tatumi
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tatumi
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ほぼ読書感想、たまに写真とか
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しかし、久しぶりに読むのが戦いのような本だった。(しかもまだ上巻…)

ハミルトンの人となりに始まり、当時の政治情勢に活躍した人物に流行、これでもかって包括的に描いているので読み終わると実にハミルトンの過ごした時代が立体的にイメージ出来るのは有り難いけど、読んでる最中は洪水のように押し寄せる情報に負けてたまるかぁ!ってなってしまう。
それだけに読後の満足感は凄いんだけどもね。

あとこの本、物理的にも読むのが戦い。上巻だけで800ページ有る。紙質がいいので読んでて腱鞘炎になるんじゃないかと何度も思った。今も手首が痛い。
下巻はちょっと休みを入れてから読むことにしよう。
上巻だけの感想だけども、何度もハミルトンが人々の不安を煽って自らを救世主として人気を取るポピュリストの出現を恐れていたって下りが出てきてうわーってなった。

あと、この本読むと経済に興味がない人間でもどうして中央銀行や株式が必要なのかが体感的にわかるのが凄い。擬似的に国を管理し、動かしていく立場になれるからか、経済に活力があるとはどういうことなのかってのが実感出来る構成なんだよね。
それと奴隷制の実態や、フランス革命を米国がどう見てたのかって下りも実感が湧きやすいし。つくずくよく出来た伝記だなぁと思う。

そりゃこの本から作られたミュージカルがホワイトハウスで演じられるわけだわ。
ロン・チャーナウ『ハミルトン』日経BP

米国建国の父の一人にして、初代財務長官にして株式市場の設立を担い、現代資本主義の基礎を一から創り上げた男、アレクサンダー・ハミルトン。その評価は当時から現代に至るまで定まらない。天賦の才を持った偉人だったのか、はたまた野心に燃えた実務家だったのか。

あのミュージカル『ハミルトン』の原作ということで読んでみた。
ハミルトンの生涯を通じて建国期の米国の歴史を語っているため、とにく情報量が多い!
でも語り口が平易なので時間さえかければ読み切れる様に書かれてるのが素晴らしい。大変だけども読む価値のある大著。

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ハミルトン アメリカ資本主義を創った男 上
bookplus.nikkei.com
アガサ・クリスティー『ヘラクレスの冒険』早川書房

エルキュール・ポアロの連作集。いつもと違って殺人が全く絡まない謎ときが新鮮。
旅に出たり、新興宗教の闇を暴いたり、時には騎士道精神を発揮したり。古き良き騎士道精神を体現するかのようなポワロの活躍が読んでて実に楽しい1冊。

何年か前に読んだから再読なんだけど、やっぱりアガサ・クリスティーは面白い。色んなミステリを読めば読むほど、簡単な材料でも毎回面白い作品に料理できちゃうクリスティーの凄腕っぷりを痛感させられる。
さすがミステリの女王!

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ヘラクレスの冒険
引退をひかえていたエルキュール・ポアロだったが、 十二の難業 に挑むことになった。「ネメアのライオン」「レルネーのヒドラ」「ケルベロスの捕獲」など、ギリシャ神話がモチーフとなった十二の難事件に、灰色の…
www.hayakawa-online.co.jp
個人的に特に面白かったのはアレスとアテナの役割。
正直、えっ?そっちなのって捻りがあって。軍神アレスと秩序を重んじる守りの神アテナなのに…ふーん、的な。

次いで言うと私は仏頂面でイケてる女がガンガン武力を振るうシーンに弱いので、この映画のアテナには超キュンキュンした。無表情で走り、攻撃し、攻めまくるの最高。
でも途中から人間性芽生えてね?って描写があるのもいい。単なる悪役って描写で終わらせないところがいい。続編あったら掘り下げがいのあるキャラになりそう。
「トロン:アレス」特別映像「キャスト&監督が明かす制作の裏側」|10月10日(金)日米同時劇場公開!
YouTube video by ディズニー・スタジオ公式
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『トロン アレス』観てきた。
かっ飛び過ぎず、でもきちんとアップデートすべき事はきちんとしてて素直に楽しめる作品だった。シンプルにエンタメとしての王道を狙った感じがする。

