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二人で映画を見ていた時のこと。それまでうとうとしていたゆぅたが急に目を大きく開けて画面をじっと見つめていた。ちらりと画面に視線を移すと、黒髪の女の子が画面に映っていて。ああ、何となくあの子に似てる。やっぱりゆぅたの根底にはあの子がいのだと改めて思い知らされるのはこういう時だ。本人は至って無意識なのが僕にとっては結構胸にずしんとくるものがある。ゆぅたの前では精一杯大人のふりしてるけど、本当はこんな些細なことに嫉妬してしまう男で。画面から女の子の姿が消えるとゆぅたはまたうとうととし始めた。僕はゆぅたの髪を静かに梳きながら心の中で小さくため息を吐くのだった。そんな五乙も好き
November 25, 2025 at 9:51 AM
先生の機嫌がすこぶる悪い。対する僕は何故先生がむくれているのか皆目検討もつかない。夜眠る前に明日は任務先まで車で送って行くと言っていた。だけど、気持ちよさそうに眠る先生を起こすのも気が引けてそっとベッドを抜け出して出かける準備をしていたら、先生が慌てたようにリビングに駆け込んできて僕の顔を見るとほっとしたように息を吐いたと同時にむすっとしてしまったのだ。隣でハンドルを握る先生の横顔をそっと盗み見る。沈黙のまま任務先に着いてしまった。ありがとうございましたと助手席から降りようとしたところで先生に思いっきり腕を掴まれてそのまま強く抱きしめられる。
November 24, 2025 at 8:52 AM
顔がうざい。しょーこと偶然廊下で会った時に突然言われた一言に思わずはぁ?と首を傾げる。顔がうざいって何ひどくない?そう言えば、お前、今、おっ骨くんのことを考えてただろと心底嫌そうな顔で訊ねてきた。え、よく分かったねと驚いたように言えば、お前、おっ骨くんと話している時の顔、一回鏡で確認した方が良いぞ、周りがドン引きするくらいにだらしない顔してるからとしょーこは吐き捨てるように言って去って行った。そんなにだらしない顔してるかな。僕はスマホを取り出そうとして止める。いいよ、別にだらしなくても。それだけ今の僕は幸せだということで。小さく微笑んで僕はゆぅたの待つロビーへと向かうのだった。そんな五乙も好き
November 23, 2025 at 8:52 AM
とても美味しい和菓子屋があると言う。そこで売っているのは食べる人の好みに味が変わるという、何とも不思議な和菓子だそうだ。だけど誰もそのお店に行ったことがない。噂だけが一人歩きをしている不思議な和菓子屋。その和菓子屋の和菓子が買いたい時は自分の想い慕う相手のことを思い浮かべて、その相手に和菓子を食べてもらいたいと強く願えば辿り着けるらしい。小さな頃に祖母からその話を聞いた僕は、想い慕う人となんて出会うことなんかないよと可愛げのないことを呟いた。祖母は優しく微笑んでただ黙って僕の頭をゆっくりと何度も撫でたのだった。
November 22, 2025 at 8:38 AM
先生っ…!!出張を終えて帰って来たゆぅたが玄関のドアを開けるなり僕に思いっきり抱きついてきた。え、なに、誘ってんの??なんて思わず訊ねようとしてゆぅたを見るとにっこにこの笑顔で、先生の大好きな和菓子をたくさん買ってきました!とでっかい紙袋を僕の目の前に勢いよく差し出してきた。和菓子?受け取った袋の重さに僕は思わず笑顔になる。やっと笑ってくれましたね。ゆぅたがほっとしたように僕を見上げる。出た、ゆぅたの無意識天然可愛さ増し増しの上目遣い。最近の先生、ずっと苛々してたから…きっと甘いものが足りてないんだろうなと思って。ゆぅたの言葉に思わず肩を落としそうになって僕は慌てて体勢を整える。え
November 21, 2025 at 10:34 AM
出張先で和菓子屋を見かけた。聞いたことのない名前と古い店構え。だけど軒先からとても美味しそうな香りが漂ってくる。最近の先生は明らかに苛々が募っていて、伊地知さんへのあたりもキツくなっている。きっと甘いものが不足しているからに違いない。ここ最近はスイーツ店にも行けてなかったし…。よし、先生の大好きな和菓子をたくさん買って帰ろう。僕は店の中に入っていつも一口で和菓子を食べている先生を思い浮かべながら、先生が好きな和菓子を片っ端から選んでいく。紙袋いっぱいの和菓子を両手に抱えてお店を出ようとしたら、
