ゆべ
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30↑ものかき◆3L雑多◆SaGa/FF/JOJO/吸死/mgbk/ツェレ/OP◆CP&左右完全固定派◆F/Bご自由に◆CoC/マダミス◆🐯❤️‍🔥にお熱◆実シ兄🎮wkbn🎸品行ඞ最推し🦅 ◆作品倉庫・他SNS一覧→ https://lit.link/yubetuee ◆生態(やなものなど)→ https://profcard.info/u/1magKbvAowfEOluRuA3rHEUTM783
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ローコラ/雄弁

ロくん誕生日おめでとう🎉🎉🎉なおはなし🐯❤️‍🔥

おまえって、案外、わかりやすいんだから。
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or AI learning is prohibited. 
無断使用・無断転載・AI学習禁止



 ずっと、あんたがほしい、と、言えなかった。
 葡萄酒の瓶もほとんど空いてしまうほどにグラスを傾けた彼が、上機嫌で煙草をふかしている。こちらに気を遣ってか、秋も深まるこの季節に窓を開け、ふう、と外に煙を吐いては気が済んだのか火を消した彼は、いやあ、わるいわるい、とその長い脚で祝いの名残が並ぶ食卓へと戻ってきた。
「おまえの誕生日が祝えるなんて、こんなうれしいことはねえよなァ」
「何回同じこと言うんだよ」
「えェ? そんなに言ってたか?」
「もう五回は言ってる」
 隣でグラスに残る赤紫を飲み干してはとぼける彼に指摘すれば、まあそれだけうれしいんだよ、と強引に片づけるその頬が赤い。彼が用意してくれていた小ぶりのホールケーキは、肴にするには甘ったるかったというのに、いまやこちらも大方なくなりかけているのは、おれが知らず知らず、この腹の底の懸想をすっかり埋めてしまおうとしていたからに違いなかった。
(……もう、充分すぎるくらい、もらっただろ)
 いのちも、こころも。あり得ざる再会を経てからは涙も、笑顔も、そして日々をともに過ごす時間だってもらっている。今日だってそうだ、同居をはじめて最初の誕生日だからと、軽い火傷を負いながらもこしらえてくれた夕飯も、ケーキも、あまつさえ上等な襟巻きのプレゼントだってもらったのだ。無論おれも数ヶ月前の彼の誕生日には相当に張り切った記憶こそあるが、こうしてふたり隣り合っては、純粋にこの身の生を繰り返し寿いでくれる彼には、どうしたとて到底報いきれている気がしない。
 それだから、いつからかこの胸の奥でくすぶりだし ていた劣情など、ぶつけられるはずもなかったのだ。これ以上、やさしい彼のこころを食いつぶすわけにはいかなかった。ほしいものは奪い取る、そんな海賊の尺度を彼に適用しようとするほど、彼の意志を無下にできたのならこんな懊悩には苛まれていない。
 やわらかくほどけた彼の横顔を見つめる。酒精にやや汗ばんではいるものの、グラスにボトルの中身をすっかり注いでしまう彼は生気に満ちていて、またも煉瓦色を含むそのくちびるはかすかに葡萄に染まっている。生傷こそ絶えないが仄白い首元にはさっと赤みが差し、しっかと上下する喉仏に、その食道を流れ落ちていく酒を幻視したおれは、途端におぼつかなくなりかけた手で自分のグラスを掴んでは同じ酒を煽った。
 ふ、と、笑みのこぼれる音に、隣を振り返る。
「なあ、ロー」
