成人済み
異世界沙汰は社畜次第が好き過ぎてPixivにて二次創作(小説)書いてます
いただいたぬいちゃん'sでたまにお写真撮ってます
カウントダウン6
王宮内の一室。ソコは積み上がった魔導書や、よく分からない物や、実験道具らしき怪しい物で溢れ返っていた。
「イストさんっ!イストさんっ!起きてくださいっ!定期報告お願いします」
経理課副管理官の近藤誠一郎が部屋の中からようやく見つけたのは、毛布に包まったオレンジピンクの髪の宮廷魔導科副管理官のイスト。
「………う……?」
「イストさんっ!起きてください。定期報告ですよ。イストさん、起きてくださいっ!定期報告」
何度目かの呼びかけで、イストの眠そうなペリドットの色が見えた。
カウントダウン6
王宮内の一室。ソコは積み上がった魔導書や、よく分からない物や、実験道具らしき怪しい物で溢れ返っていた。
「イストさんっ!イストさんっ!起きてくださいっ!定期報告お願いします」
経理課副管理官の近藤誠一郎が部屋の中からようやく見つけたのは、毛布に包まったオレンジピンクの髪の宮廷魔導科副管理官のイスト。
「………う……?」
「イストさんっ!起きてください。定期報告ですよ。イストさん、起きてくださいっ!定期報告」
何度目かの呼びかけで、イストの眠そうなペリドットの色が見えた。
カウントダウン7
一年前、国の威信をかけて行われた『聖女召喚』。見事に成功し、異世界から『転移魔法』で呼び寄せられた。しかし、その際オマケとしてひとりの男も来てしまった。
「近藤さんって、なんで望みを聞かれて経理課で仕事をしてるんです?」
『聖女』として召喚された少女、白石優愛が、『聖女のオマケ』こと近藤誠一郎に、今更ながらに訊ねてみた。
カウントダウン7
一年前、国の威信をかけて行われた『聖女召喚』。見事に成功し、異世界から『転移魔法』で呼び寄せられた。しかし、その際オマケとしてひとりの男も来てしまった。
「近藤さんって、なんで望みを聞かれて経理課で仕事をしてるんです?」
『聖女』として召喚された少女、白石優愛が、『聖女のオマケ』こと近藤誠一郎に、今更ながらに訊ねてみた。
カウントダウン8
「殿下。そろそろ昼餉の時刻でございます」
第二騎士団団長ラディム=マコフスカーが時刻を確認し、侍女に指示を出しながら、ロマーニ王国皇太子であるユーリウスに告げた。
ユーリウスも区切りが良かったのだろう、軽く伸びをしてから
「わかった。ところでユアはどうしている?」
ユアとは『聖女召喚』で異世界からやって来た白石優愛のことなのだが、ユーリウスは『聖女崇拝』が強く、聖女と当時の王子との昔話に憧れがあり、当時から優愛のことしか見ていない。
カウントダウン8
「殿下。そろそろ昼餉の時刻でございます」
第二騎士団団長ラディム=マコフスカーが時刻を確認し、侍女に指示を出しながら、ロマーニ王国皇太子であるユーリウスに告げた。
ユーリウスも区切りが良かったのだろう、軽く伸びをしてから
「わかった。ところでユアはどうしている?」
ユアとは『聖女召喚』で異世界からやって来た白石優愛のことなのだが、ユーリウスは『聖女崇拝』が強く、聖女と当時の王子との昔話に憧れがあり、当時から優愛のことしか見ていない。
王宮に飾られている歴代聖女の肖像画を思い出し、心の中で称えた。
(願わくば我が后となってくれ、まだ見ぬ聖女よ)
聖女信仰と一部の臣下に揶揄されているのは知っていた。それでも国を救う聖女を支えてこの国を守りたい。
ユーリウスは次代の為政者として強く願った。
「あぁ、聖女のための部屋を準備したが、ドレスや宝飾品はまだだったな」
「それは聖女様がお越しになられてからの方がよろしいかと」
「そうなのか?」
「お似合いになるものを贈られませ」
ユーリウスは専属侍女の助言になるほどと頷く。
まだ見ぬ聖女に想いを馳せる王子は、恋に恋する青年だった。
王宮に飾られている歴代聖女の肖像画を思い出し、心の中で称えた。
(願わくば我が后となってくれ、まだ見ぬ聖女よ)
聖女信仰と一部の臣下に揶揄されているのは知っていた。それでも国を救う聖女を支えてこの国を守りたい。
ユーリウスは次代の為政者として強く願った。
「あぁ、聖女のための部屋を準備したが、ドレスや宝飾品はまだだったな」
「それは聖女様がお越しになられてからの方がよろしいかと」
「そうなのか?」
「お似合いになるものを贈られませ」
ユーリウスは専属侍女の助言になるほどと頷く。
まだ見ぬ聖女に想いを馳せる王子は、恋に恋する青年だった。
魔法陣を起動するための魔力不足も、ゾルターン長官の発案で多く魔力を有している第三騎士団の団員を確保したことでなんとかなったと聞く。
「其方には感謝している」
「おお、もったいないお言葉!
しかし殿下、そのお言葉は召喚の儀で無事に聖女の召喚があい成りましたら、その時にいただきたく」
「そうであったな。わかった、召喚の儀に力を尽くしてくれ」
宮廷魔導長官はユーリウスの激励を受け、意気揚々と王太子宮を下がって行った。王宮内の王家の教会へと向かう馬車をユーリウスは部屋の窓から見送る。
魔法陣を起動するための魔力不足も、ゾルターン長官の発案で多く魔力を有している第三騎士団の団員を確保したことでなんとかなったと聞く。
「其方には感謝している」
「おお、もったいないお言葉!