November 20, 2025 at 11:28 AM
反転で治そうと思えば治せたはずなのに、ゆぅたは僕が強く噛んだ左手の薬指の痕を隠そうともせずにそのまま仕事へ行ってしまった。手袋持ってたからまぁ隠そうと思えば隠せるのか。てっきり朝起きたら反転でなかったことにされるのかと思っていたのに。ゆぅたの心にはあの子がいて、それは揺るぎない事実で。あの子を思うほどに僕も大事にされてるってことなのかな。ゆぅた、肝心なことはいつもだんまりだからなぁ。それでも悪い気はしない。僕は小さく微笑んで仕事へ向かう準備を始めるのだった。そんな五乙も好き
November 19, 2025 at 10:36 AM
先輩が手袋を外した時に見えた左手の薬指の歯形に思わず閉口する。ツッコんだらアウトだ。俺は見て見ぬ振りをして、先輩と高専までの道程を歩く。寒くなったね。隣を歩く先輩の吐く息が白い。そうですね、いつのまにか紅葉も終わってたし。俺は頷いて、こっそりと先輩の手袋に目をやる。どうかそのまま、今だけは手袋は外さないで欲しい。今の、この時だけはアイツに邪魔されず二人の時間を過ごさせて欲しい。時折強く吹く北風に俺は祈るように心の中で手を合わせるのだった。そんな伏視点の五乙も好き
November 18, 2025 at 9:04 AM
先生が僕の左手の薬指に噛み付いた。明け方だったと思う。昨夜から続いた情事にとうとう耐えきれなくなって意識を手放そうとした瞬間、痛みが走って引き戻される。目を開ければ視界の片隅に先生が僕の左手の薬指の付け根に思いっきり歯を立てているのが映る。え、何して…。戸惑う僕に先生は今だけ許してねと小さな声で呟いた。その後すぐに気を失ってしまって先生があの時どんな表情をしていたのかは分からない。朝、目が覚めてふと左手に目をやるとくっきりと先生の歯形が残っていて、それがまるで指輪みたいでー。ああ、そういうことか。先生が誰を気遣ってあの言葉を呟いたのか、
November 17, 2025 at 9:56 AM
電車から降りて目的地に向かう途中、階段で低級の呪霊に取り憑かれている女性とすれ違った。背中を押されて階段から落とされそうになっている彼女を受け止めて呪霊は軽く手で祓う。良かった、間に合って。ほっとして微笑むと、隣でその様子を見ていた先生がぐいっと僕の肩を引き寄せた。笑顔を浮かべているが、目が笑っていない。僕は苦笑して先生の頬に触れると、顔が引き攣ってますよとぐいっと頬を引っ張る。先生は一瞬面食らったような顔をしていたが、いひゃいよ、ゆぅたぁーと言いながら楽しそうに笑った。良かった、機嫌治ったみたい。僕は気付かれないようにほっと息を吐くのだった。そんな五乙も好き
November 16, 2025 at 8:33 AM
朝からずっと頭が痛い。体も重い。本当は仕事を休みたかった。だけど今日はどうしても出なくてはならない会議がある。重い足を引きずって電車のホームへ向かう。ふと、誰かに背中を押されたような気がした。わっ…やばっ…!階段から落ちそうになった、その時、誰かが私の体を支えてくれた。大丈夫ですか?心配そうに私を見つめるその人は瞳の大きなとても綺麗な男の人だった。あ、はい、ありがとうございます!私は慌てて頭を下げる。あれ?体が軽い…頭が痛いのも治った。彼はにっこりと微笑んで会釈をするとそのまま階段を登って行った。その隣には大柄な白髪の男の人。
November 15, 2025 at 9:31 AM
先生から今から帰るコールがあった。最近の先生は帰る時に必ず連絡をくれる。今日は野菜炒めを作ろうとしていたところだった。豚肉を買ってきて欲しいとお願いしたら、高いお肉を買ってくると言って電話を切られてしまった。先生に買い物をお願いすると食材が一気に豪華になるから頼むのが何だか恐ろしい。でも遠慮して頼まないでいると不貞腐れたりもして、何だかかわいい。もうすぐ帰ってる頃だな。僕はうーんと考えて、高いお肉に合う料理を作ることにしたのだった。そんな五乙も好き
November 14, 2025 at 10:52 AM
