個人的には『ガンビア滞在記』の続きともいえる『父母の国』『写真家スナイダー氏』『グランド・キャニオン』が面白かった。この時期の庄野さんが描くものはそこに妻がいても徹底的に妻の心情や存在感を薄めて書いていて、それがなぜなのか気になった。
個人的には『ガンビア滞在記』の続きともいえる『父母の国』『写真家スナイダー氏』『グランド・キャニオン』が面白かった。この時期の庄野さんが描くものはそこに妻がいても徹底的に妻の心情や存在感を薄めて書いていて、それがなぜなのか気になった。
日米の違いや文化論を語るのではなく、町の人々やケニオン・カレッジの教員と交流する日々を通して、アメリカでの暮らしや風習、空気といったものが浮かび上がってくる。
1957年という、戦後すぐではないにしてもまだ戦争の記憶が新しい時期に、敗戦国から来た人間がこのようにコミュニティの中で受け入れられていくことに驚くと同時に、庄野さんの快活な人柄がなせる技なのだろうなと思う。
庄野作品に惹かれる理由がわかった気がした。
日米の違いや文化論を語るのではなく、町の人々やケニオン・カレッジの教員と交流する日々を通して、アメリカでの暮らしや風習、空気といったものが浮かび上がってくる。
1957年という、戦後すぐではないにしてもまだ戦争の記憶が新しい時期に、敗戦国から来た人間がこのようにコミュニティの中で受け入れられていくことに驚くと同時に、庄野さんの快活な人柄がなせる技なのだろうなと思う。
庄野作品に惹かれる理由がわかった気がした。
庄野潤三については、庄野さんの奥さんがとにかく美しい、庄野さんがとても筆まめであること、仕事をしていた時は小説家とは思えないせかせかとした働き方だったこと、周囲を思い遣る人だったことなどか書かれていて楽しく読んだ。
庄野潤三については、庄野さんの奥さんがとにかく美しい、庄野さんがとても筆まめであること、仕事をしていた時は小説家とは思えないせかせかとした働き方だったこと、周囲を思い遣る人だったことなどか書かれていて楽しく読んだ。
Tinder上で送り続けた日記をまとめた本。面白かった。自分が感じたものを突き詰めていくような日々の生活の記録。
観た映画や、美術館や読んだ本の感想の合間に恋愛や仕事やセックスがある。
日記を交換していくうちに好きになった男性が登場してからは、日記だけど物語性がでてきてその恋路がどうなるのか目が離せなくなった。
Tinder上で送り続けた日記をまとめた本。面白かった。自分が感じたものを突き詰めていくような日々の生活の記録。
観た映画や、美術館や読んだ本の感想の合間に恋愛や仕事やセックスがある。
日記を交換していくうちに好きになった男性が登場してからは、日記だけど物語性がでてきてその恋路がどうなるのか目が離せなくなった。
オカシナ夢を見た後に健康診断を受けないように言われる『夢の柵』、自動機械に戸惑う『浅いつきあい』、電車に乗るのがこわくなる『電車のなか』、何者かにつけられるので団地を自分の家だと嘘をつく『要蔵の夜』が印象深かった。
オカシナ夢を見た後に健康診断を受けないように言われる『夢の柵』、自動機械に戸惑う『浅いつきあい』、電車に乗るのがこわくなる『電車のなか』、何者かにつけられるので団地を自分の家だと嘘をつく『要蔵の夜』が印象深かった。
何が記憶できて何が記憶できないのかを考えると、例えば携帯番号や誕生日、英単語など意味が一対一のものは記憶できている。これが意味の繋がりが必要になってくると、記憶できないものが多くなる。例えば小説の詳細なストーリーや、思想の論理展開など。人と話をしても断片は覚えているのだけど、全体のこういう話をしてこうなってこうなったという流れは覚えていないことが多い。
何が記憶できて何が記憶できないのかを考えると、例えば携帯番号や誕生日、英単語など意味が一対一のものは記憶できている。これが意味の繋がりが必要になってくると、記憶できないものが多くなる。例えば小説の詳細なストーリーや、思想の論理展開など。人と話をしても断片は覚えているのだけど、全体のこういう話をしてこうなってこうなったという流れは覚えていないことが多い。
敏雄が死んでからのほうがミホが明るくなったという息子の言葉が興味深い。
ミホさんほどの自分の物語を作れる人は、敏雄でなくても、自分の物語に生きてくれる人を見つけられたはず。
敏雄に出会う前、車の運転の練習をしていて目黒川に車ごと突っ込んだ豪快なミホさんのまま過ごせたなら(敏雄に出会わなければ)どんなミホさんになれたんだろう。
敏雄=近代、ミホ=古代として、近代と古代の衝突として評されることが多かったが、ミホさんは東京で教育を受けており、卒業後は植物の研究所で働いていたというのが驚きだった。
敏雄が死んでからのほうがミホが明るくなったという息子の言葉が興味深い。
ミホさんほどの自分の物語を作れる人は、敏雄でなくても、自分の物語に生きてくれる人を見つけられたはず。
敏雄に出会う前、車の運転の練習をしていて目黒川に車ごと突っ込んだ豪快なミホさんのまま過ごせたなら(敏雄に出会わなければ)どんなミホさんになれたんだろう。
敏雄=近代、ミホ=古代として、近代と古代の衝突として評されることが多かったが、ミホさんは東京で教育を受けており、卒業後は植物の研究所で働いていたというのが驚きだった。
大阪外語大学の英語科出身で、朝日放送に入社して英語学習番組を作っていたとかは知らなくてへーだった。
あと初めて書いた小説(『雪・ほたる』)が、島尾敏雄が海軍入隊までの日々を書いたものというのも知らなくて、へーへーだった。
大阪外語大学の英語科出身で、朝日放送に入社して英語学習番組を作っていたとかは知らなくてへーだった。
あと初めて書いた小説(『雪・ほたる』)が、島尾敏雄が海軍入隊までの日々を書いたものというのも知らなくて、へーへーだった。
『レザボア・ドッグズ』は面白かった。これがデビュー作とは信じられない見事な脚本だった。会話も、シーン展開も良かったし、ほぼレストランと倉庫にしかいないのに、まったく閉塞感がなかった。
『レザボア・ドッグズ』は面白かった。これがデビュー作とは信じられない見事な脚本だった。会話も、シーン展開も良かったし、ほぼレストランと倉庫にしかいないのに、まったく閉塞感がなかった。
その後、『富士日記』の中巻を最後まで読む。登場する花がどんな花なのかわからなくて何度も画像検索で調べる。百合子さんは植物に詳しかったんだなあ。
その後、『富士日記』の中巻を最後まで読む。登場する花がどんな花なのかわからなくて何度も画像検索で調べる。百合子さんは植物に詳しかったんだなあ。