beatsTAKe
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@beatstake.bsky.social
瀬戸口廉也『田淵さん』読了。
謎多き転校生田淵さんとの交流を描いた短編。
やはり瀬戸口蓮司の書く文章が好きだ。リズムが良い。温度が良い。
主人公の語り口は淡々としているが、読んでいる側は常に落ち着かない気持ちだった。具体的に言うと、事あるごとに"嫌悪感"が刺激される。田淵さんの見た目からくる生理的な嫌悪。他の登場人物の言動からくる嫌悪。理解できない状況からくる嫌悪。ずっと嫌な気分だが、読み進める手は止まらない。
置かれている状況についてもう少し詳しい説明があったら和らいだのかもしれないが、これ以上知るのも恐ろしい。
ところで高野さんが気になるね、スイッチが切り替わったのは偶然か #ホラマ
October 29, 2025 at 10:59 AM
映画『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』観た。
この場所で昔何かあったんだろ!知ってるぜ!と調べてみたら思っていたより昔から問題山積みな曰くつきの場所っていいよね、『残穢』に近い根深さ。
あの廃墟は迷い家じゃなくて建物自体が捨てられたものだから消えているんじゃないかね。ハンセン病の隔離病棟のような、差別に近いもの。
主人公2人の関係が読みにくいが、司が放っておけなかったのは日向の方だったのかもしれない。子供の霊が憑いている同居人と暮らし、塾講という子供と関わる仕事に就いている司、お前は何を考えていたんだ
July 10, 2025 at 4:17 AM
アンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』読了。
物語の開始時点で記憶がない状態の主人公が、未知との遭遇と交流、過去の記憶を手繰り寄せる過程が、読者の好奇心を刺激し続ける。思考材料が少しずつ増えていくのはゲームの攻略チャートのようで楽しい。
絶望的な状況と「こいつ意外と余裕あるな……」と思わせる軽口が交互にやってきて緊張感も程よい。理不尽なトラブルだけでなくヒューマンエラーもあり、人間臭く完璧ではない主人公にハッピーエンドを願ってしまう。

好きな場面はすべて物語の核心に触れてしまう。主人公の最後の決断に思わずガッツポーズしてしまったから、これは努力・友情・勝利の物語
July 10, 2025 at 1:39 AM
劉慈欣『円』読了。
三体を読む前に味見のつもりで手に取ったが、1つ1つの話が重い……。
自分の命だけでなく家族、町、国、地球等を否応なく背負わされ、無力感で苦しくなる話が多い。でも希望がない訳じゃなく、そのちらつかせ方が上手い。

好きな話は田舎の貧困教師が宇宙戦争に巻き込まれる『郷村教師』、開発失敗で枯れた都市の父娘がシャボン玉にそれぞれの夢を見る『円円のシャボン玉』、未来の自分から環境破壊を止めてくれと電話が数回かかってくる『月の光』
July 10, 2025 at 1:36 AM
本を読みたいのに来てしまったな、モンハンが
March 10, 2025 at 3:31 PM
ゴアよりも病気の描写がかなりきつい
February 12, 2025 at 3:41 AM
ジャック・ケッチャム短編集『冬の子』読了。
良い意味で予想と違う文章で面食らった。もっとパニック映画みたいなでいかれた奴らが登場するのかと思っていたら、不器用で感傷的な人が多く、読んでいる間自分の傷まで振り返るはめに。どの話も余韻のある締め方をするので読後もしばらく効く。

かと思うと急にゾンビや巨大ヘビが現れてB級色が出てきたり(多分ゴリラもこの流れだったのでは)、手数の多さにも驚かされる。ゾンビものといっても看取ることに焦点をあてた物寂しい話で、ベッドが空く度に嫌な気分になった。

