ふるいはさみ
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はさみふたたび。
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ぼくの知らない
海がわずかに
欠けているのに
気づいた夜は
置き去りにした
記憶をひらく
ふりかけのない
お子様ランチ
そこに立ってる
国旗はいつも
すこしかなしい
顔をしていた
ハンバーグには
赤いケチャップ
それが世界の
秩序なのだと
気づいたときは
夢はすっかり
覚めてしまった

#七ならべ
10月8日の月
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今シーズン初めて雪虫と遭遇
(写真はありません)
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守るよころびを知っている。対象が何であれ、結局は自分を守ることに他ならないことを知っている。だから守るべきものがそこから去ってしまったとしても守り続けるしかないのだ。記憶がそこに残る意味、ぼくがここにいる意味。

#散文
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点火した瞬間の花火が語り出すものがたり。一日という単位は瞬くには短すぎて永遠を紡ぐには長すぎる。はじまっておわる繰り返しの、気づけば背中しか見ていなかった。

#散文
日の出直後 10月4日
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ジャンゴ・ラインハルトを聴きたくなった。ぼくにはいくつかの帰る場所があって、ジャンゴの音楽もそのひとつだ。生まれるはるか前に奏でられた音を懐かしいと感じるのは幻想のようなものかもしれないけれど、この世界が音から生じているのだとしたら、ぼくが抱く懐かしさもまた、音から生じるのは必然なのだろう。

#散文
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虹になりきれなかった光たちのうしろ姿をいつまでも見送って、晴れたり曇ったり一喜一憂している生き方を改められないでいる。変わらないものを探し続けて見つけられずに、探す行為だけがいつまでも変わらない。

#散文
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きっと懸命にいきていた。
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きっと懸命にいきている。
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激しい雨がやってきて、夜明けとともに去っていった。たくさんの木の葉と空虚な感情を撒き散らして。
思い出と記憶の差はそこに体温が伴うか否かによる。この季節はひと雨ごとに思い出が奪われてゆく。残したいものがあったとしても守れるかどうかわからない。どのみちすぐに真っ白に染められてしまうのだから。

#散文
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そろそろ夏を片付けなきゃと思う間もなく冬はやってくる。そういう定めの土地でちょうど良いものを探すのは難しい。難しいから探さずにはいられない。すべての事象は相対的と識れば恐ろしくて正義を語ることはできなくなるけれど、それでもコーヒーの重力は絶対だと信じてしまう。朝になにかを手繰り寄せたくなる。

#散文
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宵口の電車に乗って今日を静かに畳んでいたら、ぼくの投げやりに線路が共鳴し始めた。だれもがとりあえずやり過ごそうとしている。それなのにカタカタとさみしさが近づいてくる。ほんとうの今がどこにあるかなんて知らない。でもそれが薄紫色していることにはなんとなく気づいている。

#散文
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朝の迎え方を忘れている。年表を左端からすべて読まなくてはいけない気分になっている。
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動くことができないとなると途端に世界が輝いて見えてしまう。身体は必死に闘っているというのに平穏な時間が過ぎてゆく。はじめてのコロナ感染は絶妙なタイミングでやってきた。奪い取られたものもあるけれど与えられたものの方が多かった印象すらある。なにか捻じ曲げられた心地よさを与えてくれたもの、それはタイムマシンかもしれないし精神と時の部屋かもしれないけれど、そこから一歩踏み出さなくてはならない朝がやってきた。
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少しだけくたびれたエレクトロニカを部屋に広げて、快晴の窓は多くを語らない。未来が容赦なく押し寄せてくる。それは波のようなものだから乗りたいひとは乗ればいいし足を濡らしたいひとは靴を脱げばいい。変わることも変わらないことも選ばないからここにいる。
少しだけくたびれたオーディオ装置はいつもうしろめたい気持ちだけを増幅している。

#散文
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江の島がそこにあるだけで、季節のはなしはもう必要ないと思われた。終わるもの、終わらないもの。混沌とした感情が島というかたちで海に浮かんでいる。ぼくがここに来るとき何も残そうとは思わない。何も奪おうと思わない。ことばはいらない。でもことば以外に伝える術もない。

#散文
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南の海の纏わりつくような匂いが運ばれてくる、その航跡を一晩中なぞっている。記憶は常にそのかたちを変化させ続け、キリンレモンだと思って飲み干したのはただの理不尽だったと気づく。あの夏が忘れられないのは運命なんかじゃなく、積み重ねた選択に抜け道がなかっただけのことなんだ。

#散文
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こおろぎの歌が徐々に遠ざかってゆく。東の空が緩み始めて、ほんとうの時間はもう少しで終わってしまう。読みかけの本を忘れるためだけの一日をぼくは生きるだろう。

#散文
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ひとは自らの季節を選ぶことができる。永遠の夏を生きているひともいれば日々違う季節を過ぎているひともいる。ひとは変化を恐れる。だから永遠を求めるし、夏で居続けるひとに憧れたりもする。ついつい季節を変えてしまうぼくにとって、振り向かないことはせめてもの抵抗である。

#散文
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SNSに限らず多くのネットサービスは繋がることを目的としている。ぼくはつながることではなく届くことを望んでいる。さらに言えば必ず届くのではなく届く「かもしれない」可能性があればいい。必ず届く必要なんてない。ボトルメールのようなものがいい。
ひとりぼっち惑星というゲームアプリ。ずいぶん前からあったと思うが、最近ふと思い出してやり直してみた。ぼくにとってはSNSの理想系のような気がした。だれかに届くかもしれないし届かないかもしれない。そういうメッセージがそこにあるだけ。
ぼくはビーコンになりたいと思っている。灯台といってもいい。それ自体はさみしいけれど、さみしいことよりしあわせなこともないと思う。
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なにもかも気化してしまうような夏の旋律は
いつか弾けるように旅立っていくものだから
五線譜に踊る後悔を残すことすら許されない

#散文
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夏のしっぽが
うなだれる頃
ほしの迷いを
耳にしたんだ
ぼくにしかない
こえがあるなら
いずれは醒める
大地のうえで
ななつの石を
並べつづける
そういう朝に
目覚めることを
受け入れるのも
悪くないよね
これしかないと
跳ねていいよね

#七ならべ