つばめ
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つばめ
@july1.bsky.social
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腐垢/左右固定派/🏅🦅☀️よだつか/字書き/20↑

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july1.bsky.social
こっちにも上げます。
☀️に執着を向ける🦅。
🦅の事を優しいのに怖いと思った☀️が別れをそれとなく匂わせた話。
よだつかです。
「ずうっと、一緒だよ」 ひた、と見据えられると体が強ばる。夜鷹の瞳が美しいからだろうか、それとも、恋人を見るとは思えないように冷たいからだろうか。そのどちらもなんだろうな、と震える体を他所に冷静な頭が結論を下す。 「・・・逃げたいなら、止めないよ」そう言う夜鷹の瞳は雄弁に語っていた。瞳孔は開いていて、光を吸い込んで暗く広がる瞳は、そんな事を思っていない事をひしひしと伝えている。 指先から冷えていくような心地に咄嗟に謝罪が口をついて出そうになって、ぽしりと手で覆った。 今謝るのは違うと思った。 「あ、・・・」 目を合わせられなくて下を向く。言い知れない感情が体の中でぐるぐると回っていて、平衡感覚が狂いそうだ。 ふと、ぬくい手が頬に触れた。ここには二人しかいないから、誰が触れているのかなんて考えなくたって分かった。 「じゅ・・・」 するりと頬を撫でる手つきに声が詰まった。あまりにも優しげなその動きには威圧感なんて微塵も感じられなくて、強ばった体から徐々に力が抜けていく。倒れる、と思った瞬間、夜鷹の体がぴとりと密着して免れる。 そっと背中に触れる夜鷹の手の温もりが冷えきった体をゆっくりと温めていく。 「・・・僕は、君と離れたくないよ」 はっとした。彼の声が展えているように思えて、じわりと視界が歪んだ。 傷付けてしまった、と思うと自責の念が溢れて止まらなくなった。ぼたりと流れ出る涙が夜鷹の高そうなシャツを温らしているから止めたいのに、抱き締められる温もりが広がるほど溢れた。 ひっ、ひくっ、と喉が引き攣れる音が静かな部屋の中にこだまする。落ち着けるように背を撫でる手に安堵した。だって優しい手つきだから、ゆるされたように思えたんだ。 「ずっと傍にいて・・・」 小さく耳元で落とされた夜鷹の声は迷子のようだった。あぁ、俺がそばにいないと。そう、思った。かたかたと震える腕を彼の背に回して、抱き締め返した。 「・・・ありがとう」 くすり、と短しそうに、本当にしそうに言うから。より一層、そばに居てあげないと、という気持ちが心を占めた。 なんだか取り返しのつかない選択をしてしまったような気もする。だけど、彼が何度も、何度も、ありがとうって言うから、そんな事はどうでも良くなった。 俺が傍にいることが、この人は本当にしいのだ、と思うと、自分もしいような気がした。 しゃらん、と手首を彩るブレスレットが鳴った。 一年記念だからと贈られた、シンプルな装飾のシルバーのブレスレット。夜鷹の瞳と同じ曲の石が控えめに付けられたそれが揺れる音が、今日はどうしてだろう、鈍くて重いように聞こえた。
December 28, 2025 at 2:14 PM
july1.bsky.social
明日仕事行けば今年はもう仕事納めだ……！！
December 28, 2025 at 12:49 PM
Reposted by つばめ
uru2su.bsky.social
pixivにとりあえずサンプルあげた
🐯は明日やる…多分…😭😭😭
www.pixiv.net/artworks/139...