 両肘を机に置き、背を丸めてはこちらを向く彼が、目を細めるとともにそのささやかな金のまつ毛をゆるやかにふるわせて、この顔を覗き込むようにぐっと身を乗り出してくる。濃くなる煙草のにおいと埋まる距離に、強く叩き上げられる心臓を悟られまいと、なけなしの唾を飲み下して、逸らすのも惜しい対のピジョン・ブラッドに素直に吸い込まれる。
 一瞬、その狭い虹彩が、揺らいだように見えた。
(……なんだ?)
「……もう、ほしいものはねえのか?」
 かすかによどむような、ためらうような気配は、しかし、弧を描き直したくちびるに紡がれたことばがかき消していく。これほど懸命に祝ってもらったというのに、ほしいものなど、いったいなにがあるというのか。ねえよ、むしろ、もらいすぎたくらいだ。そう、彼の心遣いを賛美すれば、ああ、そうか、と、彼はおかしそうに破顔してくれるはずだったのだ。
 彼はなにも言わなかった。ほぼないにも等しい眉をかすかに下げ、どこかこまったように、いちどだけ机 に視線を落とした彼は、それでも口角を幾度も上げ直しながら、至近のこの目をじっと見つめた。
「……ほんとうに?」
 かすれた、低い声に滲むそれが、ああ、どうして、おそれであるような気がしたのだろう。煙に混じる彼のにおいが、いまにもそのぬくもりに触れてたしかめたくなってしまうあたたかなにおいが、鼻腔を通っては喉をからからに干からびさせていく。ロー。彼の、ふわりと癖に膨らんだ白金の前髪が、この額をかすめる。よく通った高い鼻梁が、わびしげな上目が、おれだけを捉えている。
(──知ってるのか?)
 まさか。期待と動揺がたちまち全身を駆け巡った。もとより浅くしか繰り返せなかった呼吸が、ろくに酸素を取り込むことすらままならなくなる。まさか、どうして。なぜ、いつから、どう思って。次々に浮かび上がっては散らばっていく疑問は、しかし、いまにも触れてしまいそうな彼のかんばせの近さに、かき集めることもできず吹き飛んでいく。おれの目はきっと、おもしろいほどに泳いでしまったのだろう。まるで祈るように固唾を飲んでこの返答を待っていた彼は、時が来たとばかりにわずかに身じろいだ。
「……いいのか」
 弾け飛びそうな心の腑を、抑えつけて、ほとんど上澄みだけの声を絞り出す。たったそれだけの、まるですがるような、泣きごとめいたことばだけで、彼は、ようやっと息を取り戻したかのように、緊張を走らせていたまなじりをゆるめるのだ。わらう彼の吐息が肌に触れる。しようがなさそうなまなざしが、しかしとろけてしまいそうな幸をまとって、いたずらに細められる。
 そこに映るのは、はじめからおれだけであったのだと、そう悟ったのは、このときのことであった。
「なんのことか、言ってくれなきゃあ──」 気づけば、ことばを欲しがる彼のくちびるを塞いでいた。これほど近づいていたというのに、肩を浮かせては豆鉄砲を食らったかのように目を白黒させた彼の、その頬へと手を滑らせる。
 ずっと、胸の奥に押しこめていた渇望に、陽が当たる。
「あんたが、ほしい」
 コラさん。手のひらで包んだ頬は、信じられないほどの熱を持っていた。じゅ、順序が、ちげえだろ。せっかくことばを差し出したというのに、はく、はく、と、重ねたばかりのくちびるを開閉させた末に飛び出してきたのはそんな台詞で、おまけに飛んでくるあまい睥睨にも、おれは、いちどきに訪れた安堵に、頬を崩してしまわずにはいられないのだ。
 ああ、コラさん。いいか。心臓が望むまま、熱すぎる頬を指で撫ぜる。
「……聞かなくたって、わかるって」
 おまえって、案外、わかりやすいんだから。負け惜しみのような、降参といったような声でおかしそうにわらった彼は、つんと尖った鼻先をこの鼻筋に擦りつけて、そのおおきな口唇でやさしいくちづけをくれた。

