Anguilla japonica
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Anguilla japonica
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銀英伝熱の再発中。ヤンフレ、原作CP、微量の雑味。原作石黒ノイエ道原フジリュー全て好き、結構前に20↑。
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原作6巻以降のヤンフレです
寒くなってきたのでかわいい程度に物理でくっついている話が書きたくなりました #新書ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/shinsho/shinsho_bg.php
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 付記に「眠る前のこと」、「Anguilla japonica」と記載されています。 画像情報：generated by 新書ページメーカー / フォント：源暎こぶり明朝 以下は本文の内容です。 　ベッドのクッションを背もたれに、スポットライトをセットしたら部屋の明かりを落とす。寝る前に読書をするときのヤンの長年のスタイルだ。少し前からこのスタイルに加わったものがある。 　右の腰から下にやわらかな温もりが寄り添っている。ヤンがベッドに入って読書の支度が済むと、フレデリカはこちらにからだを向けそっとからだを寄せてくる。そうして本を読む夫の顔などという、見ても面白くないだろうものを毎日飽きずに下から眺めている。 　ページの合間に下を向くと、いつもより瞳孔が開いたヘイゼルの瞳がある。私と目が合うとゆっくり目を細めて微笑みを返してくれる。寛いだフレデリカの笑顔にこちらも同じ表情になる。 　そうして時折下を向いたとき、彼女の瞼が閉じられて眠りの国へと旅に出ていたら私の読書時間もおしまい。眠っているフレデリカを本そっちのけで眺めてしまうからだ。ほどけて穏やかな寝息をたてるフレデリカはこんなときでも美しい。無防備な姿をした彼女に愛おしさを感じつつ眺めているとこちらもつられて眠くなってくる。彼女を起こさないようにそっとからだを動かして彼女の隣へと潜り込んだら一日が終わる。 　 　寝る前に読書する私の横にいる彼女の左手は大抵私の腿の外側に添えられていて、彼女のから だを支えている。 　一方で彼女の右手の場所は毎日違う。とても眠いときは私の腿の上に添えられているし、甘えたいときはページを捲る以外の私の右手を触っていたがる。フレデリカが愛情を伝えてくれるときは、からだのあちこちを撫でてみたり、右手を伸ばして私の頬に優しく触れてきたりする。 　もっと彼女が情熱的なときはかなり言いづらい、彼女以外には触らせないところに、まあ、あれこれとしてくる。私とて一応は健康な成人男性なので、その辺りに思わせぶりな手があたれば反応する。というか、そもそも大好きな存在の感触と匂いがすぐ横にあって勝手にむずむずとしてくることだってあるのだ。 　そういうとき、彼女は自分にないものを興味深く不思議そうに観察しつつ、つついたりなでたり辿ったりと楽し気に丁寧な手つきで触れてくる。 　色々な意味で羞恥に赤面してしまうが、戦場にあってすらほぼ動かなかった本能が彼女に対しては今までの分を上乗せして発揮されてしまうのだ。誘われたら嬉しくなるし、許してくれるなら毎日だって彼女をほしいくらいだ。 　 　本を読む自分の手もフレデリカと同じだ。左手はいつも本を持っていて、右手は色々と忙しい。 　本のページを捲る以外はたいていフレデリカに預けるか彼女のどこかに触れるか撫でるかしている。彼女の様子と反応によってその日の右手の過ごし方はちがう。 　彼女の頬を撫でていると、時折指に唇を寄せ優しく喰まれることもある。その感触に思わず下を向くと、眠そうな中で無垢な笑顔をしたフレデリカがいて、隣で最も寛いだ姿を見せ自分の存在を喜んで受け入れてくれている。そういったときは彼女への愛おしさが一段と大きくなりそれが日々増していく。 　見上げてくるフレデリカの瞳が起きているときの輝きをしているなら、しばしば私の右手は本能に従おうとする。だめなときは明確にだめと言ってくれるので、私は安心して本心を曝けだすことができる。 　多分自分の目に欲の炎がちらつくのもフレデリカには読み取れるのだろう。だめじゃないときは私の炎の煌めきが反射して、ヘイゼルに妖艶な翠が灯るのだ。 　 　今日のフレデリカの右手は時折思い出したように私の腹を撫でている。