏風のようなインナーもあって、なかなか面白い試みをしています。 ようやくランナー(パーツが収まっている枠のこと)にたどり着きましたが、各ランナー上質に仕上がっています。箱を開けた瞬間目に飛び込んでくる「金のランナー」は塗装済みパーツで、綺麗な艶と金属粒子の輝きでピカピカ。非常にレベルの高い塗装済みパーツとなっています。黒は表面がしっとりとしたつや消しでシックな雰囲気になっています。  本キット、頭部を3つも作ります。その3つめの頭部、オーバーロードモードで使う火のようなエフェクトは曲線もさることながら表面のキラキラしたコートが施されていて、見る角度で色が変わってとても面白いです。  ディテールもかなりシャープで、指に食い込みそうなぐらいエッジが立っています。そう、このプラモデル、ガールズプラモのはずなのに曲線がほとんどないんです。まるでメカのようなボディラインなのですが、それには理由があります。その話は組み立て編でお届けしましょう。  ほぼ唯一やわらかい表現のパーツ、胸上部と顔のランナー。フェイス部分は目の部分が開いているほか、目の周りにすでに化粧的に色がついています。また無塗装で同じランナーが入っているので、自分で塗装したい人にも安心。  彼女の独特な機構は目が眼球状のパーツになっていて、裏から動かすことで目の方向をコントロールできるというところです。こういった機構は完成品などでいくつかあったことですが、この小顔サイズに納めてきたのはなかなかのことでしょう。ましてかわいく仕上げるのはなかなか大変ですから、このメーカーの実力がこの部分から見えてくると思います。組むのが楽しみになってきましたよ……!  大ボリュームのパーツ群に、日本国内メーカーの美少女プラモとは全く異なる雰囲気を詰め込んできた本キット。パーツを見ているだけでも、これまで日本国内のガールズプラモの文脈を参考にして同じようなプラモを送り出してきた他の中国模型メーカープラモとは異なったアイテムに仕上がっています。次回は実際組んで、その内容をご紹介していきます。お楽しみに!  コトブキヤオンラインショップ RS-03 星花・リリィ MK3
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November 19, 2025 at 1:00 PM
開ける、眺める、それだけでいい。/タミヤ ミリタリーミニチュアシリーズ No.121「 アメリカ陸軍 小火器セット」 #キットレビュー #戦車・軍用車両 #タミヤMM #nippper #プラモデル
開ける、眺める、それだけでいい。/タミヤ ミリタリーミニチュアシリーズ No.121「 アメリカ陸軍 小火器セット」
 「プラモデルはパーツを組み立てて完成するもの」というのが常識。メーカーとユーザーの共同作業によって完成するというのがプラモデルの面白いところですが、今回は買ってきて箱を開けた瞬間に「これは完成されてるわ」となった話をします。  そのキットはタミヤ ミリタリーミニチュアシリーズNo.121「アメリカ小火器セット」その名の通り第二次大戦中、アメリカ軍の歩兵が運用する兵器の詰め合わせとなっています。長い歴史を持つミリタリーミニチュアシリーズでは、多くの兵士が立体化され、多彩なシチュエーションに応じた装備をしていますが、さらに装備を追加してオリジナリティを出したり、情景の一部として使ったり……と、モデラーのアイデア次第で様々な活用ができる汎用性の高いキットとなっています。  正方形の薄い箱を開けると、説明書、同じ内容のランナー2枚そしてゴムチューブが出てきます。ランナーを見て、思わず「こんな色か!」と声が出てしまいました。深みのある金属調のグレーで成形されたパーツたちは、正方形のランナーに収まっている時点で美しい陰影と彫刻を堪能できる存在感を持っていました。限りあるスペースに無駄なくパーツが配置されている様にも、工業製品としての美しさを感じずにはいられません。表から裏から眺めてしまう魅力を持っています。  そして40年以上前の商品であっても安定のタミヤ品質。シャッキリしたディティールが刻み込まれています。他のキットでも見たことのあるライフルもバズーカも、いつものグリーンや茶系のカラーとは違う成型色によって、新鮮な印象で眺められます。 パッケージの全周囲(箱のベロにも!)には、緻密で迫力のあるイラストが描かれていますし、同封の説明書にはそれぞれ兵器の解説が丁寧に記載されていて、それらを読みながらランナーを眺めると、まるで立体の図鑑のように楽しむことができます。解説で実物を知り、模型としての造形を眺める。そんな贅沢な時間が手に入ります。  人や乗り物が入っていないため、お店で見かけても地味な印象を受けるキットだとは思いますが、買ってきたそのままを眺めるだけでも満足できる中身が詰まっています。「武器セットってどんなもんじゃろね」と軽い気持ちで手に取った一箱のおかげで、また視野が広がりました。プラモの世界は広大です。皆様もぜひお手に取って、その痺れる造形をじっくりと味わってください。
