mraronnax
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こういうこじつけようと思えばいくらでもこじつけられる物語が大好きだ。あとパーリンカがめちゃくちゃ飲みたくなった。あと「マゾ向けの本」と評して積読本に手を出すきっかけになってくれた名レビューも思い出に貼っておく:(ここにリンク切れのAmazon USのレビューページのURL)
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「繰り返し」と先程書いたけどそれって全然キリスト教的死生観じゃないんじゃないか…?と思ったら著者は中国にも日本にも行ってるみたいだし、元から東洋思想に興味があったのか…?全然調べられてないけど面白い、他の作品も読んでみたい。
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そんな中、噂のイリミアーシュだけはちゃっかり帽子を被り込んでいる点が印象的だった。思えば、人はこの世界に生まれ落ち、最後は墓に落とされる。飛翔が許されるのは死後だけ。人生はその繰り返し。このような言及がそこかしこにありメモが止まらなかった。一番のヒントは医師が読んでいた本に書かれたハンガリーの地形の変遷か。地盤が沈下し水が大量に流れ込んでは隆起し、を繰り返した場所らしい。隆起後の水は方々に散った他の村民も思い起こさせる。いずれにせよ一回読んだだけはうまく考えがまとまらないのでまた折を見て読みたい。蜘蛛の巣も気になるんだよなぁ。
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映画ではどうなのか分からないが、とにかく重力には誰も逆えない、という描写がそこかしこにあって圧倒された。この村ではあらゆる物が崩落するか、畳み込まれていく。鳥は飛び立たないし("birds that dived")、星も流れるのではなく落下する("shooting star"ではなく"falling star")。人が眠りに落ちる時、頭も、手にしたグラスも、涎も自然と下に落ちていく。タバコの煙くらい上昇してもいいくらいなのに、そのような描写は一切ない。そして極め付けは延々と降り注ぐ雨、雨、雨。疲れ切った村人が祈りを捧げようと天を仰いでも、雫が目に入り中断せざるを得ない。
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秋雨降り頻るハンガリーの寒村から唐突に物語が始まり、段落分けも背景描写も一切ないためにかなり心細かったが、周辺情報が得られ村人の顔と関係性がはっきりしていくうちに考察も捗り、気付けばこの物語のぬかるみに完全に「ハマって」いた。
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なんで読んだか忘れたけど『サタンタンゴ』は結構好きだったな

昔のXアカウントから(4/2/21):

クラスナホルカイ・ラースロー『サタンタンゴ』読了。タル・ベーラ監督による7時間超映画の原作小説としても有名。そんなの見たら首と肩が爆発してしまうので本で読めて良かった。時代に取り残され、世間から見放された村に姿を現した男は、死者の内から蘇った救世主か、地獄の底へと誘う悪魔かー。
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お、クラスナホルカイ・ラースローか まーた欧人かい
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横溝正史『死仮面』読了。岡山のマーケットで女の腐乱死体とデスマスクが発見される。容疑者の男は逃亡後、行方不明。その後、妹の顔のデスマスクが届けられたと訴える女が金田一の元を訪れるが…。描写がグロいという訳ではないが、なんだか惨憺とした印象が強い短編。登場人物が比較的多い割にトリックもあまり捻りがなくそこまで好きではないかも。

同じく春陽文庫の本著に収録されていた「黄金の花びら」は、仏像の強盗を撃ち殺した際の状況を検証する短編。短いながらもドラマチックで好き。
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今まで読んだ氏の作品の中では割と好きな方かもしれない。
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吉行淳之介『技巧的生活』読了。ある事がきっかけで銀座の会員制クラブで働き出した女、葉子。同じ「よう子」が既に店で働いているから、と新しく「ゆみ子」という源氏名を与えられるが、それは二年前に男に捨てられ自死した女の名だった。情を貫き死んだ「ゆみ子」か、情を捨て男を利用し強かに生きる「よう子」か。葉子は二つの存在の間を揺れ始める。酒場で働く女と客の男の駆け引き、彼らが相手の輪郭を捉えたと思いきや、次の瞬間には曖昧模糊となり困惑する様子を第三者の視点から傍観できる面白さがあった。お馴染みの性描写も「癖」があるものの、今回は未成年を含むものではなく胸を撫で下ろした。
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冒頭、えげつない性暴力の話に心が折れかけたが、フィクションだと自身に言い聞かせる。読み進めれば殺人に次ぐ殺人、最初からエンジン全開で面白くない訳がない。やっぱ自分は密室殺人一件より連続殺人事件を扱った規模がデカいミステリーが好き!加えて32人殺しの因縁、隠された財宝、村の地下一帯に存在する鍾乳洞、といった舞台設定からして心が躍る。犯人の動機もシリーズ過去作品よりも納得出来るものだったので嬉しい。これぞ自分がイメージしていた金田一耕助作品!という感じで本当に面白かった!
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横溝正史『八つ墓村』読了。ついに、ついに!この歳まで一切ネタバレせずに読めたの奇跡だと思う、本当に面白かった~ 