正直出来のいい映像だけをお目当てに観に行ったんだけど、普通にストーリーもよかった。この手の映画にしては珍しく機械と人間が仲いいのが興味深い。ドラえもん的ロボット観とでもいうかね。

あととにかく音楽が良いのでこれは映画館で見てるとつい首を振って乗ってしまう。やっぱ映画館だと重低音がよく聞こえるよね、最高っ。

戦闘シーンも市街を滑走するチェイスシーンも最高。目で見て耳で楽しめる王道エンタメでした。ああ、超満足。
Tron: Ares | Nine Inch Nails | “As Alive As You Need Me To Be”
YouTube video by Disney
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読んでいると1968年とはこういう時代だったか…となるシーンばかりだった。

今の時代なら完全にアウトな言葉も出てくるしで、読んでて、「当時はこれが常識だったのか」とショックを受ける箇所も多い。「戦争とか、外国の人へと向ける視線というか姿勢というか)

その一方で、社会生活に辟易して「東京にいると疲れるわ」なんて言ってるところは妙に現代にも通じてて、つくずく一人の人間の中にある時代という空気と、普遍的な心理の不思議を感じずにはいられない。
それにしてもこの旅が敢行されてまだ100年も経ってないとは。いかに時代の変化が激しいかと薄気味悪さを感じてしまう。
有吉佐和子『女二人のニューギニア』河出書房新社

「いいとこだから、遊びに来なよ」の一言で、友人の住む異国の地へ旅立った、作家、有吉佐和子。
 海外旅行がまだまだ珍しかった60年代、出向いた先はニューギニア。想像を絶する密林に、熱さ、虫、何より強烈な文化の違いにひたすら驚愕する日々を綴ったエッセイ。

ぶっ飛んだ本だった。
 紀行なのに著者は専ら畑中氏の家で療養し、畑中氏は現地の人を従えて八面六臂と飛び回る日々。良くぞ帰ってこれたなぁという劇的な帰国まで、唯一無二の体験過ぎる。
 著者も、タフ過ぎる畑中幸子もどちらも凄い、としか言うしかない。
 
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女二人のニューギニア :有吉 佐和子|河出書房新社
女二人のニューギニア 文化人類学者で友人の畑中幸子が滞在する、数年前に発見されたシシミン族がクラスニューギニア奥地を訪ねた滞在記。想像を絶する出来事の連続と抱腹絶倒の二人の丁々発止。有吉ファン必読。
www.kawade.co.jp
しかし読んでて苦戦したわ。
特に最初の3章目は知らない名前の連続に、思想としてあまり馴染みのない潮流が多くて結構しんどかった。

4章目になって赤瀬川原平とか村上隆の名前が出てきてから、一気に読みやすくなった。5章と6章は西洋中心の美術史観に対抗する視点だし、6章は戦争と芸術の関係だし。後半から読むのもありだったかも。

全体を通して思うのは、現代アートが掴みにくいのはアートが表象しうる範囲が広がり続ける中で、アートの概念自体が各作家という繭の中でドロドロに溶けて、作品と言う名の蝶として羽化するからなのかもしれない。
その蝶があまりにも奇妙奇天烈で混乱してる、それが現代なのかもしれない。
山本浩貴『現代美術史』中央公論新社

現代アートを60年代後から欧米、日本、今まで「メジャーではない」とされきた地域、形式、ジャンルetcをトランスナショナルとして分類し、現代までの流れを全6章で俯瞰した本。

6章目・終章が印象に残った。
美術の観点から日本側の帝国主義を振り返ってて、はっとした。そう、日本も植民地を持ってた側なんだよなって。
その端的な例が藤田嗣治。単に渡仏した画家かと思ってたら、戦中、政府に迎合した「戦争画家(戦争賛成派)」として追放されたなんて知らなんだ。(我ながら何たる無知!)

