そして苑♀ちゃの天真爛漫さに惹かれていることを自覚した頃、凌は苑♀ちゃが懇意にしている仙界の茶亭の亭主ホワイサンから苑♀ちゃが人間だった頃の話を聞く。
苑♀ちゃの悲恋に終わった初恋の話を聞いて、ならば自分こそが彼女を幸せにしようと決心する凌。勇気を振り絞って、自分の妻になってくれと苑♀ちゃにプロポーズをする。
苑♀ちゃはとても驚いた様子を見せた後、笑って凌のプロポーズを受けた。
それから結婚式までの日は、凌にのってとても幸せな日々になった。
けれど心配なこともあった。凌が見ていないだろうと苑♀ちゃが思っているだろう時、苑♀ちゃはひどく寂しそうな表情をしているのだ。

だから苑♀ちゃと寝たと思ってる♂はたくさんいるけど、実際の苑♀ちゃは無垢なまま。
そして冬の間に眠りについていたあらゆる精霊たちに春を告げ、起こすのは風精である蝶々姫たちの役目。苑♀ちゃは何度目かの春にとある若木を目覚めさせる。その若木の精霊は樹精の頭領の息子である凌だった。最初こそ他の者達と同じように苑♀ちゃを蔑んでいた凌だけれど、ある日苑♀ちゃが一夜を共にした精霊の元々の恋人の精霊から報復として瀕死の怪我を負わされたところに出くわし、必死になって苑♀ちゃを助ける。
苑♀ちゃが助かった時、安堵している自分に気づく凌。そして、苑♀ちゃがお礼に訪ねてきたことから交流が始まる。

仙界で尻軽蝶々🦋って蔑まれて嘲笑われてる風精だけど、そんな悪評にもめげずに強く快活に暮らしてる苑♀ちゃがさ。その実人間だった頃はええとこの坊ちゃんのルーラン様と恋に落ちて、幸せいっぱいで結婚間近だったのにルーラン様が事故で夭逝してしまったことでショックのあまり魂が身体を離れてしまって乙女のまま儚くなった少女の成れの果てであるという…
乙女のまま儚くなった少女は風精の蝶々姫になってしまって、真実の愛を見つけるまで輪廻に戻れない。だから蝶々姫は次々といろんな相手と夜を共にするけれど、心から彼女を想っているわけではない相手には都合の良い夢だけを見せる。