#よだつか 【1/25新刊サンプル】よだつか♀合同誌 - にすみのイラスト - pixiv
2026/1/25（東京）TOKYO FES Jan.2026内 夜明けを告げる太陽の君 2で発行予定の合同誌のサンプルです。スペース：西２ チ19ｂ【そこかしこ】タイトル：Fleur de Quat
www.pixiv.net
December 26, 2025 at 2:59 PM
july1.bsky.social
これ本当に好きなんですよね……（後方腕組みオタク）
December 26, 2025 at 12:11 PM
Reposted by つばめ
n0512kino.bsky.social
よだつか手描き動画x再掲
December 26, 2025 at 12:32 AM
Reposted by つばめ
mumeiii774.bsky.social
開催日：2026/1/25
イベント名：（東京）TOKYO FES Jan.2026内 夜明けを告げる太陽の君 2
スペース：西２　チ19ｂ
サークル名：そこかしこ
サークル主：うるり（にすみ）

2025/12/27まで受け付けているので、ブルスカにも上げます～！
再版予定なしです！この機会にぜひ～！
部数アンケートはこちら↓
reurl.cc/zKObz6
December 26, 2025 at 12:04 PM
july1.bsky.social
表示されるまでラグがあるのかもしかして
よくわからん。おれはそういうのに疎い。おれは雰囲気でSNSをやっている。雰囲気でやっちゃ一番ダメかもしれないな？🤔
December 26, 2025 at 12:06 PM
july1.bsky.social
短時間にフォローしまくったからもしかしてbotだと思われてる？悲しい🥺botじゃないです
December 26, 2025 at 12:04 PM
july1.bsky.social
ょﾀﾞﾂｶで検索しても私の投稿見えないな……？ぶるすかくんの基準わかんないな……ちゃんと入れてるんだけどな、ょﾀﾞﾂｶって。うーん……🤔
December 26, 2025 at 12:01 PM
july1.bsky.social
個人的にお気に入りのお話をこっちで再掲
デレパロのよだつか
合言葉はトンチキ！！！
（4/9）
舞踏会に行ったら隣国の王様に一目惚れされちゃいました！？～俺が妃なんて無理です！！〜 突然ですが問題です。みなさんは舞踏会と言ったら何を想像するでしょうか。煌びやかなドレス？豪華絢 媚な会場？見目麗しい人々？豪勢な料理？どれも正解です。さて、そんな煌びやかな舞踏会が行われているのはこの国の王族が住まう場所、そう、お城です。ごく一般的な、一庶民には縁遠い場所……しかも今回の舞踏会はこの国の王様である鶏鳥慎一郎様の息子、鶏鳥理風様の婚約者を探すことが目的なので筋肉ムキムキの180オーバーの成人男性は決して、決っっしてお呼びでない。……だというのに、なぜ俺はその舞踏会の会場にいるのだろうか。フリフリの、レースがこれでもかと使われた淡い色味のドレスを着せられて……絵面がきついなんてもんじゃないだろ！？見ろよこのパッツパツのドレス！こんなの服が可哀想じゃないか！？今すぐ着替えたい、着替えたいんだけど……！！ 「なんっっでこれ脱げないんだよ......！！！引っ張っても全然脱げないし、一体どうなってるんだよ……！！」 ぐぐぐっとドレスが千切れてしまうくらいの力を加えているというのに全く脱げる様子のないドレスと格闘すること数分。バルコニーの柵にもたれて大きく肩を動かし息を切らす司の足元に影が一つかかる。 「失礼、そこの麗しいご令嬢。体調が優れない様子……私でよければ休憩室までご案内いたしますよ」 「は、い？い、いや、体調が良くないというわけではなく……ご令嬢？」 「え？ええ、あなたがあまりにも麗しい素敵なご令嬢でしたので、思わず声を掛けてしまいました。急に話しかけられて驚かせてしまいましたよね？申し訳ありません」 やけに腰の低い言い方をするこの男の身なりはひと目見ただけでわかるほど質が良かった。もしかしなく とも貴族の男だとわかるし、加えてこの男、顔が良かった。風に靡く栗色の髪は軽くセットされて男の魅力を惜しみなく引き立て、身に着けている服も男の品の良さを潰さない、シンプルかつ上品な装飾の施されたもの。そんな男が柔らかな笑みをたたえて司を見つめている。その表情がまんま恋に落とされた男の表情をしていたので司はギョッとした。 （ウッソだろマジで？？？？俺男ですけど！？あなたより上背もあるしムキムキの大男ですが！？！？！？本気か？