少し眠いのだろう、いつもより手が温かい。そんな私の右手は彼女の金褐色のやわらかな髪の感触を楽しんでいる。 　言葉はなくてもお互いの存在と心で満たされた寝室は温かく心地よい。 　ゆっくりと髪を撫でながら彼女の顔を見遣ると、目を閉じたまま満足そうな微笑みを浮かべていて、眠りの国の国境へ辿り着いたところのようだ。もう少しすれば完全に眠ってしまうだろう。 　そのうち彼女を本気で怒らせてしまってこの温かさが彼方を向いて寝てしまう日があれば寂しいだろうと思う。彼女が私を叱るときは大体において自分に瑕疵があるのだが、幸運にもフレデリカは今のところ夫のことを赦し、共にいることを喜んでいてくれている。 　こういう温もりに包まれている瞬間は自分を宇宙一の幸せ者と呼んでもいいかもしれない。我ながら浮かれたことを考えているものだと可笑しくなるが、あのとき全ての気力と勇気を振り絞り手を差し出して得られたものなのだからこれでいい。一日を無事に終えたご褒美をありがたく享受させてもらっている。 　 「おやすみ」 　心地よさそうな寝顔をみせる隣の温もりにそっと囁いて、ヤンは今日もそっとベッドに潜った。
December 14, 2024 at 5:36 AM
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雨のおかげか一瞬誰もいない🐟ツリー
あちこちに🐟が泳いでてかわいい
右は昼の姿
November 26, 2024 at 12:33 PM
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昨日行ったドラえもんケーキのお店は小学館併設
小学館さん、入口でサンデー文化祭寄せ書きや漫画家さんの連載1号分のラフと原稿比較の展示をしてくださる太っ腹具合
写真撮って大丈夫とのことでした
November 25, 2024 at 11:24 PM
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アッテンボロー誕生日おめでとう
石黒版第3期の海賊姿から
今日の誕生絵の自撮りにやられました #文庫ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/bunko/bunko_bg.php
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 付記に「宇宙海賊」、「Anguilla japonica」と記載されています。 画像情報：generated by 文庫ページメーカー / フォント：源暎こぶり明朝 以下は本文の内容です。 　その服で、レダⅡの艦長席へと座った。 　戦艦も追いつけない高速巡航艦なのでハイネセンから脱出するには丁度良い。 「アッテンボロー、なんだいその服。まるで海賊じゃないか」 　軍服の上から羽のついたバイキング帽に眼帯、フロックコート、鍵手を身につけた俺に、レダⅡの艦橋へ到着したヤン先輩が呆れたような視線を寄越した。 「いいじゃないですか。似合うでしょ？」 　 　ヤン先輩を助ける際、同盟軍を脅迫、もとい物資の支援を要請した。 　その時ついでに貰った服がある。 　不正規軍といえば聞こえは良いが、早い話が宇宙海賊と変わらない。曲がりなりにも今まで守ってきた国家を捨て、強大な銀河帝国皇帝に争うために先の約束もない片道切符で銀河へと旅立つのだ。 　一言でいえば伊達と酔狂というやつ。 　先輩のことだから、周りを巻き込みたくないというだろう。 　だけど、既に決めていたのだ。バーミリオンで先輩が純白の女王を仕留める命令をだせなかった、あのときから。 　先輩は窮地に追い込まれたとしても民主主義の理想を貫こうとするだろう。たとえ自分の生命を落としたとしても。 　そうはさせない。先輩が矜持を曲げないなら、今度こそ代わりに自分がその相手を仕留める。 　風変わりで変に度量の広いこの先輩に、生きててほしいのだ。 　真面目な姿をしていたら、先輩は真面目に落ち込んでしまう。 　ほら、こうやって俺の服の話をしているうちに、皆が先輩に着いていくことを仕方なしに受け入れている。 　 「私についてきたって一ディナールの得にもなりはしないというのに、全く計算のできない奴ばかりだなあ、ここは」 　先輩は、グリーンヒル、シェーンコップ中将、キャゼルヌ先輩、ブルームハルトといった面々を見渡して黒髪を掻き回した。 「みんな先輩と一緒で物好きなんですよ。そうだ、写真撮りましょうよ、皆で」 「ええ？　いいよそんなの」 　写真嫌いな先輩はちょっとだけ嫌そうだ。 「いいからいいから、せっかくの宇宙海賊とその一味の船出なんですから。記念写真を撮っておいて、全部終わったらみんなで見返して笑うんですよ」 　グリーンヒルに目線を送ると、ちゃんと先輩を捕まえて海賊の横へと連れてきた。 「じゃ、撮りますよ！　ほら、もっと寄ってくださいよ。先輩半分切れてますよ」 「アッテンボロー、なんかカメラくらいないのか？」 「端末しかないんですから文句を言わないでくださいよ」 　美丈夫が文句を言いつつも後ろから皆が映るように調整してくれている。 　俺は精一杯手を伸ばして、全員がぎゅうぎゅうに笑顔を寄せてピースサインをしている一枚を残した。
