ビブリア古書堂の扉子シリーズになってからの4作目
戦時中鎌倉の文士たちが立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」にまつわるミステリ
親子孫三代、昭和平成令和のそれぞれの時代で鎌倉文庫の謎に関わっていて
今作も引き込まれた
あとがきにもあるけれど、実際に鎌倉文庫で貸し出されていた本の大半が行方不明だそうでロマンがあるなと思った
ビブリア古書堂の扉子シリーズになってからの4作目
戦時中鎌倉の文士たちが立ち上げた貸本屋「鎌倉文庫」にまつわるミステリ
親子孫三代、昭和平成令和のそれぞれの時代で鎌倉文庫の謎に関わっていて
今作も引き込まれた
あとがきにもあるけれど、実際に鎌倉文庫で貸し出されていた本の大半が行方不明だそうでロマンがあるなと思った
一言でなんと言ったら良いか難しい
不思議な読後感の短編集
どこかの誰かの物語
できごとはあるけどドラマティックな展開はなく、ただ淡々と時が過ぎていく
淡々としているけれど筆致は繊細で情景が鮮明に浮かんでくる
諸行無常を感じた
一言でなんと言ったら良いか難しい
不思議な読後感の短編集
どこかの誰かの物語
できごとはあるけどドラマティックな展開はなく、ただ淡々と時が過ぎていく
淡々としているけれど筆致は繊細で情景が鮮明に浮かんでくる
諸行無常を感じた
都市伝説解体センターのスピンオフ小説
最初からネタバレがあるのでゲームをプレイしてから読むことを推奨
ゲームに出たサブキャラたちをメインに置いていて嬉しい
山田ガスマスク、ガイド、ジャスミンが好きなら必読
どれも良かったけど、特に5話のジャスミンが活躍する話がゲームの後の時系列なので嬉しかった
都市伝説解体センターのスピンオフ小説
最初からネタバレがあるのでゲームをプレイしてから読むことを推奨
ゲームに出たサブキャラたちをメインに置いていて嬉しい
山田ガスマスク、ガイド、ジャスミンが好きなら必読
どれも良かったけど、特に5話のジャスミンが活躍する話がゲームの後の時系列なので嬉しかった
現代を生きる妖怪と人の関わりをテーマにしたショートショート
ぞっとしたりほっこりしたり、今作も多彩だなと感じた
人が被害を被る結末も妖怪らしいといえばらしいけど「川の陶工」や「のっぺら嬢」が個人的に好き
ティモンディとの特別対談で創作の背景も知れて良かった
現代を生きる妖怪と人の関わりをテーマにしたショートショート
ぞっとしたりほっこりしたり、今作も多彩だなと感じた
人が被害を被る結末も妖怪らしいといえばらしいけど「川の陶工」や「のっぺら嬢」が個人的に好き
ティモンディとの特別対談で創作の背景も知れて良かった
三越をテーマにしたアンソロジー
それぞれの作家さんの個性が光る作品
東野圭吾さんはガリレオシリーズの登場人物なので現実的なミステリだったけど、それ以外は時代を行き来するようなファンタジーな作風が多かった
全部面白かったけど、柚木麻子さんの「七階から愛をこめて」が個人的には好み
三越をテーマにしたアンソロジー
それぞれの作家さんの個性が光る作品
東野圭吾さんはガリレオシリーズの登場人物なので現実的なミステリだったけど、それ以外は時代を行き来するようなファンタジーな作風が多かった
全部面白かったけど、柚木麻子さんの「七階から愛をこめて」が個人的には好み
9枚の絵に秘められた謎に迫る連作短編ミステリ
『変な家』同様さくさく読める
本編のラストが割とあっさりだったけど、特典でさらに展開があって良かった
雨穴さんは家族をテーマにするのが得意なんだろうか、それとも「変な」シリーズはこれで行こうと思ったのかな?
『変な家』よりはこちらのほうが好みでした
9枚の絵に秘められた謎に迫る連作短編ミステリ
『変な家』同様さくさく読める
本編のラストが割とあっさりだったけど、特典でさらに展開があって良かった
雨穴さんは家族をテーマにするのが得意なんだろうか、それとも「変な」シリーズはこれで行こうと思ったのかな?