雄弁

2025.10.06
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‪あの場所時空越えてるから……転生ローコラのコさんは本編ロくんの反応が、再会したときの転ロくんとほとんど同じだったことと、なつかしい潮の香りがしたのであの世界のロくんだとすぐわかったからこそ細かいことは言わないでおいたけど、また必ず会えるからなと最後に希望をあげたかったのだと良い‬
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ローコラで〇番出口パロやるなら、本編軸ロくんが迷い込んでコさんがいたから断腸の思いで戻ったのに異変じゃなくて、コートもない妙に軽装なそのコさんの存在を信じも疑いもできないまま、ようやく出られるというときに、じゃあな、「来世で待ってる」とやさしく頬を撫でられてすべてを悟るやつ見たい
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あした買うものメモ:でかい包装袋、ヴァミマのおさつばたーダッツ
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秋はメンタルを崩しやすい季節だしそれを自覚すれば季節のせいならしようがないなとぼちぼちこころもちが楽になるものですが、なんとな〜くじんわりとだけ煙草も酒も量が増えていたローコラのコさんがロくんに小言を言われて珍しくぶすくれた途端、すこしの溜息のあと急にぐいと抱き寄せられて「同じ憂さ晴らしならこっちのがいいだろ」なんて背も頭も抱きしめられるので、そこでやっと鬱憤が溜まってたことに気がつくコさん なにかあったのか、なんて静かに聞いてくるロくんの手厚さに思わずわらって「なんか、ぜんぶふっとんじまった」とかうれしそうに頬を寄せるかわいいコさんのローコラ
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ローコラのコさんは話し声を拾うためにもよく猫背になっていて肩とか凝りやすそうなので見兼ねたロくんにベッドにうつ伏せにさせられて全身マッサージしてもらってそうだけど、どんなに吐息を漏らしても施術と割り切っているロくんは手を出してこないけど終わって振り返ってその目を見て「……もしかして『おあずけ』してちまってた?」なんてにやっとコさんがわらった瞬間に飛び込んでくるとかいうそんなローコラもね いいよね
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ローコラまとめよるあげ🐯❤️‍🔥 失声症のはなし地味にお気に入り
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ロくんは左、コさんは右という強い意志
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ローコラのコさん、二日酔いでなければ基本は朝に強くロくんより早く起きてそうだけど、明日休みだからと遅くまで睦みあった翌朝は気だるそうに目も開かなさそうに半身を起こしたら髪が跳ね放題になってて、先に起きてたロくんはそれもいとおしくて「もうすこし寝るか」とかあまやかしたくなってほしい
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部屋の整理をこのところやっていたがそろそろカタがつきそうなのとちゃんとろーこら祭壇が完成しそうな気配
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こんなもん(彼シャツならぬ彼パ……)「これぞ彼シャツならぬ彼パーカーだな!!!!!」(唾が気管に入る)ってなるやんかわいいほんとにかわいい🥹💖
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ローコラのロくんって超がつくほどいわゆる後方彼氏ヅラが似合いすぎるんだけどそれって常々コさんへの愛をクールにだだ漏れさせているのもそうだしコさんがドジながらも有能であることもそうだしなんならコさんがロくんにすきなように愛させてその張り切りぶりをいとおしんでいるのもあるので年下年上
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ローコラのロくん、コさんが皿を割ったらさっと寄ってきて怒るでも冷ややかに見るでもなく怪我はないか聞くし怪我してたら皿の始末より前に手当をする愛の熱量を持ってるので、ドジっ子なコさんはよく呆れやうんざりした目に晒されていただろうからまったくコさんは、と言われてもじんわりうれしいと良
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すけべなろーこらの書きかけがあるんだけどよもつへぐいの話もさっと書きたいしムムン 風呂
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ローコラ/雄弁

ロくん誕生日おめでとう🎉🎉🎉なおはなし🐯❤️‍🔥

おまえって、案外、わかりやすいんだから。
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無断使用・無断転載・AI学習禁止