芸術が社会に持つ責任が少し分かった気がする。

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現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル -山本浩貴 著|中公新書|中央公論新社
20世紀以降、芸術概念は溶解し、定義や可能性を拡張した新しい潮流が続々と生まれている。アーティストは、差別や貧困のような現実、震災などの破局的出来事とどう格闘しているのか。美術は現代をいかに映し、何を投げかけたか。本書は難解と思われがちな現代美術を、特に第二次世界大戦後の社会との関わりから解説、意義づける。世界中の多くの作家による立体、映像、パフォーマンスなど様々な作品で紡ぐ、現代アート入門。
www.chuko.co.jp
井奥陽子『近代美学入門』筑摩書房

アート、芸術ってわっかんねぇーって感覚はどこかくるの?「〇〇の見方が分かる」系の本が頭に入らないのってなんでだろう?
という疑問を抱いたことがあるなら、ぜひご一読を!と押し売りしたい本。

圧倒的に凄い「何か」に触れた時に受ける感動を人類がどう扱って着たかを、主に西洋美術から振り返ることで現代社会における「美」の基準にどう繋がっていくかが分かってくる。
かつては哲学や手工技術の一部分だったものが、いかに独立し、現在の権威的とも言える姿になったのか。を語る第一章から目から鱗が落ちまくり。
いやぁ、勉強になりました。

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『近代美学入門』井奥 陽子|筑摩書房
筑摩書房『近代美学入門』の書誌情報
www.chikumashobo.co.jp
『ドラキュラ』を始めて知ったのは子どもの頃に読んだ菊地秀行による翻案版だったなぁ。全体としてペースアップが図られてて冒険小説としてめっちゃ面白かった。
伯爵も颯爽としてて格好いいし、仲間たちが集合していく胸熱ドラマがたまらんかったのよ。

だから何年か経って普通の翻訳を読んで驚いたっけなぁ。あまりにも伯爵が無力だし、話が中だるみしてて苦痛だった。ルーシーのとこ要らなくね?って思ってたけど、今読み返すと当時はこれで読者にリアルタイム更新の躍動感を与えようとしてたんだなって感慨深い。
あと、ミナ・ハーカーの作品に占める比重は菊地秀行が増やしてたわけでもなかったことに感動した。
ブラム・ストーカー『ドラキュラ』光文社

19世紀を目前に控えた英国から遥かルーマニアまで降り立った新人弁護士ジョナサンは高貴ながらもどこか人間離れした伯爵に迎え入れられる_その名は大貴族ドラキュラ。

書名そのものがネタバレな吸血鬼小説の傑作というか、大御所だよね。何度目かの再読終了。
子どもの頃に菊地秀行が児童書用に冒険小説として脚色したものを読んだので、その時の記憶と比較して読んだので色んな発見があって面白かった。

現代からすると、かったるい部分も多いけど、それを補う面白さがあるんだよね。背景描写の美しさとか、熱き友情のドラマとか。堪能したわ。

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ドラキュラ - 光文社古典新訳文庫
吸血鬼文学の傑作を一気読み! 物語
www.kotensinyaku.jp
読んでてきっついなぁとなったのは、著者がロシア語を母語とするウクライナ作家という立場ゆえに周りから「ウクライナ語で書け」って圧力を受けるってところ。
多言語、多民族国家だとこういう問題は避けられないよね。二元論で割り切れる問題じゃないけど、つい不安に駆られて迫ってしまう。日本だって単一民族に言語は一つっていう「常識」で社会が成り立ってるから、こういうの身につまされる。仮に戦争になったら同じ問題はどこでも起きるのが目に見える。
普段は見えにくい問題が一気に他者への疑心暗鬼として噴出する、そして戦争がそれを加速させるのがヒシヒシと伝わって来たよ。あー気が滅入る。
アンドレイ・クルコフ『戦争日記』集英社

『ペンギンの憂鬱』のアンドレイ・クルコフがロシアとの戦時下で過ごすウクライナの日々を綴った本。不安定なインフラ、言語を巡って起こる「誰が真のウクライナ人か?」という対立、警報に順応していく身体。

