舞妓としてデビューするお見世出しの日を迎えた少女が体験する怪異を描く表題作を含め、京都が舞台の怪奇短編が三編収録されています。どれも京言葉の独特な語りと絡みつくような厭な雰囲気でとても良かったです。特に、最後に収録されている「呪扇」が、他二編がほのぼの舞妓さん小説に思えてくる(単体で見ると恐怖度の高い短編なんですよ!)ほど悍ましくて、よくこんな胸糞悪い小説書けるな…と呆然としてしまいました。方向性は違うけれど、『城の中のイギリス人』がマシに思えるレベル。短編としてよくできているし面白いですが、グロ耐性がない人は絶対に読まない方が良いです。
舞妓としてデビューするお見世出しの日を迎えた少女が体験する怪異を描く表題作を含め、京都が舞台の怪奇短編が三編収録されています。どれも京言葉の独特な語りと絡みつくような厭な雰囲気でとても良かったです。特に、最後に収録されている「呪扇」が、他二編がほのぼの舞妓さん小説に思えてくる(単体で見ると恐怖度の高い短編なんですよ!)ほど悍ましくて、よくこんな胸糞悪い小説書けるな…と呆然としてしまいました。方向性は違うけれど、『城の中のイギリス人』がマシに思えるレベル。短編としてよくできているし面白いですが、グロ耐性がない人は絶対に読まない方が良いです。
ある大晦日、エディンバラの通りで幼い三姉妹が行方不明となった。親が目を離していたのはほんの数秒ほど。周辺には子供が隠れられる場所もない。1ヶ月後、全裸で、喉に傷跡をつけて寒さに震えている三人が失踪した場所で発見された。失踪中の記憶は失われていたが、虐待の痕跡はなかった。しかし、無事ではあったものの、青い瞳は真っ黒になり、黒い髪は白く色が抜け、大人二人の二週間分の食料を食べ尽くすほどの食欲と、他人の行動を操る力が身についていた…。10年後、17歳になった末っ子のIrisは普通の高校生になろうと努力していた。→
ある大晦日、エディンバラの通りで幼い三姉妹が行方不明となった。親が目を離していたのはほんの数秒ほど。周辺には子供が隠れられる場所もない。1ヶ月後、全裸で、喉に傷跡をつけて寒さに震えている三人が失踪した場所で発見された。失踪中の記憶は失われていたが、虐待の痕跡はなかった。しかし、無事ではあったものの、青い瞳は真っ黒になり、黒い髪は白く色が抜け、大人二人の二週間分の食料を食べ尽くすほどの食欲と、他人の行動を操る力が身についていた…。10年後、17歳になった末っ子のIrisは普通の高校生になろうと努力していた。→
鉄道会社に勤める24歳のヘンリー・ネフは遺失物管理所に異動となる。新しい仕事を無邪気に面白がり、人妻の同僚パウラにちょっかいをかけ、遺失物を通じて出会ったバシュキール人の数学者フェードルと友情を育んでいく…。気ままに生きるヘンリーは楽しそうだが、不況、人種差別、ネオナチと、ドイツ社会が抱える問題が背景に描かれ、不思議な奥行きのある物語となっている。
あらすじを魅力的にまとめるのは難しいですが、大変面白い作品でした。主人公のヘンリーがいわゆる極楽とんぼなので好き嫌いは分かれそうですね。私も最初は「なんだコイツ」と思いました。→
鉄道会社に勤める24歳のヘンリー・ネフは遺失物管理所に異動となる。新しい仕事を無邪気に面白がり、人妻の同僚パウラにちょっかいをかけ、遺失物を通じて出会ったバシュキール人の数学者フェードルと友情を育んでいく…。気ままに生きるヘンリーは楽しそうだが、不況、人種差別、ネオナチと、ドイツ社会が抱える問題が背景に描かれ、不思議な奥行きのある物語となっている。
あらすじを魅力的にまとめるのは難しいですが、大変面白い作品でした。主人公のヘンリーがいわゆる極楽とんぼなので好き嫌いは分かれそうですね。私も最初は「なんだコイツ」と思いました。→
正直、語学力に自信がなかったので、ちゃんと読めていたということが分かって嬉しい…ものの、他の二項目の評価も上げたい…!
正直、語学力に自信がなかったので、ちゃんと読めていたということが分かって嬉しい…ものの、他の二項目の評価も上げたい…!