 ずっと、あんたがほしい、と、言えなかった。
 葡萄酒の瓶もほとんど空いてしまうほどにグラスを傾けた彼が、上機嫌で煙草をふかしている。こちらに気を遣ってか、秋も深まるこの季節に窓を開け、ふう、と外に煙を吐いては気が済んだのか火を消した彼は、いやあ、わるいわるい、とその長い脚で祝いの名残が並ぶ食卓へと戻ってきた。
「おまえの誕生日が祝えるなんて、こんなうれしいことはねえよなァ」
「何回同じこと言うんだよ」
「えェ? そんなに言ってたか?」
「もう五回は言ってる」
 隣でグラスに残る赤紫を飲み干してはとぼける彼に指摘すれば、まあそれだけうれしいんだよ、と強引に片づけるその頬が赤い。彼が用意してくれていた小ぶりのホールケーキは、肴にするには甘ったるかったというのに、いまやこちらも大方なくなりかけているのは、おれが知らず知らず、この腹の底の懸想をすっかり埋めてしまおうとしていたからに違いなかった。
(……もう、充分すぎるくらい、もらっただろ)
 いのちも、こころも。あり得ざる再会を経てからは涙も、笑顔も、そして日々をともに過ごす時間だってもらっている。今日だってそうだ、同居をはじめて最初の誕生日だからと、軽い火傷を負いながらもこしらえてくれた夕飯も、ケーキも、あまつさえ上等な襟巻きのプレゼントだってもらったのだ。無論おれも数ヶ月前の彼の誕生日には相当に張り切った記憶こそあるが、こうしてふたり隣り合っては、純粋にこの身の生を繰り返し寿いでくれる彼には、どうしたとて到底報いきれている気がしない。
 それだから、いつからかこの胸の奥でくすぶりだし ていた劣情など、ぶつけられるはずもなかったのだ。これ以上、やさしい彼のこころを食いつぶすわけにはいかなかった。ほしいものは奪い取る、そんな海賊の尺度を彼に適用しようとするほど、彼の意志を無下にできたのならこんな懊悩には苛まれていない。
 やわらかくほどけた彼の横顔を見つめる。酒精にやや汗ばんではいるものの、グラスにボトルの中身をすっかり注いでしまう彼は生気に満ちていて、またも煉瓦色を含むそのくちびるはかすかに葡萄に染まっている。生傷こそ絶えないが仄白い首元にはさっと赤みが差し、しっかと上下する喉仏に、その食道を流れ落ちていく酒を幻視したおれは、途端におぼつかなくなりかけた手で自分のグラスを掴んでは同じ酒を煽った。
 ふ、と、笑みのこぼれる音に、隣を振り返る。
「なあ、ロー」
 両肘を机に置き、背を丸めてはこちらを向く彼が、目を細めるとともにそのささやかな金のまつ毛をゆるやかにふるわせて、この顔を覗き込むようにぐっと身を乗り出してくる。濃くなる煙草のにおいと埋まる距離に、強く叩き上げられる心臓を悟られまいと、なけなしの唾を飲み下して、逸らすのも惜しい対のピジョン・ブラッドに素直に吸い込まれる。
 一瞬、その狭い虹彩が、揺らいだように見えた。
(……なんだ?)
「……もう、ほしいものはねえのか?」
 かすかによどむような、ためらうような気配は、しかし、弧を描き直したくちびるに紡がれたことばがかき消していく。これほど懸命に祝ってもらったというのに、ほしいものなど、いったいなにがあるというのか。ねえよ、むしろ、もらいすぎたくらいだ。そう、彼の心遣いを賛美すれば、ああ、そうか、と、彼はおかしそうに破顔してくれるはずだったのだ。
 彼はなにも言わなかった。ほぼないにも等しい眉をかすかに下げ、どこかこまったように、いちどだけ机 に視線を落とした彼は、それでも口角を幾度も上げ直しながら、至近のこの目をじっと見つめた。
「……ほんとうに?」
 かすれた、低い声に滲むそれが、ああ、どうして、おそれであるような気がしたのだろう。煙に混じる彼のにおいが、いまにもそのぬくもりに触れてたしかめたくなってしまうあたたかなにおいが、鼻腔を通っては喉をからからに干からびさせていく。ロー。彼の、ふわりと癖に膨らんだ白金の前髪が、この額をかすめる。よく通った高い鼻梁が、わびしげな上目が、おれだけを捉えている。
(──知ってるのか?)
 まさか。期待と動揺がたちまち全身を駆け巡った。もとより浅くしか繰り返せなかった呼吸が、ろくに酸素を取り込むことすらままならなくなる。まさか、どうして。なぜ、いつから、どう思って。次々に浮かび上がっては散らばっていく疑問は、しかし、いまにも触れてしまいそうな彼のかんばせの近さに、かき集めることもできず吹き飛んでいく。おれの目はきっと、おもしろいほどに泳いでしまったのだろう。まるで祈るように固唾を飲んでこの返答を待っていた彼は、時が来たとばかりにわずかに身じろいだ。
「……いいのか」
 弾け飛びそうな心の腑を、抑えつけて、ほとんど上澄みだけの声を絞り出す。たったそれだけの、まるですがるような、泣きごとめいたことばだけで、彼は、ようやっと息を取り戻したかのように、緊張を走らせていたまなじりをゆるめるのだ。わらう彼の吐息が肌に触れる。しようがなさそうなまなざしが、しかしとろけてしまいそうな幸をまとって、いたずらに細められる。
 そこに映るのは、はじめからおれだけであったのだと、そう悟ったのは、このときのことであった。
「なんのことか、言ってくれなきゃあ──」 気づけば、ことばを欲しがる彼のくちびるを塞いでいた。これほど近づいていたというのに、肩を浮かせては豆鉄砲を食らったかのように目を白黒させた彼の、その頬へと手を滑らせる。
 ずっと、胸の奥に押しこめていた渇望に、陽が当たる。
「あんたが、ほしい」
 コラさん。手のひらで包んだ頬は、信じられないほどの熱を持っていた。じゅ、順序が、ちげえだろ。せっかくことばを差し出したというのに、はく、はく、と、重ねたばかりのくちびるを開閉させた末に飛び出してきたのはそんな台詞で、おまけに飛んでくるあまい睥睨にも、おれは、いちどきに訪れた安堵に、頬を崩してしまわずにはいられないのだ。
 ああ、コラさん。いいか。心臓が望むまま、熱すぎる頬を指で撫ぜる。
「……聞かなくたって、わかるって」
 おまえって、案外、わかりやすいんだから。負け惜しみのような、降参といったような声でおかしそうにわらった彼は、つんと尖った鼻先をこの鼻筋に擦りつけて、そのおおきな口唇でやさしいくちづけをくれた。

