有智 麻耶
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有智 麻耶
@maya-aritomo.bsky.social
読書(会)や展覧会の記録です。公立小学校で教員をしています。

吉岡愛花/ケビンばやし/大槻香奈/Ayako Ono/すみれ糸星/佐藤来夢/季作/芽々木/大原菜穂子/卯三郎の孫/泥方陽菜

教育哲学/教育思想史/人形論
10.『百年文通』

引き出しに入れたものが百年前に送られる不思議な机を通して、平成/令和と大正の少女が出会う時間SFです。伴名練さんお得意の、瞬間最大風速的に勢いよく駆け抜けてゆく作風が、いっけん使い古された設定を最後まで読ませてくれます。ガールミーツガールに重きを置いているため、(ハード)SFが苦手な方におすすめです。なお、巻末にはブックガイドがあるため、内容と相まって教育的な配慮の行き届いた、入門的な作品だと思います。令和の読者と、古典的な時間SFとを繋ぐ架け橋になるだろう一冊です!

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百年文通: 書籍- 早川書房オフィシャルサイト|ミステリ・SF・海外文学・ノンフィクションの世界へ
早川書房オフィシャルサイトの百年文通ページです。当サイトでは、ミステリ、SF、海外文学、ノンフィクションの名作から最新刊まで、幅広いジャンルを網羅した書籍の情報を提供しています。早川書房の世界を、こちらの公式サイトからご堪能ください。
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February 1, 2026 at 11:35 AM
9.『高野聖・眉かくしの霊』

泉鏡花の若書き「高野聖」と、晩年の作品「眉かくしの霊」の二編が収録されています。「高野聖」では、旅僧が山中の孤家で遭遇した妖艶な女をめぐる出来事について語られます。色欲と人情とが絡み合う描写が光る名作です。「眉かくしの霊」は、物語の雰囲気を一瞬で緊張させる水音が、現代の〈水ホラー〉に通ずる気がしました。鏡花の日本語は、声に出して読みたくなります。

www.iwanami.co.jp/book/b631510...
高野聖・眉かくしの霊/泉 鏡花|岩波文庫 - 岩波書店
鏡花畢生の名作「高野聖」に円熟の筆が冴える「眉かくしの霊」を併収した怪異譚二篇。本文の文字を大きくし新たな解説を加えた。 泉 鏡花 作
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January 31, 2026 at 8:55 AM
8.『哲学史入門IV——正義論、功利主義からケアの倫理まで』

正義論から功利主義へ、また徳倫理学やケアの倫理へと、現代の倫理学の主な立場について、その道の第一人者が語っています。徳倫理学については、日本でまとまって紹介する文献そのものがすくないため、とても参考になると思います。倫理学の教科書を何か読んだうえで本書を読むことで、学説を整理しつつ、批判的な見解を踏まえて理解を深めることができるでしょう(本シリーズのすべてについていえることです)。

www.nhk-book.co.jp/detail/00000...
NHK出版新書 750 哲学史入門Ⅳ 正義論、功利主義からケアの倫理まで | NHK出版
第4巻のテーマは倫理学! 複雑極まる現代を、私たちはどう生きるべきか。何が正しく、何が許されないことなのか。アリストテレスからはじまり、ベンサム、ミル、カントを経て、ロールズ、ギリガン、マッキンタイア…
www.nhk-book.co.jp
January 28, 2026 at 9:29 AM
7.『人形と教育』

1912年(明治45年)に帝国小学校・幼稚園を創設した教育者の西山哲治による、婦人講座のテキストです。彼の学校には、人形病院が併設され、怪我をした(壊れた)人形の治療(修理)や埋葬を行なっていました。その実践の核には、おそらく男女の別と、両性の結びつきによって成立する家族像に基づいた道徳教育があったのでしょう。社会教育協会の刊行ということで、どれほど彼の教育思想を忠実に反映しているのかということについては、検討を要すると思います。

ndlsearch.ndl.go.jp/books/R10000...
人形と教育 | NDLサーチ | 国立国会図書館
ndlsearch.ndl.go.jp
January 25, 2026 at 1:16 AM
6.『雄羊——途切れない対話:二つの無限のあいだの、詩』