November 23, 2024 at 9:26 AM
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3/3
なのは重々承知していますし、それを含めてわたしはあなたのなさることが好きなのですから、もう仕方ありません」 　彼女が髪を撫でながら梳く感触とからだの柔らかさ温かさに包まれる。 　いつもそうだ。私が自分を苛んだとき、フレデリカは私の心を占める罪責感すら撫でて小さくしようとしてくれる。そうやって愛をくれる彼女へ私は何ができるのだろう。 「フレデリカ。何をすればきみに報いることができるのかもわからない。きみに何かをあげたくても、今の私にはきみに与えられるものが見つからないんだ。だから、せめていま私がきみにできることを教えてくれないか？」 　 「……では、ひとつだけほしいものを言ってもいいですか？」 　夫に何かを強請ることがほとんどない彼女がためらいがちに口を開いた。 「うん」 「ベッドの中で本を読むあなたをわたしにください」 　いつもよりかなり小さな声で紡がれた言葉に、ヤンは思わずフレデリカの顔を見上げた。彼女の表情はハイネセンにいたときの、愛らしいそれだった。 　何を言われてもできるだけ叶えてやりたい。その覚悟で返事をしたのに、フレデリカ が言ったのはヤンにとっては自分こそ彼女から与えられていると思っていたものだった。 　――私が隣にいるだけいい。そんなふうに言ってくれるから、私は正しくないかもしれない自分の存在を許すことができる。 「……そんなものでいいのかい？」 「宇宙一の美男子がわたしの隣で本を読んでいるところを見ながら眠れるんですよ。他には変え難くて、わたしにとって限りなく贅沢な時間です」 　頬を染めてはにかんだフレデリカの瞳の翠色が深くなっている。その姿こそがヤンにとっては宇宙一の美女だと思うのだ。最高の奥さんであるこのひとに一生敵う気がしない。ヤンは何度目になるかわからない白旗を妻へ掲げた。 　ヤンは手を伸ばし、妻の滑らかな頬に掌をあてた。 「私の奥さんになってくれてありがとう。そしてとてもきみが好きだよ、フレデリカ。きみが喜んでくれるのなら、ベッドで本を読んでいるときの私くらいいくらでもあげるよ。眠ってる私もおまけでつけようか？」 「ええ、ぜひほしいです」 「というか、むしろ私の方がベッドの中にいる時間のきみを貰っている気がするんだが、それはいいんだろうか」 　やや邪な意味すら込めた問いにフレデリカは静かな微笑みを浮かべただけで、彼女はそっと顔を私に近づけ一瞬だけ唇を重ねた。 「今日の仕事をもう少し片付けないと、あなたが本を読むところを独り占めできませんから。あと三十分だけ頑張りますね」 　不意打ちにぼうっとしている間に、フレデリカがヤンの懐からするりと離れた。 「……全く敵わないな、もう」 　フレデリカの背中に聞こえないくらいの呟きが思わずこぼれる。ヤンは残った感触を反芻するように唇を撫でた。
November 23, 2024 at 7:19 AM
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「はい。承知しました」 　彼女は何も言わず表情を変えることなく、その提案を受け入れた。 　 　すっかりと冷めてしまった紅茶を啜る。 　――わかっている。 　フレデリカは強く民主主義を守りたいという一心でここにいる訳じゃない。 　私を好きと言ってくれる、その気持ちだけで一緒にきてくれただけだ。 　勿論、彼女は私への感情だけではなく、自由の国に生まれその理念を大切に思っている。そのために戦ってきた父親の姿も幼い頃から見ていたし、自ら戦いに参加することも厭わない強さももっている。 　副官として着任した頃からその強さに私は幾度となく助けられた。そして、政府に謀殺されかけ此岸の淵にかろうじて指をかけていた私を、フレデリカは命を懸けてその能力の全てを以て救い出してくれた。彼女がいなかったら今、私は生きてはいないだろう。 　