いや待て、今この人ご令嬢って言ったような……はっ！？そういえばあの魔法使い…周りの人間には俺が女の子に見える魔法かけといたからとかなんとか言ってなかったか？？？？えっあれマジだったのか！？！？！？いや、そのままだったら余計まずいからこれでいいんだけど、いいんだけど……！！！！） 『いーい？絶対に12時の鐘が鳴り終わるまでには帰ってくるのよ！それを過ぎたら認識阻害の魔法は解けちゃうから気をつけてね！たまに魔法が効かなくて見破られちゃうこともあるけど、滅多にないから安心してちょうだい！』 ぱちん！とウィンクをして親指を立てる魔法使い─瞳さんはそう言っていた。認識阻害の魔法ってなんだとその時は思ったが、なるほどそう言うことかと男の様子から理解する。にしたってなんで俺がこんな事に…… うんうんと百面相をする司の様子にやっぱり体調が良くないのだと勘違いをしたままの男がそっと司の、端からは華客に見えている実際はがっしりとしている肩に触れ、休憩室へ案内を申し出た。 「いや、本当に大丈夫なんで！お構いなく……！！あ、あーそういえば、お、じゃない、私ご挨拶する人がいるので……！あ、あの人です！」 「えっ……あ、あのお方、は……！？い、いえ、そういうことでしたら私はお邪魔ですよね！し、失礼しま す！！」 適当に司が指を差した先を男が追うと、途端に顔を青ざめて逃げるように走り去っていった。ぴゅう、と風を起こして走り去った男をポカンと見つめていると、司の前に誰かが立った。ハッとして前を向くと全身真っ黒で先ほどの男とは比べ物にならないほど上等な生地で繕われた、マジもんの宝石が散りばめられた装飾の施された服を完璧に着こなした、息を忘れるほどの美貌をもつ男がじっと司を見上げて……見上げて？ 「あ、の……」 「……僕を指差したよね、今。何の用？」 「え？あっ、えっと、絡まれてどうしょうかと困ってしまって……すみません、巻き込んでしまって……！」 「……別に。それで、君はどうしてそんな格好で舞踏会に来ているの？君……男だよね？」 見目麗しい男から放たれた言葉に司は先ほど走り去っていった男と同じように顔から血の気が引いた。 司は咄嗟に逃げ出そうとしてドレスの裾を踏みつけ体のバランスを崩してしまい、倒れた時の衝撃に身を固くした。ぎゅっと目を瞑ったまま衝撃に備えていたが、一向に衝撃が来ないことに疑問を抱いて恐る恐る目を開くと、目の前の男の腕が司の腰に回って司の体を支えていた。 「君、大丈夫？あんまりその格好でいきなり走り出そうとしないほうが良いんじゃないの」 「……あ、はい。ありがとう、ございます……あっ！！！！す、すぐ退きます！！」 ガバッとバランスを取り直した司が男から体を離し、それから一歩分距離を置いた。足が長い司の一歩で男との距離はぐんと開いて、コンパスの広さに男は少しばかり驚いた。 「も、申し訳ありませんでした！！その、俺、この舞踏会に来る気は全っっ然！なくて！！けどなんでか魔法？かけられてこんな格好させられて連れて来られちゃっ ただけで！！変質者ではないんです！！す、姿も女性に見えてるらしくて、さっき話しかけられた男性には女性にちゃんと見えてたんです！！あなたにはどうしてかそのままの俺が見えてるみたい……ですけど……と、とにかく俺もう帰りますから！！失礼します！！！」 「待ちなよ」 「ぐえっ……何するんですか！急に首に手をかけるのやめてください！危ないじゃないですか！？」その場から去ろうとして踵を返した司の頭を掴み、司の進行を止めた男の手を振り払い、苦しげにしながら司が振り返ると思ったよりもずっと至近距離に男の美しい顔があって、司はピシッと固まってしまった。 「舞踏会はまだ始まったばかりだし、僕以外には女性に見えているなら帰らなくて良いんじゃない。君がどんな格好をしていようが僕には関係ないし、ここまできて何も楽しまないまま帰るのはもったいないんじゃないの？ここに来ることを望んでなかったのに無理に連れて来られたんなら、いっそのこと楽しんでやればいい」 男の細く節張った長い指が司の頭を掬い上げ、月明かりを背にして男はどこか愉快そうな色を滲ませた瞳で司と視線を絡ませた。 「そろそろメインイベントが始まる頃だしね。何もないバルコニーで夜を過ごすのが好きなら、止めやしないけど」 ふ、と男が笑って司から離れるとさっさと会場へと戻っていった。今更ながら、司は去っていった男に既視感を覚えていた。どこかで見たことのあるような……？と首を傾げる司の耳にメインホールから音楽隊の奏でる音楽が届いた。ハッとして会場へこっそり戻ると煌びやかな衣装に身を包んだ紳士淑女が入れ替わり立ち替わりくるくると回りながら楽しそうに踊っていた。あくまで王子の婚約者を探すことが目的だからか踊っているのは皆成人も迎えていない少年少女ばか