好きな話は『行方知れず』『永遠に』『見舞い』

好きな一文は「私の最後にして最高の部分が逝ってしまった」
February 12, 2025 at 3:40 AM
新しい仕事に慣れてきたら本を読む時間を取りにくくなった、それでも買うけど、積むけど
February 8, 2025 at 5:02 PM
グレッグ・ベア『タンジェント』読了。
前書きで語られるSFとファンタジーの違い、SFは変化、ファンタジーは永続。SFは伝統を退け、ファンタジーは伝統を奉ずる。どちらも書く作家ならではの考え方。
この本はきっと翻訳も素晴らしいんだろうなと文章の感触で分かる。要約するとホラーかと思うような話でも、一つ一つの言葉から人の弱さと優しさが伝わる。

好きな話は『白い馬にのった子ども』『姉妹たち』
子供の目を通すと魅力的に見えてしまうものってあるよなぁ。この選択は絶対に正しい/間違っていると言い切れるかどうか。

好きな一文は「でも、退屈することや、知らずにいること――これはいけないことですよ」
February 8, 2025 at 5:00 PM
フレドリック・ブラウン『さあ、気ちがいになりなさい』読了。
タイトルにぎょっとするが、翻訳:星新一に惹かれて手に取る。
狂気を書くにはまず正気を書けなければいけない。狂った人ほど目的意識がはっきりして一見理性的で行動に軸がある。読んでいる内にこれは一体どちらが、誰が狂っているのかと分からなくなるので自分すらあやしかった。狂人に共感させないでくれ。