学芸員として働いていた美術館の閉館が決まり、失業した主人公は、大学の先輩から、彼の祖父がパトロンをつとめていたという女優の曾根繭子に関するコレクションを整理する仕事を斡旋される。コレクションが保存されているという金沢の老舗ホテルへ向かい、蒐集品を確認すると、舞台衣装や蔵書といった身の回りの品から、使い終えた割り箸、下着といった「行き過ぎ」な品物まで保存されていた。数十年前に自殺したとされる繭子の身に本当は何があったのか。ホテルでは怪現象が相次ぎ、日常が侵食されていく…。
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学芸員として働いていた美術館の閉館が決まり、失業した主人公は、大学の先輩から、彼の祖父がパトロンをつとめていたという女優の曾根繭子に関するコレクションを整理する仕事を斡旋される。コレクションが保存されているという金沢の老舗ホテルへ向かい、蒐集品を確認すると、舞台衣装や蔵書といった身の回りの品から、使い終えた割り箸、下着といった「行き過ぎ」な品物まで保存されていた。数十年前に自殺したとされる繭子の身に本当は何があったのか。ホテルでは怪現象が相次ぎ、日常が侵食されていく…。
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バルセロナでタクシー運転手として働くPepaは彼氏と破局寸前で傷心中。そんな中、彼女が住んでいるマンションの住民が亡くなり、残された老婦人の周辺で幽霊騒ぎが起こり始める。
学習者向けに書かれた本です。Graded Readerって、内容はどうしてもつまらないことが多いと思っているのですが、表紙のチャッキーみたいな顔に惹かれて借りたら意外に面白かったです。(本当にチャッキーマスクが出てきた)レベルは初級者向けなのですが、俗語が多く使われており、知らない表現がたくさん出てきました。→
バルセロナでタクシー運転手として働くPepaは彼氏と破局寸前で傷心中。そんな中、彼女が住んでいるマンションの住民が亡くなり、残された老婦人の周辺で幽霊騒ぎが起こり始める。
学習者向けに書かれた本です。Graded Readerって、内容はどうしてもつまらないことが多いと思っているのですが、表紙のチャッキーみたいな顔に惹かれて借りたら意外に面白かったです。(本当にチャッキーマスクが出てきた)レベルは初級者向けなのですが、俗語が多く使われており、知らない表現がたくさん出てきました。→
最愛の夫を亡くし、失意のうちに心理士としてグループセラピーを運営するMarianaに、ある日、ケンブリッジ大学に通う姪から電話がかかってくる。キャンパス内で起きた殺人の被害者は自分の友人であり、殺したのは指導教員のEdward Foscaに違いないと主張する姪のため、Marianaは母校でもあるケンブリッジへ向かう。強いカリスマ性を持つFoscaはギリシャ悲劇を専門分野とし、自分を慕う美少女ばかりを集めたMaidensというグループに個別指導をしている。被害者もその一人だった。→
最愛の夫を亡くし、失意のうちに心理士としてグループセラピーを運営するMarianaに、ある日、ケンブリッジ大学に通う姪から電話がかかってくる。キャンパス内で起きた殺人の被害者は自分の友人であり、殺したのは指導教員のEdward Foscaに違いないと主張する姪のため、Marianaは母校でもあるケンブリッジへ向かう。強いカリスマ性を持つFoscaはギリシャ悲劇を専門分野とし、自分を慕う美少女ばかりを集めたMaidensというグループに個別指導をしている。被害者もその一人だった。→
森の中の深い穴に落ちてしまった兄弟。どうしても穴から抜け出せず、弱り、飢えていく。食料の詰まった袋はあるが、母に届けるため手をつけられない。木の根や虫を食べて生き延びようとするが、弟は精神に異常をきたしていく…。
読んでいるといろいろなことを想起させられる、まさに大人のための寓話といったお話でした。
飢えをしのぐために虫を食べる場面がたくさんあり、最初はすごく嫌だったのが最後にはご馳走になっていくという描写が…詳細には描かれていないので耐えられるのですが、ちょっとでも想像すると…かなり辛いですね…。
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森の中の深い穴に落ちてしまった兄弟。どうしても穴から抜け出せず、弱り、飢えていく。食料の詰まった袋はあるが、母に届けるため手をつけられない。木の根や虫を食べて生き延びようとするが、弟は精神に異常をきたしていく…。
読んでいるといろいろなことを想起させられる、まさに大人のための寓話といったお話でした。
飢えをしのぐために虫を食べる場面がたくさんあり、最初はすごく嫌だったのが最後にはご馳走になっていくという描写が…詳細には描かれていないので耐えられるのですが、ちょっとでも想像すると…かなり辛いですね…。
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メキシコの片田舎のある村で、魔女の死体が見つかった。忌み嫌われながらも、女たちが育てられない子供を堕胎し、表立っては吐き出せない悩みを受け止めていた魔女は、なぜ、誰に殺されたのか。