December 26, 2025 at 11:33 AM
july1.bsky.social
夕方になると一気に冷える🥶寒い😢
December 26, 2025 at 7:59 AM
july1.bsky.social
これ良いな〜！
December 26, 2025 at 7:57 AM
Reposted by つばめ
so-asano.com
新サービスのリリースの告知です。音声配信サービス Bluecast をリリースしました！ このサービスは Bluesky のアカウントがあればだれでも使うことができます。チャット機能がついており、配信者とリスナーがサービス上でかんたんにやりとりできます。配信者はリスナーを Bluesky のフォローやフォロワー、相互フォローに限定することができるので、安心して配信ができます。ぜひみなさんお気軽に使ってみてください！ よろしくお願いします。

www.bluecast.app
Bluecast
Audio Communication for Bluesky
www.bluecast.app
May 3, 2024 at 11:57 AM
july1.bsky.social
よつでワンライしよかな。何書こ〜！🎅🎄にちなんだほうがいいかな！？と、思ったが自分がまだそれらしい事をしていないことに気づいたため、今からケーキを食べる。母親に取っておいてってお願いしてた🎅の形の砂糖の塊とカロリー爆弾を食うぜ！
December 25, 2025 at 3:29 PM
july1.bsky.social
私のdiscordアカウントもリトリンに置いといた方がいいかな……？🤔ましゅまろ、うぇぶぼ、何かしら来てても気付けないんだよね……つばめとしてのGmailアカウントはあるからそっち置くか……？
まいっか！DM送ってくれるのが一番気付きやすいので何かあればDMにメッセージください！よろしくお願いします！
December 25, 2025 at 3:23 PM
july1.bsky.social
リトリンをようやく作ったのでプロフに貼ります！
December 25, 2025 at 8:01 AM
july1.bsky.social
えっくすくんがごみシステム採用しちゃったからこっちに移行……するかも？
mixi2は触ったことないからアカウントだけ作ろうかな……
December 25, 2025 at 5:09 AM
Reposted by つばめ
yane-p0n.bsky.social
よだつか
November 18, 2025 at 1:28 PM
Reposted by つばめ
mamamamamamazu1.bsky.social
アンタ、Xから来たんだろ？へへ、良いこと教えてやるよ
ここでの生き方ってヤツだ

画像を載せる時ァ肌色に気を付けな

局部が見えてるか否かでラベルを付ける？
確かにXならそれでいいかもしれん　でもな
ここじゃあ布が少なかったらとりあえずラベルをつけろ

谷間が見えてンならつけておいた方がいい
水着着てるからセーフなんてヌルい考えは捨てな
ここいらの基準はXよりずっと厳しいんだ

いいか新入り、もう一回言うぞ
肌面積が多い画像にゃラベルをつけとけ
それさえ守ってればこの青空で干されることはねえだろうさ

以上だ
じゃ受講料頂戴するぜ！！！！！！！
（戦闘開始）
December 24, 2025 at 2:33 PM
july1.bsky.social
よだつか
Twitterに投稿したもの
月が輝いて夜道を照らす、そんな夜。照明が薄く点けられたスケートリンクで、太陽のような男が普段の騒々しさを潜めて美しいスケーティングを披露していた。 シャー、と氷が削れる音が静かに響いて、リンクサイドでそれを眺める夜鷹は眩しそうに目を細めた。夜鷹と似たスケートをする彼は、以前、自分に対して啖呵を切ってきた。ジャンプを目の前で跳んで、それを真似して彼も跳んだ。何度も転んでいたけれど。 眩しいな、とどこか無意識に思っていた。光を反射してキラキラと光る金価が？ゴウゴウと燃え盛る闘志を宿した瞳が？・・・・・そのどれもかもしれなかった。 夜鷹は司に恋をしていた。本人も自覚していないほどに淡い恋心ではあった。けれど確かに、好きな人の傍にいると、息がしやすい気がした。氷上を降りれば途端に息のしづらくなるのが不快。 だけどこの子の隣にいる時だけは、いくらかマシだった。 慎一郎は気付いていた。夜鷹が恋をしていることに。親友に春が来た！と大喜びだった。