雄弁

2025.10.06
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ローコラよるあげ🐯❤️‍🔥そもそもこの歳(39)で一緒に住む時点で劣情有る無し関わらずほかのだれかなんざもうあるわけねえし腹括ってるしおまえの視線は丸わかりだし🐧🦈🐻‍❄️も露骨だしだからって半信半疑には変わりねえから緊張しすぎて祝いの席なのに酒浴びて煙草吸わずにはいられなかったコさんであった
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ローコラ/雄弁

ロくん誕生日おめでとう🎉🎉🎉なおはなし🐯❤️‍🔥

おまえって、案外、わかりやすいんだから。
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 ずっと、あんたがほしい、と、言えなかった。
 葡萄酒の瓶もほとんど空いてしまうほどにグラスを傾けた彼が、上機嫌で煙草をふかしている。こちらに気を遣ってか、秋も深まるこの季節に窓を開け、ふう、と外に煙を吐いては気が済んだのか火を消した彼は、いやあ、わるいわるい、とその長い脚で祝いの名残が並ぶ食卓へと戻ってきた。
「おまえの誕生日が祝えるなんて、こんなうれしいことはねえよなァ」
「何回同じこと言うんだよ」
「えェ? そんなに言ってたか?」
「もう五回は言ってる」
 隣でグラスに残る赤紫を飲み干してはとぼける彼に指摘すれば、まあそれだけうれしいんだよ、と強引に片づけるその頬が赤い。彼が用意してくれていた小ぶりのホールケーキは、肴にするには甘ったるかったというのに、いまやこちらも大方なくなりかけているのは、おれが知らず知らず、この腹の底の懸想をすっかり埋めてしまおうとしていたからに違いなかった。
(……もう、充分すぎるくらい、もらっただろ)
 いのちも、こころも。あり得ざる再会を経てからは涙も、笑顔も、そして日々をともに過ごす時間だってもらっている。今日だってそうだ、同居をはじめて最初の誕生日だからと、軽い火傷を負いながらもこしらえてくれた夕飯も、ケーキも、あまつさえ上等な襟巻きのプレゼントだってもらったのだ。無論おれも数ヶ月前の彼の誕生日には相当に張り切った記憶こそあるが、こうしてふたり隣り合っては、純粋にこの身の生を繰り返し寿いでくれる彼には、どうしたとて到底報いきれている気がしない。
 それだから、いつからかこの胸の奥でくすぶりだし ていた劣情など、ぶつけられるはずもなかったのだ。これ以上、やさしい彼のこころを食いつぶすわけにはいかなかった。ほしいものは奪い取る、そんな海賊の尺度を彼に適用しようとするほど、彼の意志を無下にできたのならこんな懊悩には苛まれていない。
 やわらかくほどけた彼の横顔を見つめる。酒精にやや汗ばんではいるものの、グラスにボトルの中身をすっかり注いでしまう彼は生気に満ちていて、またも煉瓦色を含むそのくちびるはかすかに葡萄に染まっている。生傷こそ絶えないが仄白い首元にはさっと赤みが差し、しっかと上下する喉仏に、その食道を流れ落ちていく酒を幻視したおれは、途端におぼつかなくなりかけた手で自分のグラスを掴んでは同じ酒を煽った。
 ふ、と、笑みのこぼれる音に、隣を振り返る。
「なあ、ロー」
 両肘を机に置き、背を丸めてはこちらを向く彼が、目を細めるとともにそのささやかな金のまつ毛をゆるやかにふるわせて、この顔を覗き込むようにぐっと身を乗り出してくる。濃くなる煙草のにおいと埋まる距離に、強く叩き上げられる心臓を悟られまいと、なけなしの唾を飲み下して、逸らすのも惜しい対のピジョン・ブラッドに素直に吸い込まれる。