生々しい戦時下の日常に、読んでて息が詰まりっぱなしだった。一つ一つの日記は短いけど、全く進ままず、10日ほどヒイヒイ言ってやっと読み終えた。でも、この本はそうやって読み手も四苦八苦するのが相応しい気がする。
終わりの見えない戦争の圧力をぐっと背負って書かれた日記ゆえに、そう簡単には読めない、けど力強く、眩くもある。

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戦争日記 侵略下ウクライナの力強く深い物語/アンドレイ・クルコフ/福間 恵 | 集英社 ― SHUEISHA ―
戦争のただなかで、人びとはどう生きるのか――ロシアによるクリミア併合から11年、ウクライナ全面侵攻から3年。心に刻まれる記録文学。『侵略日記』続編。絶え間ない空襲のストレス、軍を支援するクラウドファンディング、被占領地域からの市民の強制移送、ハルドル・ラクスネス国際文学賞の受賞スピーチ、ジュネーブ会議でのスピーチ、クリスマスの祝い方、「塹壕ろうそく」の作り方、75歳の日本人ボランティアの活躍、児童...
www.shueisha.co.jp
Reposted by tatumi
『突然、NHK「性暴力を考える」サイトが9月30日に閉鎖されると発表されました』
仰天&呆然。こんな貴重な情報と、被害者がやっとの思いであげた声の集積を、根こそぎ消す!? しかも9月末!?
NHKは公共放送の役割を何だと考えているんですか?
このサイトは絶対に存続させなければならない。署名にご協力ください!

【NHK「性暴力を考える」サイトを消さないで】
www.change.org/p/nhk-%E6%80...
あなたの声がチカラになります
NHK「性暴力を考える」サイトを消さないで
www.change.org
この時代にフランケンシュタイン?ってびっくりしたら、マジだった。
ただし、フォーカスは怪物じゃなくてその伴侶の側だった。面白そう。このアプローチは今までなかったんじゃない?
主役の人、一瞬レディ・ガガかと思ったら違った。ジェシー・バックリーでした。

吸血鬼、ゾンビのブームと来てまたもやフランケンシュタインの怪物の時代が来るのか。歴史は繰り返すねー。
幽霊&怨霊、吸血鬼、ゾンビ、創造物系、人狼などの変身系はホラーの原型なんだなーと思う。何度でも蘇ってくるもんね。
The Bride! | Official Teaser
YouTube video by Warner Bros.
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アナス・アタッシ『スマック』2ndLap

シリア出身の著者が故郷の料理と思い出を数々の写真とともに紹介する料理本。って紹介するのが申し訳ないほど、素敵な本だった。

まず、これレシピ本なのか?って疑問に思うほど料理の写真が美しい。
 ちょっとセピア調で、料理が盛り付けられている器の複雑な模様から、その下の敷物までにうっとりしちゃう。
 次に全ての料理に作者が付け加える家族との思い出や、章をまたぐことに挿入されてるシリアの日常生活の写真が素晴らしいのよ。「内線で悲惨なことになっている」とイメージしてしまいがちなシリアの魅力が存分に伝わってくる。

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スマック シリアからのレシピと物語
NPR(アメリカ公共ラジオ放送)が選ぶ、2021年最高の料理本。おそらく日本初となる、シリア家庭料理に特化したレシピ本。著者が母親から学んだ家庭料理を中心に85のレシピ + 9つのエッセイを収録。
www.2ndlap.jp
DIZ『サブスクに観たい映画多すぎて、結局、観ない夜ありすぎ』角川

「お前は俺か!」ってなるタイトルに引かれて手を取った本。
超良かった。
 サブスク時代の映画との付き合い方教えますってスタンス通りに「あ、映画ってそうやって楽しんでもいいのか」って提案が目から鱗ですご~いって言いながら読了。

今をときめく役者たちのリストがあったり、テーマごとにまとめた映画のリストも有り、チラ見するのも楽しい。

どんな趣味でも、嗜むのに心理的なハードルを下げて接し続けられるって大事なポイントだもんね。いかに楽しむかって考えること自体のパワーを感じさせられた。

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サブスクに観たい映画多すぎて、結局、観ない夜ありすぎ
生活・実用書「サブスクに観たい映画多すぎて、結局、観ない夜ありすぎ」のあらすじ、最新情報をKADOKAWA公式サイトより。「今日これ観よう」が決まる新時代の映画案内!
www.kadokawa.co.jp
10年前に読んだ時はあまりにぶっ飛んだ感覚についてけなくて、体験記というよりなかばSFみたいにして読んでたなぁ。

