自分は今まで同年代より余程早くから重めの病を得て、常に«死»について思考する時間が長かったと思い込んでいた。そんな小っぽけな自尊心や自意識が単なる馬鹿馬鹿しいまでの驕りだと静かに窘めてくれた。最期を気張る事なく気負う事なく、唯々優しく安らかに迎えられる精神状態に保つ事。それが自然と迎えられる心境を作り出す事。地味でも平坦でも何でもいいから、兎に角誠実に真面目に感謝を忘れず過ごす事。大切な事を示してくれた。純粋に良い本と思えた。哲学じゃなくて自然体で斯くありたいと静謐な気持ちにさせられた純真無垢な作品。
自分は今まで同年代より余程早くから重めの病を得て、常に«死»について思考する時間が長かったと思い込んでいた。そんな小っぽけな自尊心や自意識が単なる馬鹿馬鹿しいまでの驕りだと静かに窘めてくれた。最期を気張る事なく気負う事なく、唯々優しく安らかに迎えられる精神状態に保つ事。それが自然と迎えられる心境を作り出す事。地味でも平坦でも何でもいいから、兎に角誠実に真面目に感謝を忘れず過ごす事。大切な事を示してくれた。純粋に良い本と思えた。哲学じゃなくて自然体で斯くありたいと静謐な気持ちにさせられた純真無垢な作品。
ページを繰る手が止まらない面白さ。今作に於ける印象が、小川さんは面倒くさい→小川さんは天の邪鬼だ、意地悪だ→小川さんの認知能力は正しい!と洗脳されるかの如く変化してゆくのも楽しかった。ちょいと我の強い読者ならば自分も同じ考えだ。いや、もっと緻密に先を見通していた。この作品は甘いと思う人もいそうだ。終始通して「小川さんは一々面倒くさい」が面白味を与えてくれる重要な要素だろう。哲学者とはなんとも面倒な思考の持ち主なのか。同じ思考をするのは辟易するが、作品を読むのは大変面白く興味深い。
ページを繰る手が止まらない面白さ。今作に於ける印象が、小川さんは面倒くさい→小川さんは天の邪鬼だ、意地悪だ→小川さんの認知能力は正しい!と洗脳されるかの如く変化してゆくのも楽しかった。ちょいと我の強い読者ならば自分も同じ考えだ。いや、もっと緻密に先を見通していた。この作品は甘いと思う人もいそうだ。終始通して「小川さんは一々面倒くさい」が面白味を与えてくれる重要な要素だろう。哲学者とはなんとも面倒な思考の持ち主なのか。同じ思考をするのは辟易するが、作品を読むのは大変面白く興味深い。
«左手の移植»に詰まった著者の平和への願い。島国に住む日本人の国民性や、この世界の現状を«左手»を中心に巡り描いた祈願と受け止めた。受け止めるだけで次への有益な行動に移れぬのがもどかしい。
純文学はメッセージ性が強いから弱った現在の身にはキツイけれど、今作は150ページを越えた辺りからのめり込んでしまった。ちょっとしたホラー要素はあるものの移植した左手と会話するファンタジーではない。そこは現実的。
とても惹き付ける因子を持った作風。気になるなぁ。
«左手の移植»に詰まった著者の平和への願い。島国に住む日本人の国民性や、この世界の現状を«左手»を中心に巡り描いた祈願と受け止めた。受け止めるだけで次への有益な行動に移れぬのがもどかしい。
純文学はメッセージ性が強いから弱った現在の身にはキツイけれど、今作は150ページを越えた辺りからのめり込んでしまった。ちょっとしたホラー要素はあるものの移植した左手と会話するファンタジーではない。そこは現実的。
とても惹き付ける因子を持った作風。気になるなぁ。
「泣いている場合ではない。考えよ」読了直後の感想はこの一言に尽きる。今後どう母の介護や死を受け入れるか。または逆縁の場合、どうやって最期の想い出や悔いの少ない行動に移れるか。肉体的健康に驕りを抱いていたのは自覚済みだが、精神的健康に関してもまだまだ踏み込みが足りなかった。感情に多大な影響を受ける大切な人との別れ方や健康で居られる何気ない日常のありがたさを考えさせる一冊。
「泣いている場合ではない。考えよ」読了直後の感想はこの一言に尽きる。今後どう母の介護や死を受け入れるか。または逆縁の場合、どうやって最期の想い出や悔いの少ない行動に移れるか。肉体的健康に驕りを抱いていたのは自覚済みだが、精神的健康に関してもまだまだ踏み込みが足りなかった。感情に多大な影響を受ける大切な人との別れ方や健康で居られる何気ない日常のありがたさを考えさせる一冊。
初の加藤シゲアキ作品。
イサム・イノマタと印された一枚の絵画から始まるミステリアスな愛憎劇。現代編と回想編との構成バランスが良く、唯々ページを繰る手が止まらなかった。
余白を残したラストシーンも非常に印象的。
ネタバレをしたくなる珍しい種の文藝書。
初の加藤シゲアキ作品。
イサム・イノマタと印された一枚の絵画から始まるミステリアスな愛憎劇。現代編と回想編との構成バランスが良く、唯々ページを繰る手が止まらなかった。
余白を残したラストシーンも非常に印象的。
ネタバレをしたくなる珍しい種の文藝書。
当然懐かしんでいる訳でして「ホテル・カリフォルニア」もスマホ片手に聴き始めております。グループサウンズから始まって、洋楽ロック、ボサノバ、ジャズ、クラシックと趣味の幅が広め。私もビジュアル系からジャズに至ったのでやはり血ですかね?