『変な家』よりはこちらのほうが好みでした
単行本未読で映画を先に視聴していて文庫版読んだ
変な間取りの家からここまで話を広げてミステリに仕立て上げる手腕はすごいし面白かった
ただやっぱりリアリティからは遠いなという印象
対話形式でさくさく読めるの良いなと思ったし、文庫版あとがきも良い読後感
単行本未読で映画を先に視聴していて文庫版読んだ
変な間取りの家からここまで話を広げてミステリに仕立て上げる手腕はすごいし面白かった
ただやっぱりリアリティからは遠いなという印象
対話形式でさくさく読めるの良いなと思ったし、文庫版あとがきも良い読後感
タイトル通り、自身にとっての「名店」をテーマにした著名人のエッセイ集
そのお店のお気に入りの一皿だけでなく、お店全体の雰囲気をひっくるめて「名店」なんだよなと改めて思った
コロナ禍のエピソードも多く、飲食店の生き残りは激しく、現在は営業形態を変えていたり場所を変えていたり、はたまた閉店してしまったりと諸行無常も感じて少ししんみりしながら読んだ
タイトル通り、自身にとっての「名店」をテーマにした著名人のエッセイ集
そのお店のお気に入りの一皿だけでなく、お店全体の雰囲気をひっくるめて「名店」なんだよなと改めて思った
コロナ禍のエピソードも多く、飲食店の生き残りは激しく、現在は営業形態を変えていたり場所を変えていたり、はたまた閉店してしまったりと諸行無常も感じて少ししんみりしながら読んだ
シリーズ3作目
南辺田廣章と山内真汐は今作南、辺田伯爵家で代々伝わる「鉄環のお役」のため諏訪大社へ信州へ向かう
二人とも「鉄環のお役」の詳細を知らないまま諏訪大社の上社の禰宜代理もわからないという
二人はその後山奥へ迷い込み、禁足地へ踏み入れてしまったため来訪神「オトナイサマ」として村へ来るよう促され、囚われてしまう
そこでは風の神を臥龍洞を祀っていて、十二年に一度の祭りがこれから執り行われるという
鉄環の謎と村の奇祭
二人がまたも悲しい事件に巻き込まれてしまう
続
シリーズ3作目
南辺田廣章と山内真汐は今作南、辺田伯爵家で代々伝わる「鉄環のお役」のため諏訪大社へ信州へ向かう
二人とも「鉄環のお役」の詳細を知らないまま諏訪大社の上社の禰宜代理もわからないという
二人はその後山奥へ迷い込み、禁足地へ踏み入れてしまったため来訪神「オトナイサマ」として村へ来るよう促され、囚われてしまう
そこでは風の神を臥龍洞を祀っていて、十二年に一度の祭りがこれから執り行われるという
鉄環の謎と村の奇祭
二人がまたも悲しい事件に巻き込まれてしまう
続
なかなかなイヤミス
五編の短編集でそこで描かれる登場人物はどこにでも居そうな普通の人々
それが生々しくこわい
登場人物たちは保身のため嘘をついたり、ほんの些細な選択を間違えて悪いほうへ物事が向かっていってしまう
ずっと嫌だなあと思いつつ読んでしまうのはやはりすごい
なかなかなイヤミス
五編の短編集でそこで描かれる登場人物はどこにでも居そうな普通の人々
それが生々しくこわい
登場人物たちは保身のため嘘をついたり、ほんの些細な選択を間違えて悪いほうへ物事が向かっていってしまう
ずっと嫌だなあと思いつつ読んでしまうのはやはりすごい
カクヨム版既読、単行本未読
だいぶ語り手まわりがカクヨム版から変わっていて、カクヨム版より物語として綺麗に整えられている感じがした
カクヨム版のほうが当時リアルタイムで更新されているのも手伝って「本当に今起こっている話なんじゃないか?」と感じる臨場感があり、そっちの体験も唯一無二だったけど文庫版も良かった
文庫版も最初はホラー感強めだけど、やるせなく物悲しい
カクヨム版既読、単行本未読
だいぶ語り手まわりがカクヨム版から変わっていて、カクヨム版より物語として綺麗に整えられている感じがした
カクヨム版のほうが当時リアルタイムで更新されているのも手伝って「本当に今起こっている話なんじゃないか?」と感じる臨場感があり、そっちの体験も唯一無二だったけど文庫版も良かった
文庫版も最初はホラー感強めだけど、やるせなく物悲しい
その人個人としては大きな悩みを抱えているけれど、外から見ればどこにでもいそうな人々の「小さな世界」を覗き見るような短編集