好きな話は『不死鳥への手紙』『ユーディの原理』
人に出来ることには限りがある。だが、逆に言うとそこまではやれてしまう。

好きな一文は「人類は決して正気にはならないだろうし、人類にとっては、ただ狂気だけが神なのだから」
February 8, 2025 at 4:49 PM
ハヤカワセールに屈服して散財、積読が増えて一回休み
December 26, 2024 at 7:44 AM
グレアム・グリーン『ヒューマン・ファクター』読了。孤独感に押し潰されて読後感がひどい。ずっと気分は灰色だった。冬に読むには寂しすぎる一冊。
スパイ小説だが、派手なアクションも便利な道具もない。定年間際の主人公のいる情報部に情報漏洩調査のメスが入る話で、終始腹の探り合いのような会話が続く。既にいろいろ起きている所からスタートなので選択肢がない。主人公の心が静かに波立っていく。名前を覚えるに手こずるくらい登場人物がいるが、仕事仲間にも家族にも話せないことが多く、ずっと孤独だ。最後の一文は、もう少しこう何というか、手心というか……
December 22, 2024 at 4:22 PM
積読消化。小林泰三『天体の回転について』読了。
『海を見る人』がファンタジーよりハードSFならこちらはホラー寄りのSF。ホラーでこの作家を知ったのでこちらの筆致の方が馴染み深い。淡々とした文章に生理的な恐怖を忍ばせてくる。
日常が何者かに侵食されていく様子を「川の始まりはどこか」という一見無関係な問いから解説されるホラー『時空争奪』と、宇宙暮らしの作家志望者が講師からダメ出しに次ぐダメ出しを受けた後に意外な所に着地するSFコメディ『あの日』が特に好き。ついつい読者も一緒に教わる姿勢になって話を聞いてしまうが、どちらも気付いた時にはもう遅い。
December 22, 2024 at 4:12 PM
積読消化。小林泰三『天獄と地国』読了。
元々の短編の陰鬱とした空気を引き継ぎながらも、謎の巨大生物兵器とAIに命を握られたり、均衡を崩すからという理由で同種のロボット使いに襲われたり、楽しい仕上がりになってて予想とは違う方向で引き込まれた。
舞台はダイソン球の外側。それの成り立ちを知らない世代の主人公が岩盤の内側を目指す話。敵や重力、真空、放射線のせいでいつ死んでもおかしくない緊張感と、性格の違う野郎3人があーでもないこーでもない言いながら窮地を切り抜けている痛快さのバランスが良い、往年のスーパーロボットのノリ。途中でヒロイン格のキャラが出てきても言い争う相手が増えるだけなの面白すぎる
November 30, 2024 at 9:45 AM
映画『呪われの橋』、今と過去を行き来する構成とミスリードが綺麗なホラー映画。伏線が回収されるところで「いよっ、待ってました!」ってなってしまう。ただ綺麗にまとまっているので、続編やゲームがあるらしいが興味を引かれない。台湾ホラーはお約束のおさえ方が上手いものが多い印象。
November 28, 2024 at 8:57 AM
積読消化。小林泰三『海を見る人』読了。歴史の勉強嫌いな女の子に物語を読み聞かせる形式で始まる短編集、この世界とは重力や時間等の法則の異なる世界の物語、一見ファンタジーのようで油断すると数字が押し寄せてくるゴリゴリのSF。女の子こんな話わからんやろ。何かに惹かれた人が予定外の行動を取った結果問題が起こる、といった話が多く、共感というか同情してしまう。絶望的な状況の短編の1つが長編化されているらしいが未完なので読むか迷う、多分読む
November 28, 2024 at 8:43 AM
『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選』ってどんなだ? って思ってラインナップ見たら全く知らなかった作品や気になっていたけどなんとなくスルーしていた作品の比率が高く、なるほど確かに視点というかアンテナに違いがあるなと
www.kankanbou.com/books/essay/...
『女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選』北村紗衣|エッセイ・評論|書籍|書肆侃侃房
www.kankanbou.com
November 14, 2024 at 2:48 AM
積読消化。伴名練『なめらかな世界と、その敵』読了。今この時代に瞬間最大風速が出る短編があったので置いていかれない内に読めて良かった。拳銃を向け合うラブストーリー、一方的に送りつける家族への手紙、後先考えながらも友人と同じ場所まで走り出してしまう青春。様々なSFガジェットのせいでスケール感がめちゃくちゃにぶっ飛んだ世界でも、たった1人の人間に執着してしまうのが人間の面白くも怖いところ。
November 2, 2024 at 12:21 PM
積読消化。江波光則『ソリッドステート・オーバーライド』読了。これは革命の物語。特異点スレスレで拾ったり捨てられたり見つかったり見落としたりする話。無人のはずの戦場で人間を拾ったロボットがラジオ配信と廃品回収をしながら西を目指す、退廃した世界とロマンの塩梅が良い。淡々とした会話が多く読み口は軽いけど、登場人物全員のバックボーンに一癖あって、どう転がるか読めない思考と問答に終始気が抜けない。
October 26, 2024 at 2:16 PM
映画『犬ヶ島』。ブラックユーモアなストップモーションアニメ。風刺や誇張は強いけどちゃんと日本を感じる、文化に対するリスペクトのある演出が憎めない。こやつめハハハってなる。歌舞伎の舞台の造りとかようやっとる。泣き所で登場人物を先に泣かせすぎだが、犬が好きだとまんまと感動してしまう。
October 26, 2024 at 1:38 PM
積読消化。円城塔『エピローグ』読了。本を読むとき、語り手はどんな人で、どんな場所にいて、どんな景色を見ているか想像しながら読むが、それを簡単には許してくれない話だった。いったい何を見せられていたんだろう、読み返す度に見えるものが変わりそうだ。
October 20, 2024 at 2:30 PM
積読消化。小林泰三『記憶破断者』読了。記憶の持たない主人公が記憶を操作する殺人鬼と戦う話。主人公の慎重さと敵の詰めの甘さのせいで何度も会うことになり、綱渡りの状況が続き程よい緊張感だった。誰よりも殺人鬼と一番会話している。1冊で完結していない作品なのは残念。他も読んでいたらより楽しめる、程度に抑えてほしかった。
October 19, 2024 at 5:07 AM
ROM専の活用方法を模索する
February 7, 2024 at 10:26 AM
Twitterアカウント開設日と同日にBleusky垢を作る
February 7, 2024 at 10:25 AM