殺人事件、ジェンダーギャップ、ルッキズムやトラウマ…すべてがメインとなったコース料理かのように脳や舌、胃といった身体中の感覚が刺激され麻痺し疲弊する作品でした。己の生き方の正解は己自身の納得の上にしか見出だせないし成り立たない、そんなことを思いました。とにかく疲れました。
殺人事件、ジェンダーギャップ、ルッキズムやトラウマ…すべてがメインとなったコース料理かのように脳や舌、胃といった身体中の感覚が刺激され麻痺し疲弊する作品でした。己の生き方の正解は己自身の納得の上にしか見出だせないし成り立たない、そんなことを思いました。とにかく疲れました。
暴力に身を投じて生きる新道依子が引きずり込まれたヤクザの世界。彼女がどんなに強くてもそこで否応なしに味わうことになる恐怖や怒りは現実の世界で私たちが感じるものとそんなに変わらない気がした。そしてそんな被害者面をした読者の思い込みをも欺く仕掛けは何とも鮮やか。生々しく熱い作品でした。
暴力に身を投じて生きる新道依子が引きずり込まれたヤクザの世界。彼女がどんなに強くてもそこで否応なしに味わうことになる恐怖や怒りは現実の世界で私たちが感じるものとそんなに変わらない気がした。そしてそんな被害者面をした読者の思い込みをも欺く仕掛けは何とも鮮やか。生々しく熱い作品でした。
大切なものを置き去りにして何かを得ようとする大人たち、そんな大人たちの声を必死で聴こうとする少年の張りつめた心の叫びが胸を刺す。
「キム・ジヨン」でも感じたチョ・ナムジュさんの「見えないものを伝えよう」とする語り口の原点を見た気がしました。
巻末にあるインタビュー、訳者あとがきも含めて素晴らしかったです。
#読了
大切なものを置き去りにして何かを得ようとする大人たち、そんな大人たちの声を必死で聴こうとする少年の張りつめた心の叫びが胸を刺す。
「キム・ジヨン」でも感じたチョ・ナムジュさんの「見えないものを伝えよう」とする語り口の原点を見た気がしました。
巻末にあるインタビュー、訳者あとがきも含めて素晴らしかったです。
#読了