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「今日のはミントチョコだ。案外口に合う――」
言い終える前に口を舐めた。ビターなチョコとミントの匂いがした。
「本当だ。スースーする」
手早くマスクを元に戻せば、「もういいのか?」と確認された。
「今日のはミントチョコだ。案外口に合う――」
言い終える前に口を舐めた。ビターなチョコとミントの匂いがした。
「本当だ。スースーする」
手早くマスクを元に戻せば、「もういいのか?」と確認された。
「よし試そう」
面白がったガイが購入を決め、早速目薬を使った。ところが片目にさした途端、「くっ」と呻いて固まる。
「大丈夫?」
強過ぎる刺激に涙が滲んでいるようだった。
「よし試そう」
面白がったガイが購入を決め、早速目薬を使った。ところが片目にさした途端、「くっ」と呻いて固まる。
「大丈夫?」
強過ぎる刺激に涙が滲んでいるようだった。
「そろそろ寝るか」
「まだいい。テレビ終わってないし」
顔は眠そうだが番組の続きが気になるのも本当のようだ。あと少しで終わるというので待っていると、さっきのがうつったのか欠伸が出た。
「眠かったら先に寝ていいよ」
「そろそろ寝るか」
「まだいい。テレビ終わってないし」
顔は眠そうだが番組の続きが気になるのも本当のようだ。あと少しで終わるというので待っていると、さっきのがうつったのか欠伸が出た。
「眠かったら先に寝ていいよ」
「そういえば去年は遅かったね」
「そうだったか?」
一緒に見た記憶は確かにある。しかし時期までははっきりしない。
「そうだよ。さて、来年はどうかな」
一年後の答え合わせが楽しみだ。
「そういえば去年は遅かったね」
「そうだったか?」
一緒に見た記憶は確かにある。しかし時期までははっきりしない。
「そうだよ。さて、来年はどうかな」
一年後の答え合わせが楽しみだ。
「お祭りみたいなものだしね」
「では次の祭りに備えるとしよう」
三月といえば。
「ひな祭りだな」
「そこはホワイトデーでしょ」
鋭いツッコミに怯みつつ、新たな目標ができてよかった。
「お祭りみたいなものだしね」
「では次の祭りに備えるとしよう」
三月といえば。
「ひな祭りだな」
「そこはホワイトデーでしょ」
鋭いツッコミに怯みつつ、新たな目標ができてよかった。
「これ」
「ありがとう」
喜ぶ顔にほっとしたのも束の間。「最初にくれたプレゼント覚えてる?」から始まって、思い出話が止まらない。ムードがなさすぎるのもどうかと思った。
「これ」
「ありがとう」
喜ぶ顔にほっとしたのも束の間。「最初にくれたプレゼント覚えてる?」から始まって、思い出話が止まらない。ムードがなさすぎるのもどうかと思った。
「予定はないが、今晩じゃだめなのか?」
「今晩がだめっていうか、明日に意味がある感じ?」
妙に念押しすると思ったら明日は二月十四日だった。
「予定はないが、今晩じゃだめなのか?」
「今晩がだめっていうか、明日に意味がある感じ?」
妙に念押しすると思ったら明日は二月十四日だった。
「大丈夫――じゃないね。無理するから」
呆れ口調だが抱き起こす手は優しい。
「すまない」
「謝るよりお礼言ってよ」
気の置けない軽口に胸がじんわり温もった。
「大丈夫――じゃないね。無理するから」
呆れ口調だが抱き起こす手は優しい。
「すまない」
「謝るよりお礼言ってよ」
気の置けない軽口に胸がじんわり温もった。
買い食いのつもりで「食べてくか?」と訊ねたら、「いいね。何個買ってく?」と返された。うちで食べると思われていた。
まあ冷凍のご飯を解凍すればすぐに食べられる。そう算段して帰宅し、冷凍庫を開ければ――ご飯はなかった。
買い食いのつもりで「食べてくか?」と訊ねたら、「いいね。何個買ってく?」と返された。うちで食べると思われていた。
まあ冷凍のご飯を解凍すればすぐに食べられる。そう算段して帰宅し、冷凍庫を開ければ――ご飯はなかった。
翌朝、抱きついたまま起きたせいで「寝相が悪い」と揶揄われてしまった。
翌朝、抱きついたまま起きたせいで「寝相が悪い」と揶揄われてしまった。
「行きたいお店があるんだけど、入れてくれないだろうな」
そんな畏まった場所、誘う相手を間違っているとしか思えなかった。
「行きたいお店があるんだけど、入れてくれないだろうな」
そんな畏まった場所、誘う相手を間違っているとしか思えなかった。
帰郷後に渡したら「珍しいな」と驚かれた。土産自体滅多にないのに、ヘアケア製品では面食らうのも無理はない。
何しろ買った自分が驚いた。艶やかな髪というフレーズで連想したなんて、相当に侵蝕されている。
帰郷後に渡したら「珍しいな」と驚かれた。土産自体滅多にないのに、ヘアケア製品では面食らうのも無理はない。
何しろ買った自分が驚いた。艶やかな髪というフレーズで連想したなんて、相当に侵蝕されている。
「いつまでも勝負って。もう子供じゃないんだから」
確かにガイは先月十八になった。世間では成人だろう。しかしそれが何なのか。
「大人が勝負してどこが悪い」
「もっと違うことしなって言ってんの」
そうして差し出されたのはいつもの官能小説だった。
「いつまでも勝負って。もう子供じゃないんだから」
確かにガイは先月十八になった。世間では成人だろう。しかしそれが何なのか。
「大人が勝負してどこが悪い」
「もっと違うことしなって言ってんの」
そうして差し出されたのはいつもの官能小説だった。