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November 19, 2025 at 11:00 AM
【レビュー】30年を経っても古びない「至高の造形」がプラモで蘇る!/海洋堂ARTPLA エヴァンゲリオン3体セット #キットレビュー #ロボット・アニメメカ #nippper #プラモデル
【レビュー】30年を経っても古びない「至高の造形」がプラモで蘇る!/海洋堂ARTPLA エヴァンゲリオン3体セット
 TVアニメ放送当時に発表され、「最高峰のエヴァ造形」と称された造形作家・佐藤“ロボ師”拓による至高のエヴァ造形がコンパクトなプラスチックモデルになって登場です。見た瞬間に脊髄を直撃する「うわ懐かしい!」という感覚はエヴァ各号機のフォルムとポーズと装備に起因していて、造形そのものは全然古びていないことがスゴい。30年前っすよ。ガンダムで言ったら2010年に1980年のガンダム造形を眺めるのと同じ距離がここにはある。そう考えると、このキットの持つほんとうの価値がわかってくるはずです。  初号機/弐号機/零号機・改を揃えた3体セットになっており、縦230mm×横190mmのランナー(パーツのくっついたワク)1枚から1体が完成するという設計。当時の原型は初号機で全高18cmくらいでしたが、それをおよそ半分の手のひらサイズに縮めながら造形をしっかり再現し、組み立てやすくリマスターしているのが本アイテムです。  踏まれたサキエルの胴体、プログレッシブナイフごと彫刻された握り手、固定ポーズ&接着式だからこその流麗なアウトラインがキレイに分割されて並べられてているその佇まいが組む前からとっても美味しい。本キットの開発マンはいつも「ランナーを見た瞬間にこれからどんなことが起こるのかイメージできるプラモデルにしたい!」と意気込んでいますが、このキットでもそれはちゃんと結実しているように思えます。イイね。  友達がこのパーツを眺めながら「まず青い零号機のプラモデルが貴重だし、携行型のポジトロンライフルはもっと貴重でしょ!」と盛り上がっていましたが、もしかすると初号機より弐号機より初号機より、この3体の時代感を代表しているポジトロンライフル装備の零号機・改そのものが大トロパーツと言っていいのかもしれません。  初号機は順当な分割だな〜と思いながら組みましたが、弐号機の前腕にあるヒレ状のパーツはプログレッシブナイフを握った拳とワンパーツになっており、腕側にあるスリットに差し込んで接着するとビシッと正しい角度と剛性が出るという設計でシビれます。エヴァのプラモって無数にあるけどまだこんな組み立て方が残っていたのか〜!という、将棋の新しい手を見るような感動があるよ。  零号機・改の右腕は拳と一体になったグリップと肩から出た突起がそれぞれポジトロンライフルの凹みにカチッとハマる設計になっていて、接着すると右腕とポジトロンライフルがひとつの剛体になります。もちろん塗装してから合体してもよろしいでしょうし、成形色のブルーをそのまま味わいたい人は組み立ての面白さを優先して一気に組んでしまっても良い。正直どっちのルートでも造形が素晴らしいので大満足できます。  組み立てにはニッパーとナイフを用意し、ワクから切ったところ(ゲート跡)をしっかりと処理してから流し込みタイプの接着剤で貼っていくことをオススメします。ゆっくり組んでも1体20分ほどで組み上がりますし、親の顔より見た汎用人型決戦兵器なので説明書がなくても全然イケます。  塗装したいしカタチも見たいしどうしよう〜という優柔不断な私ですが、四肢と頭部を合体せずにそれぞれを噛み合わせるだけでも一応自立はしてくれます。バラして塗って組んでまたバラして……を繰り返しながら、ちょっとずつオレの机を第三新東京市にしていけたら良いな、と思っている今日このごろ。発売は来年の2月予定。予約するならいま。1機ランチ1回ぶんのお値段。30年前に叩き出された「正解」とも言えるエヴァ造形がプラモデルで手に入るなんて、いい時代です。みなさんも、ぜひ。
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November 18, 2025 at 1:01 PM
【レビュー】“空飛ぶ樽”の魅力再発見/「ホビーボス 1/48 テュナン J-29B」 #キットレビュー #軍用機・旅客機 #nippper #プラモデル
【レビュー】“空飛ぶ樽”の魅力再発見/「ホビーボス 1/48 テュナン J-29B」
