夢だなんて分からなければ良かったのに。夢じゃなければ良かったのに。そう恨んでももう遅い。現実で行動に移す勇気もないくせに、架空の世界に八つ当たりするなんてお門違いもいいとこだ。夢の中のアーサーさんは、見たこともないほどに優しく、甘い。せめて夢の中だけでも彼に甘えたい。今だけ恋人のように接して欲しい。キスをねだって、わがままを言ってみたい。そう考えても、結局何も言えないまま、この時間はいつも終わってしまう。
彼に手を伸ばした所で掻き消えた幻想に、つきりと胸が傷んだ。もう少しだけ眠っていたかったような気もするし、もう寝たくないような気もして、一人布団の中で丸まった。何も無い暗闇が心地よかった。
夢だなんて分からなければ良かったのに。夢じゃなければ良かったのに。そう恨んでももう遅い。現実で行動に移す勇気もないくせに、架空の世界に八つ当たりするなんてお門違いもいいとこだ。夢の中のアーサーさんは、見たこともないほどに優しく、甘い。せめて夢の中だけでも彼に甘えたい。今だけ恋人のように接して欲しい。キスをねだって、わがままを言ってみたい。そう考えても、結局何も言えないまま、この時間はいつも終わってしまう。
彼に手を伸ばした所で掻き消えた幻想に、つきりと胸が傷んだ。もう少しだけ眠っていたかったような気もするし、もう寝たくないような気もして、一人布団の中で丸まった。何も無い暗闇が心地よかった。