はじめ
hajimechitose.bsky.social
はじめ
@hajimechitose.bsky.social
ほのぼの系小説が好き
「谷から来た女」(桜木紫乃)読了。
アイヌ紋様デザイナーのミワにまつわる連作短編集。文芸誌で一話だけ読んで、単行本になるのを心待ちしてた。
予想より描かれている年代の幅が広い。生まれるときの事情から、成功して失踪するまで、時系列はバラバラで書かれてる。どれも独立した話でも面白かったし、シリーズを通してもよかった。自分のことをアイヌと言い切り、その文化を現代に馴染ませ広めようとするミワの強さに惹かれる。
July 17, 2024 at 6:08 AM
「海岸通り」(坂崎かおる)読了。
来週受賞作が決まる芥川賞候補作。
介護施設で清掃員として働く女性が主人公。なぜかは明らかにされてないが、部屋代を滞納するくらい貧乏で、同僚として働くウガンダ人女性の紹介でウガンダのコミュニティ部屋に厄介になる。
主人公は善人ではないが、ウガンダ女性との友情や介護施設に入居している人との関係性がふわっとして気持ちよく読めた。ラストでみんな幸あれと願ってしまう。
July 13, 2024 at 5:27 AM
「東京ハイダウェイ」(古内一絵)読了。
ままならない社会で傷つく人に、最後で救いを与える連作短編。好きです。こういうの。同作者の「マカン・マラン」も同系統で好きだった。
クラゲと自分を重ね合わせる「ジェリーフィッシュは抗わない」が気にかかった。クラゲの生態も面白かったし、そんな生き方もありだと思える。でも馬鹿にしてくる相手に怒鳴り返すのは大事です。
July 11, 2024 at 12:35 AM
「spring」(恩田陸)読了。
天才バレエダンサー兼振付家HALの物語。さすがの恩田陸。匠の文章だ。周囲三人から見た主人公の話も面白いが、最後の主人公視点が意外と普通人感覚で興味深い。
藤井聡太とかみてると、才能の塊集団の中で頭一つ抜けてしまう人が現実にもいると思える。この小説でいう贄だ。
HALは贄になり世界を戦慄せしめる。フィナーレがかっこいい。
July 8, 2024 at 4:57 AM
「六十路通過道中」(群れようこ)読了。
2022年から2023年にかけて書かれたエッセイ。新居に引っ越してからの様子が描かれている。
日常の不満や喜びを綴ったオーソドックスなものなのに、この人のエッセイは読んでてなぜか心地よい。驚くような視点も深い感動話もないけれど、環境ビデオをぼーっと見て和むような感覚で読める。今年70歳になり人生を楽しむ作者は、見習いたい先輩だ。
July 2, 2024 at 12:05 AM
「団地のふたり」(藤野千夜)読了。
小林聡美、小泉今日子でドラマ化するというので読んでみた。ドラマすいかが大好きだったので、この二人の共演は期待。
団地に住む幼なじみ、二人とも独身で、互いに依存しつつ、しっかり自律もしている。
古い団地は年寄りばかりで50歳の彼女らは若手だ。網戸を直して欲しいと頼まれれば、嫌々ながら格安でやったりする。
ほのぼのとは少し違うが、安心して彼女らの日常を楽しく読めた。
June 20, 2024 at 11:25 PM
「山の上の家事学校」(近藤史恵)読了。
離婚して一人暮らしをしている中年男性が、妹のすすめで男性専門の家事学校に通う。家事の技術だけでなく、生活に必要な考え方も学んでいく。
自分も家事を担う者だけど、家事をどのようにするかは技術じゃなく性格と環境だと思う。主人公の気づきは、特に目新しいことはないけれど、分からない人も多いんだろうな。
June 17, 2024 at 11:05 PM
「死んだ山田と教室」(金子玲介)読了。
交通事故で死んだ高校二年の山田が、教室のスピーカーで声だけの存在として生き返った。人気者だった山田は歓迎され、男子校特有のコメディタッチで話は進む。
ほのぼのの中盤からシリアスな後半、明るさとせつなさの塩梅がちょうどいい。同級生は当然ながら山田への接し方はそれぞれ違っていて、新聞部のちょっと嫌な奴が最後まで妙にリアルだった。
June 14, 2024 at 12:10 AM
「方舟を燃やす」(角田光代)読了。
1967年から現代までの半生を、二人の視点で描いてる。
男性のほうは小学校6年で母親を亡くす。女性のほうは食のこだわりが強く娘に絶縁される。マイノリティな設定はそれくらい。本当に多数派の市民として時代を生きてる。それなのに凄く印象的で読み応えがあった。
なにを選択するか、それが周りや自分にどんな影響を与えるか、コロナ渦のワクチンについては考えさせられた。
June 10, 2024 at 6:14 AM
「嘘つき姫」(坂崎かおる)読了。
様々な色合いの短編集。不思議な設定が多い中、表題作は戦時ヨーロッパの哀しい少女たちの話。全ての作品に思いっきり引っ張り込まれる感じがした。「あーちゃんはかあいそうでかあいい」が心に残る。たくさんの文学賞を受賞するのも納得の凄い新人作家だ。