血と云えば各々の趣味が
祖母、嵐勘十郎
母、タイガース
私、GACKT
と見事にビジュアル系一族。
最強のミーハーが祖母で
嵐勘十郎→ジュリー→GACKT→タッキー可愛い!
と時代を網羅していた貪欲さは見習いたいところ。ちなみに叔父ももれなくミーハーでレディ・ガガを着信音にしておりました。血だね。
当然懐かしんでいる訳でして「ホテル・カリフォルニア」もスマホ片手に聴き始めております。グループサウンズから始まって、洋楽ロック、ボサノバ、ジャズ、クラシックと趣味の幅が広め。私もビジュアル系からジャズに至ったのでやはり血ですかね?
血と云えば各々の趣味が
祖母、嵐勘十郎
母、タイガース
私、GACKT
と見事にビジュアル系一族。
最強のミーハーが祖母で
嵐勘十郎→ジュリー→GACKT→タッキー可愛い!
と時代を網羅していた貪欲さは見習いたいところ。ちなみに叔父ももれなくミーハーでレディ・ガガを着信音にしておりました。血だね。
初の加藤シゲアキ。
ほぼ同年代ながら一冊も読んでいなかったので今更ながら開拓者気分の読書。アイドルにも疎い為「NEWS」も知らぬ非国民。「嵐」もイマイチ知らないぜ…本当に社会に対応出来てる?
開拓者気分なので普段より若干気持ちが高揚しております。
初の加藤シゲアキ。
ほぼ同年代ながら一冊も読んでいなかったので今更ながら開拓者気分の読書。アイドルにも疎い為「NEWS」も知らぬ非国民。「嵐」もイマイチ知らないぜ…本当に社会に対応出来てる?
開拓者気分なので普段より若干気持ちが高揚しております。
暴走系綿矢作品。
精神勝利法と云う画期的人生勝利法を物とする主人公菖蒲がとにかくパワフルポジティブで逞しい。結論が決まっているのならば他者へウジウジと気をまわさないで最短距離で詰め寄れば良い等、逞しさ以外の何物でもない。ウィットの効いた毒も良い。そして異常に中毒性の高いキャラクター。著者は本当に微細なところまで観察していて、読者をその気にさせるし、その読者を刺すのだから可笑しさもたまらない。
ペイペイも飼い犬に似ていて親近感を覚えてしまう。(しっかり躾ろよ!)
今回も面白い作品でした。
暴走系綿矢作品。
精神勝利法と云う画期的人生勝利法を物とする主人公菖蒲がとにかくパワフルポジティブで逞しい。結論が決まっているのならば他者へウジウジと気をまわさないで最短距離で詰め寄れば良い等、逞しさ以外の何物でもない。ウィットの効いた毒も良い。そして異常に中毒性の高いキャラクター。著者は本当に微細なところまで観察していて、読者をその気にさせるし、その読者を刺すのだから可笑しさもたまらない。
ペイペイも飼い犬に似ていて親近感を覚えてしまう。(しっかり躾ろよ!)
