「なによそれ。貴女になんか言われたくないわ」
「何度でも言ってあげるよ、可愛いって。まるでことねちゃんだ」
「こ、ことねじゃないわ。というか私のことねにちゃん付けするなんて解釈違いよ」
「肌がすべすべで、ことねちゃんだ」
夢中になって、十王会長の首筋に唇を這わせながら、犬束静紅は呟く。脳内はすでにゴールドラッシュではあったが、自分が何を言っているのか、静紅自身は完全に理解していた。
「ばかぁ……。私のことねを奪った犬束さんなんてキライなんだから……。ちょ、や、やめ……」
「わ。ここはもっとことねちゃんじゃないか。ここ