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趣味読書
庄野潤三『絵合わせ』読了。長女が結婚するまでの日々を描いた表題作『絵合わせ』を含む短編集。結婚などの人生の節目のような出来事があっても書かれるのは忘れられていく日常の断片であり、結婚までのカウントダウンを絵合わせを家族で一緒にできる日々に置き換えるのは上手いなと思った。

個人的には『ガンビア滞在記』の続きともいえる『父母の国』『写真家スナイダー氏』『グランド・キャニオン』が面白かった。この時期の庄野さんが描くものはそこに妻がいても徹底的に妻の心情や存在感を薄めて書いていて、それがなぜなのか気になった。
March 17, 2024 at 7:42 AM
庄野潤三『山田さんの鈴虫』読了。老夫婦の静かな暮らしを描く。繰り返されるエピソード、突如挿入される「おーともだーち」、親子の間での挨拶「こにゃにち」、人生で初めて見る巨大な蛭など庄野さんにしか書けないものになっていて読んでてゾクゾクした。
March 17, 2024 at 7:34 AM
庄野潤三の『ガンビア滞在記』読了。庄野さんが妻とともにアメリカのオハイオ州にあるガンビアで一年間暮らした日々を描いたもの。

日米の違いや文化論を語るのではなく、町の人々やケニオン・カレッジの教員と交流する日々を通して、アメリカでの暮らしや風習、空気といったものが浮かび上がってくる。

1957年という、戦後すぐではないにしてもまだ戦争の記憶が新しい時期に、敗戦国から来た人間がこのようにコミュニティの中で受け入れられていくことに驚くと同時に、庄野さんの快活な人柄がなせる技なのだろうなと思う。

庄野作品に惹かれる理由がわかった気がした。
February 25, 2024 at 4:06 AM
『個人全集月報集 安岡章太郎全集 吉行淳之介全集 庄野潤三全集』読了。個人全集の中から、月報だけをまとめた渋い本。三人と交友のある様々な文筆家によって描かれるエピソードを読んでいくと、その人の人柄が浮かび上がってきて面白い。

庄野潤三については、庄野さんの奥さんがとにかく美しい、庄野さんがとても筆まめであること、仕事をしていた時は小説家とは思えないせかせかとした働き方だったこと、周囲を思い遣る人だったことなどか書かれていて楽しく読んだ。
February 19, 2024 at 9:08 AM
『ティンダー・レモンケーキ・エフェクト』読了。

Tinder上で送り続けた日記をまとめた本。面白かった。自分が感じたものを突き詰めていくような日々の生活の記録。

観た映画や、美術館や読んだ本の感想の合間に恋愛や仕事やセックスがある。

日記を交換していくうちに好きになった男性が登場してからは、日記だけど物語性がでてきてその恋路がどうなるのか目が離せなくなった。
February 17, 2024 at 8:18 AM
黒井千次『一日 夢の柵』読了。著者が六十代半ばから七十代半ばにかけて書かれた老いをテーマにした短編集。

オカシナ夢を見た後に健康診断を受けないように言われる『夢の柵』、自動機械に戸惑う『浅いつきあい』、電車に乗るのがこわくなる『電車のなか』、何者かにつけられるので団地を自分の家だと嘘をつく『要蔵の夜』が印象深かった。
February 11, 2024 at 4:18 AM
私の記憶は色や感覚のイメージなんだけど、他の人の記憶は杭を打つようにもっとしっかりとしたものなのだろうか。
February 11, 2024 at 1:37 AM
自分の記憶力がどうやら人と比べて悪いらしいということが最近わかってきた。今まで特に問題と思ってこなかったのは、テストや仕事などで支障がなかったから。

何が記憶できて何が記憶できないのかを考えると、例えば携帯番号や誕生日、英単語など意味が一対一のものは記憶できている。これが意味の繋がりが必要になってくると、記憶できないものが多くなる。例えば小説の詳細なストーリーや、思想の論理展開など。人と話をしても断片は覚えているのだけど、全体のこういう話をしてこうなってこうなったという流れは覚えていないことが多い。
February 10, 2024 at 1:09 PM
『狂うひと「死の棘」の妻・島尾ミホ』読了したので、つらつら思ったこと。

敏雄が死んでからのほうがミホが明るくなったという息子の言葉が興味深い。

ミホさんほどの自分の物語を作れる人は、敏雄でなくても、自分の物語に生きてくれる人を見つけられたはず。

敏雄に出会う前、車の運転の練習をしていて目黒川に車ごと突っ込んだ豪快なミホさんのまま過ごせたなら(敏雄に出会わなければ)どんなミホさんになれたんだろう。

敏雄=近代、ミホ=古代として、近代と古代の衝突として評されることが多かったが、ミホさんは東京で教育を受けており、卒業後は植物の研究所で働いていたというのが驚きだった。
February 4, 2024 at 6:46 AM
今年は月に1回は旅行していこうと思ってる。早速1月に上諏訪温泉に行ってきたので、忘れないように旅行記を書いたよ。
【ひとり旅】長野県 上諏訪温泉 華乃井ホテル宿泊 |しいのみ
山に囲まれた景色を見たくなったので、1月27日から1泊2日で上諏訪温泉に行くことにした。 上諏訪駅までは、特急あずさを使って新宿から約2時��...
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February 4, 2024 at 6:43 AM
庄野潤三の初期短編『メリィ・ゴオ・ランド』と『スラヴの子守唄』を読んだ。一連の夫婦を描いた作品の流れの中で、妻がどんな人だったのが見えてこなかったのが赤裸々に書かれていて解像度が上がった。庄野作品は作品を読んでいくごとにどんどんと大きな絵になっていくようなところがある。
January 29, 2024 at 9:43 AM
木山捷平の評伝を読んだら妻にDVしててドン引き
January 25, 2024 at 12:12 AM
庄野潤三の『野菜讃歌』を読んだ。随筆集。表題作『野菜讃歌』ではあの野菜も美味しいけど、この野菜も美味しいなという話が続いてほっこりした。