財宝目当ての村人達に殺された八人の落ち武者が眠る「八つ墓村」。その祟り故か、村人の首謀者だった田治見の家の者も後に発狂し、32人殺しに手を染め、失踪。神戸で育てられ、自身の生い立ちに関して一切知らされていなかったその息子は村へと呼び戻されるも、目の前で毒殺事件が発生し…。
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また、最後の見世物研究資料の項も参考になりそうなものが多くありがたい。昭和の見世物小屋に関して詳しく知りたい自分にとってはその後の足掛かりとなる、うってつけの一冊だった。

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見世物小屋の文化誌
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鵜飼正樹『見世物小屋の文化誌』読了。

今やその存在も忘れられつつある見世物小屋に関する様々な文献をまとめた素晴らしい一冊。見世物小屋興行社の組織、「荷主」と「歩方」の役割、客を効率よく回転させるための舞台設計、呼び込みの種類、演目の種類や構成、切っても切れない障害者との関係、二人の画家によって描かれていた絵看板、中国・インド・スコットランドの見世物などなど。人間ポンプで知られる安田興行の舞台裏に光を当てたドキュメンタリーの書き起こしには、その後の業界の衰微も知っている身としてはウルっと来るものがあった。社会に馴染めなかった人々の受け皿として見世物小屋が機能していたことも窺える。
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「人面瘡」読了。療養のために訪れた旅館で、夢遊病の女を目撃する金田一。その女は後に自殺未遂を図り、身体には人の顔のようなものが見つかるがー。

以下ネタバレ:金田一夜間頻尿過ぎ問題。そしてもう処女信仰の話はええんじゃ〜い 昔の小説で仕方ないとはいえ食傷気味 でも謎が展開される序盤は本当に面白いんだよなぁ
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以下ネタバレ:

強姦された女性が強姦した相手に惚れるというファンタジーに依拠するトリックにはガッカリ。以前読んだ短編の「殺人鬼」と似たオチだし。動機がまた戦争に絡むという点は興味深かった。似たような事は多々あったのかも。
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横溝正史『夜歩く』読了。とあるキャバレーでの佝僂(せむし)の男の狙撃事件を皮切りに、古神家に次々と惨劇が襲いかかる。友人の助けにならんと三文推理小説家の「私」は古神家に泊まり込むが、一家に纏わる因縁、佝僂と夢遊の病、血に塗れた日本刀、首のない遺体と、明かされる度に謎が謎を呼び…。

とにかく一家の「呪い」の設定が凝っていて、登場人物も全員一癖も二癖もある「濃さ」でかなり面白かった!!!今までの長編『本陣殺人事件』『獄門島』よりも妖しくて好きかもしれない。しかしいかんせん謎解きの部分で力が抜ける〜。
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金田一耕助シリーズ、書かれた時期もあって戦中戦後の動乱の様子が分かって良いな。復員後、妻に新しい相手が出来ていたというよくある話から、銃後の女性達の境遇の違い、戦後の後継ぎの問題などなど。
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「車井戸はなぜ軋る」ほぼ同時期に生まれた腹違いの兄弟。瓜二つの相貌とは逆に、二人の境遇はあまりに違い…。大戦を生き延びたのは果たしてどちらか。気になり過ぎて一気読みしてしまった。不穏な事象が重なり続けて読者の心も疲弊していく感じが堪らない。しかし動機がまた理不尽な×××でちょっとな〜
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引き続き金田一耕助シリーズの短編を読む。

「殺人鬼」未解決の連続殺人事件が世間を騒がす中、怪しい義足の男に付き纏われている女性を助けた主人公。なんとその男は、女の復員後の夫だと言うが…。こういうクセのある登場人物の一人称視点の短編好きだな。最後の一捻りが好き。

「黒蘭姫」百貨店の宝石売り場で、顔を黒いヴェールで覆った女はその怪しい動きを見咎められるも…。割と納得感がある動機。
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女、女と求めているように見えて結局は女好きだった父親の行動をなぞり、執着している主人公。父へのコンプレックスを主題にした短編「夏の休暇」が大大大好きなので、その感情にようやく一区切りをつけたように見えるこの作品が読めて良かった。なんでこんなに好きなんだろう、ここまで父親に拘泥した作品を読んだことがないからかな。あとは女にモテてスカした男がコンプレックスに苦しむみっともない姿に溜飲を下げているのかもしれない。
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吉行淳之介『砂の上の植物群』読了。中年のセールスマン伊木は、教師時代の教え子と重ねながら、行きずりの18歳の少女と肉体関係を持つ。更にその姉への「復讐」を依頼されるが…。『原色の街・驟雨』を読んで感動する前、元々著者に持っていた悪感情はこちらの作品に由来するものだったと思う。中年男の妄想みたいな内容に「キモイィィ」という気持ちを何とか抑えられたので、一番初めに読まなくて良かった…。そもそも表紙の挿画が気に入りメルカリで買った氏の新潮文庫一式に、この一冊だけ無かった理由が今更ながら気になった。