アニメ色々見てます!ゆるく絵を描いたりも🎨
直近のイラストを固定に置いてます
そう請われ絢瀬さんの恋人役を演じるようになって数ヵ月。最初はストーカーから彼女を守る為だったけど、一緒に過ごすうちに唯々楽しくなっていた。
その一方、元々好意を抱いていた相手だっただけに、この自分勝手な感情を悟られる訳にいかないとずっと自分を戒めてきた、のに。
「希、大事な話があるの」
『ふり』を解消してほしい。そう言って近付いてきた彼女の手にした小箱には、陽光を浴びて輝く対の指輪。
「私の本当の『恋人』になってくれる?」
「…うちでええの?」
困惑気味の問いに返る「私がお願いしてる側よ」との言葉と共に白銀の片割れを指に通される。
それは、偽物が本物に変わる瞬間。
そう請われ絢瀬さんの恋人役を演じるようになって数ヵ月。最初はストーカーから彼女を守る為だったけど、一緒に過ごすうちに唯々楽しくなっていた。
その一方、元々好意を抱いていた相手だっただけに、この自分勝手な感情を悟られる訳にいかないとずっと自分を戒めてきた、のに。
「希、大事な話があるの」
『ふり』を解消してほしい。そう言って近付いてきた彼女の手にした小箱には、陽光を浴びて輝く対の指輪。
「私の本当の『恋人』になってくれる?」
「…うちでええの?」
困惑気味の問いに返る「私がお願いしてる側よ」との言葉と共に白銀の片割れを指に通される。
それは、偽物が本物に変わる瞬間。
特に、愛し合った翌朝には。
「ねぇ希。可愛いお顔、見せてくれないの?」
朝からシーツを被って出てこない私を見て、不思議そうに言う絵里に、「えりちのせいやろ!」と言いかけた言葉をぐっと飲み込む。
だって、一晩中求められた後の体を見るだけで、昨夜のあれこれが即座に脳裏に浮かぶのに。どうしてわかってくれないのか。
「今日はもう起きる気せぇへんの」
少し拗ね気味にそう言えば、ややあってごそごそとベッドに潜り込んでくる彼女。
「じゃあ私も一日希とごろごろしようかな」
そう言いつつ、早速こちらへ伸びてくる手を抓り、心の底から突っ込んだ。
「それじゃあ、意味ないやろぉ」
特に、愛し合った翌朝には。
「ねぇ希。可愛いお顔、見せてくれないの?」
朝からシーツを被って出てこない私を見て、不思議そうに言う絵里に、「えりちのせいやろ!」と言いかけた言葉をぐっと飲み込む。
だって、一晩中求められた後の体を見るだけで、昨夜のあれこれが即座に脳裏に浮かぶのに。どうしてわかってくれないのか。
「今日はもう起きる気せぇへんの」
少し拗ね気味にそう言えば、ややあってごそごそとベッドに潜り込んでくる彼女。
「じゃあ私も一日希とごろごろしようかな」
そう言いつつ、早速こちらへ伸びてくる手を抓り、心の底から突っ込んだ。
「それじゃあ、意味ないやろぉ」
バイト終わりにスマホへ届いていたメールに急いで着替える。
絵里は外出ついでに時折私のバイト先に顔を出すけれど、決して私の仕事の邪魔はせず、こうして外で待っている事が多い。
でもそれだけにこちらは気が気ではなくて。
だって彼女は目立つから。あの眩しい存在を目にしたら、人もそれ以外も惹かれてしまうのは必然だから。
息を弾ませ外へ出れば咲き初めの桜を見上げる姿に思わず見惚れつつ、背後から声を掛ける。
「そんなに見てると桜の精に攫われるで」
そう言えば「随分ロマンチックな事を言うのね」なんて笑うけど。
今も私に気付き慌てて隠れた『それ以外』を牽制しつつ、そっと腕の中に閉じ込めた。
バイト終わりにスマホへ届いていたメールに急いで着替える。
絵里は外出ついでに時折私のバイト先に顔を出すけれど、決して私の仕事の邪魔はせず、こうして外で待っている事が多い。
でもそれだけにこちらは気が気ではなくて。
だって彼女は目立つから。あの眩しい存在を目にしたら、人もそれ以外も惹かれてしまうのは必然だから。
息を弾ませ外へ出れば咲き初めの桜を見上げる姿に思わず見惚れつつ、背後から声を掛ける。
「そんなに見てると桜の精に攫われるで」
そう言えば「随分ロマンチックな事を言うのね」なんて笑うけど。
今も私に気付き慌てて隠れた『それ以外』を牽制しつつ、そっと腕の中に閉じ込めた。