 第二次世界大戦後の世界はジェット戦闘機の開発に向かいます。米軍ではF-86セイバー、ソ連ではMiG-15とそれぞれに葉巻型の胴体に後退翼というスタイルを確立したのですが、このテュナン(トゥンナンとも呼ばれる)は……まるでお魚、タラのようなもったりしたカタチになりました。のちにドラケン、ビゲン、そしてグリペンと皆が知るつよデルタウイング戦闘機を生産したスウェーデンの偉大なる一歩、樽とあだ名されたジェット機のプラモデルを見てみましょう。  ホビーボスは陸海空それぞれにプラモデルを開発していて、ちょっと前ならガレージキットだったようなアイテムをチョイスしています。そう、ちょっとマニア心がくすぐられるアイテムが多い。名の知れた機体を発売していると思えば、マイナーなサブタイプだったりすることもあります。  塗装図を見るとそれがいきなり出てきます。見慣れない迷彩塗装、UNのマーキング……これはテュナンの実戦参加で、国連による派遣でコンゴへと向かった姿。アフリカの真ん中あたりにあるでっかい国、現在のコンゴ民主共和国ですね。  胴体を見ると樽という言葉がよくわかります。真っ二つに割られた胴体、シンプルな葉巻型第一世代ジェット戦闘機の姿がよくわかります。  翼のディテール、パネルラインと点々の彫刻がいい感じに並んでいます。塗装図では迷彩を紹介しましたが、パッケージのカラーでもある銀翼で仕上げたとき映えるディテールですね。  脚庫の壁には縦模様にディテールがあって、覗いたときに効いてくるようになっています。左にある前脚のパーツは自転車の泥除けみたいな部分までしっかりパーツ分けしたこだわりの分割。  J-29B"飛行酒樽"戦闘機……。まあそうなんだけど、という表記が面白い。  鮮やかな発色でスウェーデン空軍マークが印刷されたデカール。注意書きのほか国連旗のマークまであって、なかなか面白いシートになっています。  エンジン本体はないけれど、組み立て中にその存在をしっかり意識できます。エンジン筒の上に座って飛ばすパイロット。  機体下面にロケット弾を搭載して、対地攻撃モードもできます。機首下面のふくらみには20mm機関砲の発射口が4門あり、なかなかの攻撃力があることがわかります。  完成するとまさに葉巻型ジェット戦闘機というスタイル。上から見るとなかなかカッコ良い姿をしているんですよね。エンジンや翼のレイアウト、米ソのスタイルがまあ正解に近いとして、ちょっとずつ違うところにこの樽がいる。  尾翼関係が上に上がってちょっとずんぐりしたスタイルなんだけど、それが良い。この米ソと同じコンセプトだけどちょっとした違いが、スウェーデンジェットらしさなのかも……。  1/48という大きなサイズで気軽にこの独特の、私はちょっとかわいいとさえ思える、スウェーデンのジェット戦闘機を味わえるのはこのホビーボスのテュナンです。自分から「樽」と名付けるセンス(後継は竜、稲妻、グリフォンですよ……)、シンプルな構造、スウェーデンのジェットの歴史に残る1機を作ってくださいね。
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November 18, 2025 at 11:00 AM
【レビュー】タミヤで味わう、美しき猛獣「キングタイガー(ポルシェ砲塔)」 #キットレビュー #戦車・軍用車両 #タミヤMM #nippper #プラモデル
【レビュー】タミヤで味わう、美しき猛獣「キングタイガー(ポルシェ砲塔)」
 第二次世界大戦のドイツ軍を代表する重戦車「キングタイガー(タイガーII)」の、たった50両に搭載された「ポルシェ砲塔」。カウンターウェイトを兼ねて延長された後部による、伸びのあるシルエット……そして避弾経始に優れた美しい曲面を持つ砲塔と、迫力ある車体が魅せるマリアージュは、もっとも美しい重戦車という人もいるほど。そんなかっこよさを安心の組み立て精度で楽しませてくれるのが「タミヤ 1/35 ドイツ重戦車キングタイガー(ポルシェ砲塔)」です。  キングタイガーにはポルシェ砲塔の他に「ヘンシェル砲塔」と呼ばれるものがあります。この後者の砲塔がキングタイガーの標準砲塔になります。そう、今回ご紹介するポルシェ砲塔には欠点があったのです。  ポルシェ砲塔の形状は避弾経始には優れていましたが、曲面の多い砲塔は生産性が悪く量産に馴染まないという意見が生産部門から出されました。そしてもうひとつの大きな問題が「ショット・トラップ」です。これは被弾時に跳弾した砲弾が装甲の薄い車体上面や砲塔リングなどにあたり大きな損害を及ぼすというもの。その危険性から、すでに生産されていた50両分のみ使用。それ以外はヘンシェル社の砲塔が量産されるのです。  イギリスのボービントンにある「ザ・タンクミュージアム」には、現存する唯一の試作型の「キングタイガー(ポルシェ砲塔)」が展示されています。昨今復元プロジェクトが発表され、融資から寄付を募っています(記事最後に動画のリンクを貼っておきますので見てね)。これはヘンシェルが製造した3輌のプロトタイプのうちの2番目(試験用車台V2)で、1943年12月に完成しました。この車両は実戦部隊に配備されることはなく、ヘンシェル社内に留まり各種試験に使用されていました。  戦争末期にドイツ・ハウステンベックのヘンシェル試験場でイギリス軍により捕獲されます。現在も、ヘンシェルが排気圧試験用に取り付けた改造排気管が装着されたままと、なかなかに面白い特徴もあります。ツィメリットコーティングもされていないので、つるんとした表面となっていますね。  