しかも相手は大事な息子の恩人ときた。応援しないはずが無い。慎一郎は真夜中のスケート会によく司を誘うようになった。なぜかって、そんなの親友の恋を成就させたいが為である。誰だって友達の恋は応援するものだろう。例に滑れず慎一郎は応援した。自分の出来る全てでどうにかこうにか二人をくっつけようとした。 明浦路司は気付いていなかった。それはもう、どこに観察眼を落っことしてきたのか？というくらいには気付かなかった。無理もない。司は自己 肯定感がはちゃめちゃに低かったからだ。己がスケートの世界を無視できない程の衝撃を受けた れのスケーターが、まさかこんな何の実績も得られないまま選手生命を終えた自分なんかを好いてくれるとは毛ほども思ってなんかいなかったから だ。 その日は、ひどく乾燥する夜だった。自身のケアを怠らない夜鷹は、その日ハンドクリームを塗っていた。血行を良くしてかじかむ手を和らげたかったから。だけれど夜鷹は体温が低かった。 ハンドクリームでベタつく手はスケートリンクの冷気によって氷のように冷やされていく。指先の感覚が無くなっていくことに眉を寄せて不機嫌そうにする夜鷹を、ふと司が見た。 （夜鷹さん、どうしたんだろう。手を見て・・・・・・・ハンドクリームでも塗ったのかな？） 大正解。夜鷹はハンドクリームを塗っていた。 ちなみに出し過ぎてもいた。夜鷹は過度にベタつく手にイライラしていた。 スイ～とリンクサイドに近寄って、手すりに身を乗り出すような体勢をとった司が夜鷹の手元を覗く。べたりと出しすぎたハンドクリームが吸収されずに夜鷹の手の上で所在なさげにしているのが、やけに悲しげだった。 「・・・・・・丁度いいや。ねぇ、司くん。手袋外して。 手、出して」 「えっ、まぁ、はい。いいですよ」するりと手袋を外して、尻ポケットに雑に突っ込んだ。ほかほかと温かい手を、はい、と夜鷹へ差し出した司は、首を傾げて、おまけに上目遣いまでして夜鷹の行動を待った。 夜鷹はこの子って本当に・・・・・・と思った。ジトリ と呆れたような目を向けるのも許されるだろう、と思いながら、鼻を鳴らして司の手を取った。とろり、ハンドクリームが司の体温で溶けた。夜鷹の体温で溶けきらなかったハンドクリームを司の体温で溶かしながら、丁寧に丁寧に塗り込んでいく。手の甲、第二関節、第一関節、特に乾燥しやすい箇所から先に塗って、手のひらは後に回した。 くるくると小さなささくれをならすように少し荒れている手をケアしていく。ぬ～、とゆっくり一本ずつ塗り込むうちに、司の温かい手は更にほかほかほこほこになっていく。発熱しているんじゃないかと思うくらい熱い手に、夜鷹は内心驚いていた。夜鷹の冷たかった手も、司の体温で温められていく。そうやって二人仲良くハンドクリームを塗っている様子を、慎一郎か微笑ましそうに、嬉しそうに少し離れた所をシャーっと滑りながら見守っていた。他の人には分かりづらいけれど、確かに楽しそうにハンドクリームを塗る夜鷹と、大人しくハンドクリームを塗り込められている司が二人で並んでいる様子が、とてもしっくりきて、慎一郎は泣きそうになった。 純くん、良かったね・・・・・・！！明浦路先生、純くんを、よろしくお願いします・・・！！そんな念を込めて、慎一郎は三回転を跳んだ。文句なしの着氷だった。 手のひらにそっと触れた時、夜鷹は何かが満たされたような気がした。ほわほわと浮き足立つような気持ちに首を傾げた。司もつられて首を傾げた。あざといからそれ無闇矢鱈にやらない方がいいよ、と夜鷹は思った。じっと首を傾げた者同士で見つめて、薄暗い照明しか付けられていないのにキラキラと煌めいて見える瞳に、吸い込まれそ うだとぼんやり思った。ハンドクリームはしっかり塗られていて、二人の手をしっとり、ほっこりとさせていた。寒さにかじかむ手は完璧に保湿され、温まっている。その温かさに、心の奥に根を張るだけ張って芽を出していなかった恋の種がぶわりと芽を出して、その勢いのまま花開いた。 夜鷹は自覚した。自分は明浦路司という人間が好きなのだ、と。 司は落ちてしまった。何って、恋に。恋とは落ちるものだから、憧れの人にハンドクリームを分けてもらって、そのまま手を握り締められていたら、誰だって恋に落ちるものじゃないだろうか。 少なくとも、司は恋に落ちた。と、同時に失恋を確信した。司は自己肯定感が何よりも低い。この恋が実るなんて夢にも思わなかったし、司の頭の中で流れる映像は自分が夜鷹にフラれるものばかりだった。 片や恋を自覚し、片や失恋を覚悟する横で、一人和やかに滑る慎一郎が、もう一度三回転を跳んだ。今度も文句のつけようのない着氷だった。
December 24, 2025 at 10:38 PM