でも今読むとレベッカ・ソルニットの『ウォークス』にもう通じる
歩くこと、都市の中を移動する事自体への詳察が哲学的で「ふ、深い」ってなった。当時感じてたけど言語化出来なかった感想も、他の本を読んだり自分の経験も加わって解析度が上がるんだなぁ。
再読ってしてみるもんだ。
ウォークス 歩くことの精神史 | 左右社 SAYUSHA
広大な人類史のあらゆるジャンルをフィールドに、〈歩くこと〉が思考と文化に深く結びつき、創造力の源泉であることを解き明かす。
sayusha.com
ブラッドリー・L・ギャレット『「立入禁止」をゆく」青土社
www.seidosha.co.jp/book/index.p...
都市において、人が入っていい場所は限られている。公園や商業施設はOKでも、工事現場や変電設備、水道施設はNG。だって危ないもんね

それって都市の管理者側の建前なんじゃね?
という疑問を抱いた著者が高層ビルに廃工場、地下の下水道など片っ端から「立入禁止」を破りまくった 体験記。
 10年ぶりに再読。多くの人が都市に住む現代社会において心身の、学問の「自由」とは何か身を持って試す著者の姿勢に圧倒される。ようやく感想を言えたわ。

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私がこれ面白かったのは、古代アイルランドのカトリック布教においてアイルランドが果たした役割のところ。

ピーター・トレメインの「修道女フィデルマ」シリーズの世界じゃん!ってなったんだよね。ケルズの書って、本編のあとがきや解説で何回か目にしてきたけどこれのことだったんだ!って興奮した。
 いや、そもそもの話しピーター・トレメインが歴史史学者なんだからここらへんの設定がしっかりしてるの当然なんだけどね。ラテン語といっても、イタリア、フランス、スペインだけじゃないんだなって改めて実感しました。
 実際、ビザンツ帝国下でのラテン語とか詳細に書かれてて言語の広がりってものを実感させられた。
L・D・レノルズ、N・G・ウィルソン『古典の継承者たち』筑摩書房

現在我々が触れられる古代ギリシャ・ラテン語の本ってどこから来たの?という疑問に真正面から答えてくれる1冊。包括的で面白い。

書物の歴史、ラテン語とキリスト教の関係、ギリシャ語の歴史を織り交ぜて、どうやって原本が写本となり、写本に注釈が加わり印刷されて今日の形になったかを実に活き活きと語ってくれる。
ただし、この本名詞の量がエグいのでそこはご覚悟を。地名、人名、書籍名、固有名詞、ありとあらゆるラテン語・ギリシャ語の名詞が降り注ぐので目眩がしたら、各章の頭だけ読みつなぐでもいいと思う。

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『古典の継承者たち』L.D.レノルズ|筑摩書房
筑摩書房『古典の継承者たち』の書誌情報
www.chikumashobo.co.jp
夏井いつき『パパイアから人生』小学館

歌人のエッセイや、歌集はたまに読むのに俳人の本や句集は読まないなぁと思っていたら、本屋で目が合った。
俳人だからか、著者の語りは歌人と比べてとにかくて活きが良い、テンポが早い。
そしてものすごく現実に即しているというか、大地にしいっかりと根を張ってる文章であっという間に読み終わってしまった。

季語、17文字という短さがエッセイのリズムと上手く絡み合ってて、なるほどこれが俳人的思考なんだなって伝わってくる。
これ一冊で俳句の全てが分かるわきゃないけど、チラ見は出来た気がする。

でも、私はやっぱ短歌の方が好きかも。
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パパイアから人生 | 書籍 | 小学館
大人気番組『プレバト!!』でお馴染みの俳人・夏井いつきさんが綴った、愉快痛快にして心に沁みる最新エッセイ集!夏井さんは本書について「あとがき」でこう綴っています…
www.shogakukan.co.jp