あ、ゆぅた?うん、今から帰るから、え?ああ、分かった、たっかいお肉買って帰るねー!電話の向こうで、高いお肉じゃなくていいですっと慌てたような声が聞こえてくる。聞こえないふりをして僕はくくっと笑って電話を切った。家に帰るとゆぅたがいて、夕飯を作って待ってくれている。暖かい部屋に帰ることがこんなにも嬉しいだなんて、ゆぅたに出逢わなければきっと一生気付くこともなかったんだろうなぁ。僕はしみじみと頷いてスーパーへ向かうのだった。そんな五乙も好き
November 13, 2025 at 10:55 AM
最近、先生に触れられることが多くなったような気がする。頬を撫でられたり、髪に触れられたり。歩く時は気が付けば僕の肩を先生が抱いていたり。僕は先生に触れられるのが嫌ではない。むしろ先生の温もりは心地よくてほっとする。今だって…先生、無意識なのかな。自分の腰に回された先生の腕を見つめながら僕は楽しそうに話す先生の横顔をじっと見つめるのだった。そんな付き合う前の五乙も好き
November 12, 2025 at 9:38 AM
ゆぅたの髪に紅葉の葉がくっついていた。ゆぅたー。前を歩くゆぅたを呼んでこいこいと手招きをする。はーい!ゆぅたは返事をして僕のところへ駆け寄る。ついてたよ、葉っぱ。そう言って髪に触れれば、ゆぅたはくすぐったいのか、ふふっと肩を震わせて笑った。その表情が何ともかわいらしくて。思わずゆぅたの頬に手を伸ばそうとしてはたと思い止まる。ああ、そうか、僕はゆぅたのことがかわいいというよりも愛おしいんだな。今更ながらに自分の気持ちを自覚して、僕はこっそりと苦笑するのだった。そんな付き合う前の五乙も好き
November 11, 2025 at 10:27 AM
わ、2人用の鍋だ!家に着いたらテーブルの上に鍋がセットしてあった。たら鍋だ。そう言えば先生と一緒に住み始めてからいつも1人用の鍋で2人で食べてたっけ。2人用の鍋を買いに行かないと…と思っていたところだ。必要でしょ、これから先も2人でこうやってご飯食べて暮らしていくんだから。当たり前のように先生の隣に僕がいる未来を話してくれる先生に、僕は思わず胸が熱くなって思いっきり先生に抱きついた。そんな五乙も好き
November 10, 2025 at 9:15 AM
今、駅に着きました。先生にらいンを入れたところで、後ろから思いっきり抱きしめられた。おかえり、ゆぅた。耳元で先生の声がする。腕の温もりにほっとして頬を擦り寄せながらただいまですと言えば、かわいいことしてくれるねと先生は目を細めて微笑む。マフラーと手袋持っていって良かったでしょ。先生が僕の首元のマフラーを触りながら訊ねる。はい、先生の言う通り雪も積もって…持っていって良かったです、ありがとうございますと笑顔で頷けば、先生は嬉しそうに笑って僕の腰を抱いた。さ、今日は鍋だよ、早く帰ろう。冷えた身体に鍋は嬉しい。
November 9, 2025 at 8:50 AM
北の大地へ出張することになり、コートを羽織って出かけようとする僕に先生が慌ててマフラーと手袋を渡してきた。雪降るって予報だから持っていきなよ。僕は頷いて受け取る。じゃあ、気をつけて行っといで。先生は僕の頬にキスをして僕を思いっきり抱きしめる。はいと頷いて先生の背中に手を回す。離れがたいなぁ。先生がぼそりと呟いた。僕は先生の胸に顔を埋める。お互い無言のまま、時間だけが過ぎていく。よし、充電完了。先生は言って僕の顔を覗き込むと僕の頬を撫でてゆっくりと体を離した。今度こそ気をつけて行っといで。
November 8, 2025 at 8:40 AM
この部屋には何かが足りない。ゆぅたと住み始めて1ヶ月。一緒にキッチンに立ってご飯を作ることが日課となって。掃除や洗濯も僕が忙しい時はゆぅたがやって、ゆぅたが忙しい時は僕がやって。そんな日常にも慣れてきた頃、何かが足りないと首を傾げる。ふらりと寄ったホームセンターで使いやすいまな板等を眺めていた時にふと目に飛び込んできたもの。あ、これだ。二人用の。僕は段ボールを片手にレジへ向かう。これからの季節には欠かせない。今までは一人用の小さな鍋で良かった。でも今は…。僕は大きな段ボールを抱えて車に戻ると今度はスーパーへ向かった。今日の夜は鍋にしよう。