しかし、それだって別に民主主義の象徴としての私を救ったのではなく、不甲斐ない夫としての私を助けてくれたのだ。戦いが少しばかり上手かっただけの、家庭人としては露ほども役に立たない男を。 　そして私の勝手と我儘で革命組織に巻き込んでいる。 　単に民主主義を残したかったのなら、バーミリオンのあの瞬間に、たった一秒主砲を発射する命令を、振り上げていた右手を振り下ろしていればよかったのだ。 　だが、民主主義の軍隊は文民統制であるべきという私の中の理念と、歴史の流れに反する自分の無謬を信じられなかった故に、ラインハルト・フォン・ローエングラムを自らの手をで葬ることができなかった。それが却って私の好きな連中にもフレデリカにも苦労を背負わせる事がわかっていたのにもかかわらず。 　私が人民主権の理想を抱いているが故に、彼女は同じ道を私と寄り添って歩んでくれている。 　だが、その道は険しく遥か遠く、すぐ目の前には闇が広がり見通すことも容易ではない。そして道の後ろはもう崩れ去って戻ることも叶わない。 　 　――いい夫婦。 　私は全くもって良い夫などではない。 　 　平穏な暮らしをたったの一月半しか与えてやることもできず、何もかもを置いてこん なところに連れてきて、夫へ料理を作りたいというささやかな彼女の望みすら叶えてやれずに止めさせてしまった。 　これほどまでに愛を注ぎ献身的に尽くしてくれるフレデリカに対して、何一つ返してやることもできないどころか困難と苦労しかもたらしていない。 　そして、こういう日に彼女に報いる一言すらも忘れている。 　 「……フレデリカ」 「はい。何か計画書の修正点がございますか？」 　ヤンが計画書を手にしたまま声をかけたので、フレデリカはすぐに立ち上がりヤンの椅子の脇に立った。 「違う。その……、ハイネセンを飛び出してこうして銀河を彷徨っていたらいつの間にか四か月も過ぎていた。その間、何も決めない私を急かさずにいてくれて、今日も夕飯の時間も忘れてる私の仕事に付き合わせたし、ええと、その、いい夫婦の日というらしいけど、きみに何もできなく…⁈」 　散らかった言葉をもごもごと紡ぐ私の唇にフレデリカの人差し指が当てられた。 　当てられた指を辿って見上げた彼女は、ふふっと笑っている。 「謝らないでください。謝罪の言葉は聞きたくないと前に言いませんでしたか？」 　フレデリカは悪戯っぽい口調で私の心を軽くしようとする。それに甘えてしまいたくなるが、何も言わなくても今の状況を受け入れてくれるフレデリカに、もうずっと甘え続けているのだ。 「……言っていた。けれど私はきみから貰うばかりで苦労しかさせていない。夫としての私はきみがしたいこともさせてやれない。料理を覚えたいと言っていたのに、その時間もこうして奪っている」 「したいようにならしていますわ。わたしは、あなたのなさることを支えたくてここにいるのですから。今は料理と副官のどちらがよりあなたの力になれるのか考えて副官をしているだけです。…こうして、あなたを抱きしめる権利ももらいました。わたしはあなたといられることが何よりも嬉しいんです。だから、毎日しあわせですよ」 　フレデリカは、座ったままの私の頭と肩に手を添え、私を抱きしめた。 　彼女の鼓動がゆっくりと耳に響く。 「私は支えてもらうばかりで、きみに何もしていない。きみだけのために生きることもできない」 「そんなことならとっくに知ってます。あなたがわたしだけのあなたでいられない立場
November 23, 2024 at 7:19 AM
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良い夫婦の日遅刻、原作7巻ヤンフレです
原作を読み返したら二人の11月22は根無草の日々で、やっと目標が決まった頃でした
ヤンは良い夫か？を考えたらこうなりました
1/3 #文庫ページメーカー https://sscard.monokakitools.net/pagemakers/bunko/bunko_bg.php