しかし殿下、そのお言葉は召喚の儀で無事に聖女の召喚があい成りましたら、その時にいただきたく」
「そうであったな。わかった、召喚の儀に力を尽くしてくれ」
宮廷魔導長官はユーリウスの激励を受け、意気揚々と王太子宮を下がって行った。王宮内の王家の教会へと向かう馬車をユーリウスは部屋の窓から見送る。
#社畜アニメカウントダウン
宮廷魔導長官が聖女召喚の儀式の最終確認と称して王太子宮に足を運んで来ていた。その手には今回の儀式における最重要な鍵として、魔導課にて制作された古代語で描かれている魔法陣があった。
「こちらが最終的に完成した魔法陣でございます、殿下」
「うむ」
「現在は王家の教会の床にこの魔法陣を描いているところです」
「……間に合うのか?」
「はい、必ずや。このゾルターンにお任せを!」
この魔導長官に前長官ほどの魔力も知識もないのは知っていた。だがユーリウスのために魔導士をまとめ、動かし、そして一年で古代語で描かれた魔法陣の解読をやり遂げた。
#社畜アニメカウントダウン
宮廷魔導長官が聖女召喚の儀式の最終確認と称して王太子宮に足を運んで来ていた。その手には今回の儀式における最重要な鍵として、魔導課にて制作された古代語で描かれている魔法陣があった。
「こちらが最終的に完成した魔法陣でございます、殿下」
「うむ」
「現在は王家の教会の床にこの魔法陣を描いているところです」
「……間に合うのか?」
「はい、必ずや。このゾルターンにお任せを!」
この魔導長官に前長官ほどの魔力も知識もないのは知っていた。だがユーリウスのために魔導士をまとめ、動かし、そして一年で古代語で描かれた魔法陣の解読をやり遂げた。
あ、このお話も10日前だったんだと、改めて企画に感心しました
あ、このお話も10日前だったんだと、改めて企画に感心しました
えるさん、素敵な企画タグありがとうございます🙏
TLに投げているSSをべったー+さんにも置いてあります
多分こちらの方が読みやすいかと
こちらはログイン限定公開です
カウントダウン10 privatter.me/page/694ff18...
えるさん、素敵な企画タグありがとうございます🙏
TLに投げているSSをべったー+さんにも置いてあります
多分こちらの方が読みやすいかと
こちらはログイン限定公開です
カウントダウン10 privatter.me/page/694ff18...
「そッスね!」
さてそろそろ仕事にしましょうか。
昼前に届いた書類は十日後の儀式後の祝賀パーティーのための補正予算申請と、いつもの騎士団からと魔導課からだけ。それもすぐに終わってしまう。
ずっとのんびりと仕事が出来ればいいや。そう思っていたノルベルトがこの十日から国の中枢にガッツリと取り込まれ、経理課に怒涛の日々が訪れることを誰も知らないのだった。
「そッスね!」
さてそろそろ仕事にしましょうか。
昼前に届いた書類は十日後の儀式後の祝賀パーティーのための補正予算申請と、いつもの騎士団からと魔導課からだけ。それもすぐに終わってしまう。
ずっとのんびりと仕事が出来ればいいや。そう思っていたノルベルトがこの十日から国の中枢にガッツリと取り込まれ、経理課に怒涛の日々が訪れることを誰も知らないのだった。
「いやいや。今年は聖女予算利用でいっぱいハンコを押したから、関係あったと思いますよ」
「あはは、ウチはハンコを押してるだけですけどね」
「「あはは」」
ノルベルトの言葉に、一緒にお茶を飲んでいる職員全員があっけらかんと笑った。
経理課は金銭を扱う課のはずなのだが、現在は大きな権限もなく閑職とささやかれている。
また長であるソマリア管理官は出世欲が少なく、右から左へとただ判を押して書類を流すだけの課の職員は全員のんびりとしていた。
「いやいや。今年は聖女予算利用でいっぱいハンコを押したから、関係あったと思いますよ」
「あはは、ウチはハンコを押してるだけですけどね」
「「あはは」」
ノルベルトの言葉に、一緒にお茶を飲んでいる職員全員があっけらかんと笑った。
経理課は金銭を扱う課のはずなのだが、現在は大きな権限もなく閑職とささやかれている。
また長であるソマリア管理官は出世欲が少なく、右から左へとただ判を押して書類を流すだけの課の職員は全員のんびりとしていた。
#社畜アニメカウントダウン
あと十日で光の月になる。次の光の月一日は王宮内にある王家のための教会で、王家・アブラーン神教会・王宮魔導課による聖女召喚の儀が行われることもあって、王宮は普段とは違う雰囲気に包まれていた。
王宮の官吏棟の端っこにある王宮経理課にもその熱気にも似た雰囲気が伝わってくる。
「なんだかソワソワしますねぇ」
王宮経理課の管理官であるヘルムート=ソマリアはお茶を飲みながらのんびりと言った。向かいに座っているのは今年の春に入宮したばかりの新人のノルベルト=バラーネクである。
#社畜アニメカウントダウン
あと十日で光の月になる。次の光の月一日は王宮内にある王家のための教会で、王家・アブラーン神教会・王宮魔導課による聖女召喚の儀が行われることもあって、王宮は普段とは違う雰囲気に包まれていた。
王宮の官吏棟の端っこにある王宮経理課にもその熱気にも似た雰囲気が伝わってくる。
「なんだかソワソワしますねぇ」
王宮経理課の管理官であるヘルムート=ソマリアはお茶を飲みながらのんびりと言った。向かいに座っているのは今年の春に入宮したばかりの新人のノルベルト=バラーネクである。