大阪外語大学の英語科出身で、朝日放送に入社して英語学習番組を作っていたとかは知らなくてへーだった。

あと初めて書いた小説(『雪・ほたる』)が、島尾敏雄が海軍入隊までの日々を書いたものというのも知らなくて、へーへーだった。
January 17, 2024 at 7:52 AM
夫と『レザボア・ドッグズ』観る。最初は「カウリスマキ観よー」と言ってたのだけど、アマプラをブラウジングしてたら夫がタランティーノの映画を見つけて、『レザボア・ドッグズ』を観ることになった。なので、カウリスマキの口になっていた私は中々映画に入り込めず、太田光代さんが吉田豪と結婚したかったエピソードの記事を読んだりして、夫に「映画観たくないの?!」と言われる。

『レザボア・ドッグズ』は面白かった。これがデビュー作とは信じられない見事な脚本だった。会話も、シーン展開も良かったし、ほぼレストランと倉庫にしかいないのに、まったく閉塞感がなかった。
January 15, 2024 at 7:55 AM
年末は高瀬隼子さんの小説をたくさん読んだので、流れで群像に掲載されていた『新しい恋愛』を読む。高瀬さんの小説に出てくる男性パートナーのほとんどが彼女に対して守ってあげたい発言をするのだけど、主人公の一見大人しそう属性がそういう男性を引き付けるのか??と思う。
January 14, 2024 at 3:15 AM
アマプラで韓国ドラマの「私の夫と結婚して」観始めたらめちゃくちゃ面白い~~。パク・ミニョンの演技が上手すぎる。過去をやり直すもので、いろんな人から搾取されてきた主人公が10年前に戻って、周囲の助けを借りながら変わっていくのが良い。
January 10, 2024 at 12:09 AM
高瀬準子さんの『いい子のあくび』を読む。『おいしいごはんが食べられますように』の前に芦川さん的人の内面は書かれていたんだなと思う。「ぶつかったる」で始まる小説かっこよすぎる。
January 10, 2024 at 12:01 AM
今年は月1くらいで温泉旅行したいな。自分が宿に求めるもの。景観、露天風呂、寒くない部屋、1人で寝ても怖くない内装、ということがわかってきた。
January 6, 2024 at 12:56 AM
市川沙央さんの『ハンチバック』読む。クリスマスプレゼントに夫に詩集をあげたのでそのお返し。本筋とは関係ないけど、htmlタグが書かれてる冒頭は芥川賞選考委員の人達は意味わかったのかなと思ってしまった。

その後、『富士日記』の中巻を最後まで読む。登場する花がどんな花なのかわからなくて何度も画像検索で調べる。百合子さんは植物に詳しかったんだなあ。
January 5, 2024 at 11:32 PM
岸本佐知子さん編訳の『居心地の悪い部屋』、『ささやき』という短編目当てに手に取ったけど、ジュディ・バドニッツの『来訪者』が好みだった。道に迷った両親の電話を受けるだけの話なのに、どんどん不気味さが増していくのが良い。ジュディ・バドニッツ他の小説も読んでみたい。
January 5, 2024 at 1:24 AM
お正月前に観た「バトル・インフェルノ」B級映画と思って観たらよくできてて面白かった。演技も良いし、タイムリミットがある中での罪の告白にはハラハラさせられるし(段々自分の罪がわからなくなってくるのも良かった)、最後のオチもよく効いてた。あらすじは悪魔との戦いとあったけど、悪魔強すぎて対等な戦いになってなかった。
January 4, 2024 at 11:42 PM
帰りの新幹線の中で読んだ本。島本理生の『Red』。島本さんは昔『ナラタージュ』を読んで、あまり合わないかもと思っていたけど、この小説は面白かった。初めは官能小説じゃん…!と戸惑い、段々主人公の押しに弱い所に不安になり、ラストの選択に綺麗にまとめない凄味を感じた。高瀬準子さんの小説を連続で読んでいたこともあって、弱さが強さに反転する時、弱いものが弱いまま強くなれるのはどういう時なのかについて考えさせられた。
January 4, 2024 at 11:34 PM
帰省する行きの新幹線の中で読んだ本。トルストイの『イワン・イリイチの死』『クロイツェル・ソナタ』トルストイは読んだことがなかったけれど、どちらも話の構成が現在の既に何か起きてしまった地点から遡って描写していく構成でミステリーを読むかのようにすらすら読めて面白かった。
January 4, 2024 at 11:25 PM
山梨のより道の湯で読んだ本。『プロジェクト・ヘイル・メイリー 上』エイリアンがでてくるまでは中々進まなかったけど、エイリアンがでてきてからはぐっと面白くなった。
January 3, 2024 at 2:55 PM
本読むために旅行したい
January 3, 2024 at 2:50 PM