妖怪のせいで思った事がすぐ口に出てしまうみずきさん。
倅を見て……「可愛い。自慢のうちの子」
父を見て……「可愛い。(以下お見せできない言葉たち)」
「倅や、なぜ父の耳を塞ぐのじゃ?」
「父さん、聞いちゃ駄目です」
妖怪のせいで思った事がすぐ口に出てしまうみずきさん。
倅を見て……「可愛い。自慢のうちの子」
父を見て……「可愛い。(以下お見せできない言葉たち)」
「倅や、なぜ父の耳を塞ぐのじゃ?」
「父さん、聞いちゃ駄目です」
冬の寒さが身にしみる。
一人だと特に、だ。
俺はこたつに入って寝転がったままぼうっと天井を見上げる。あ、あのシミの形雲みたい……なんて言ってみても、独り言を拾ってくれるげげろもきたろも、いない。
何でだ、何でお前達はいないんだ。俺がこんなに寂しいのに。何で出て行った!
……まぁ、何言っても後の祭りだが。
あー、もう俺だめだ……。
「ただいま、みじゅー!」
「ただいま、遅くなってすまぬのう」
帰ってきた!
妖怪のあれこれで留守にしていた二人が帰ってきた!
「おかえり、げげろ!きたろ!」
俺は玄関にかけていって二人を抱きしめた。
俺、お前達がいないとだめなんだよ、だから置いて行くな!
冬の寒さが身にしみる。
一人だと特に、だ。
俺はこたつに入って寝転がったままぼうっと天井を見上げる。あ、あのシミの形雲みたい……なんて言ってみても、独り言を拾ってくれるげげろもきたろも、いない。
何でだ、何でお前達はいないんだ。俺がこんなに寂しいのに。何で出て行った!
……まぁ、何言っても後の祭りだが。
あー、もう俺だめだ……。
「ただいま、みじゅー!」
「ただいま、遅くなってすまぬのう」
帰ってきた!
妖怪のあれこれで留守にしていた二人が帰ってきた!
「おかえり、げげろ!きたろ!」
俺は玄関にかけていって二人を抱きしめた。
俺、お前達がいないとだめなんだよ、だから置いて行くな!
庭で🐱と遊んでいる倅をこたつに入って見守る父達。
「子どもって寒くても元気だよなぁ」
「ワシ等とこたつと一体化しておるのに」
ダラダラしていると倅が「とーしゃもみじゅもきてー!」と呼ばれるので、上着を着込み着膨れして庭に出る父達……。
「「寒い!!!」」
庭で🐱と遊んでいる倅をこたつに入って見守る父達。
「子どもって寒くても元気だよなぁ」
「ワシ等とこたつと一体化しておるのに」
ダラダラしていると倅が「とーしゃもみじゅもきてー!」と呼ばれるので、上着を着込み着膨れして庭に出る父達……。
「「寒い!!!」」
のじゃのじゃと、お喋りしている父とふわのじゃ。
「のじゃで通じるんだ……」と思った水は、ふわ水を見た。
「お前も何か喋るのか?」
だが、ふわ水は無言。ただ水を見上げるのみ……。
水とふわ水は微妙な関係??
のじゃのじゃと、お喋りしている父とふわのじゃ。
「のじゃで通じるんだ……」と思った水は、ふわ水を見た。
「お前も何か喋るのか?」
だが、ふわ水は無言。ただ水を見上げるのみ……。
水とふわ水は微妙な関係??
「くちっ」
「(可愛いくしゃみだ)こたつで寝てると風邪引くぜ」
「分かっておるが、ワシとこたつは離れられぬのじゃ……」
「へぇ、そいつは随分仲が良いことで」
「お!おぬし、さては焼き餅かの?」
「焼いてねぇ!」
「可愛いのう、可愛いのう」
「……ったく」
……そうは言ったものの最近では俺もおもしろくなってきて、げげろとこたつの仲を「よ、お熱いね!こたつなだけに」等と冷やかしている。
しかし、俺がそうする度にげげろはつまらなそうな顔をする。
ふふっ、俺に冷やかされて焼き餅か?
「……おぬし、外では駄洒落の類は言わぬ方が良いぞ」
どう言う意味だ!
「くちっ」
「(可愛いくしゃみだ)こたつで寝てると風邪引くぜ」
「分かっておるが、ワシとこたつは離れられぬのじゃ……」
「へぇ、そいつは随分仲が良いことで」
「お!おぬし、さては焼き餅かの?」
「焼いてねぇ!」
「可愛いのう、可愛いのう」
「……ったく」
……そうは言ったものの最近では俺もおもしろくなってきて、げげろとこたつの仲を「よ、お熱いね!こたつなだけに」等と冷やかしている。
しかし、俺がそうする度にげげろはつまらなそうな顔をする。
ふふっ、俺に冷やかされて焼き餅か?
