Denken ist das Erkenntniß durch Begriffe 思考とは概念による認識にほかならない　　　　イマヌエル・カント 　　　　　　　　　　＊ プロティノスとネオプラトニズムについて考えるつもりで浄められた机を前に座してみると自分の口からでてきたものは冒涜にほかならない物だった（このことをイエスは予め警告していたのかもしれない）。これは一体どういうことか？ 一者と存...

Denken ist das Erkenntniß durch Begriffe. 思考とは概念による認識にほかならない。　　　　イマヌエル・カント 　　　　　　　　　　＊ プロティノスとネオプラトニズムについて考えるつもりで浄められた机を前に座してみると自分の口からでてきたものは冒涜にほかならない物だった（このことをイエスは予め警告していたのかもしれない）。これはどういうことか？ 一者と存...

カエルの解剖も無理な中学生だった自分が何年か前から釣りで獲った魚を捌いて食べることを学ぶようになったせいで生物を解剖学的に見ることにも気持ちが動くようになった。いっぽう少しずつ読んでいる『霊異記』で戒められる殺生の禁忌・仏罰も人ごとではなくなってきた。 仏罰と解剖学が衝突したおかげだろう。微細な神経単位が異常にマニアックな”プラレール”のように無数につながって長大な神経繊維として皮膚の内側に棲息...

月の刻印のある身体を塵から作る 図画工作の時間 幼い神＝ロゴスがぼくの耳元で世界の現前を語り始める 聲がする 造物主＝ロゴスの仕事は人間の耳元で世界の現前を延々と語り続けることである。それぞれの”大作”を死の床でも語り続けて倦むことのなかったS博士もカントも”神のまねび”の偉大なる実践者だった。 処で昨晩暗闇のなかでぼくのベッドの周りをドタドタ走り回ったりサラサラと箒を掃く音をさせていた小さ...

１ 「盗ましめて」（日本霊異記　第三十四）；盗まれて＝受身の使役的表現。 受身と使役 が回転ドアを介して入れ替わる遊びに熱中しているうちに どちらがどちらかわからなくなって 気が付くと二人が一人 ロゴスの鳥にハラワタを啄まれている ２ 孤島としての雲が現れる それは”現象一般の現存在”の形をしている それから現れる 自我の空像の隊列 萬鐵五郎の画室にぞろぞろ入って行く 赤い虚空が硬い...

鉄錆色の夕焼けが沈殿してくる これは仮象の論理學 が瀉血する色だ 俯くヴィーナス には顔がない 共鳴する音の快楽 が青ざめた虚空を 上の水と下の水に分けた 神は虚空の界面を天と呼んだ 人間は天から堕ちてきた するりと 空間の中の純粋なゲシュタルト 宇宙の形象としての人間 ・・・つまり、あなたはこう言いたいのですね。原初の人間は分節化した熱であったと。創造の六日目にエロヒムがつ...

鉄錆色の夕焼けが沈殿してくる これは仮象の論理學 が瀉血する色だ 俯くヴィーナス には顔がない 共鳴する音の快楽 が青ざめた虚空を 上の水と下の水に分けた 神は虚空の界面を天と呼んだ 人間は天から堕ちてきた するりと 空間の中の純粋なゲシュタルト 宇宙の形象としての人間 ・・・つまり、あなたはこう言いたいのですね。原初の人間は分節化した熱であったと。創造の六日目にエロヒムがつ...

「この物理現象の寿命をτ（タウ）とせよ」 　　　　　＊ 生成と消滅の演算子 が切り刻む おびただしい数の”τ”の切り口 の血 は黒く乾いている 燃える星幽體のなかで ”自我”という名の動物 が光速で宇宙を追いかけている 子どものようにきゃあきゃあうるさい 雨の秋に 火の秋が降ってくる 　　　　　＊ ”τ”を嘆くな！ ”τ”をして背骨の如く立たしめよ！ 世界の”τ”を告げる鳥たちの...