こちらが量産された(ポルシェ砲塔も50も作られているので量産といえば量産なのか……)ヘンシェル砲塔。ポルシェ砲塔よりも勇ましさが前に出ているイメージがあります。どちらもプラモデルで発売中なので、ぜひ作り比べしてみよう!  ポルシェ砲塔のキングタイガーの多くは「ツィメリットコーティング」(装甲表面に非磁性体のコーティングを施す事で磁石を用いた吸着を無効化するコーティング)が施されていました。キットにはコーティングが施されていないので、ポルシェ砲塔のキットを作るときは一緒に「1/35 ディテールアップパーツシリーズ No.49 ドイツ陸軍 キングタイガー ポルシェ砲塔 コーティングシートセット」も買っておくと、お手軽にコーティングを楽しめますよ。  こちらがコーティングシート。細かな凹凸がプリントされているシール状のシートをカットして貼るだけで、ツィメリットコーティングが楽しめます。粘着力も良く、今日タイガーIに貼ったシートも、まだ剥がれたり捲れたりしていません。  このキットの美点は、このシンプルさ。キングタイガーという見るからにボリューム満点そうなモチーフを、多くの人が週末2日程度で形にできるように設計されています。1993年発売のキットですが、古さも微塵も感じられません。  そしてランナーの中でポルシェ砲塔がほぼ完成しています。この美しさを塊で手にできる快感。最高です。  車体も上下1パーツずつなので、各面を箱組みするような組み立て工程はありません。すぐに足回りの製作に取り掛かれます。  履帯は接着可能な軟質性のベルト履帯。ぐるんと巻いて両端を接着剤で貼るだけで完成します。接着剤の乾燥時間を考慮して、一番最初に作っておくと良いでしょう。  細かなボルトのディテールがシャキシャキ。こういう小さなメリハリが、重戦車の迫力を後押ししてくれます。タミヤのボルトの彫刻、かっこいいですよ。  ティーガーIを凌駕する主砲「8.8 cm KwK 43 L/71」をしっかりと固定&可動させるために、ビス留めが採用されています。その分、砲尾のパーツなどは作らないので、スピーディーに砲身が完成しますよ。  ドイツ重戦車の箱根路とも言えるのが足回り。キングタイガーも多数の転輪を作ることになります。こればかりはしょうがないですので、好きな音楽や映画なんかをかけながらリラックスして作っていきましょう。  フィギュアは1体付属。コード類もモールドされていて、メリハリある彫刻が特徴的なフィギュアとなっています。  コーティングシートを貼りながらでおよそ6時間で完成しました! シートを貼らないで作ったらその半分で完成できるでしょう。カクカクとした傾斜装甲の車体に、湾曲した砲塔が搭載されるこのバランスがなんともかっこいいのです。  弱点があった砲塔ということで、なんだかネガティブな要素が付きまとう「キングタイガー ポルシェ砲塔」。でもそのシルエットは本当に美しく、重戦車の迫力の中に優雅な意匠を感じさせてくれます。実際にこの砲塔が搭載されたキングタイガーは、ノルマンディーに上陸してきた連合軍をいち早く迎え撃っています。そんなドラマもしっかりありますので、ぜひ作ってあなたのコレクションに加えて欲しいです。
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November 17, 2025 at 1:00 PM
【レビュー】ずっと見ていられるほど美しく刻まれたディテール/青島文化教材社 雪風のプラモデル #キットレビュー #軍艦・船 #nippper #プラモデル
【レビュー】ずっと見ていられるほど美しく刻まれたディテール/青島文化教材社 雪風のプラモデル
 「凄いものが作れるに違いない」 青島文化教材社の1/700雪風の甲板パーツに彫り込まれた鎖のディテールを見てそう思いました。鉛筆の先とほとんど同じ太さに、極小のけれども間違いなく鎖とわかるディテールが彫り込まれていたからです。  この甲板の先だけでみてもわかるように、この雪風は小さなパーツであってもさらに小さく繊細なディテールが、美しさを感じるほど規則正しく並んでいます。きっと組み上がった後は、歪みなく精密な小物を手にした時と同じ満足感を得られる、甲板のパーツを手に取ったときそんな直感がありました。  自分が初めて艦船模型を作るというのもあって、実際に組み立てる工程ではひとつ苦労がありました。指で挟んだら潰してしまいそうな小さくて繊細なパーツがたくさんあり、これまでで一番ピンセットが活躍しました。接着剤も、流し込む速乾の接着剤の登場以降、使う頻度が少なくなった昔ながらの粘度が高めの接着剤(タミヤの白蓋)が大活躍。パーツをピンセットでつまみ、蓋裏の刷毛からほんの少量の接着剤を移して接着する別のパーツに置く。パーツは小さいけれど、落ち着いて丁寧に作業すれば問題なくかたちになりました。  雪風は艦船の中でも比較的小さな駆逐艦という船なので、1/700の艦船プラモデルとしても小柄。全体の大きさがイメージできる甲板パーツを使って、その大きさを身近な物と比較すると、完成してもRollbahnの手帳ぐらいだとわかります。