「……おぬし、外では駄洒落の類は言わぬ方が良いぞ」
どう言う意味だ!
オッス、俺みずき。
げげろにメロメロな俺だが、たまには格好良く男らしいところを見せねばと思い、俺はげげろに言った。
「お前の飯、めっちゃ美味いがもう少し、みずき家っぽい感じがあると良い」
どうだ、亭主関白っぽいだろう……と思ったのも束の間。
今晩の食卓に🐸の目玉料理が…!
くっ、確かに人間とおばけが同居するみずき家の食卓っぽい。げげろ……やるな!
次回「異種族間コミュニケーションは体を張ってこそ」俺の勇姿、絶対見てくれよな!
オッス、俺みずき。
げげろにメロメロな俺だが、たまには格好良く男らしいところを見せねばと思い、俺はげげろに言った。
「お前の飯、めっちゃ美味いがもう少し、みずき家っぽい感じがあると良い」
どうだ、亭主関白っぽいだろう……と思ったのも束の間。
今晩の食卓に🐸の目玉料理が…!
くっ、確かに人間とおばけが同居するみずき家の食卓っぽい。げげろ……やるな!
次回「異種族間コミュニケーションは体を張ってこそ」俺の勇姿、絶対見てくれよな!
「駄目だ、きたろ!ペッしなさい!」
「トホホ……」
「駄目だ、きたろ!ペッしなさい!」
「トホホ……」
ふと花屋が気になって立ち止まるみずき。げげろに贈ったら喜ぶかな、と思案していると店員に話しかけられた。
贈り物ですか?ええまぁ。どんな方に贈られますか?えぇと……
みずきは店員に聞かれるまま、げげろのイメージを伝える。
出来上がった花束をどうやって渡すか、ちょっと悩むみずき。
……帰宅後。
「ただいま」
「おかえりなさいなのじゃ」
「あー、これ……お前に」
「おお、綺麗なお花じゃ♡」
「今日は何でもない日だけど、お前に贈りたくなったんだ」
「では今日は『みずきに花束をもらった日』にするかの」
「なんか照れくさいなぁ」
「ワシは嬉しいよ。ありがとう、みずき」
ふと花屋が気になって立ち止まるみずき。げげろに贈ったら喜ぶかな、と思案していると店員に話しかけられた。
贈り物ですか?ええまぁ。どんな方に贈られますか?えぇと……
みずきは店員に聞かれるまま、げげろのイメージを伝える。
出来上がった花束をどうやって渡すか、ちょっと悩むみずき。
……帰宅後。
「ただいま」
「おかえりなさいなのじゃ」
「あー、これ……お前に」
「おお、綺麗なお花じゃ♡」
「今日は何でもない日だけど、お前に贈りたくなったんだ」
「では今日は『みずきに花束をもらった日』にするかの」
「なんか照れくさいなぁ」
「ワシは嬉しいよ。ありがとう、みずき」
プロポーズの翌朝、もう畳まれたげげろの布団を見て(言っちゃった、言っちゃった…!)となるみずき。
しかし、起こしに来たげげろは普段と変わらない。
浮かれてんのは俺だけか……と沈みかけた気持ちは、ちらりと見えた真っ赤なげげろの耳に霧散した。
「おはよう、げげろ!」
ガバっと抱きつくと「ぴゃっ」と悲鳴が上がった。
父にプロポーズしようと、ちょっと良いレストランを予約したし勢いで買った指輪もある。
倅には悪いが砂かけの所にお泊りしてもらう。
準備万端、後は退社後に待ち合わせ場所に行けばいい……というところで後輩のミスで残業確定したみずき。
鬼の形相で何とか終わらせるも、待ち合わせ時間もレストランの予約時間も過ぎている。
みずきは全力疾走で待ち合わせ場所に行くと……ぽつんと所在なさ気なげげろが立っていた。みずきは泣きそうになりながら近付くと気付いたげげろがパッと花咲くように笑った。その顔に待たされた怒りはなく、会えた喜びだけ。
みずきはポケットの中の指輪を握り締めた。
「げげろ!俺と結婚してくれ!」
プロポーズの翌朝、もう畳まれたげげろの布団を見て(言っちゃった、言っちゃった…!)となるみずき。
しかし、起こしに来たげげろは普段と変わらない。
浮かれてんのは俺だけか……と沈みかけた気持ちは、ちらりと見えた真っ赤なげげろの耳に霧散した。
「おはよう、げげろ!」
ガバっと抱きつくと「ぴゃっ」と悲鳴が上がった。
