マヒルはそう言うと、主ちゃんと繋いだ手に視線を移す。
そしてもう一度前を向き、もう一度「今はいい」と呟く。
マヒルを満たせるものは、食物でも、地位や名誉でもない。ただ、隣にいる彼女だけだということを改めて感じるマヒルであった。

――「お弁当を作らないと出られない部屋」

仕方がないので、二人して残りのお弁当を完食することに。そうして、ごちそうさまをするけれど、まだ扉は開かない。どうしてだろうと主ちゃんが思っていると、マヒルが「まだだ」と言うので「？」となっていると、唇のそばに口づけが落とされる。驚く主ちゃんに「お弁当がついてたぞ」と、からかうようなマヒルの笑顔。主ちゃんが恥ずかしくてこぶしを振り上げた瞬間、ゲートが開く。行き場を失った手はマヒルにゆっくりと恋人つなぎにされる。外はすっかり夕焼け空になっていて、二人の影が伸びる。そこで、はたと気づく主ちゃん。「マヒル、は今日は何も食べていないんじゃ」「ああ、だが……今はいい」。

「さすが、マヒルは私のことを一番よくわかってるね」と言えば、主ちゃんの髪をくしゃくしゃにして「当然だろ」と、返す。「マヒルのばかー！」と主ちゃんも反撃して、学生時代のようにじゃれる二人。しかし……。おかしなことに、扉が開かない。お題はクリアしたはずなのに、どうして扉が開かないのか頭をひねる二人。そうしてもう一度、お題を確認すると「お弁当を作らないと出られない」と書いてある。そこで二人は衝撃の事実に気がつく。
「お弁当を作らない（＝作らずに済ます）と出られる!!」
大の字になる二人。
🍎「やっちまったな」
主「だね」

🍎主ちゃんはオレが育てましたと言っても過言ではないため、「昔に戻ったみたいだな」と、喜々としてお弁当を作るマヒル。彼女の大好物は全て把握しているし、家事スキルはカンストしているため、難なく完成。お弁当の蓋を開けると……太陽りんごのキャラ弁が登場。主ちゃんが思わず「可愛い！」と声を上げれば、満足そうに、くしゃっと笑うマヒル。「見た目だけか？」と、いたずらな笑顔を向ければ、一口食べた主ちゃんが「マヒル天才！」とサムズアップ。デザートには、ミニアップルパイもついていて、味、見た目、ボリュームも全てが百点満点。

「どうした、口に合わなかったか？」。「あなたでも不安になるの？」と主ちゃんが返せば、「お前限定でな」と、額にキスが落とされる。主ちゃんが笑って「とっても美味しいよ。でもね」と、そこで言葉を切る。「みんなで食べたほうが、もっと美味しいんじゃないかって思ったの」。その瞬間、無事にゲートが開く。「ボス～！」「カア！」。
その日は朝まで、シンの手料理にみんなで舌鼓を打ち、暗点ファミリーパーティー。そして明け方頃……。双子には毛布をかけ、メフィは巣に戻し、主ちゃんを抱き上げて寝室に向かうシンの姿がある。
その顔は慈愛に満ちていたが、それを見たのは唯一、廊下の窓から差し込む柔らかな朝日だけであった。

閉じ込められてものの数十分で、目の前にはシェフ顔負けのお弁……お重が積み上がっている。シンいわく「適当に作った」そうだが、どう見ても、適当ではない。ローストビーフ、サーモンのマリネwithキャビア、胡椒多めの大人のポテサラ、アワビのワイン蒸し、ロブスターのチーズグラタン、カクテルサラダ。「シンの職業がまた増えたね」そう言って、いただきますと手を合わせて怖気ずくことなく堂々と食べる主ちゃん。シンはその横でワインを注いだり、小皿を変えたりと、楽しそうに世話を焼く。しかし、半分ほど食べたところで主ちゃんの手が止まる。