そんな持ち運びする手帳サイズのパーツへ、「なんですかこれは?」と思うようなこまかいパーツをひとつずつ接着していくと、徐々にディテールの密度が高い塊がうまれ、艦船のシルエットが出来上がっていくのが面白い。  折り紙を想像してもらうと分かりやすいように、同じ物を作るのでも小さく作るのは難しいものです。正確に手を動かすには練習が必要なのもあるけど、材料の厚みや形の正確さといった精度が低いと、作れるのにキレイな形にならないなんてこともある。だからこんなに小さく精密な物を誰でも作れるように製品化するって本当にすごいし、きれいにできると満足度が高いのです。  最初は塗装せずに成形色のまま仕上げても良いと思っていましたが、最近筆塗りが面白いのもあり目立つ所だけ塗ることに。もともとの出来が素晴らしいプラモデルだから、雰囲気を重視した部分塗装でも大満足です。
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November 17, 2025 at 11:00 AM
【インボックスレビュー】GTMの姿にまた一歩にじり寄る力作!/ボークス VSMS 1:100 ゲートシオンマーク3 >・#8220;破烈の人形>・#8221; #キットレビュー #ロボット・アニメメカ #nippper #プラモデル
【インボックスレビュー】GTMの姿にまた一歩にじり寄る力作!/ボークス VSMS 1:100 ゲートシオンマーク3 “破烈の人形”
■本記事はボークスより商品の提供を受けて作成しています(PR)  形状把握すら難しい上に、細身の体に見たこともない可動機構を仕込まなければいけない──GTMをインジェクションプラスチックキットで立体化するという行為自体がそもそも大チャレンジであるというのは、誰の目にも明らかです。ボークスがはじめてその領域に踏み込んだVSMS 第1弾「ダッカス・ザ・ブラックナイト」に続く2作目、VSMS 1/100 ゲートシオンマーク3 リッタージェット・破烈の人形 (ホークヘッド)がついに発売されます。後頭部に向けてシャープで伸びやかなシルエットを見せる「ホークヘッド仕様」はダッカスと対峙した騎体としてこれ以上ないアイテムチョイスです。    本作は頭部後方が上向きに突き出た「本編版頭部デザイン」と、と、下写真に示す「設定イラスト準拠の頭部デザイン」も選択できるパッケージングでの商品化。メタリックな粒子を僅かに混ぜ込んで透明感と輝きをうまく制御したクリアーブルーの外装は出色の質感です。多くのパーツでエッジ部分にやや幅の広いゲートが設けられているので、ニッパーでのカットはパーツからやや離れたところ、そこからナイフやヤスリを駆使してパーツ形状を損なわないように慎重に扱うことが求められます。そのかわり、光に透かしたときの色気は凄まじいもの。  キットは可動機構に使われるTPE製の関節パーツを除き、ほぼすべてが完全新規設計のパーツで構成されています。暗いメタリックグレーのフレームパーツはダッカスと同じく「見た目の複雑さとは裏腹にパーツ数はかなり抑制されている」という印象で、ひとつのパーツにぎっちりと細密なディテールを入れて密度感を上げつつ、最小限の手数で独特の可動ギミックをいかに表現するかに腐心した様子が見て取れます。  本キットは接着剤を使って組み立てる仕様です。ABS同士、あるいはABSとPS樹脂の接着にはボークスのフローセメントが最適。可動部を避けて繊細な接着が要求される部分もありますが、フローセメントの乾燥時間にはいくばくかの猶予があるので「パーツの接着面に置く」という使い方も、「パーツを合わせてから接合面に流し込む」という使い方もできます。  フローセメントが特に力を発揮するのは膝や肘の関節に見られるGTMの特徴的な機構、ツインスイング・オートドライブの組み立て。弓形になったフレーム同士を噛み合わせ、スライドと捻りによって可動を再現するので力がかかってもバラけないようしっかりと接着する必要があります。この部分は接着には少々気を使いますが、ダッカスよりも設計/成型の精度が高まっているように見え、組み立てやすさも保持力も文句無しのすばらしい造りになっています。  腹部の蛇腹構造は、ひと節ずつ前後左右にねじれる可動式パーツと、美しい立ち姿勢を保持するための固定式パーツの2種が付属しています。これはシリーズ前作のダッカスの内容を継承しており、「誰もが美しい立ち姿をカチッと手に入れられるルート」と「ポージングを楽しむルート」を選んで組み立てられるという思想は本作でも変わりません。蛇腹構造は固定/可動でまるまる2セット組み立てられますが、腹部前面のクリアーパーツで構成された外装は1セットしかないので要注意。  大胆に伸びる外装デザインと3本のスタビライザーのお陰で頭部の重心はかなり後ろにあります。私は今回固定式の腹部を選択してビシッとした立ちポーズを優先。それでも腕部の可動機構によってかなり豊かな表情付けができます。