Dawntrailのストーリーについて、石川夏子さんに戻せという批評を目にすることがあるが、恐らく大枠は石川夏子さんが作ったのではないか。最初に書いた通り、設計自体は王道で、少年漫画的であって、漆黒や双剣ギルドのクエストに似ている。小説・漫画・アニメと同じ眼でストーリーの設計を見ていれば、ゲームならではの落とし穴には気付けなかっただろう。

作品の中で主人公に据えられたキャラクタが、読者に主人公として認識されれば、この設定は容易に受け入れられる。周囲のキャラクタが主人公を支えようと動いてゆく物語を書くことで、「不思議な魅力がある」ことを描ける。

Dawntrailは異なる。主人公はプレイヤキャラクタであって、ウクラマトではない。だからウクラマトが受け入れられる物語を披露したところで、プレイヤには関係がなく、なぜ受け入れられているのかがわからない。「無理矢理受け入れさせられる」格好になってしまっている。

ゲームと漫画小説の違いがわかっていない作品は結構あって、だいたいストーリーの評価が低い。