今回も面白い作品でした。
初読は中学生の時。改めて読み返すと著者の軍隊の調練の嫌悪感や、今のリアルタッチな画風と比較すれば単純化された筆致なのに生々しさが際立つ斬殺シーンに衝撃を受ける。少年の成長ストーリーや仇討ちの因果も含めて伝わりやすく記号化されている点にも注目。あとがきにある通り戊辰戦争まで描かれていたら!と想いを馳せると新選組オタクとしては泣けてしまいそう。丘ちゃん大作と呼びあっている仲の二人の友情が兎に角良い。私の理想の新選組モノは「血と暴力と金と女」だが、敢えて少年誌ならばこの展開がベストだと思う。手塚治虫は偉大なり。
初読は中学生の時。改めて読み返すと著者の軍隊の調練の嫌悪感や、今のリアルタッチな画風と比較すれば単純化された筆致なのに生々しさが際立つ斬殺シーンに衝撃を受ける。少年の成長ストーリーや仇討ちの因果も含めて伝わりやすく記号化されている点にも注目。あとがきにある通り戊辰戦争まで描かれていたら!と想いを馳せると新選組オタクとしては泣けてしまいそう。丘ちゃん大作と呼びあっている仲の二人の友情が兎に角良い。私の理想の新選組モノは「血と暴力と金と女」だが、敢えて少年誌ならばこの展開がベストだと思う。手塚治虫は偉大なり。
このような小説が出版されない平和で倫理観の強い、集団ではなく個人が尊重されるユートピアな世界を望む自分が居ると同時に、そんな夢物語などこの世に金輪際訪れぬと断言する自分が両立する。個々人は善人なのに何故集団になれば倫理から外れる問題から目を反らし無関係、無関心でいられるのか。そこには都会も田舎の閉塞性もない。ただか弱い人間が存在するだけなのだ。どの登場人物に心を寄せても良い。但し著者の描く人間の残虐性と理性と云う夢は忘れず、どんな年齢層の人々にも一度は手に取って頂きたい一冊だと私は思う。
このような小説が出版されない平和で倫理観の強い、集団ではなく個人が尊重されるユートピアな世界を望む自分が居ると同時に、そんな夢物語などこの世に金輪際訪れぬと断言する自分が両立する。個々人は善人なのに何故集団になれば倫理から外れる問題から目を反らし無関係、無関心でいられるのか。そこには都会も田舎の閉塞性もない。ただか弱い人間が存在するだけなのだ。どの登場人物に心を寄せても良い。但し著者の描く人間の残虐性と理性と云う夢は忘れず、どんな年齢層の人々にも一度は手に取って頂きたい一冊だと私は思う。
「君とゆきて咲く~新選組青春録~」を観る為に復習。
若手男前俳優だけでなく殺陣も華麗らしいので楽しみ。30代以降の美青年、美中年、渋いオジサマ&オジイサマ好きの面食いなので若い20代に反応出来るか分かりませんが、殺陣には期待を寄せる元剣道部です。
「君とゆきて咲く~新選組青春録~」を観る為に復習。
若手男前俳優だけでなく殺陣も華麗らしいので楽しみ。30代以降の美青年、美中年、渋いオジサマ&オジイサマ好きの面食いなので若い20代に反応出来るか分かりませんが、殺陣には期待を寄せる元剣道部です。
小気味良いテンポにつられて一気読み。
舞台は江戸。歌舞伎演目中に死者が出る。それも耳穴から棒を突っ込まれた変死体が2体と続く怪事件。その謎を解くは鳥屋と元女形の凸凹コンビ。
歌舞伎の知識が零でも支障なしのエンタメ時代小説。とにかく読みやすいのが特徴。
小気味良いテンポにつられて一気読み。
舞台は江戸。歌舞伎演目中に死者が出る。それも耳穴から棒を突っ込まれた変死体が2体と続く怪事件。その謎を解くは鳥屋と元女形の凸凹コンビ。
歌舞伎の知識が零でも支障なしのエンタメ時代小説。とにかく読みやすいのが特徴。
区別とは何処から発生するのだろう。
人間の抱く自己を害される嫌悪感もどのラインから発生するのだろう。
世界とは。幸福とは。言葉、文化、歴史、境界線。問いは重いが純粋なローズの口調から悪意に染まりきらぬ人間の可能性も突き合わせた不思議な作品。
延長線上では正義や平和、法秩序など世界情勢も踏まえた真面目な議論も展開可能。物語としても大変面白いが、こうした延長線へ転じても人間の傲慢さへ視線を向け戒める機会にしても良書だろう。物語だけでも十分魅力的なキャラクターと出逢えるのは強い作品だ。
区別とは何処から発生するのだろう。
人間の抱く自己を害される嫌悪感もどのラインから発生するのだろう。
世界とは。幸福とは。言葉、文化、歴史、境界線。問いは重いが純粋なローズの口調から悪意に染まりきらぬ人間の可能性も突き合わせた不思議な作品。
延長線上では正義や平和、法秩序など世界情勢も踏まえた真面目な議論も展開可能。物語としても大変面白いが、こうした延長線へ転じても人間の傲慢さへ視線を向け戒める機会にしても良書だろう。物語だけでも十分魅力的なキャラクターと出逢えるのは強い作品だ。
10年以上の時を経ての再読。
登場人物たちの年齢から推し測るに、恐らく私の現在の年齢と著者が記した年齢がかなり近付いたのだろう。コメディなのだが味わい深い。コミカルなストーリーも楽しいが、救いのあるラストが待ち遠しくもある。再読して良かった。短編集。
10年以上の時を経ての再読。
登場人物たちの年齢から推し測るに、恐らく私の現在の年齢と著者が記した年齢がかなり近付いたのだろう。コメディなのだが味わい深い。コミカルなストーリーも楽しいが、救いのあるラストが待ち遠しくもある。再読して良かった。短編集。
「コメンテーター」を読んでから三度四度の再読。案外な事に伊良部のキャラクターが当初から変わっていない。
中でも携帯依存性の「フレンズ」が良かったなぁ。友達?いないよ、と応えられる大人になりました。無理はせぬが宜しかろう。
「コメンテーター」で伊良部シリーズを知った家人。早速キャスティングを始めたは良いものの、映画版松尾スズキ、ドラマ版阿部寛を越える最強カードを引き抜いて来ました。
若き日の西田敏行!