ご覧の通り上腕部外装がモノコック構造的になっているのを除けば、胴体と四肢はフレーム単体でも組み上げられますので塗装プランが練りやすいのも嬉しいポイント  要接着キットでありながら、各所の位置決め用嵌合(ハメ合わせ)は必要十分なピンとダボの組み合わせで設定されているため、接着剤を使わずとも頭部はきちんとカタチにできます。とくにこまかな彩色が映えるポイントなので全体のバランスを見ながら仮組みを繰り返せるのはもちろん、ふたつ用意された頭部形状を完成後も差し替えてディスプレイするのも難しくはありません。  ごく一般的な500mlのペットボトル(高さ約210mm)と比較してそのサイズ感をお伝えします。本アイテムは全高305mmとかなりの長身。しかし手首や足首のボリュームはかなり大きく、スラリとした骨格でありながら力強さを感じさせるシルエットが外装なしでも伝わってきます(そう、フレームだけでもここまで組み上げられるのです!)。  レジンキャストキットのHSGKで発売された1/100アスティルーテヘッド、1/72シープヘッド、1/72ホークヘッドの3種を通じ、GTMというメカに対する立体把握の解像度は確実に向上しています。さらにダッカスとは異なる外装の質感、関節可動機構の堅実なブラッシュアップによって、プラスチックキットとしての組みやすさ、遊びやすさも格段に向上していることがこの時点でも伝わる「破烈の人形」。さらに奥深く楽しみたいみなさんといっしょに、私もこのキットともうしばらく向き合っていこうと思います。それでは、また。  本商品は好評につき1次予約は終了(2025年11月22日(土)より順次、予約分お渡しのみ実施)。2次予約は11月24日(月・休)まで実施(12月6日(土)より順次、予約分お渡し)。在庫がある場合は12月6日(土)より販売開始となりますが、完売のおそれがあるため予約がおすすめです。  
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November 16, 2025 at 1:00 PM
【レビュー】プラモ箱のメッセージに幻惑されて/妖しくかわいい、PLAMAXモスマン #キットレビュー #ヒーロー・怪獣・モンスター #nippper #プラモデル
【レビュー】プラモ箱のメッセージに幻惑されて/妖しくかわいい、PLAMAXモスマン
 プラモデルの箱に思いがけない言葉が書かれていた。「お出かけにも連れていけるかわいいボリュームのモスマンとデカラビア……」青天の霹靂。プラモデルをお出かけに連れていってもいいのですか。借景の為、屋外撮影はやるけれど、「お出かけ」主体でプラモデルを持ち出すなんて考えた事も無かった。じゃあ早速、散歩に出かけよう。ご覧、これが自動販売機だよ。クリアパーツの目がギラリと光った。  女神転生シリーズから、まさかのモスマンとデカラビアがセットでプラモデル化です。多種多様なキャラクターがPLAMAXラインから飛び出してくるのでホントに凄い。今回はまずモスマンを仲魔にしました。コンゴトモヨロシク。  ホゲーっとした表情、毛のモワモワ感がかなりGOODです。特に素晴らしいのは触角の造形で、なんと毛先がしっかり割れている。しかもゲートが1か所で処理の必要がないところから生えているから仕上がりもバツグン。細いけれど弾力と剛性がそれなりにあって、触角を押すとビヨンビヨン跳ねる(やめた方がいい)ので簡単には折れなさそう。  羽根は立体的な造形で、お椀のように窪んでいます。特徴的な模様はシールで再現。切れ込みがかなり計算されたところに入っていて、羽根の先端から貼りはじめて押し込んでいくとハイパー綺麗に貼れます。模様の縁取りはしっかり彫刻されてあるので、筆塗りチャレンジもイケますね。  目のクリアパーツがレンズになっていて、シールの上に置くと瞳孔が不気味に開くのが最高です。キットの8割はスナップフィット的に組み立てでき嵌合の具合も良好ですが、華奢な足回りと顔パーツはプラモ用接着剤でチョンと接着してやる設計です。しかしこのクリアパーツの形状とギミックを優先した結果、取り付けには少々難アリです。クリアパーツ外側のノリシロが小さ過ぎるのです。接着剤をつけると白化したりはみ出したりで仕上がりに影響が出る(出た)ので、ひっつき虫などでノリシロのところを粘着して組み立てるのがオススメ。  パッケージに偽りなし。パカっと貼り合わせる単純明快な分割に癒される、ハイパーかわいいキットです。夜の散歩の帰り道、イイ感じに怪異が出そうなネットフェンスがあったのでパシャリ。
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November 16, 2025 at 12:00 PM
【レビュー】「動きのリアル」にとことん迫る、教材の域を超えた超次元自動車模型/エレキット レトロフォーミュラ #キットレビュー #自動車 #nippper #プラモデル
【レビュー】「動きのリアル」にとことん迫る、教材の域を超えた超次元自動車模型/エレキット レトロフォーミュラ