November 7, 2025 at 11:18 AM
なるほど、これが破壊力満点の上目遣いか。任務に行く途中でゆぅたとすれ違った。🐼くん!と嬉しそうに笑って駆け寄ってくるゆぅたを見て、ふむ…と頷く。どうしたの?何も言わない俺に首を傾げて訊ねるゆぅたの上目遣いは確かにかわいいというか、色気が溢れまくっているというか。本人に自覚がない分、さとルのやつ、苦労してるだろうな。俺はポンとゆぅたの肩を叩いて、何でもない、気をつけてなと送り出す。うん、行ってくるね!ゆぅたはにっこりと微笑んで手を振りながら去って行く。今度写真でも撮ってさとルに送りつけてやるか。ニヤリと笑って俺は教室へと向かった。そんな🐼視点の五乙も好き
November 6, 2025 at 10:39 AM
だーかーらーその顔、どこで覚えてきたの!?ゆぅたがやたらめったら上目遣いで僕を見るので、思わずゆぅたの目を手で覆って叫んでしまった。その顔って…だって先生、身長高いからどうしてもこういう顔になるんです…でも先生が嫌なら…先生の顔は見ないようにします…。そう言いながらゆぅたはしゅんとして下を向いてしまった。いや、そうじゃない、嫌ではない、むしろ大歓迎だ、ただ誘ってるように見えるからってだけで…と言いかけて思わず口を噤む。今の発言はどう考えてもまずい。僕は下を向いてしまったゆぅたの頭をそっと撫でながら、
November 5, 2025 at 11:53 AM
隣、いいですか。次の任務に行くまでの間、誰もいない教室でぼんやりと椅子に座って外の景色を眺めていると、開いていた教室の入り口から伏ぐろくんが顔を覗かせて入ってきた。いいよ、どうぞ。誰も座っていない隣の椅子を伏ぐろくんに向ける。椅子に座らずにじっと僕を見つめる伏ぐろくんに、どうしたの?と訊ねれば、なるほど…と呟いて、僕から目を逸らして口元を手で隠す。首を傾げる僕に、先輩、その顔、破壊力やばいんで誰にでも見せない方が良いですよと呟いて僕から視線を逸らしながら座る。え、僕、そんなに酷い顔してた…?自分の顔に触れながら訊ねると、その逆ですと伏ぐろくんは首を横に振って僕を見る。
November 4, 2025 at 10:56 AM
焼きたらこのおにぎりか。ゆぅたの作った弁当を食べていると通りがかりのしょーこがぼそりと呟いた。え、何で知って…あ、またゆぅたから貰ったな!?しょーこの後ろ姿に向かって叫ぶと、美味しかった、毎日あの優しい味が食べれられるお前は幸せ者だなとしみじみと言われた。ふふん、いいだろ。恋人を褒められてドヤ顔をする僕の顔を冷めた目でちらりと見て肩をすくめるとしょーこは無言で去って行った。しょーこ、マジでゆぅたに胃袋掴まれてるな…。若干不安になったものの、そんなことあるわけないかと僕は苦笑して箸を進めるのだった。そんな五乙も好き
November 3, 2025 at 8:36 AM
食べますか?じっとおにぎりを見つめてくる家いりさんに僕は今朝家を出る前に少し多く握ってしまったおにぎりを渡す。ありがとう、いただくよ。家いりさんは嬉しそうに笑って僕からおにぎりを受け取ると隣に座っておにぎりを食べ始めた。焼きたらこか、いいね。美味しそうに食べる家いりさんに、昨日の夕飯、たらこスパゲティだったんですけど、たらこ買いすぎちゃって…と言えば、なるほど、今日のあいつの弁当は焼きたらこのおにぎりってわけかと家いりさんが呟く。あ、よくお分かりで…。僕は思わず赤面する。今更照れることもないだろうに、相変わらず揶揄いがいがある。家いりさんはそう言って楽しそうに笑うのだった。そんな五乙も好き
November 2, 2025 at 8:42 AM
コーヒーを買いにロビーに顔を出せば、おっ骨くんが大きなおにぎりを食べているところだった。こんにちはと慌ててご飯を飲み込んで頭を下げるおっ骨くん。その様子が頬に木の実をたくさん入れているリスみたいで、思わず笑ってしまった。急に笑い出した私に首を傾げているおっ骨くんに、あのバカが可愛がるのも分かるなと思ってなと言えば、顔を真っ赤にしながらも少しだけ嬉しそうに笑う彼に、これはモテるわ…と同級生に心の中でほんの少しだけ同情したのだった。そんなしょーこ視点の五乙も好き
November 1, 2025 at 9:37 AM