夜隅ねこ @『水葬日和』アルファポリスにて連載中
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夜隅ねこ @『水葬日和』アルファポリスにて連載中
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静かな夜の片隅から紡ぎし言の葉 願わくば貴方のための煌めきに
アルファポリスにて小説を書いてますฅ•ω•ฅ
超短編(不定期投稿)はコチラのタグから → #夜の隅で猫が鳴く

【マシュマロ】http://onl.bz/iVhGKGU 
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November 14, 2024 at 1:25 AM
あの日の鮮やかさを忘れてしまったからこそ。
November 14, 2024 at 1:25 AM
大人になって現実に追われて、あの日の熱意を忘れた自分も、迷いと不安に止まるペンも、それらを淋しいと思う自分も、全てを赦せる人間になりたい。
November 14, 2024 at 1:24 AM
November 14, 2024 at 1:24 AM
私の中の『楽しい』には、いつの間にか傷がついてしまっていた。その感情を抱くたび、傷口に沁みて胸の辺りが痛くなる。

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:24 AM
過去形でしか語れなくなった君の元へいく

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:24 AM
「じゃあ、またね」
柵に囲まれたベッドで眠る痩せ細った背中に声をかけた。振り返った君が何か言いたそうなな顔をする。
 わかってる。「また」が来そうにないことを。けれど僕は、彼女が明日を迎えられることを最期の1秒後まで信じていると決めたのだ。

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:23 AM
自分の知らない人が死んだとき、胸の真ん中に冷たい空虚さを感じるのは何故だろう。 そこにその人がいたわけではないというのに。 僕は今、何を失ったんだろう。

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:23 AM
「誰もお前のことなんて眼中にないよ」
「そうか、じゃあ最初に見るのはきっとあたしの背中だぜ」

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:23 AM
幸せって何だろう。
 キャスター付きの椅子の背もたれに顎を乗せ、さながら遊園地のコーヒーカップのように回転しながら考えた。
 仕事で昇進すること?
 理想の相手と結婚すること?
 趣味が充実していること?

どれも素敵なことのようで、同時になんか違うな、と思った。
幸せって重たい言葉だ。こうしてクルクル回ることだって難しくなりそうなほど。

「幸せ」を渇望しながら、あたしは今のお気楽で身軽な人生だって気に入っているのだ。
「重き荷はごめんだしなぁ…」
床についた足が机にぶつかって、冷めた珈琲の水面が「甘いこと言うなよ」と言わんばかりに波立った。夜は深く、深く更けていく。

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:22 AM
読者が物語に求めるのは、誰も体験できないような非日常に飛び込むことか、それとも、誰かの日常を覗き見ることか

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:22 AM
2023年 「アイドラフト春の超短編コンテスト」応募作品

「ずっとともだち」

僕だけの物語を、と思いながら綴りました。
November 14, 2024 at 1:21 AM
「♪~」
「奈美子、この歌好きなん?」
「え、別に。なんで?」
「いや、今口ずさんでたから」
「え」
自分でもわかるくらい顔を歪めた私を、航太は不思議そうな顔で見つめた。
「全っ然、好きじゃないから」
「そこまで言うことなくね」

きょとんとした目にくしゃりと皺を寄せて、航太が吹き出す。幼い表情に言い知れない罪悪感が湧いた。私は思わず顔を逸らした。

今では知らぬ人のいないほどの知名度を誇る男性アイドルグループのデビュー曲を、私は本当に、一度だって自分の意思で聴いたことはなかった。
 私が飽きるほど聴いたのは、こんな甘い声ではない、少し掠れた低音の――
November 14, 2024 at 1:18 AM
緩慢な雰囲気を切り裂いたその着信が切羽詰まった響きに感じたのは、サイレンじみたアラーム音のせいだろうか。
「あーごめん、ちょっと待って」
スマホを耳に当てた先輩は「もしもしー?」と気の抜けた声を上げながら立ち上がった。

「――うん、うん…え?え、マジ?」
ここからでは相手の声は聞こえない。だが、先輩の眉根にみるみる皺が寄っていくのが見えて、俺はビールの缶をそっと置いた。只ならぬ雰囲気であることは、酔いに頭を火照らせた俺にも分かった。

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:17 AM
タイヤに巻かれたチェーン同士がぶつかる甲高い音を立てながら、バスがやってきた。僕は彼女の冷えきった指先をそっと掴んだ。
「トナカイみたいだね」
不意に彼女が呟いた。

「トナカイ?」
「鈴が鳴ったみたいな音がするから」
そう言われれば、そんな風に聞こえる気がしないでもない。
「確かに。フロント赤いしね」
だとしたらこの古ぼけたトナカイは、僕らに自由をプレゼントしに来たに違いなかった。

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:16 AM
「いつか空は、海の底に沈むのよ」
水平線を指さして、君は朗らかに言った。
「大変じゃないか。いつかって?」
「そうね、私が死ぬ頃かしら」
 じゃあ、そんなに遠い未来の話じゃないじゃないか。
 零れかけた言葉を慌てて飲み込んだ。君は変わらず笑っている。ツンとした潮風が僕を刺した。

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:16 AM
今までの自分など見る影もない
明日の影も踏めぬまま歩いていたら
いつの間にか遠くに来ていた

道すがら取り落としたものは数多
今ではただの空虚な影法師

あの頃の自分はなんと言うだろう

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:16 AM
僕は、優しいんじゃない
見捨てた人・見て見ぬふりした人の姿が、頭から離れないだけなんだ
 優しさはただ、自分のために消費されてく

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:15 AM
「下村君キミ、革命だ革命だと云うけどねェ、いやまァ聞き給え。
社会というのはさ、変わらないから強大なのだよ。コロコロ変わるものに力なんてありはしないのさ。
 君が何をどうしたいのかは知らんがね、いや説教のつもりじゃないんだ。ああほら、そう人の話を聞かないところ、キミの欠点だぜ」

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:15 AM
《好きな人いるの!?》
《えー 誰だろ》
《めちゃくちゃ気になるんだけど!》
聖夜を楽しむ人々の笑い声の合間に、せっつくような通知音が聞こえる。
《俺だったらいーなー(笑)》
スマホから顔を上げる。眩く点る青い光が、目に痛かった。
「…どうだろうね、と」
 この画面の向こうにいるのが、君じゃなければよかったのに。

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:15 AM
じゃあ、お先に。
そう言い遺して、蛍さんは屋上から落ちていった。
 笑顔の蛍さんが俺の視界から消える。少しして、ドン、という音が小さく聞こえてきた。覗き込むことはしなかった。

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:14 AM
[ おやすみ]
簡素なメッセージを送信して、スマホの液晶画面を伏せた。
 世の中には煩わしいものが多すぎると思う。例えば人間関係とか。

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:13 AM
明日とは、絶望の代名詞だ。「明日があるよ」は脅迫だ。

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:13 AM
昔から、ニュースの訃報が嫌いだった。悲痛な顔でニュース原稿を読み上げていたアナウンサーが、次のニュースに移った瞬間に明るい表情を取り戻すのが、なんだか酷く嫌なもののように見えた。亡くなった人が、過去に投げ捨てられてしまったようだった。

#夜の隅で猫が鳴く
November 14, 2024 at 1:12 AM