解説にあるように、物語の定石を予想すると(いい意味で)裏切られる「一筋縄ではいかない」作品ばかり
どれも湿度が高めな作品揃いの中で「魔王の帰還」のお姉さんのキャラがぶっ飛んでて少し明るさがあって好き(でもそこにも例に漏れず影はある)
その人個人としては大きな悩みを抱えているけれど、外から見ればどこにでもいそうな人々の「小さな世界」を覗き見るような短編集
解説にあるように、物語の定石を予想すると(いい意味で)裏切られる「一筋縄ではいかない」作品ばかり
どれも湿度が高めな作品揃いの中で「魔王の帰還」のお姉さんのキャラがぶっ飛んでて少し明るさがあって好き(でもそこにも例に漏れず影はある)
現代医学や化学が否定されるかわりにスピリチュアルが信じられている日本を題材にしたSF?小説
設定が設定なので、読んでいてずっと頭がこんがらがる感覚がついてまわる
けどわからないなりに面白かった
解説に詳しいけど、「現代日本でもある医学的根拠のない健康法や擬似医療の批判だけでなく、そちら側からの視点から描くことでなにか分かることがあるかもしれない」と作者のインタビューにあるので、そういう意図があったと思うと腑に落ちた
現代医学や化学が否定されるかわりにスピリチュアルが信じられている日本を題材にしたSF?小説
設定が設定なので、読んでいてずっと頭がこんがらがる感覚がついてまわる
けどわからないなりに面白かった
解説に詳しいけど、「現代日本でもある医学的根拠のない健康法や擬似医療の批判だけでなく、そちら側からの視点から描くことでなにか分かることがあるかもしれない」と作者のインタビューにあるので、そういう意図があったと思うと腑に落ちた
それぞれ独立しているものの、四篇全てに「十五秒で死ぬ」という設定が共通する短編集
特殊設定のものばかりなのでミステリとしては好き嫌いが分かれそうだけど、同じ「十五秒で死ぬ」設定からこれほどバリエーションがあるのは意欲的だなと思ったし面白かった
やはりデビュー作「十五秒」は衝撃的だった(世にも奇妙な物語でありそうな設定だなと思って読んでたらすでに放送してたし観てた)
それぞれ独立しているものの、四篇全てに「十五秒で死ぬ」という設定が共通する短編集
特殊設定のものばかりなのでミステリとしては好き嫌いが分かれそうだけど、同じ「十五秒で死ぬ」設定からこれほどバリエーションがあるのは意欲的だなと思ったし面白かった
やはりデビュー作「十五秒」は衝撃的だった(世にも奇妙な物語でありそうな設定だなと思って読んでたらすでに放送してたし観てた)
知らぬ火文庫シリーズ第二弾
今昔物語のほか古典の中で「鬼」が出てくる物語をアレンジした作品
鬼とは何者なのかが少しわかったような??
第五話「松原の鬼」が一番好き
知らぬ火文庫シリーズ第二弾
今昔物語のほか古典の中で「鬼」が出てくる物語をアレンジした作品
鬼とは何者なのかが少しわかったような??
第五話「松原の鬼」が一番好き
カルト団体とかつて批判された〈ミライの学校〉で白骨遺体が見つかったことから、弁護士の法子はその団体と再び関わることになる
法子は小学生の頃、同じクラスの女の子に誘われて夏休み〈ミライの学校〉の合宿に参加した
そこで出会った〈ミライの学校〉の〈学び舎〉で生活しているミカと友達になる
小学校の三年間、〈学び舎〉の合宿に通っていた法子だったが、最後の六年生の夏にはいつも参加していたミカはいなかった
ニュースで見た白骨遺体とはミカのことではないか?
辻村さんの書く登場人物の心理描写は本当にリアリティがあると毎回感じる
続
カルト団体とかつて批判された〈ミライの学校〉で白骨遺体が見つかったことから、弁護士の法子はその団体と再び関わることになる
法子は小学生の頃、同じクラスの女の子に誘われて夏休み〈ミライの学校〉の合宿に参加した
そこで出会った〈ミライの学校〉の〈学び舎〉で生活しているミカと友達になる
小学校の三年間、〈学び舎〉の合宿に通っていた法子だったが、最後の六年生の夏にはいつも参加していたミカはいなかった
ニュースで見た白骨遺体とはミカのことではないか?