 一瞬、その狭い虹彩が、揺らいだように見えた。
(……なんだ?)
「……もう、ほしいものはねえのか?」
 かすかによどむような、ためらうような気配は、しかし、弧を描き直したくちびるに紡がれたことばがかき消していく。これほど懸命に祝ってもらったというのに、ほしいものなど、いったいなにがあるというのか。ねえよ、むしろ、もらいすぎたくらいだ。そう、彼の心遣いを賛美すれば、ああ、そうか、と、彼はおかしそうに破顔してくれるはずだったのだ。
 彼はなにも言わなかった。ほぼないにも等しい眉をかすかに下げ、どこかこまったように、いちどだけ机 に視線を落とした彼は、それでも口角を幾度も上げ直しながら、至近のこの目をじっと見つめた。
「……ほんとうに?」
 かすれた、低い声に滲むそれが、ああ、どうして、おそれであるような気がしたのだろう。煙に混じる彼のにおいが、いまにもそのぬくもりに触れてたしかめたくなってしまうあたたかなにおいが、鼻腔を通っては喉をからからに干からびさせていく。ロー。彼の、ふわりと癖に膨らんだ白金の前髪が、この額をかすめる。よく通った高い鼻梁が、わびしげな上目が、おれだけを捉えている。
(──知ってるのか?)
 まさか。期待と動揺がたちまち全身を駆け巡った。もとより浅くしか繰り返せなかった呼吸が、ろくに酸素を取り込むことすらままならなくなる。まさか、どうして。なぜ、いつから、どう思って。次々に浮かび上がっては散らばっていく疑問は、しかし、いまにも触れてしまいそうな彼のかんばせの近さに、かき集めることもできず吹き飛んでいく。おれの目はきっと、おもしろいほどに泳いでしまったのだろう。まるで祈るように固唾を飲んでこの返答を待っていた彼は、時が来たとばかりにわずかに身じろいだ。
「……いいのか」
 弾け飛びそうな心の腑を、抑えつけて、ほとんど上澄みだけの声を絞り出す。たったそれだけの、まるですがるような、泣きごとめいたことばだけで、彼は、ようやっと息を取り戻したかのように、緊張を走らせていたまなじりをゆるめるのだ。わらう彼の吐息が肌に触れる。しようがなさそうなまなざしが、しかしとろけてしまいそうな幸をまとって、いたずらに細められる。
 そこに映るのは、はじめからおれだけであったのだと、そう悟ったのは、このときのことであった。
「なんのことか、言ってくれなきゃあ──」 気づけば、ことばを欲しがる彼のくちびるを塞いでいた。これほど近づいていたというのに、肩を浮かせては豆鉄砲を食らったかのように目を白黒させた彼の、その頬へと手を滑らせる。
 ずっと、胸の奥に押しこめていた渇望に、陽が当たる。
「あんたが、ほしい」
 コラさん。手のひらで包んだ頬は、信じられないほどの熱を持っていた。じゅ、順序が、ちげえだろ。せっかくことばを差し出したというのに、はく、はく、と、重ねたばかりのくちびるを開閉させた末に飛び出してきたのはそんな台詞で、おまけに飛んでくるあまい睥睨にも、おれは、いちどきに訪れた安堵に、頬を崩してしまわずにはいられないのだ。
 ああ、コラさん。いいか。心臓が望むまま、熱すぎる頬を指で撫ぜる。
「……聞かなくたって、わかるって」
 おまえって、案外、わかりやすいんだから。負け惜しみのような、降参といったような声でおかしそうにわらった彼は、つんと尖った鼻先をこの鼻筋に擦りつけて、そのおおきな口唇でやさしいくちづけをくれた。