松山ケンイチ辺りどうだろうと思考したが、このキャスティングを越えられる俳優は一寸思い付かない。
「コメンテーター」を読んでから三度四度の再読。案外な事に伊良部のキャラクターが当初から変わっていない。
中でも携帯依存性の「フレンズ」が良かったなぁ。友達?いないよ、と応えられる大人になりました。無理はせぬが宜しかろう。
「コメンテーター」で伊良部シリーズを知った家人。早速キャスティングを始めたは良いものの、映画版松尾スズキ、ドラマ版阿部寛を越える最強カードを引き抜いて来ました。
若き日の西田敏行!
松山ケンイチ辺りどうだろうと思考したが、このキャスティングを越えられる俳優は一寸思い付かない。
映画がベルリン国際映画祭へ招かれたと耳にし、十数年振りの再読。段ボール箱を被って町中を徘徊する時点で奇異。そして贋箱男や看護婦との目まぐるしい遣り取り。いや、遣り取りはシンプルだが構成が躍動的でラストは置き去りにされる。読者置き去り小説であり、命題に至っては難題としか言い様のないテーマ。40年近く前に出版された当時はもう少し現代より監視の目も緩く生きやすかった筈だが、箱男にならざるを得ない程の窮屈さ。箱男になったからこその解放感や孤立感。理解するには至らぬが断片だけでも初読より触れたかな。
映画がベルリン国際映画祭へ招かれたと耳にし、十数年振りの再読。段ボール箱を被って町中を徘徊する時点で奇異。そして贋箱男や看護婦との目まぐるしい遣り取り。いや、遣り取りはシンプルだが構成が躍動的でラストは置き去りにされる。読者置き去り小説であり、命題に至っては難題としか言い様のないテーマ。40年近く前に出版された当時はもう少し現代より監視の目も緩く生きやすかった筈だが、箱男にならざるを得ない程の窮屈さ。箱男になったからこその解放感や孤立感。理解するには至らぬが断片だけでも初読より触れたかな。
物静かでいて情熱的。科学者でいて哲学者でもある。理想的なマチ先生に最期巡り会えたならば、患者としてなんと幸せな事だろう。人の幸せの在り方とは一葉ではない。
マチ先生より筆者である夏川先生の診察を受けたい読者は多いだろう。とても柔かな印象だ。
個人的な体験と持病が絡むが、精神的に病んで発狂して死ぬ事を前提においた生活をし過ぎたなと反省中。肉体的に衰え老いやつれてゆく自身の姿を想定していなかった点に猛烈な傲慢さを覚え恥じ入るばかり。次なる着目点と生活の改善に気付かされた一冊。いつまでも健康な訳じゃない。
物静かでいて情熱的。科学者でいて哲学者でもある。理想的なマチ先生に最期巡り会えたならば、患者としてなんと幸せな事だろう。人の幸せの在り方とは一葉ではない。
マチ先生より筆者である夏川先生の診察を受けたい読者は多いだろう。とても柔かな印象だ。
個人的な体験と持病が絡むが、精神的に病んで発狂して死ぬ事を前提においた生活をし過ぎたなと反省中。肉体的に衰え老いやつれてゆく自身の姿を想定していなかった点に猛烈な傲慢さを覚え恥じ入るばかり。次なる着目点と生活の改善に気付かされた一冊。いつまでも健康な訳じゃない。