 なにはともあれ下の動画を見てほしい。V8エンジンのピストンが上下し、前進4速後進1速のトランスミッションがレバーひとつで作動し、ダブルウィッシュボーンで構成されたサスペンションが上下し、ハンドルを切ればタイヤが左右にステアリングするレトロなフォーミュラカーのプラスチックモデルでございます。それだけで「これ欲しい!買います!」となった人は下のリンクから購入を。もし「どういう内容なのよ」と思ったら続きを読みましょう。さあ、行きますよ。  エレキットといえば、理科教材的な組み立てキットをズビズバリリースしてきたブランドです。ただ組み立てるだけじゃなくて実際に動く機構を体感することで世の中の「しくみ」を知るためのモデルが多数ラインナップされておるわけですが、今回の「レトロフォーミュラ」は私のなかで本当に本当に傑作だったので皆さんに激オススメしたい。まず箱を開けた瞬間に飛び出すパーツの佇まいですよ。ブルーメタリックの外装と金銀のメカが収まる七枚のランナーに、軟質樹脂のタイヤ。見た目は完全に上質なプラモデル。そして教材として買い与えることを意識したお値打ち価格にブッたまげます。  組み立てにはニッパーとドライバーさえあればOK。パーツを丁寧に切って、所定の場所にハメ込むだけ。だから簡単、お手軽ですよオススメですよとは申しません。その「切ってハメるだけ」が恐ろしく緻密で愉快であるがゆえに、ニッパーを持つありとあらゆる人にとって感動的なのです。歯車、シャフト、クラッチ、デファレンシャル。どれも確実に作動する設計精度でしっかりと噛み合い、しかし組み立ての手ごたえがあまりにピーキーにならないよう徹底的に考え抜かれています。  透明のシリンダーブロックのなかで黄金のピストンがシャカシャカシャカ……って上下したり、プラスチック製のレバーでスチャスチャと変速機のギアが噛み合ったりするのが、眼の前で起こっていることなのに信じられないほどスムーズ。前世紀の電動ギミック入りプラモだったら「失敗も含めて楽しみ」みたいなところがあったんですけど、しかしこのキットは説明書さえちゃんと読めればピンセットにも頼らず、職人的な調整や接着技術を持ち出すこともなく、まず間違いなく動くんです。しかもだいぶ美しく……。  んでぶったまげるのが、キット全体233パーツのうち、「機構や構造の維持とは完全に無関係な、見た目だけのパーツ」は20個くらいしかないこと。それ以外はすべて、回ったり伸び縮みしたり支えたりと、自動車のエンジニアリングのモデル……すなわち「対象の構造や振る舞いを単純化することによって理解を助ける手段」を達成するための構成物になっているのです。  「左右の車輪が同じ速度で回転していると曲がるときに内側と外側で進む距離が違うからなんか調子よくないっしょ?」というところまではわかるけど、じゃあその速度差をどうやって吸収するんだよという命題を解決したデファレンシャルギアもちゃんと組み込んで実際に機能します。原理の説明をされても直感的には理解できいないかもしれませんが、組んで動かして「なるほど」があれば、それでいいんです。まずはデフギアという見た目に美しい機構があり、それが車軸の真ん中に鎮座するということに啓示を受けることが大事なのです。  この模型は動力系がモーター/トランスミッション/リアアクスルで完結しているので、実際にはエンジンがなくても走ります。しかしV8エンジンが動くところは人間誰しも見たいもの。トランスミッション前方に設けられたギアから強制的にクランクシャフトを回してシリンダーが上下する……という「見た目ギミック」ではあるものの、しかしこのクルマのデザインやコンセプトに直結する剥き出しの巨大なV8エンジンを組む工程は、パーツの色分けの手腕も相まって非常に美しく楽しいものがあります。  外装は目にも鮮やかなメタリックブルーで、タルボ・ラーゴやブガッティといった名門のクラシックなフォーミュラマシンをフワッと感じさせるのがまたニクい。プラスチックが冷え固まるときにできるビヨビヨした模様(ウエルドマーク)すらも美しく、可動機構に直接影響ない部分であればここを塗装することで「ただ組まされるだけの模型」を「自分だけのビルド」へと昇華させることもできましょう。っていうかシャーシやメカ部とのクリアランスやハメ合わせの位置さえ同じなら、まったく違うデザインのマシンも開発できるでしょうし、3Dプリンタの活用を前提に外装の基本的な設計データをオープンソースにするのもいいのではないでしょうかなどという老婆心も思わず出てきてしまいます。  大きさをお伝えするために1/24スケールのポルシェと並べて写真を1枚。もちろん実在するレーシングカーの模型ではないし、中に収まるメカの寸法ゆえにフォーミュラカーとしてはきわめてずんぐりむっくりなボディではあるのですが、それをわかったうえで模型的にビルドしたくなる、やる気にさせるルックを与えるというのはタダゴトじゃありません。  プラモデルのほとんどが実物の"カタチ"をスケールダウンしたものとして考えられているのとは違って、実物の"機能"をそのままパーツの形状にし、組み合わせていくうちに「自動車が意のままに操れるのはなぜか」という問いに答えるカタマリが出来上がり、いつのまにか(あたりまえなんだけど!)