June 8, 2024 at 6:24 AM
「カフネ」(阿部暁子)読了。
弟が急死し、弟の元恋人に会う主人公。二人は反発し合うが、一緒に家事手伝いのボランティアをし、互いの理解を深め合う。
 元恋人の無愛想な小気味よさ、主人公のブルドーザーのよう努力邁進する姿勢が読んでて気持ちよい。自身はボロボロなのに他人のために、特に子供に寄りそう二人は感動的だ。
 社会全体で子供を育てる制度がもっとできればいい。
June 5, 2024 at 4:37 AM
「夜露がたり」(砂原浩太朗)読了。
江戸市井短編集。ありきたりな人情話にせず、哀しくむごい終わりが多い。読ませる筆力だけど読んでてつらい。貧しさで脅えて暮らすのは嫌だね。
May 22, 2024 at 8:03 PM
「捨てたい人 捨てたくない人」(群ようこ)読了。
ものを捨てられない人のだめさ加減を書いた短編集。
ゴミ屋敷ほど深刻な話じゃなく、気軽に笑って読める人間模様。結婚して一緒に住みたい女性がいるのに、大量のフィギュアを処分できない優柔不断男は、大事なことの優先順位がつけられず愛想を尽かされる。情けないというより、結婚したい理由がさっぱり分からなかった。
May 20, 2024 at 1:03 AM
「冬に子供が生まれる」(佐藤正午)読了。
とても引き込まれる小説だった。前作の直木賞作品も素晴らしかったし、この作者の文章と相性がいい。
今年の冬、彼女はおまえの子供を産むという、身に覚えのないメッセージから噺は始まり、少し不思議な展開がどんどん進む。登場人物たちのもどかしい思いに共感して、先が読みたくて仕方なくなった。今年読んだ中では一番好きな小説。
May 18, 2024 at 11:25 AM
「ふつうの軽音部 1」読了。
高校入学を機にギターを買い軽音部に入る主人公。
周りが見えないほど天然じゃないけれど、行動を計算したり、いろいろ考えすぎたりしない素直な女の子に好感が持てる。
自分が十代だったころより、今の時代の子の人間関係は大変そう。
最近の学校の様子も垣間見え面白かった。
May 13, 2024 at 1:47 AM
「成瀬は信じた道をいく」(宮島未奈)読了。
本屋大賞「成瀬は天下を~」の続編。
前作で登場人物に親しみを持ててるので安心して楽しめた。
クレーマー気質の自分に悩む女性との会話がいい。悪人や不幸がほぼ出てこない作品なのに、ご都合主義とも思えず読める。
May 11, 2024 at 12:27 AM
「中野のお父さんと五つの謎」(北村薫)読了。
シリーズ第四弾。出版社に勤める主人公が作家や父親と近代文学のニッチな謎を考える連作短編。
どこまでがフィクションなのか浅学な俺には分からないが、出てくる文献は全て本当なのだろう。松本清張の話が一番身近に感じられた。あのベストセラーが当時ミステリーマニアからダメ出しをされ、本人も認めていたとは知らなかった。
他の話も知らないなりに時代の流れを楽しめた。
May 9, 2024 at 2:23 AM
「国歌を作った男」(宮内悠介)読了。
雑多な短編集。長さもテーマもバラバラ。それぞれで面白い。一番気に入ったのは「三つの月」。
精神科医が自分の不調を治しに整体へ通い、不思議な力を持つ女性に心身共に元気にしてもらう。自分でも同じような力を持つめがねを開発し、整体師となり女性と思いがけないところで再会する。ラストの言葉にならない会話にぐっときた。
May 6, 2024 at 11:00 PM
イスタンブールまでトンビリに会いに行ってきた。
2024.3.29現在、台座に落書きもなく、周りに大事にされていると感じた。
地下鉄駅より、グーグルマップを頼りに10分ほどで着きました。
April 3, 2024 at 10:04 AM
「路傍のフジイ2」(鍋倉夫)読了。
他人に関心がないのに他人に親切なフジイは、ある種の人間にとても安心感を与える。そこが読んでて心地よい。
こういう人間が幸福な人生が送れる世の中が良い世界だと思う。
March 3, 2024 at 8:52 AM
「嘆きの亡霊は引退したい11」(槻影)読了。
パーティのメンバーが一人もいなくても、クライちゃん大活躍。危機感も功名心もなく、煽りと選択の天才であるクライはレベル9試験を受けることに。能力の低いことを武器に流されるままキーマンになる様はとても面白い。
次巻が待ち遠しい。
March 3, 2024 at 8:46 AM
「しあわせの輪」(群ようこ)読了。
れんげ荘シリーズも第八弾。安定の面白さ。動物好きの人ばかり周りに集ってほのぼのするが、ここまで甘やかしていいのかとも思う。かっこいい女性は多いが、かっこいい男性は皆無な小説。
February 27, 2024 at 1:57 AM