「それは特別なものを入れているからさ」と答えるホムラ。主ちゃんが「ずっと見ていたけど、特別なものは入ってなかったよ」と言えば、「本当？」と、お鼻とお鼻をちょこんとくっつけるホムラ。「君への愛情をたっぷり入れたんだけどな」
🐟「隙あり（ちゅっ）」。主ちゃんが真っ赤になると「ひとまず、お代の半分はこれでいいよ」と言うホムラ。そして続けて「早く帰って、もう半分もちょうだい」。そうして無事にゲートが開き、外で待ち構えていたトウさんに引きずられて個展会場に連行されるホムラであった。
完

🐦‍⬛ボスにできないことは何もない。双子のセリフが主ちゃんの頭を駆け巡る。

🐟海の料理も、陸の料理もお手のもの。「君はソファーに座って、僕の雄姿を見ていて」。そう言うや否や、エビフライ、白身魚のフリッター＆手作りタルタルソース、ホタテと卵白の中華炒め、しらすとワカメの酢の物、鮭おにぎりを作って、あっという間に完成。見た目も美。「さあ、召し上がれ」。一口食べれば、お口の中は竜宮城。あまりの美味しさに、主ちゃんも思わず涙してしまう。「泣くほど美味しいの？」そう言って微笑むホムラに「あなたも食べて」と、お弁当を差し出せば、至極当然と口を開けるホムラ。あむっと食べさせてあげれば「うん、完璧だ」とご満悦。主ちゃんが「ホムラのご飯は、どうしてこんなに美味しいの？」と聞けば

レイの手は、多くの命を助ける手。そして、主ちゃんを包み込む、温かな手。そう、大きくて器用な手。
主「レイ、大きすぎだよwww」
ㇾ「……つい、お前のことを思うばかりに」
栄養ばっちりな巨大おにぎりは、仲良く二人で半分こして食べることに。「レイ、すっごくおいしい！」そう満面の笑顔で言う主ちゃんを愛おしく思うレイ。そのとき、閉じられていた扉が開く。お腹いっぱいになった二人は、一緒にゲートを出る。「家に帰ったら、おにぎりの研究をしてみよう」と思うレイ。そしてまじめな彼は一か月後、また別の驚きを主ちゃんに贈る。全ては愛しい主ちゃんへの、器用で不器用な愛。

レイが「なぜだ」という顔になる。おにぎりを握れば握るだけ、米が消失する。正確には、米が手についてこぼれ落ち、おにぎりを形成できない。なぜ世の中の人たちは、手に米を付けずに握れるのか……。ひとまず手を洗って、もう一度試してみたら全然お米が手に着かない！ これだ!! 二人は歓喜し、気を良くしたレイ（かわいい）は、具材を詰めていく。「まずはタンパク質だ。お前は肉体労働だからな。そして次は、ビタミンとミネラル。美容にいい。ああそうだ、疲労回復にクエン酸も加えよう。最近、疲れている様子だったからな……よし、できた」（かわいい）。直径10㎝のおにぎり。

食後のお茶が美味しい。そうしてまったりしていると、開かずの扉がオープンして無事クリアー。セイヤが「食後に、はちみつミルクティーを飲まないか？」と聞けば、主ちゃんは元気に「最高っ♪」って返してくれる。ついでに「はちみつロール」も食べて、「『ごちそうさま』」と声がそろう。

❄️いつも外食かデリバリーのため、何を作ろうかとなる。そして導き出した答えが「おにぎり」。これなら初心者でも簡単に作れるし、具材を変えれば栄養面もカバーできる。完璧な答えを導き出してしまったと自分たちの才能に驚くレイ主かわいい。さあ、そうと決まればさっそく作るぞ！となって３秒後

「吊るされた男」って、そうなんだ！！
タロットカードの意味をちゃんと踏襲した本格的な作品であり、
イラストもめちゃくちゃ可愛くて、この世に二つとない宝物になること間違いなしの作品だ🥺
応援することしかできませんが、完成を心から楽しみにしてます✨💪🐟💪✨

かっっっっっっっっっっわよ！！！！！

アプリには、すでに実装されてるみたい。

最高！最高！！！！
芸術🎨爆発💥
ほんで、さかなまるが縛られて逆さになってるのに本当に強気で可愛いです｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡

設定から「自動保存」に変更できるよ。

🤔？

お腹の中でオールナイト🕺🪩✨

姫抱っこね。OK