父にプロポーズしようと、ちょっと良いレストランを予約したし勢いで買った指輪もある。
倅には悪いが砂かけの所にお泊りしてもらう。
準備万端、後は退社後に待ち合わせ場所に行けばいい……というところで後輩のミスで残業確定したみずき。
鬼の形相で何とか終わらせるも、待ち合わせ時間もレストランの予約時間も過ぎている。
みずきは全力疾走で待ち合わせ場所に行くと……ぽつんと所在なさ気なげげろが立っていた。みずきは泣きそうになりながら近付くと気付いたげげろがパッと花咲くように笑った。その顔に待たされた怒りはなく、会えた喜びだけ。
みずきはポケットの中の指輪を握り締めた。
「げげろ!俺と結婚してくれ!」
父にプロポーズしようと、ちょっと良いレストランを予約したし勢いで買った指輪もある。
倅には悪いが砂かけの所にお泊りしてもらう。
準備万端、後は退社後に待ち合わせ場所に行けばいい……というところで後輩のミスで残業確定したみずき。
鬼の形相で何とか終わらせるも、待ち合わせ時間もレストランの予約時間も過ぎている。
みずきは全力疾走で待ち合わせ場所に行くと……ぽつんと所在なさ気なげげろが立っていた。みずきは泣きそうになりながら近付くと気付いたげげろがパッと花咲くように笑った。その顔に待たされた怒りはなく、会えた喜びだけ。
みずきはポケットの中の指輪を握り締めた。
「げげろ!俺と結婚してくれ!」
「あれ、また綿達の🧣編んでるのか」
「うむ。汚れが目立ってきたから洗濯のため外そうとしたんじゃが…人でなしを見るような目で見られたのじゃ」
「……まあ人ではないな」
「おばけだしの……で、今洗い替え用を急遽編んでいるところじゃ」
「そうか……お疲れ様だなぁ」
「あれ、また綿達の🧣編んでるのか」
「うむ。汚れが目立ってきたから洗濯のため外そうとしたんじゃが…人でなしを見るような目で見られたのじゃ」
「……まあ人ではないな」
「おばけだしの……で、今洗い替え用を急遽編んでいるところじゃ」
「そうか……お疲れ様だなぁ」
「きゅーとなの?せくしーなの?どっちが良いのじゃ?」
「……おかえりの前にそれか」
「🐭が帰宅早々のおぬしに聞くと良い、と言うておった」
「うん。お前、意味分かってるか?」
「分からん」
「よし。帰宅早々で悪いがちょっと🐭狩りに行ってくるわ」
「いやぁー!兄さんっ、待って待って!🪓持って全力疾走恐い!!!」
「お前がっ、余計な入れ知恵すっからだ!」
「刺激だよ、刺激!萌えるでしょ!」
「俺は天然物を俺色に染めるのが萌えるんだよっ!!!」
「きゅーとなの?せくしーなの?どっちが良いのじゃ?」
「……おかえりの前にそれか」
「🐭が帰宅早々のおぬしに聞くと良い、と言うておった」
「うん。お前、意味分かってるか?」
「分からん」
「よし。帰宅早々で悪いがちょっと🐭狩りに行ってくるわ」
「いやぁー!兄さんっ、待って待って!🪓持って全力疾走恐い!!!」
「お前がっ、余計な入れ知恵すっからだ!」
「刺激だよ、刺激!萌えるでしょ!」
「俺は天然物を俺色に染めるのが萌えるんだよっ!!!」
誰が一番風呂に入るか、じゃんけんで決めていた父達。ちなみに倅は一番風呂に入る方と一緒なのでずっと一番風呂。
父の勝率が高くて、いつもにっこにこで一番風呂。
しかし、水は気付いた。
あいつ、人外だった…!
そう、父は👻族の機動力で(ズルするつもりがなくても)水が何出すか分かってしまい結果的に勝ちになってしまうのです!
「というわけで、今回から一番風呂を決めるのはあみだくじにします!」
「それが良い。ワシも公平に勝ちたいのじゃ」
…後に「え、お風呂の順番はあみだくじで決めるんだろう?」と曇りなき眼で言う倅が誕生することになる。
誰が一番風呂に入るか、じゃんけんで決めていた父達。ちなみに倅は一番風呂に入る方と一緒なのでずっと一番風呂。
父の勝率が高くて、いつもにっこにこで一番風呂。
しかし、水は気付いた。
あいつ、人外だった…!
そう、父は👻族の機動力で(ズルするつもりがなくても)水が何出すか分かってしまい結果的に勝ちになってしまうのです!