辻村さんの書く登場人物の心理描写は本当にリアリティがあると毎回感じる
続
『今宵、嘘つきたちは光の幕をあげる』よりも前の話、初代少女サーカスの物語
自殺した父の真相を探るためにサーカスのオーディションを受けた初代サン=テグジュペリのマリナ、金魚センターと揶揄されながらアイドルを卒業したあと突然空いた席におさまった初代アンデルセンの有葉、マリナと同じくオーディションからサーカスの一員になり、自身の才能の無さをまわりと比べてしまう初代チャペックの彩湖、中国から動物芸を見せるため渡ってきた初代カフカのズーハン
続
『今宵、嘘つきたちは光の幕をあげる』よりも前の話、初代少女サーカスの物語
自殺した父の真相を探るためにサーカスのオーディションを受けた初代サン=テグジュペリのマリナ、金魚センターと揶揄されながらアイドルを卒業したあと突然空いた席におさまった初代アンデルセンの有葉、マリナと同じくオーディションからサーカスの一員になり、自身の才能の無さをまわりと比べてしまう初代チャペックの彩湖、中国から動物芸を見せるため渡ってきた初代カフカのズーハン
続
『ブランコ乗りのサン=テグジュペリ』の改題、加筆修正版
前に読んだ時からずっと好きな作品だったけど、だいぶご無沙汰で新鮮な気持ちで読んだ
少女サーカスの美しいだけではない内情と、双子の姉妹の嘘
やっぱり良い
改題前のほうも読み返して比べてみたい
『ブランコ乗りのサン=テグジュペリ』の改題、加筆修正版
前に読んだ時からずっと好きな作品だったけど、だいぶご無沙汰で新鮮な気持ちで読んだ
少女サーカスの美しいだけではない内情と、双子の姉妹の嘘
やっぱり良い
改題前のほうも読み返して比べてみたい
生きづらいので、推しを深く知り愛でることが生きる支えになっている女子高生あかり
そんな中推しがファンを殴って炎上した
芥川賞を受賞したので話題になっていた本作
文庫化の折に手に取ったまま積んでて、ようやく読んだ
私はこれほどにまで人生をかけて何かを推したことはないので、納得できても共感まではいかなかった
しかもひりつくような切実な推しようなので、「ファッション」なんて形容するちゃちなものではない
「推しがいるから生きていける」ではなく「生きるために推しを見つけた」話だった
生きづらいので、推しを深く知り愛でることが生きる支えになっている女子高生あかり
そんな中推しがファンを殴って炎上した
芥川賞を受賞したので話題になっていた本作
文庫化の折に手に取ったまま積んでて、ようやく読んだ
私はこれほどにまで人生をかけて何かを推したことはないので、納得できても共感まではいかなかった
しかもひりつくような切実な推しようなので、「ファッション」なんて形容するちゃちなものではない
「推しがいるから生きていける」ではなく「生きるために推しを見つけた」話だった
スクールカーストの頂点にいる美人で人気者の羽村更紗がいじめでもなく遺書もなく自殺した
それをきっかけに同じクラスの女子生徒の容姿が次々と醜く変えられていく
担任の小谷舞香はその原因を探る内に、四ツ角高校では見た目を変えられるおまじない「ユアフレンド」と言われるものがまことしやかに噂されていることを知る
次のターゲットは誰なのか?犯人の生徒は誰なのか?
美醜とスクールカースト
多感な時期だからこそ、余計に見た目のコンプレックスは誰もが抱くもの
続
スクールカーストの頂点にいる美人で人気者の羽村更紗がいじめでもなく遺書もなく自殺した
それをきっかけに同じクラスの女子生徒の容姿が次々と醜く変えられていく
担任の小谷舞香はその原因を探る内に、四ツ角高校では見た目を変えられるおまじない「ユアフレンド」と言われるものがまことしやかに噂されていることを知る
次のターゲットは誰なのか?犯人の生徒は誰なのか?
美醜とスクールカースト
多感な時期だからこそ、余計に見た目のコンプレックスは誰もが抱くもの
続
読み始めは普通の訳文かなと思ったけど、しっかり森見登美彦らしさが出ている竹取物語だった
作者のカラーを出しつつ原文から逸脱しすぎず訳すというのは並大抵のことではないだろうなと思った
竹取物語全文を読んだのはたぶん初めてで、好きな作家さんがきっかけでこういった古文に親しむ機会を得られたのも良かったと思った
かぐや姫に無理難題を突きつけられる五人の求婚者たちは生き生きと描かれ、けれども最後は物悲しくて「あはれ」を感じた
読み始めは普通の訳文かなと思ったけど、しっかり森見登美彦らしさが出ている竹取物語だった
作者のカラーを出しつつ原文から逸脱しすぎず訳すというのは並大抵のことではないだろうなと思った
竹取物語全文を読んだのはたぶん初めてで、好きな作家さんがきっかけでこういった古文に親しむ機会を得られたのも良かったと思った
かぐや姫に無理難題を突きつけられる五人の求婚者たちは生き生きと描かれ、けれども最後は物悲しくて「あはれ」を感じた