「魔女」と呼ばれていた人物が殺害された事件の全容が、周辺の人々の語りで明らかになっていくという構成です。と書くとミステリー的なものを想像すると思うのですが、あらすじから期待した謎解き的な面白さを飲み込んで何か別の凄いものを見せてくれる、濁流のような作品でした。感想がまとまらないので、以下は読みながら思ったことをなんとなく書いていきます。→
メキシコの片田舎のある村で、魔女の死体が見つかった。忌み嫌われながらも、女たちが育てられない子供を堕胎し、表立っては吐き出せない悩みを受け止めていた魔女は、なぜ、誰に殺されたのか。
「魔女」と呼ばれていた人物が殺害された事件の全容が、周辺の人々の語りで明らかになっていくという構成です。と書くとミステリー的なものを想像すると思うのですが、あらすじから期待した謎解き的な面白さを飲み込んで何か別の凄いものを見せてくれる、濁流のような作品でした。感想がまとまらないので、以下は読みながら思ったことをなんとなく書いていきます。→
三人の娘がいる貧しい木こりが巨大な木を見つけて斧を振るうと、斧がうろの中へ落ちて行ってしまった。斧は木の下に住んでいた巨人の足に当たり、怪我をして怒り狂った巨人が中から出てくる。巨人は木こりに、いちばん上の娘を連れて来れば中に入って斧を探させてやると言う。やってきた娘には、言いつけを聞けば自分が持つ全てを渡すと言い、まずは、少し出かけてくる間に出された食事を食べておくようにと命じる。娘が皿を見てみると、そこには人間の耳が乗っていた……。→
三人の娘がいる貧しい木こりが巨大な木を見つけて斧を振るうと、斧がうろの中へ落ちて行ってしまった。斧は木の下に住んでいた巨人の足に当たり、怪我をして怒り狂った巨人が中から出てくる。巨人は木こりに、いちばん上の娘を連れて来れば中に入って斧を探させてやると言う。やってきた娘には、言いつけを聞けば自分が持つ全てを渡すと言い、まずは、少し出かけてくる間に出された食事を食べておくようにと命じる。娘が皿を見てみると、そこには人間の耳が乗っていた……。→
拝み屋を営んでいた女性が亡くなり、その家族も次々に不可解な死を遂げていったという曰くのある家。除霊しようとした霊能者は全員死亡し、現在の持ち主は「最恐の幽霊屋敷」と銘打って借り手を募り、利益を出している。管理会社に調査を依頼された探偵、心霊番組のプロデューサーなど、家に関わった人々の恐怖体験が綴られる。
まず、「最恐」を名乗ってしまう俗っぽさが良いですね。登場人物も、全体的にこう、俗っぽいんですよね。すごく露悪的だったり下品だったりするわけではないんですが、いまいち倫理観を信じられない感じとか、別に悪い人というわけでもないのだけれど、→
拝み屋を営んでいた女性が亡くなり、その家族も次々に不可解な死を遂げていったという曰くのある家。除霊しようとした霊能者は全員死亡し、現在の持ち主は「最恐の幽霊屋敷」と銘打って借り手を募り、利益を出している。管理会社に調査を依頼された探偵、心霊番組のプロデューサーなど、家に関わった人々の恐怖体験が綴られる。
まず、「最恐」を名乗ってしまう俗っぽさが良いですね。登場人物も、全体的にこう、俗っぽいんですよね。すごく露悪的だったり下品だったりするわけではないんですが、いまいち倫理観を信じられない感じとか、別に悪い人というわけでもないのだけれど、→
購入した瞬間から?物理的に積んだとき?
私的には「すぐに読む!」という気持ちの本は買ってから一週間放置しても積読本ではなく、逆に「すぐには読まないけれど買ってはおこう」という本はレジを通した瞬間に積読本です。
購入した瞬間から?物理的に積んだとき?
私的には「すぐに読む!」という気持ちの本は買ってから一週間放置しても積読本ではなく、逆に「すぐには読まないけれど買ってはおこう」という本はレジを通した瞬間に積読本です。
カーディガンにしたいのですけれど、各模様8種類ずつ(×各5枚)はいるので道は遠いですね😵💫糸始末のこと考えると発狂しそう。
カーディガンにしたいのですけれど、各模様8種類ずつ(×各5枚)はいるので道は遠いですね😵💫糸始末のこと考えると発狂しそう。
内戦後のスペイン、アンダルシア地方。「どんぐりを喰うほど」貧しい8歳の少年クロは、家族のために学校をやめて働き始める。ヤギ飼いや建築現場の職人から行商まで、生きるために考え、行動し、たくましく成長していくクロの8年間が描かれる。
オランダで大きな賞を受賞した児童書です。エルス・ペルフロムはオランダの作家ですが、スペイン人の夫の子ども時代の話をもとにこの作品を書いたのだそう。登場人物の名前は変えているけれど、実際にあった話が書かれているそうです。
内戦後のスペイン、アンダルシア地方。「どんぐりを喰うほど」貧しい8歳の少年クロは、家族のために学校をやめて働き始める。ヤギ飼いや建築現場の職人から行商まで、生きるために考え、行動し、たくましく成長していくクロの8年間が描かれる。
オランダで大きな賞を受賞した児童書です。エルス・ペルフロムはオランダの作家ですが、スペイン人の夫の子ども時代の話をもとにこの作品を書いたのだそう。登場人物の名前は変えているけれど、実際にあった話が書かれているそうです。