「というわけで、今回から一番風呂を決めるのはあみだくじにします!」
「それが良い。ワシも公平に勝ちたいのじゃ」
…後に「え、お風呂の順番はあみだくじで決めるんだろう?」と曇りなき眼で言う倅が誕生することになる。
とか言うと、「げげろに癒されたいだと!?」って怖い顔した人間が🪓で素振りし始めそう…
いや、みずきさんとげげろさんセットで…君らニコイチでしょ…!
とか言うと、「げげろに癒されたいだと!?」って怖い顔した人間が🪓で素振りし始めそう…
いや、みずきさんとげげろさんセットで…君らニコイチでしょ…!
よく寝るな、と水は👻族の父子を見てしみじみ思う。こたつを出してから、二人はこたつでお昼寝する時間が増えた。
狭いこたつで身を寄せ合ってすやすや。
なんか猫みてぇ……
(えっ、👻族って猫属性!?)
言われてみれば思い当たる節がある。
この👻族の父子、猫耳カチューシャが良く似合う。
(どこまで……どこまで、属性盛るつもりだっ、この親子!)
うちの旦那と息子すごいでしょ、という奥さんの声が聞こえた気がして、水は「はい!」と大きく返事をした。
その声に驚いた父子が「ぴゃっ!」と起きてしまった……。
よく寝るな、と水は👻族の父子を見てしみじみ思う。こたつを出してから、二人はこたつでお昼寝する時間が増えた。
狭いこたつで身を寄せ合ってすやすや。
なんか猫みてぇ……
(えっ、👻族って猫属性!?)
言われてみれば思い当たる節がある。
この👻族の父子、猫耳カチューシャが良く似合う。
(どこまで……どこまで、属性盛るつもりだっ、この親子!)
うちの旦那と息子すごいでしょ、という奥さんの声が聞こえた気がして、水は「はい!」と大きく返事をした。
その声に驚いた父子が「ぴゃっ!」と起きてしまった……。
例えば父が記憶喪失的なものになって水に「何者じゃ、人間よ」とめっちゃ塩対応したら、水がショックで泣いてしまいそうなので、父には記憶を無くさないように気を付けてほしいです。
例えば父が記憶喪失的なものになって水に「何者じゃ、人間よ」とめっちゃ塩対応したら、水がショックで泣いてしまいそうなので、父には記憶を無くさないように気を付けてほしいです。
「……っ、昼寝し過ぎて……あ、きたろは!みずきは!」
「こっちだ。よく寝れたか、げげろ」
「あー、あぅ!」
「みずきがおんぶしてくれてたのか。すまんのう。夕餉の支度を……」
「夕飯ならやってるよ。🍢だろ?下準備してあったから今煮てるとこ」
「……えっと、ありがとうなのじゃ」
「良いってことよ。よく寝てたなぁ」
「こたつがぬくくて、つい」
「あー、分かる分かる」
「あ、あ、ととー」
「何だ、きたろ。げげろのとこに行きたいのか。ちょっと待ってろ……夕飯、このまま俺がやるよ。お前はきたろの子守な」
「うむ。さ、おいで、倅や。みずき、ご飯は茶飯じゃよ」
「おう」
「……っ、昼寝し過ぎて……あ、きたろは!みずきは!」
「こっちだ。よく寝れたか、げげろ」
「あー、あぅ!」
「みずきがおんぶしてくれてたのか。すまんのう。夕餉の支度を……」
「夕飯ならやってるよ。🍢だろ?下準備してあったから今煮てるとこ」
「……えっと、ありがとうなのじゃ」
「良いってことよ。よく寝てたなぁ」
「こたつがぬくくて、つい」
「あー、分かる分かる」
「あ、あ、ととー」
「何だ、きたろ。げげろのとこに行きたいのか。ちょっと待ってろ……夕飯、このまま俺がやるよ。お前はきたろの子守な」
「うむ。さ、おいで、倅や。みずき、ご飯は茶飯じゃよ」
「おう」
あれからもう2年…
あれからもう2年…
知恵熱的なものだったのかな🤔
知恵熱的なものだったのかな🤔
「ニャンだコラァ!」
「なんじゃコラァ!」
「おいおい、近所の猫と喧嘩すんなよ……って、猫、人語喋った??」
「騙されるでない、みずき!このにゃんこは先日我が家の焼き魚を咥えて行ったにゃんこじゃ!」
「なんだとゴラァ!!!」
「ニャンだコラァ!」
「なんじゃコラァ!」
「おいおい、近所の猫と喧嘩すんなよ……って、猫、人語喋った??」
「騙されるでない、みずき!このにゃんこは先日我が家の焼き魚を咥えて行ったにゃんこじゃ!」
「なんだとゴラァ!!!」