印刷された本の本文の体裁で画像化されたテキストです。 付記に「良い夫婦の日」、「Anguilla japonica」と記載されています。 画像情報：generated by 文庫ページメーカー / フォント：源暎こぶり明朝 以下は本文の内容です。 「イゼルローンへ帰るか…」 　自由惑星同盟復帰の路を絶たれた今、宇宙を彷徨うヤン不正規軍は民主主義の拠り所を求めるべくイゼルローン要塞再奪取向けた蠢動を開始した。 　フェザーン独立商人から資金調達をし、エル・ファシルを味方につけ、要塞を再奪取する。 　そのためにヤンが決めなくてはならないことは山のようにある。 　横を見ると、ヤンの傍らでフレデリカが長いまつげを伏せきれいな指を正確に動かしキーを操って、彼の示した構想を実行性のある計画書へと落とし込む作業を続けている。 　 　もう何時間が経過したのだろう。ずっと考え込んでいたものだから、今何時なのかも忘れている。 　ヤンは確認していた計画書から目線を動かし、卓上の無機質な鈍い銀色のデジタル時計をちらりと見遣る。 　時計は同盟標準時二十一時過ぎを示していたが、ヤンの目に時間とともに日付の数字が飛び込んできた。 　――十一月二十二日。 　語呂合わせで『いい夫婦の日』だったか。 　永遠の夜に潜伏を続ける毎日の中で、記念日などカレンダーで確認しなければただの一日として過ぎてしまう。 　ヤンが見ていることにも気づかない程集中をしている彼女の横顔は、凛とした美しさを見せている。それは結婚するまで、副官としてヤンへと見せていた表情だった。 　 　――ごめん、フレデリカ。きみからあの表情を奪ってしまった。 　 　ハイネセンで過ごした短い日々、彼女は毎日朗らかに笑い時折涙目になっていた。 「わたし、あまり料理がつくれなくて……」 「大丈夫だよ。先週作ったときよりも焦げているところは少ないし、少し上手になったと思うよ。……うん、良い味だよ。温かいうちに一緒に食べよう」 　所々焦茶色になった卵焼きをもう一切れ頬張ってから、手を伸ばして少し溢れた彼女の涙を拭った。 　失敗すると落ち込むのに、彼女は料理をつくりたがるのだ。別に手作りじゃなければ嫌などとは思わないし、彼女と一緒に食事ができるだけで嬉しいのだから無理をしなく ても良いと伝えたが、彼女は作りたいのだと言った。 　私にも結婚に関して思い描いたものがあるように、彼女にもこうしたい、という理想があった。 　 　フレデリカは結婚生活を描くとき、彼女にとってもっとも身近な夫婦の姿――グリーンヒル大将とその妻――を思う。 「母は父が戦いから無事に帰ってくると、毎日のように父の好物をつくっていたんです。母は料理が上手なひとでした。父も嬉しそうでしたし、父が食べている顔を見ている母の顔がこの上なく幸せそうでした。だから、わたしも料理ができるようになれたらいいなと思ってました」 「そうか。きみにとって料理は家庭生活の象徴だったんだね」 「ええ。わたしの幸せだった家族の姿は食卓にありました。残念ながら料理を教わる前に母は病にかかってしまいましたし、士官学校の寮へ入ってからは食事をつくる時間も取れなくてほとんど上達しませんでしたけど。だから、これから少しずつでも料理を覚えたいんです」 　毎日泣き笑いしつつ努力して、フレデリカはやっと朝食のチーズオムレツを自分の満 足いくように作ることができた。その朝食を二人で喜んで食べたし、何より彼女の心底嬉しそうな屈託のない笑顔がこの上なく可愛かったことを覚えている。 　しかし、その暮らしはまさにその日終わりを迎え、紆余曲折の後に星々に紛れ潜伏を続ける生活を送っている。 　 　彼女が料理を覚えるには、あの日々はあまりにも短すぎたのだ。 　銀河を彷徨う中で物資の節約が必要になったとき、フレデリカが何度か料理を失敗して食材が無駄になったとキャゼルヌから咎められた。 「いや、でも彼女は作りたいと言っていて」 「気持ちはわかるが、物資の節約を皆で心掛けようというときに司令官夫妻が無駄をしては示しがつかない。それに、お前さんの嫁の能力を最大限に活かすのも時間と労力の節約だ」 　 「……フレデリカ。これからかなり迅速かつ綿密に計画を立てていかなくてはならない。だから、すまないがしばらくの間はきみの副官としての力を私に貸してほしい。食事はキャゼルヌ夫人が家の分も用意してくれるから」
November 23, 2024 at 7:19 AM
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マラソン完走できた
こんなときまでアクスタ持参するオタク魂
October 27, 2024 at 8:39 AM
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生落花生を茹でた
冷凍しておけば1年保つらしい
殻を開けると身がぎっしり詰まって大粒でほくほくと柔らかい、この時期の楽しみ
どれだけ大きいかヤンくまと比較🥜
October 20, 2024 at 2:36 AM
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試しに
今日はハーフの距離でスーパー銭湯に来た♨️
October 19, 2024 at 6:22 AM