恋心なんてもちろん自覚していない沢と、密かに想いを寄せていた松の話。
沢がロードワーク中、木陰にあるベンチに座っていると、松がやってきて「行ってみたかったんだ」って沢を連れ出す。
沢はまぁ先輩が言うならって感じでついていくんだけど、「餞別やるよ」って松が水ヨーヨーをくれて。
海を渡る頃にはすっかり萎んだ水ヨーヨーはゴミ箱に捨てるんだけど、なんだかそれが忘れられなくて。
離れて初めて恋を自覚する沢がすきなんだなあ。
恋心なんてもちろん自覚していない沢と、密かに想いを寄せていた松の話。
沢がロードワーク中、木陰にあるベンチに座っていると、松がやってきて「行ってみたかったんだ」って沢を連れ出す。
沢はまぁ先輩が言うならって感じでついていくんだけど、「餞別やるよ」って松が水ヨーヨーをくれて。
海を渡る頃にはすっかり萎んだ水ヨーヨーはゴミ箱に捨てるんだけど、なんだかそれが忘れられなくて。
離れて初めて恋を自覚する沢がすきなんだなあ。
「木公本さん、これなーんだ」
「え、お前のこうす……い……おい、どこから取った?」
「引き出し開けたらあったよ」
「勝手に開けるな」
「だってボールペン探してたんだもん。それよりこれ、何に使ってんの?」
「何にって、普通につけてるだけだ」
「ふーん? いやー昨日寝たときさ、風呂に入ったハズなのに木公本さんのベッド俺の香水の匂いするなーって思ってたんだよねぇ」
「………………」
「ね。素直に教えてくれたら香水つけたままシてあげるよ?」
「っ…………うるさい!」
って顔真っ赤にしてるんだね。わかる。
「木公本さん、これなーんだ」
「え、お前のこうす……い……おい、どこから取った?」
「引き出し開けたらあったよ」
「勝手に開けるな」
「だってボールペン探してたんだもん。それよりこれ、何に使ってんの?」
「何にって、普通につけてるだけだ」
「ふーん? いやー昨日寝たときさ、風呂に入ったハズなのに木公本さんのベッド俺の香水の匂いするなーって思ってたんだよねぇ」
「………………」
「ね。素直に教えてくれたら香水つけたままシてあげるよ?」
「っ…………うるさい!」
って顔真っ赤にしてるんだね。わかる。
感じた違和感は確信に変わって、松が一緒に飲んでたからあんなにワクワクしたんだなって思い至る沢。
感じた違和感は確信に変わって、松が一緒に飲んでたからあんなにワクワクしたんだなって思い至る沢。
その日は沢に目一杯抱き締められる夢を見て、幸せな気持ちで目を覚ます。
今日も頑張ろうと前向きにベッドから抜け出す松。
その日は沢に目一杯抱き締められる夢を見て、幸せな気持ちで目を覚ます。
今日も頑張ろうと前向きにベッドから抜け出す松。
「彼女がいるかって聞かれたら、大切な人がいるって言ってね?」
「はいはい」
「ねぇ! ちゃんと聞いて!」
「聞いてるよ」
「無理。やだ。坊主にして。毛玉だらけのパーカー着てよ」
「嫌だよ」
「うっ……うぅ……😭」
遠距離だから、誰かに奪われちゃうんじゃないかって気が気ではない沢。
そんな沢を見てかわいい奴と思っている松。
サワマツです。
「彼女がいるかって聞かれたら、大切な人がいるって言ってね?」
「はいはい」
「ねぇ! ちゃんと聞いて!」
「聞いてるよ」
「無理。やだ。坊主にして。毛玉だらけのパーカー着てよ」
「嫌だよ」
「うっ……うぅ……😭」
遠距離だから、誰かに奪われちゃうんじゃないかって気が気ではない沢。
そんな沢を見てかわいい奴と思っている松。
サワマツです。
熱さまシートつけてる二人かわいいな〜
熱さまシートつけてる二人かわいいな〜
松が目を開けたら沢と目があって、「……お前目開けてたろ」「うん。だってかわいいから」「ずるいぞ」って今度は目を開けながらチッスします。