自動車のカタチになっていく。このキットはビスやオイルや高度な電子部品を使わず、純粋なプラスチックのハメ合わせだけでクルマのエンジニアリングの入口に立てるのです。  このキットはただ機構をモデル化してブサイクな自動車状の「教具」が手に入るのではなく、ちゃんと「鑑賞できる立体物」としてアウトライン、ディテール、色彩設計が施されていることが最大の特徴です。エレキットブランドで発売されている組み立てモデルはどれもデザインの足腰が強いのですが、親しみやすさを付与するために動物や昆虫の形態に「学ぶべき機能」を合体させたものが多いのも事実。しかしこれはあくまでも「自動車の機能を自動車のカタチで伝えようとしている」という意味で、(当然のように思えるかもしれませんが)ブランドの中でも際立つ存在となっているのがおもしろいポイントです。  エンジンまで詳細に再現されたビッグスケールプラモデルとも、実際にショックアブソーバーが伸び縮みするRCモデルとも違う、エレキットならではの自動車模型。レトロな外観でありながら、ここにはプラスチック製組み立てモデルの設計/製造技術とデザインの高度な融合によって他にはない「最先端の景色」が広がっています。秋の夜長に楽しみたい芳醇な模型体験を、ぜひあなたも受け取ってください。
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November 16, 2025 at 11:00 AM
静岡の冬に輝くツインスター/まだ間に合うよ。タミヤフェアに行こう!

 静岡に冬の訪れを告げるものといえばそう、シャボテン公園のカピバラ露天風呂とタミヤフェアです。静岡ホビーショーと同じく、静岡ツインメッセの北館南館で行われる規模のイベントですが、あまりに最高だったので少しばかり空気だけでもご紹介。…
静岡の冬に輝くツインスター/まだ間に合うよ。タミヤフェアに行こう!
 静岡に冬の訪れを告げるものといえばそう、シャボテン公園のカピバラ露天風呂とタミヤフェアです。静岡ホビーショーと同じく、静岡ツインメッセの北館南館で行われる規模のイベントですが、あまりに最高だったので少しばかり空気だけでもご紹介。  あなたのタミヤはどこから?とは使い古された言葉でしょうが、さらにあなたのタミヤは今どこ?と言う言葉もまたあっても良いかもしれません。30年近く前の一般的な模型少年だった僕のタミヤは父が夜な夜な作っている零戦からでした。その後、ミニ四駆を経て、ガンプラの時の工具や塗料、楽しい工作シリーズでソラえもん号を辿り、RCカーをクリスマスにもらったりもして、今のタミヤはスケールモデルが多いと言ったところでしょうか。これを例えば妻氏に聞いてみれば、ゴールデンボンバーの人が着てる服のメーカーで、スイーツデコの材料売ってるところ、となるでしょう。この十人十色感こそタミヤの懐の深さといえるでしょう。  そこで、タミヤフェアです。タミヤフェアには何がある?おおよそタミヤの全てがあります。スケールモデルがある、ミニ四駆がある、塗料や工具が試したりも出来る、ラジコンがある、RCの戦車もある、アパレルも買える、楽しい工作シリーズも楽しめる、スイーツデコまで作れちゃう。  RCの戦車の試合、見たことあります?各々が拘って作ったであろう戦車がドカンドカンいいながら撃ち合うんですよ。建物の陰から前後に動いて狙ったり、一気呵成に攻めたり。それからミニ四駆のレース、今のマシンすごいですね。めっちゃ速いしめっちゃ飛ぶ。なんであんなに安定してるの?  楽しい工作シリーズ、ローリングロボット工作セット、まとまって動くとめっちゃ可愛い。こんなふうに、うっすら知ってるタミヤのあれこれをたっぷりと味わえる空間です。個人的にはね、無理は承知で言うとオフロードのRCのレースも見たいんですけどね。さて、更に今回は故田宮俊作氏の軌跡を辿る「田宮模型の仕事展」、これが開催されています。  素晴らしい。本当に素晴らしいとしか言えない展示でした。「田宮模型の仕事」という本について、ここで触れることはしませんが、タミヤという会社を作り上げた氏の数々のエピソード。それに関連する展示。あのエピソードに出てくるあの模型。あのエピソードのあの金型。あのエピソードのあのポルシェ。  氏の歩んできた道を追体験するような展示の最後を飾るのは、ホンダのF1、RA272。つい先週、メキシコGPで角田選手が実走させた11号車。その背景に誇らしげに飾られるタミヤ1/20 RA272の組立図。模型と実物の境界が曖昧になるようなその展示は、多くの戦車や飛行機を私たちの手に本物として授けてくれた俊作氏への想いが伝わってくるようでした。  とてもいい気分になりました。俊作氏が生み出してくれたミニ四駆、作っていきましょうかね!
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November 15, 2025 at 1:01 PM