「なあ」
「手、握んないでくれ」
「そんなに強く握っても、冷たくなるだけだぞ」
「もう、握り返せもしないんだ。」
「……彼氏失格だな」
「目の前にいるのに」
「こんなに近くで、お前が泣いてるのに」
「涙ひとつ、拭いてやれないなんて」
「……ごめん」
「花束、赤くなっちゃったな」
「渡したかったな、綺麗なままで」
「お前の呆れ顔見たかった」
「あのさ」
「ずっと、ちゃんと言えてなかったよな」
「……愛してる」
「最初から、ずっと愛してた」
「今さらなんて情けないよな」
「何の意味もない」
「ごめん」
「独りにして、ごめんな」
「なあ」
「手、握んないでくれ」
「そんなに強く握っても、冷たくなるだけだぞ」
「もう、握り返せもしないんだ。」
「……彼氏失格だな」
「目の前にいるのに」
「こんなに近くで、お前が泣いてるのに」
「涙ひとつ、拭いてやれないなんて」
「……ごめん」
「花束、赤くなっちゃったな」
「渡したかったな、綺麗なままで」
「お前の呆れ顔見たかった」
「あのさ」
「ずっと、ちゃんと言えてなかったよな」
「……愛してる」
「最初から、ずっと愛してた」
「今さらなんて情けないよな」
「何の意味もない」
「ごめん」
「独りにして、ごめんな」
「就職して離れてた三年間、頭の隅にはいつだってお前がいた」
「だから、ちゃんと伝えたくて」
「……あ、見えてきた。あの時計台」
「よかった、まだ誰の足跡もない。一番乗りだ」
「もうすぐ着くよ。」
「いた」
「本当に、来てくれたんだ」
「変わってないなあ。そのコートも、マフラーの巻き方も」
「……へへ、なんか緊張してきた」
「こっち!今手振ってる」
「……」
「どうしたんだよ」
「なんで、いきなり泣き崩れるんだよ」
「そんな顔しないでくれ。せっかく会えたのに」
「…あーあ、見つかっちゃったか」
「就職して離れてた三年間、頭の隅にはいつだってお前がいた」
「だから、ちゃんと伝えたくて」
「……あ、見えてきた。あの時計台」
「よかった、まだ誰の足跡もない。一番乗りだ」
「もうすぐ着くよ。」
「いた」
「本当に、来てくれたんだ」
「変わってないなあ。そのコートも、マフラーの巻き方も」
「……へへ、なんか緊張してきた」
「こっち!今手振ってる」
「……」
「どうしたんだよ」
「なんで、いきなり泣き崩れるんだよ」
「そんな顔しないでくれ。せっかく会えたのに」
「…あーあ、見つかっちゃったか」
「でさ、はじめて会った日のこと覚えてる?」
「新歓の飲み会のあと。二次会から抜け出して、二人で始発待ってた時だよ。」
「駅前のロータリーの地べたに座り込んでさ。化粧も崩れてボロボロで……『もう歩けなーい』って文句言ってたよな」
「本当、最悪だった」
「でも、明け方の青い光の中で、あくびして涙目になってるお前の横顔を見た時……俺、思ったんだ」
「こいつと生きていきたいなって」
「変だよな、綺麗な場所でも、特別な瞬間でもない。あのロータリーで、俺はどうしようもなくお前に惚れたんだ」
「でさ、はじめて会った日のこと覚えてる?」
「新歓の飲み会のあと。二次会から抜け出して、二人で始発待ってた時だよ。」
「駅前のロータリーの地べたに座り込んでさ。化粧も崩れてボロボロで……『もう歩けなーい』って文句言ってたよな」
「本当、最悪だった」
「でも、明け方の青い光の中で、あくびして涙目になってるお前の横顔を見た時……俺、思ったんだ」
「こいつと生きていきたいなって」
「変だよな、綺麗な場所でも、特別な瞬間でもない。あのロータリーで、俺はどうしようもなくお前に惚れたんだ」