松が目を開けたら沢と目があって、「……お前目開けてたろ」「うん。だってかわいいから」「ずるいぞ」って今度は目を開けながらチッスします。
「またやってるヒ゜ョン」って二人から離れた机でUNOをしている三年生ズが呆れ顔をしています。
「またやってるヒ゜ョン」って二人から離れた机でUNOをしている三年生ズが呆れ顔をしています。
国際線の到着する空港内のカフェで読書をしながら沢を待ってる。読書してるんだけど、ページは全然進まないんだ。沢に会えるのが嬉しいから。
これはたぶん小説も書いたけどほんとうにこの情景がいつでも浮かぶ。年上の余裕を見せたい松だけど、やっぱり遠距離恋愛をしていてひさしぶりに会えるとなるとソワソワしてしまうかわいい松。
沢はもちろん会うなりハグするしキスしようとする。
国際線の到着する空港内のカフェで読書をしながら沢を待ってる。読書してるんだけど、ページは全然進まないんだ。沢に会えるのが嬉しいから。
これはたぶん小説も書いたけどほんとうにこの情景がいつでも浮かぶ。年上の余裕を見せたい松だけど、やっぱり遠距離恋愛をしていてひさしぶりに会えるとなるとソワソワしてしまうかわいい松。
沢はもちろん会うなりハグするしキスしようとする。
「みのるさんの行きたいところ」
「……食いたいもんは?」
「んー、みのるさんが食べたいもの」
「たまにしか帰ってこないんだし、俺に合わせなくていいんだぞ?」
「だって、みのるさんが好きなもの全部知りたいんだもん」
キラキラした目で嘘偽りないことばでそう言っている沢。
「はー、俺が世界で一番好きなもん教えてやるよ」
「うんうん、なぁに?」
「ばすけ」
「ははっ、それ俺も!」
「二番目はおまえ」
「えっ」
してやったりという顔をする松。もう一回言ってと強請る沢。
「みのるさんの行きたいところ」
「……食いたいもんは?」
「んー、みのるさんが食べたいもの」
「たまにしか帰ってこないんだし、俺に合わせなくていいんだぞ?」
「だって、みのるさんが好きなもの全部知りたいんだもん」
キラキラした目で嘘偽りないことばでそう言っている沢。
「はー、俺が世界で一番好きなもん教えてやるよ」
「うんうん、なぁに?」
「ばすけ」
「ははっ、それ俺も!」
「二番目はおまえ」
「えっ」
してやったりという顔をする松。もう一回言ってと強請る沢。
沢から寮に電話がきて、松がとる。
「卒業式終わったぞ」
「うん、おめでとうございます」
「春から東京だから、帰ってくるときは会いに来いよ?」
「うん。うん……ねぇ、mtmtさん」
「ん?」
「会いたい」
「はは、気軽に来られない距離って知ってるから、気にすんな」
「うん」
* * *
「mtmtさん」
「は? お前、なんで……?」
元々卒業式に合わせて帰るつもりだった沢。電話も実は空港の公衆電話からしていて、そこから新幹線でaktに来たので、到着したのが今で。
「会いたかった、大好き」
「っ…………」
沢に抱き締められて初めて涙を流す松。
沢から寮に電話がきて、松がとる。
「卒業式終わったぞ」
「うん、おめでとうございます」
「春から東京だから、帰ってくるときは会いに来いよ?」
「うん。うん……ねぇ、mtmtさん」
「ん?」
「会いたい」
「はは、気軽に来られない距離って知ってるから、気にすんな」
「うん」
* * *
「mtmtさん」
「は? お前、なんで……?」
元々卒業式に合わせて帰るつもりだった沢。電話も実は空港の公衆電話からしていて、そこから新幹線でaktに来たので、到着したのが今で。
「会いたかった、大好き」
「っ…………」
沢に抱き締められて初めて涙を流す松。