ジャック・デリダにとってハンス=ゲオルク・ガダマーは、その対話(の失敗)以降、生涯にわたって「内的対話」の相手だったようです。本書は、ガダマーの死をうけて行なわれた講演であり、デリダはガダマーとともに、パウル・ツェランの詩に向き合います。正直なところ、詩の読解についてはほとんど理解できていません。むしろ、デリダが生前、最後に刊行したのが本書であるというところに、哲学者の最期の身振りを感じ取りたいと思います。

www.chikumashobo.co.jp/product/9784...
『雄羊』ジャック・デリダ|筑摩書房
筑摩書房『雄羊』の書誌情報
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January 19, 2026 at 1:07 PM
5.『チャールズ・テイラーの思想』

カナダの哲学者であるチャールズ・テイラーの思想を、①道徳論、②自己論、③政治論、④認識論、⑤宗教論の観点からまとめた入門書です。原著は2000年に刊行されたものですが、テイラーを理解するうえでいまだに避けて通ることのできない一冊だと思います。本書と、中野剛充『テイラーのコミュニタリアニズム』を読めば、テイラーについてそれなりに語ることができるようになるでしょう。なお、2023年に第二版が刊行されており、そちらは構成がだいぶ異なるようです。

www.unp.or.jp/ISBN/ISBN978...
チャールズ・テイラーの思想 « 名古屋大学出版会
www.unp.or.jp
January 11, 2026 at 10:22 AM
4.『身から出た闇』

角川ホラー文庫編集部から依頼を受けて短編小説を書き進めていたら、編集者が消え始めて・・・・・・という構成のホラー小説です。短編と編集者との打ち合わせを交互にくり返す構成で、現実と虚構の境界を曖昧にしていきます。自分は、ホラーが怖い理由を解説されているような結末に興醒めしてしまい、いまいち読後感がよくありませんでした。

www.kadokawa.co.jp/product/3224...
身から出た闇
文庫「身から出た闇」のあらすじ、最新情報をKADOKAWA公式サイトより。この本ができあがるまでに、編集者が二人消えています。
www.kadokawa.co.jp
January 10, 2026 at 2:50 PM
3.『地球惑星システム科学入門』

流体地球(大気・海洋)と固体地球、惑星を相互作用するひとつのシステムとしてとらえた教科書です。高等学校・地学で系統的に学習した内容が、相互の関係を強調する形で再配置されているという感じでしょうか。物理学の知識を要する箇所は、門外漢や初学者にとっては難解だが、いいたいことそのものは理解できるように書かれていると思います。「地球惑星環境共存型社会」という社会像を提示しており、人文社会科学的に面白いです。

www.utp.or.jp/book/b305915...
地球惑星システム科学入門 - 東京大学出版会
地球惑星システム科学入門詳細をご覧いただけます。
www.utp.or.jp
January 10, 2026 at 2:19 PM
2.『ぼぎわんが、来る』

日本ホラー小説大賞受賞作のなかで唯一の正統派ホラー(個人的な感想)です。現在と過去の家父長制によってもたらされた怪異「ぼぎわん」がとにかく怖い。なお、映画は秀樹の嫌な感じを前半でたっぷり描いており、これはこれでよいですね。クライマックスには除霊エンタメがあるし。

www.kadokawa.co.jp/product/3217...
「ぼぎわんが、来る」澤村伊智 文庫 |KADOKAWA
「ぼぎわんが、来る」澤村伊智 のあらすじ、試しよみ、最新情報はこちら!映画「来る」原作小説。中島哲也監督による映画化決定!綾辻行人・貴志祐介・宮部みゆきら絶賛の第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作!
www.kadokawa.co.jp
January 10, 2026 at 2:18 PM