雄弁

2025.10.06
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フェスティバルだァ!!!!!🐯❤️‍🔥✨✨✨✨✨
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ローコラlog⑤ | づむ #pixiv pixiv.net/artworks/13587…
1年分溜まってた🐯❤️‍🔥を一生懸命まとめました
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ローコラで先日書いたやつに近いけどある程度教養があるコさんが美丈夫(贔屓目)に成長したロくんに口説かれ続けて悩んでるのを、ある日職場でいい加減いいだろとつつかれてワッと顔を覆うと「光源氏と同類になりたくねえンだよォ」「ああ……」「どっちかってェとあんたが藤壺だろ」と妙に話が湧く回
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ローコラのロくん、いとしのコさんに静かにめろめろゲージを溜め、キャパが超えたあたりで真剣に深刻な顔で「……あんたをだれにも見せたくなくなった」とその両頬を包んだらふはっと破顔されていかにもいとおしそうにキスしてくるコさんのそのゆるんだ頬にも撃ち抜かれるので存分にひとりじめする回
ひとしきり堪能したが魅力的すぎるコさんを邪な目に晒したくないし離したくない(意訳)とぽつぽつごねるロくんに贔屓目すぎるとあきれつつ「……箱にでもしまっちまうか?」と複雑そうに笑むコさんだけど「いや、一緒に隠れよう」今度は。とまっすぐ返されて、……ウン、と胸がいっぱいになるローコラ
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やっている 花京院もだしアバのURもたのしみにしている
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ぬい活のポーチが無印で半額だったから買って来てじいさんを詰めたけどじいさん苦しそう
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