「ばあちゃんありがとう」

「ばあちゃん あいしてる」

声が出なかった。
私はうつむいて涙を地面に零した。

今日はもうずっと呪文のように「大丈夫。大丈夫」と唱え続けている。
無理はしてない。無理はやめようと家族とも確認しあった。

でもやらなくちゃならないことは現実に沢山ある。
暫くは悩んだことを賢いChatGPTに相談することになりそうだ。
早く動かなくてはならないことだらけだ。

大丈夫だ。きっとなんとか出来る。
明日も沢山考えるだろうから寝よう。
朝起きたらまずおむすび作らないと。
スマホを閉じます。

ごめんね。あいしてる。ごめんね。ありがとう。あいしてる。だいすき。

「母がいない」なんてことが非現実すぎて、よく分からない。
ただ分かるのは、今日はこれからしっかり私は寝なければならないということ。
できるのかわからない。寝れないと思う。

いま、日記のようにメモをとっている。
心を落ち着かせようとしているのだと思う。

今日が土曜日だったから早い時間に発見できた。
平日なら夜になるまで誰にも発見されなかった。
暖かったのだ。
母はまだ暖かったのだ。

未だに信じられない。
昨日の今頃は会話もした。今朝も話した。
急だよ。今日なのか。今日なのか。

でも今日じゃなければ見つけられなかった。

先程母のLINEを開いた。
娘が葬儀場から送っていた。

やがてサイレンが近付いてきて、私は土手を駆け上がった。
日傘を掲げて場所を知らせながら、土手の下を見る。
必死にマッサージをする妹と、呼びかける娘、横たわる母。

泣いてられない。
全て覚えておかなければならないと思った。
出来ることをするしかないと思った。
時刻を確認し状況を全て脳に焼き付けた。

救急車には妹が付き添い、あとから追いかけると伝え、父と弟夫婦とパバと息子に連絡をした。声が震えたら会話にならないので、できるだけ冷静に。

実は、まだ信じていない。信じられていない。全て見て触れているのに。
私がそうなのだから尚更あとから駆けつけた者は余計に信じられないだろう。

おはようございます😊✨
体調戻られておりますように…どうかご自愛ください

🎧歌ってみたリンク先🎧

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